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さらに人件費の高騰などから、茶価がうなぎ登りになっていきます。
需要縮小と仕入れ価格の高騰。さらには元高と経営圧迫要因だらけ。
結果、中国茶専門店の数は、2006年を境に減少に転じていきます。
まさに”冬の時代”が到来したのです。
一過性かと思われていた反日デモは、2012年にも大規模に再発。
冬の時代は現在(2015年)に至るまで、随分長く続いています。
<現地でプロフェッショナルに学び始める人々>
こんな冬の時代へ突入していたのではありますが、一方で新しい動きも出ていました。
一つは日本国内で得られる二次情報に飽き足らず、実際に現地へ行って確かめる人たちが出てきていました。
中には、現地に住み込んで、茶商や茶農家に弟子入りするような格好で、現地のお茶を学んだ人たちもいます。
初期の頃でいえば、 焙茶工房しゃおしゃん
の前田さんだったり、 台湾茶ドットネット
の大倉さん。
比較的最近では、台湾茶の卸を行っている TeaBridge
の浦山さん、 オリエンタリズムジャパン
の渡邊さんなど。
大陸へ渡った方でいえば、 プーアール茶.com
のふじもとさんだったり、上海で中国茶専門店を立ち上げるという希有な経験をされている Private Tea Salon yu:yu
の上海小町さんなど。
在住というわけではなくとも、頻繁に現地を訪れている方としては、 Tea Salon Xingfu
の今野さんなど。
いわば本場のプロの中で揉まれてきた、本格派の人たちが出てきています。
こうした方々はネットショップやメルマガ、ブログ、教室、製茶の指導などで情報を発信されています。
様々な形で、少しずつ日本国内にも新しい情報がもたらされるようになってきました。
<中国の国家資格講座の整備>
日本国内では2005年ぐらいからだと思いますが、中国の国家資格である茶芸師や評茶員資格を取得できるコースが、各団体によって始まりました。
これらの2つの資格は、そもそもは中国の労働資格です。
茶芸師は茶館で働く従業員の教育のため、評茶員は生産者や流通業者にお茶の鑑定技術を教育するための資格でした。
そのような出自から、当初は「日本人が取っても意味の無い資格」「また資格ビジネスか…」と冷ややかな見方も多かったのです。
が、回数を繰り返していくうちに、中国側の指導カリキュラムがどんどん洗練されていきました。
このカリキュラムのエッセンスが、一部の中国茶教室の指導内容に少しずつ反映されるようになります。
評茶員に関していえば、お茶の成分などの科学的な説明を、分かりやすい形で整理して伝えてくれるようになりました。
さらに各資格の公認テキストなどが登場することで、「知っておくべきこと」が整理・体系化されてきています。
これまでは、指導する講師が保有する知識の範囲内でカリキュラムを組み立てていました。
ですので、何が大切なのか・何を教えるべきなのかは、講師の匙加減次第の面がありました。
当然、自分の苦手分野は避け、得意分野に偏ることもあるでしょう。
公認テキストの出現で、こうした問題が解決され、ある程度、平準化されたのです。
特にインパクトが大きいのが、評茶員講座の中にある、お茶の科学的な説明の部分です。
これまでの日本の中国茶研究者・講師は文化系出身者が多く、どうしても文化や歴史に偏った説明になりがちでした。
しかし、例えば、同じ嗜好品であるワインなどの教本や少し気の利いた入門書を見てみましょう。
必ずブドウに含まれる成分が出て来て、それが発酵など各工程でどう変わって、結果、味や香りにどのような影響を与えるか、ということの説明がなされます。
そこを知識としてきちんと押さえておかないと、ちゃんとしたワインの解説はできないので、科学面というのは本来は外せない項目なんですよね。
これはワインだけでは無く、日本茶インストラクターの教本でも、お茶の科学的な面については、よく解説されています(ただし、発酵茶に関しては不十分です)。
これが少しずつ変わりつつあるのは良い兆候だと思います。
続く。
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