ひよっこ青年、過去の傷 ―Part.1―

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成長のキセキ・２おしり編

October 12, 2008

ぼろぼろ涙を流していると、

突然、サイレントバイブ設定の電話が、震えた。

『………………はい』

ベッドに横たわったまま、電話に出た。

動けない。

『起きました？……大丈夫ですか!?』

　ねぇ私、昨夜どうしたの？

　私、どうやって帰ったの？』

はぁ――――――っ、と、

ミナミくんは、深くて豪快なため息をついた。

『俺、酔っぱらって歩けなくなった人、初めて見ましたよ…………』

え

ミナミくんは、コトの一部始終、全部話してくれた。

カラオケで歌いまくってるうちに、私はウーロンハイを何杯か飲んで、

急にケラケラ笑い出したんだと言う。

その上、いざカラオケを出るとなったら、まっすぐ歩けなかったために、

とりあえずミナミくんがおぶってくれたらしい。

『大丈夫だもん』『酔ってなぁぁぁい』を繰り返したんだとか。

あぁもうこれどうしようもない、そう判断したミナミくんは、

明日大事な用があるとしくんを帰らせ、タクシーを使ったと言う。

『気持ち、悪い～』

『ぇえっ!?』

その激しい吐きように、側を歩いていた通りすがりのお兄さんが、

お茶を買ってきてくれるほどだったとか……………

ただ、ちゃんと自分でマンションの住所を話していたらしく、

無事に着くことは出来たんだそうな。

とりあえず一度またタクシーを降りて、玄関まで連れていき、

部屋に入ったことを確認したミナミくんは。

エントランスに待たせたタクシーにもう一度乗り、

うちの最寄り駅で降りて、帰ったのだと言う……………

『…………みないさん。

　酒よえぇ………………』

がーん……………

わーもう最悪だ…………

覚えてねぇぇ～………………

『で。

　お願いがあるんです。』

『へ…？』

『タクシー代、半分払ってほしいんです』

『そ、それはもちろん………ごめんなさい………』

『今日の午後………

　南与野まで、来られますか？』

『えっ!?』

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