◇◇◇談話室・北極圏◇◇◇

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雑記

【物理学/宇宙物理学】【雑記】



【2009.01.01 - 真珠母雲】

写真は、2005年11月15日に研究所の屋上から撮った「真珠母雲」です。こんなに早い時期に真珠母雲が見えていたことをすっかり忘れていました。

mpm_2005_11_15





【2008.09.25 - 太陽活動と気候変動の関係】

結論から言うと、 よく分かっていません 。よく分かっていないので、気候変動を引き起こす要因の一つとして、太陽活動もちゃんとモニタリングしようという動きはあり、それをサポートする研究助成金もつけようという動きが出ているのが現状です。

出典をちゃんと確認していないのですが、以前、 宇宙線変動と気候変動には相関がある と発表した研究者がいたようです。これには様々な反応があったらしいです。その後、どういう方向に議論がいっているか知りませんが、 宇宙線(フラックス)変動→地球気候変動 は、絶対に1対1の相関ではなく、2つの事象に本当に相関がある場合でも、 複数のプロセスを経て 関連してくるものだと思われます。ところで、複数のプロセスを経た場合に、詳しい数学的手法は分かりませんが、直感的に、 相関なんて出せるの? という疑問はあります。

今日、職場のセミナーで、 太陽風擾乱に見られるマルチ・フラクタル構造 のタイトル(但し、原題は英語だし、セミナーももちろん英語です)で、英国からいらした理論物理屋さんの話がありましたが、 太陽風擾乱(ただしくは、太陽風と言う電磁流体)の中に、コルモゴロヴの分散則+マルチ・フラクタル次元があると言うのは分かったけど、私個人的には、『太陽風擾乱が吹き出し領域起源依存なのかどうか?』の方に大いに興味があったところを、肩透かしを喰らった感じ でなんかすっきりしないまま聞き終えた感じです。

いつも感じていることなのですが、理論物理屋さんって、結局、『物理という隠れ蓑・エクスキューズを盾に、数学で遊んでいる人達』なんだよなぁ~

・・・本題から逸れてしまいましたが、気候変動までいかなくても、太陽活動・太陽風条件が与える磁気圏プラズマの動態変化は かなり直接的 なので、例えば、地球起源のプラズマイオン( 酸素原子イオン とか)の分布をチェックすることは結構意義のあることだと思っています。

酸素原子イオン(O+)は、結局、二酸化炭素(CO2)にも、水蒸気(H2O)にも、そしてオゾン(O3)にも関わってくるものなので、まだまだ間接的ですが、地球大気、強いては、地球気候に関わってくるわけですから。




【2008.09.09-LHCの目指すもの】

9月10日から、 LHC(Large Hadron Collider、大型ハドロン衝突器) が稼働するらしいです。

LHCはスイス・ジュネーブにある国際研究機関CERNに作られた 素粒子実験 用の円形の陽子(proton)加速・衝突器です。


LHC_design

LHCは地下に建設されています。陽子のシンクロトン放射と言う「放射線」はバカにできないくらい人体に危険ですから・・・。(図はLHCのホームページより借用)


私が日頃から扱っているプラズマ粒子のエネルギーが keV = kilo electron volt (10^3 eV) で、CERN/LHCで作られる高エネルギー陽子は 7TeV = 7 tera electron volt (10^12 eV) なので、エネルギーのオーダー(桁)の違いが 10の9乗 もある話です。

ウィキペディアの説明文を読むと、LHC(ハード)を使った実験(ソフト)はいくつかあるようですが、私が注目したいのは、 LHCf=LHC-forward と言う実験。

最近、 PeV = peta electron volt (10^15 eV) から超・高エネルギー(として、観測をベースに再計算された値)が 10^21 eV (1 ZeV, 1 zetta electron volt) までを検出する 宇宙線検出実験(正確には、観測、となります) がいくつかありますが、とにかく、 TeVレベルのエネルギーを持つ宇宙線が、地球大気圏に入ってきて大気と反応した時の 反応分布を実験的に調べよう とする 実験が、LHCfのようです。

