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■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第21回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第21回■ビブラフオーン・コンテストの日がやってきた。空は天頂まで晴れ上っている。大教界に、その日移動して来ていた移動宮殿フォトン、そのまわりに仮設された舞台には、ひとだかりができていた。 「デルガ、デルガ」と大導師デルガをたたえる声が、渓谷にある大教界の壁に反響し、段々と大きくなっていく。「どうだな。私の人気の程は?」デルガが、となりにいる道化師マリクに聞く。デルガはこころなしか疲れているようだった。「宣伝が効いたようです。これで、このビブラフオーンコンテストが成功すれば、デルガ様の導師としての地位は磐石たるものになるでしょう」「ふふ、君もそう思うか、朕もそう思うぞ。かわゆいい事をいうのを、道化師マリク、君の地位も朕に相応して同じく磐石となろう」「ありがとうございます、デルガ大導師。未来への階段が今そこにございます。どうぞ、のぼらせたまえ」「それでは、愚民なるゴルゴダシテイの民ばらの前に我姿をあらわそうぞ」フオトンの壁の一部が開き、仮説コンテスト会場に階段がつながっていく。観客のどよめきがおこる。デルガは、舞台バルコニーに身を乗り出し、群衆にむかってはなした。 「ゴルゴダシテイの賢人諸君、よく集まってくれました。ここ、聖なる「大赦界」渓谷の場所を借りて、私神のご加護を受けた「ゴルゴダシテイ」聖なる大導師、デルガはゴルゴダシテイの賢人を代表してビブラフォーンコンテヌトの開催を宣言するものである。賢人諸君楽しまれよ。ビブラフォーンの神なる調べを聴き、こよいのひととき、酔いしれられよ」 拍手が小さくおこり、それは拍手の嵐となり渓谷に響き渡る。ビブラフォーンに対するゴルゴダシテイ住民の期待が、極度に大きいのだ。デルガは続けた。「今年も、多くのビブラフォーンプレイヤーが、他の都市から我々ゴルゴダシテイのために参加してきてくれている。我々ゴルゴダシティの人間を楽しませてくれるために、はるばる参加してくれたのだ。感謝とねぎらいの拍手を、彼らに与えられよ」 拍手が一段と大きくなる。フオトンから壁が舞台へせり出してくる。昆虫の標本箱の大型に見える。しかしそれは、プレイヤー達が壁に虫ピンでとめられたようにとりついている。そんな壁が、舞台の上に迫りよってきた。 もちろん、ジェイもいた。その他の多くのプレイヤーは、デルガが命令したプレイヤー狩りでつかまった人達なのだ。バイブレーターの「ハーン」、ハートブレーカーの「ムスカ」、クラッシャーの「プラス」の3人組の姿もその中にあった。 観客たちも、もちろんビブラフォーンのプレイヤー達全員が喜んで、プレイするとは思ってはいない、「ブレイヤー狩り」の事は知っていた。知っていなから、自分達がプレイヤーにならなかった安堵感もあり、よけいにビブラフォーンが作りあげる「感覚世界」への期待に胸おどらせている。歓喜の声が、ビブラフォーン演奏の前からあちこちで上がり始める。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月21日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第20回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第20回■「導師デルガ、こちらがプレイヤーのジェイです」「ジェイ、こちらがビブラフォーンコンテストのブロデューサーの導師デルガです」 「どうも、初めまして導師」ジェイはデルガと握手をしながら、デルガの顔に見覚えがあると思った。どこだ。どこであったのか。一方、デルガの方もジェイの顔に既視感があった。お互いに少しの問見つめあっている。 「ジェイ、あなたとはかつてお会いしたことかありましたかな」導師はそう口を開いた。「いえ、これが初めてだと思いますが」「それはそれは、失礼しました。