人生復刻版

Apr 16, 2014
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学生でさえ立ち上がらない今の日本の状況を、
今更何も言うことはないけれど、
学生が悪政に抗議する正義感があった時代に、
僕は参加していなかった。
いちどだけデモに行ったけど、
なんかちがうなあと疎外感があった。
その頃の僕は、
ちょっとしたフランスかぶれで、
フランス研究会なる同好会を作った。
大学がくれた予算は
なんと6000円だった。
僕にとってのフランスは
個人主義、
つまり体制に流されない自立の生き方の国だった。 
でも当時の学生運動の推進者たちは
そんな僕らを白眼視して
ウヨクのように扱ってビラに載せて非難した。
同好会は、
数人しか居なかったけれど、
おまえはフランス人よりフランス的だと友人は揶揄した。
僕が卒業すると
同好会は蒸発した。
アルベールカミュが自動車事故で急死した時、
僕は初めて人の死を身内の死のように悼んだ。
最初に入った会社の終わりのころ、
僕はたまたまフランスの通販会社との提携問題を持っていた。
業界団体の視察団でその社にも行った時、
秘密裏にその幹部と会った。
マーケティング担当役員のセネシャルは言った。
どうしてこいうのを買わないのだ。
それはその通販会社の肌着だった。
僕は商品音痴だったから、
同行の現地駐在員に任せたけれど
彼もそれは選ばなかった。
すでにフランスの有名ブランドが入っていた。
デパートのマーチャンダイジングには馴染まなかった。
結局はその会社から20点ほどサンプルを買った。
そのうちのふたつは、
後日破談になったから実費で引き取って、
長年娘が愛用していた。
僕個人は
その会社が好きだった。
商品はあきらかに百貨店的じゃなかったけれど、
そのシステムとか
宣伝広告センスには
当時の日本ではまねできない域に達していた。
僕が居た百貨店では破談にしたけれど、
後年
通販専業大手が組んだ。
大型カタロクに毎号20ページほどの特集を組んでいた。
その通販大手には
僕はそれはいいと思った。
でも、
数年で消えてしまった。
日本人はブランド志向だし、
記号で買うところがある。
無理ないかもと思った。
そして今は
もうそんなことしなくていい。
ネットで 買えばいいからだ。
フランスセンスは 
今僕のデスクの2メートル四方には
昨日届いた時計のほかにも
ふたつある。
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Last updated  Apr 16, 2014 09:40:24 PM コメント(2) | コメントを書く


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