詩と映画と日記

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アポカリプト



監督
メル・ギブソン

キャスト
ルディ・ヤングブラッド
(クロスカントリーの選手であり、ボクサーでもある)

他の出演者は、各地の先住民たち





メル.jpg
(メル・ギブソン監督)


木の葉が風に揺れて
野鳥の声がかん高く響く静かな森で
にんげんの獰猛さと残酷さが
もう厭ですと、目をつむりたいほど
見せつけられます

戦士1
(戦士)

人間が人間を狩りたてる
ホッと息をつく暇もないくらい
エキサイティングでスリリングな映画ですが
自然の景色や、躍動する人間の肉体が
とても美しくもあります

アポカリプト1
(ジャガー・パウ)

アメリカの映画なのに
全てのセリフがマヤ語で語られているので
アメリカでは英語の字幕で上映されたそうです

マヤの景色を目にしてマヤ語を聞きながら
観客はたやすく古代に導かれ
見たことのない世界に入っていきます

マヤ文明は滅びましたが
彼等のの子孫は今もメキシコと中央アメリカに
400万人近く暮しているそうです


マヤ王国
(マヤ王国の景色)

名前を知っている俳優は一人も居ないので
登場人物が演技をしているのではなく
まるで実在のひとたちを見ているようです

物語は
狩をして暮す平和な森の民のところへ
あるとき突然、刺青でからだを飾った
獰猛な戦士の群れが襲いかかります


囚われ.jpg
(闘争)


逃げ惑う男も女も子供も
容赦なく惨殺され、犯され、捕らえられて
家は焼かれました

主人公のジャガー・パウは、
辛うじて臨月の妻と息子を古井戸に隠し
自身は生贄にされるべく
棒に繋がれて捕虜として曳かれて行きます


母は強し
(古い井戸の中で臨月の母と息子)


捕虜.jpg
(捕虜たち)


「文明が征服される根本原因は内部からの崩壊である」
これが映画の始まりの言葉です

「恐れが破滅をもたらす」
主人公の父が息子に教え
苦しみの中でジャガー・パウが反芻した言葉です

「アポカリプト」 とは
新たな始まりという意味だそうです

成熟した文明が腐敗し始めて
活力を失ったらどのようになっていくのか

いま我々は、ある国の無謀を恐れる余り
恫喝されて判断を誤っていないでしょうか

この辺りに、メル・ギブソン監督のメッセージが
感じられるように思います

こんなリアリティな映画は
二度と観られないかもしれません
監督が心血を注いだ価値ある作品だと思います





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