4月30日に、〇葉コミュを通して知り合いとなったヤ〇ジャンさんが丹沢主脈縦走中に滑落事故で、この世を去りました。ご冥福をお祈り致します。
アタシが知ったのは月曜日の夕方、会長が電話で知らせてくれました。
その前の日曜日に、丹沢トレイルでご一緒したばかり。言葉を失いました。
親しい、という間柄ではありませんでしたが、丹沢トレイルでの記憶を綴りたいと思います。
小柄で素晴らしい、無駄のない筋肉の脚。
のまさんが尊敬していて、ヤ〇ジャンさん→鬼ジャンさんに変身する事。
かなり前から山を走り、山岳レースも最多完走していて、しかも恐ろしく速く、丹沢がすごく好きで、シロヤシオというお花について詳しい。
アタシにとっての、ヤ〇ジャンさんの基礎知識。
塔TTで同じ90分スタートで、「えー、ヤ〇ジャンさんは違いますよねぇ?(笑)」と言った。ヤ〇ジャンさんなら80分のレベルなはずだったから。
やっぱり着いていけなかったけど、中盤までは背中が見えていた。
後で聞いたら、80秒位の差だった。
その後は自由解散、アタシはどーしても塔の岳さんコースに行きたくて、覚悟を持って丹沢山へ。
ヤ〇ジャンさんが先頭で引っ張ってくれた。
丹沢山で宮ヶ瀬に降りる人もいたけど、アタシ、じーさん、と〇っちさんは塔の岳さんコースと決めていて、番長はとりあえずついて来る事になり、ヤ〇ジャンさんは蛭まで行って考える事になった。
「トレ〇ン王国、見ましたよ」と、ヤ〇ジャンさんから言われた。幾つか質問もされたっけ。
笑える質問もあって、ヤ〇ジャンの印象が少し変わったのを覚えてる。
蛭に着いて、ごはんを食べて、ヤ〇ジャンさんが写真を撮りましょうと、ハイカーさんにお願いして記念写真を撮った。
結局、ヤ〇ジャンさんも塔の岳さんコースで一緒に行く事になり、それからは鬼ジャンさんにスイッチオンで(笑)、おやまの下りではほぼ姿が見えなかったっけ。
でも姫次や分岐などでは必ず待っていてくれ、姫次でも写真を撮りましょう、と皆で写真を撮った。
速い人だけど、人とトレランするの嫌いじゃないんだなー、なんて勝手に思ったりもした。
焼山の展望台で、「丹沢すごーい☆」と大興奮なアタシに「丹沢は新緑の季節が、一番いいよね」と話してくれた。
丹沢マスター、誰かがのまさんとヤ〇ジャンさんをそう言ってた。
丹沢には塔の岳さんコースの他に、ヤ〇ジャンさんコースがあり、アタシは塔の岳さんコースを完走できたら、次はヤ〇ジャンさんコースに行こうと決めていたから、どんな事があってもゴールまで行きたかった。
最後の下りで転んでしまったと、山からロードになる手前でヤ〇ジャンさんが話してくれた。確かに、Tシャツが少し汚れていた。
最後のロードは怪我の傷口も開いたらしく、辛くて辛くて仕方なかったけど、遅れてもゆっくりでも行くと決めていたから、ヤ〇ジャンさんが見えなくて、待ってもらいもしたけど走ってついて行った。ゴールの橋本駅に着いて、アタシはヘロヘロだったのに、ヤ〇ジャンさんが何事もなかったかのように駅に向かう姿が流石だなーと思った。
電車の中でボッカの話になり、ヤ〇ジャンさんは腰が不安だからボッカは出ないんだと言っていた。アタシが4区だと話したら、大変だと言わんばかりの顔をした。
この夏はテントを持って縦走したいんだ、とじーさんやと〇っちさんと話していた。
夏山登山もするんだなーと。初めて知った。
ちっともモテないのだと言うアタシに「えり好みしてるのでは?」と笑いながら言っていた、ヤ〇ジャンさん。
今回のトレラン中、何度も大倉~山中湖トレランの話が飛び交っていた。けっこう、ヤ〇ジャンさんが乗り気でいたように思う。すごく楽しみにしてるんだなぁ、というのがハタで聞いていたアタシにも、よぉくわかった。
事故は、その途中で起きた。
お山は、怖いところだと自分ではよぉくわかっているつもりだった。でも、こうして仲間がお山で亡くなった今、自分の認識はまだまだ甘いというのを思い知らされた。
これでもアタシはビビりなので、トレランレースで死んだらどうしよう?とか、レースで家から出る途中に、死んで戻ってこれなかったら嫌だなぁとか、そんなネガティブな事をそれなりに考えていたりする。
だから、アタシはレースで全力を出し切れないでいる。怖いのだ、いろんな事が。
けれど、レースじゃなくても、練習でも登山でも、どんなに自分が気をつけていても避けられない、何かはあるのだと思い知らされた。自分の力じゃ、どうにもならない事。
それを、運命と呼ぶには変かもしれないけれど、いい事も悪い事も神様は平等にくれるのだ。
常にお山に行く度に、死というものを常に感じていなければいけないのかもしれない。下界にいたって、何があるかはわからないけれど、リスクは下界よりもお山の方が確実に大きい。
そう、お山は怖いのだ。
だけど、それでもアタシはお山に行こうと思います。
これからも、一人でも丹沢やアルプスに行こうと思います。
もちろん、危険なところへは一人では行きません。雪山なんて、とんでもない。それは、今まで通り。
怖いとわかっていても、どんだけ悲しくても、お花を届けに歩いた蛭までの道、辛くて辛くてどうしようもなかった、あの丹沢の山が、稜線が。
それでも、やっぱりアタシは好きだと思います。
一人でも、貧乏でお金がなくても、また悲しい出来事があったとして、もしかしたら自分がお山で同じような事に遭うかもしれなくても。
それでも、アタシはお山に行こうと思います。
お山で死にたいわけではありません。お山とともに、少しでも長く添いながら生きていきたい。
ヤ〇ジャンさんは、本当に本当に丹沢が好きだったんだと思います。
今はまだ悲しい思いが残っているけれど、丹沢をヤ〇ジャンさんが大好きだった場所、という記憶で留めておきたい。
アタシはそう思っています。
ヤ〇ジャンさんへ。
一緒に撮った写真は、何とか現像させてもらいたいと思います。
もうすぐ、シロヤシオが咲きますね。今年こそ、見に行きたいです。
そして、ヤ〇ジャンさんコース完走目指して頑張ります。
ヒルにはシーブリーズですよね(笑)
どうか、安らかにお眠りください。風となって、お山とご家族の元にありますように。
アタシもいつかきっと、大倉~山中湖に行ってみたいです。
ボッカも頑張ります。