先日書いた 暗黒物質 の候補である、いくつかの 素粒子 もみつけられたら、というのがLHC実験の 野望 のようです。

私は、高エネルギー粒子物理学(≒素粒子物理学)をやめて、宇宙プラズマ物理学に移ってきた人間ですが、今でも、 宇宙線(と、その物理)は大好き なので、LHC実験の全般には興味はありませんが、LHCfにはちょっと興味が惹かれます。

物理の話なので、今後も動向・経過に注目していくつもりです。



【2008.09.03-Space Physicsと宇宙物理の違い】

このタイトルそのものではありませんが、 記事はこちらから



【2008.06.06-EISCAT(アイスキャット、本部:キルナ)】

記事はこちらから



【2008.03.05-宇宙物理学が目指すもの】

「今日一日は、家で安静にしておくこと」と夫から、ドクターストップ(Ph.Dだけどドクターには違いない)がかかったので、今日も仕事を休んでいます。

仕事していないと、どうも色んな考えや思いが頭の中を駆けめぐり、体は休息していても頭は仕事モードでないモードでフル回転するものなのですよねぇ~。研究者の性なのか、こういう質なのか。。。

論文を書き始めているので、論文の主題(テーマ)に関係のある過去研究をまとめ、それがどう本論文のテーマに関わっていくかを示す部分=イントロの構成をチェックするため、過去研究の論文を今読み返しています。まぁ、仕事が出来ないときのいい副業ではあります。

ただ、イントロを書くだけでなく、過去研究と自分の研究の関連・接点、そしてその先にある次なるテーマを考えるのも、私の場合、ここでのプロセスに含めています。

Long-term perspective(長期的視野、とでもいいますか)で自分の研究の方向性を考えるのは楽しいです。ただ、ここで注意しなければならないのは、私の場合、いつも「研究=物理」でない点です。

「宇宙物理」は宇宙に関する物理学の総称であって、素粒子物理学との接点が強い高エネルギー天体・宇宙線物理学も、私がやっている地球磁気圏近傍の宇宙プラズマ物理学も「宇宙物理学」。
要は、宇宙物理学は一種の応用物理学であって、既存の物理法則に立脚して成り立つ物理学であります。従って、既存の物理法則に合わない現象や新しい物理法則が出てくることは原理的にいったらあり得ません。だから、beyond the law in physicsに当たったら、まず、ノーベル賞は確実でしょう。
現実、(明に)宇宙物理でノーベル賞が出たことは、1970年のハンネス・アルヴェーン(Hannes Alfve'n、電磁流体力学の創始)くらいなのです。

ただ、観測・測定を支える科学技術の進歩で、宇宙物理の「観測・測定科学」としての一面は飛躍的な発展を遂げています。

私は今、自分の研究テーマの一つである「地球電離圏起源の酸素イオン(宇宙プラズマ)」の「熱圏における物理・化学過程」が気になっています。それは、熱圏(高度100~1000kmで電離圏と重なる領域)が実は技術的に観測・測定の難しい領域であって、電離圏を経て磁気圏まで到達しそうな酸素イオンが熱圏でどういう風になっているかは全然分からないのです。インプット領域である100km付近と、アウトプット領域である1000km付近の観測・測定はあるのですが、その間は完全に『ブラックボックス』。

最近、10年ぶりの宇宙飛行士募集のことを知って、「ISSIの日本実験モジュール<きぼう>を使えば、in-situで高度500kmの観測は出来るんだなぁ~」と考えたら、思い切って宇宙飛行士に応募して宇宙飛行士兼実験研究者になろうかな~と思っているところです。



【2008.03.01-阻むもの】

ここに書き込むのは約1年ぶりです。
最近、富に、自分の「研究者としての」将来を考えます。

私は、大学院修士課程まではずっとストレートにきましたが、そこから、会社勤務を経験したり、ストレートに来た場合より8年余計に遠回りして学位を取得したので、自分に資質があってずっとストレートで来ていたとしたら准教授クラスになっていてもおかしくない年齢であります。

しかも、Ph.Dコース在学中に一人目、そしてポスドクを始めたばかりで二人目を妊娠・出産・育児していたので、実質のポスドク期間はここまで10ヶ月。
10ヶ月ーあきらかに、研究者としては「駆け出し」の部類ですが、年齢を考えたらあまり駆け出しとは言ってられない。。。

スウェーデンにいた頃は、40代でも充分若手と言えたのに、日本に来た途端、アカデミックにおける「年齢制限」が本当にあちこちで目につくから、さすがに自分の年齢のことが気になってしょうがないです。

自分の、物理屋としての才能、研究者としての資質が、それほど酷いものだとは思っていませんが、ただ、これからずっとアカデミックでやっていけるかと自問してみると、日本では明らかに「NO」です。スウェーデンに戻ったところで本質的に変わる訳ではないのですが、かの国の方が、年齢的なことに関してはおおらかなので、今後はやっぱりスウェーデンで研究を続けていきたいです。

それにしても、どうして、日本のアカデミックって「年齢」のことを気にしすぎるのかしら???



