狩猟・釣り・千太郎の部屋

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2005.07.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ここ数日、テレビのニュース番組や新聞の紙面では、北海道知床半島の「世界自然遺産」登録について、大々的に報じられている。

しかし、今回の知床半島における世界自然遺産登録についてちょっと気になることがひとつある。
それは、流氷と共に知床にやってくる海獣「トド」と、スケソウダラ漁を生業にしている地元漁民との問題である。
冬の季節になると、トドはスケソウダラの群れを追って知床半島へやってくる。ちょうどその頃は漁師にとってもスケソウダラ漁の最盛期で、海岸沿いに刺し網を張るのだが、スケソウダラを追ったトドがその網を破ってしまったり、1日に何トンものスケソウダラを捕食してしまい、漁民は年間数億円もの損害を被っている。つまり、地元漁民からすればトドの来襲は大きな脅威であり、トドは「招かれざる客」なのである。
そこで登場するのが、地元猟友会を中心とした「有害鳥獣駆除」を行う「トド撃ちハンター」なのだが、今回の世界自然遺産登録をキッカケに、「動物愛護団体」などとの摩擦がいっそう激しさを増しているようである。
昨夜もテレビのニュース番組でこの問題を取り上げていたようだが、(僕はその番組は見なかったが・・・)他のマスコミも含め様々な報道を見ると、結局スケソウダラ漁で日々の生活の糧を得ている「漁民保護」か、動物愛護の見地から「トドの保護」をするかで意見は真っ二つに分かれ、地元の自治体や漁協なども今後の対応と対策に苦慮しているらしい。
近年、トドの個体数がかなり減少しているということから、トドは希少生物として扱われ始めている。また、スケソウダラも年々漁獲高は減少の一途を辿り、ついには廃業に追い込まれている地元漁民も出始めているとのことである。
トドの個体数減少が、即「有害鳥獣駆除」によるものなのか、スケソウダラの漁獲高減少が、乱獲やトドによる捕食が直結しているものなのかは、研究者の間でもいろいろな議論があるようだが、少なくてもそれら全てが複雑に絡み合っていることだけは否めない事実であると思える。

そうでなければ、日本だけで個体数の調整や捕獲制限を行っても、それは全く無意味だという感がしてならない。
前にも書いたが、鹿や猪、熊の問題についてもしかりで、近年、天敵や狩猟者の減少で鹿や猪の生息数が増加の一途を辿り、その結果、山は荒れ農業被害も年々拡大している。また、昨年のように熊が人里に降りて来て、人を襲うという事故も増えてきている。
そういう事故が発生すると必ず動物保護を訴える立場の人たちは、「生きて捕獲し、別の山へ帰せばよい」と言うが、これでは「モグラタタキ」と同じで、問題の解決にはならない。
動物というのは、一度、豊富な餌場を覚えると、多少の危険を冒しても必ず再びその場所へ戻ってくるのだ。
逆に人間に苛められたという記憶から生じる警戒心と、人間に対する恐怖心から自己防衛本能が働くことで凶暴化し人間に対し危害を加え、結果として「有害鳥獣」として扱われる。
それをハンターが駆除すれば「残酷だ!」「命を軽視している」と批難を浴びせる。つい最近も神奈川県の一部が地元住民の運動により「狩猟禁止」となったが、すでに農地への猪被害が出始め、被害を受けた農家は頭を抱えているらしい。
知床のトドと漁民との関係、鹿や猪と農民との関係。難しい問題だ。
「自然界と人間社会との共存共栄」を如何に模索していくか・・・・
今回の知床半島世界自然遺産登録をキッカケに、皆でこの問題を考えてもらいたい。
尚、「知床のトド猟」に関しては、作家「甲斐崎圭さん」の著書、「羅臼・知床の人々・・マガジンハウス1994年発行」「ネイチャリング紀行・北へ!・・コスモヒルズ1990年発行」に詳しく書かれている。





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最終更新日  2005.07.16 12:26:28
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