小村和也の建築家日記

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カテゴリ: カテゴリ未分類
 空間の主役は「光と陰」

 現在手がけている二つの住宅からは、私が設計したにもかかわらず、逆に多くの
ことを学び取っているように感じている。

ひとつは度々登場する和多見の築100年の商家だ。
昨日も書いたが、はじめて足を踏み入れたときえもいえぬ感動に包まれたのだが、
もちろん梁や柱の存在が大きく迫ってきたことによるものだが、しかしその空間は
薄暗く、入口から入ってくる光でようやく映し出されているような状況だった。
床を抜き吹き抜けにしよう!と言ったときには、さすがのクライアント(施主)も
驚いたことだろう。私が感じたこの建物のテーマは間違いなく「光」だった。

残しつつ、ほどよい明るさを体感できる場所となりつつある。

「光は陰がなければ光と感じない」とは、かのルイス・カーンの言ったことだが、図ら
ずも、そのことが体現できるプロジェクトになろうとしている。

今ひとつは、「比津の家」だ。
来月末の竣工を目指してこつこつと工事は進んでいる。
外壁はラスモルタル塗りジョリパット仕上げなのだが、全面目地なし仕上げで行なう
ため、左官と塗装のまさしく腕の見せ所だ。従って充分に乾きの時間を取りながら
左官下地が行なわれている。目地なしにするためには野地板から工夫しなければな
らないし、大工も通常とは違うの張り方をした。目地をやめただけで、木材、大工、
左官、塗装と、4職種の連携で慎重に進められている。外からみても分からないこ
とだが、これこそプロジェクト方式のなせる技であろう。

ともにラスモルタル下地をしているところがひとつもなかったことだ。耐水ボードの
ようなものに直接ジョリパットで仕上げている。・・・そのような邪道は私のプライ
ドが許さない。

この比津の家の特徴は、内部に光庭(中庭)を内包していることだ。
リビングの南側の窓はあえてごく限られたものしかつけていない。ほとんどの光は

踏み入れても感動的に感じるものだ。南側からアプローチして光庭に入っていくの
だが、正面の、つまり北側の1階の屋根部分がルーフバルコニーになっており、真上
を見上げなくても少し目線を上げただけでスカイラインが視界に入ってくる。
住宅の中にスカイブルーの自然色が溶け込む。この光庭空間は四季の自然を感じる
場所となるだろう。そしてその主役は「光」であることを感じることだろう。

私は、江戸時代以前に建てられた伽藍(がらん)に度々足を向ける。京都あたりは
どれほど通ったか覚えていないくらいだ。金閣寺より銀閣寺に哲学的芸術的なものを
感じ、幾度となく訪れた。最近建てられた寺院では、安藤忠雄の愛媛県西条市の
南岳山光明寺や淡路島の本福寺水御堂にも度々訪問している。なぜ魅力を感じるの
か・・・やはり「光」の存在を感じ取れる場所だからだ。明と暗の明快なコントラス
トではなく、いわば日本的な、どこが切れ目か分からないように自然に移り変わって
いく光の可変性に自然の妙を感じるからなのではないだろうか。

光明寺2
        南岳山光明寺  設計:安藤忠雄

水御堂2
        本福寺水御堂  設計:安藤忠雄

安藤作品でも、大阪茨木市の光の教会は、どちらかと言うとメリハリの利いた明暗
であるように感じている。洋と和の違いが如実に現れたものなのか。

光の教会
        大阪茨木市 光の教会  設計:安藤忠雄


今までは、体験として感じ取っていた「光」が、私自身の作品の中で偶然かもしれない
がこの二つの住まいにおいて意識する存在となった。

先日も足を向けた直島の地中美術館の10m以上にもなる吹き抜けは、天井(屋根)
が切り抜かれ、きれいな四角のスカイラインとなっていた。どこかで見たことがある
と感じていたのだが、今から25年前に私が設計した幸町の集合住宅の建物内部に、
およそ12mの吹き抜け空間をつくったのだが、そこにあるスカイラインと同じもの
だった。直島の地中美術館と松江市の集合住宅、どちらも同じ空を見た。

かのパンテオンのドームの突端の円い開口からみえる空も同じ空だ。


幸町2
      幸町の集合住宅  設計:コムース





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Last updated  2005/03/13 04:47:22 PM
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