【2007.03.28-私の野望】

今朝、夫が出かける時に欲しい文献(のコピー)を記した紙切れを渡しました(今日の夫は研究所で仕事!)。でも、なかなか「ウォームアップ」って進まないんですよねぇ~。

そろそろ、(スウェーデンでの)来年度の研究助成金申請の申請書(=研究計画書)を書かなければならないし、その前に、共同研究者から「早く論文出そうよ~」と突つかれているので、ドラフトを完成しなきゃならないし。。。片付けもある、引っ越しもある、あー、あれもこれも!!!・・・で、結局今はここに逃避。

あと、30分もしたら娘の迎えに行かなければならないし・・・(@13:00)

そう、それはそうと、「物理」。最近、あるミクシィのコミュニティで聞いた話。 地球の磁気圏と電離圏(層)と、太陽のコロナと彩層は、いろんな意味でアナロジーがあるらしいです。太陽フレアがコロナと彩層の「繋ぎ」の鍵になっているというアナロジーは、磁気圏と電離層の「繋ぎ」である「オーロラ」のそれに匹敵するそうです が。私は太陽物理はよく知らないので、もっとお勉強しなければなりませんが、これからやる magnetosphere-ionosphere coupling(磁気圏電離圏カップリング)が(双方の)「促進剤」になりそうで、あー、研究するのが楽しみ!

それにしても、物理という学問の対象の「階層性(さらに「組織化」につながる)」「類似性」には改めて魅了されます。素粒子物理が目指す「統一理論」もいいけれど、私は今やっている宇宙プラズマ物理で「階層化・組織化理論」の方に断然興味があります。ハイゼンベルグの原理では、観測対象の「物理」は観測者(装置)が創発する、となっていますが、それらを超えていつか、「階層化・組織化」の法則を見つけたいものです。



【2007.03.14-「物理学の未来」】

最近、(添い寝での)授乳中に「物理学の未来」と言う本を読んでいます( ←読書姿勢が既に"いい加減"ですねぇ~^^; )。あと、時間を見つけては論文をまた読み始めています。

どちらも遅々としたものですが、仕事を再開する「ウォームアップ」にはまぁ悪くないなぁ~、って感じです。

本の方は、原著者(ノベール物理学賞受賞者)のこと、正直記憶にないです。が、(本の)内容は難しいのですが、『 組織化 』のことを扱っていて非常に興味深いです。自分の研究対象は地球磁気圏のプラズマ(特に地球起源の酸素原子イオン)ですが、プラズマ物理的なスケールで言えば「 メソ(中間)スケール 」の物理を扱っています。ただ、最近はそのメソスケール現象を作る「 ミクロスケール 」のプラズマ物理( =実験室プラズマ物理 、とほぼ同意語)に興味を持っていて近い将来はミクロスケール・宇宙プラズマの数値モデルに取り組もうと考えています。

一方、天体物理学(astrophysical)スケール、即ち、「 マクロスケール 」のプラズマ物理( =観測的・理論的の両天体プラズマ物理 、と同意語)にも元々興味あるので、当然、 MHD(magneto hydro dynamics、電磁流体力学) にも取り組みたいとも思っている訳であります。

本の話に戻って、『組織化』とは各スケールでそのスケールの現象を統べる法則が変わってくる、或は、ミクロ/メソスケールなイヴェントが集まって、それをマクロスケールの視点で見ると「別の法則」が適応される(あるいは適応されるように見える)、と言うことです。
現研究対象をこのまま突き詰めていくと、どうしてもミクロなプラズマ物理に向かっていきますが、天体プラズマもどうしてもやってみたい・・・。私の中の「組織化」は果してうまくいくか。。。

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