私の間違いでしょう。ところで、プロのプレイヤーの方が、ちょうど我々のゴルゴダシティに、来ておられろという事はとてもうれしい事です」マリクが言った。「それじゃ、ジェイ。ビブラフォーンの演奏曲を指定していいでしょうか」「曲目は、「ハルフォードの稲妻」をお願いしたいのです」デルガが言う。「ハルフォードの稲妻」は演奏が禁じられた曲になっていて、悪魔が生まれ出るという曲のはずです」マリクが反対した、 「かまわない。悪曳どもが出現するだと、面白いではないか」 「わかりました」 マリクは、陰でほくそ笑んでいた。「それじゃ、キーワードはハルフォードの稲妻の第2楽章としよう。それが弾かれ始めたらおもしろい事がおこるぞ。「マリク」 考え込んでいるマリクにデルガが声をかけた。 「ブレイヤー狩りの方はどうだ」 「かなり集まってきています」「それしゃ、ビブラフォーンコンテストの前人気をあおってくれ」「わかりました。導師」あいかわらず、マリクは笑っていた。「それから、マリク、ジェイを一番良い部屋にお泊めして、お世話をしてくれ」「わかりました」 マリクは従順だ。「それでは。ジェイ、コンテストの日に又お会いしましょう。何かとご不便をおかけしますが、、このマリクに言いつけて下さい」「わかりました導師」ジェイは答えた。 二人の会見は終った。デルガは、ジェイはビブラフォーンの日に死んでしまうに渥いないと思った。しかし、あの顔はどこかで見た記憶が払拭できない。何の考えもなく、デルガは大数界の壁を見た。そうか、くぞっ、わかった。頭がくらくらとした。倒れそうになる。そばのモーターが、かかえてくれなければ、倒れていたところだ。何という事だ。そうか。そうだったのか。デルガは冷汗を流し始めていた。そして罪の意識がおいてくる。「私の世界も終るかちしれん」デルガは、独りごちた。「何か、おっしゃいましたか」他の道化師が尋ねた。「いや、何でもない。私を一人にしておいてくれ」デルガは、その日から、コンテストの日まで個室にこもり続けた。一方、・マリクは、ジェイを個室に案内してから、7‐リソンを呼んだ。 アリソンはマリクの命令を受けて、モーターの動きを統禦している男に会いに行く。「もうすぐ、ここは私の世界になる」マリクも独りごちた。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月20日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第19回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第19回■-「マリク、出てこい」とハーン。「隠れるな、卑怯だぞ」ムスカも叫ぶ。「マリク、我々が恐くて、姿を現わせないのか」ブラスが笑いながら言った。「ばかものども、きさま達が恐ろしいだと笑わせるな、青二才共。きさま達がこわくて道化師が務まるか」空からマリクの声がする。上空から電磁アミが急降下してきた。アミは三人の体をすっぽり納めてしまう。「くそっ、これは何だ」 ハーンが言う。上空にはモーター達がいてマリクの命じられたとおり、プレイヤー狩りをしていたのだ。三人の体は上空へと持ち上げられる。「だせ、だすんだ」「うるさい奴らだ。そのアミはお前たちの起能力を発揮するのを防ぐ。いくら叫んでもむだだ。おい、気絶させろ」電磁アミは帯磁した。一瞬、三人は気絶する。「そやつらは、フォトンの収容房へ遂んでおけ」モーター達は命令通り、三人を上空へつりあげ、飛んでいった。そして、マリクは、この間傍観していたジェイの方を向いた。「お待たせしたな。ジェイ・ポラード、君がこのゴルゴダシティに実体化するのを心待にしてよ。さあ我々に力を見せてくれ」「君は何者だ。そして力とは」「これは失礼した。私は移動宮殿フォトンに属している道化師のマリクだ。この町の支配者のナンバー2と考えてくれていい。さあ私の前で君の力を見せてくれ」「一体、何のことかわからん」「冗談はやめてくれ、ジェイ・ポラード。その男は神の手を持ち、我々を新世界へ導いてくれる男のはずだ」 ジェイは答えようがなかった。ジェイはゴルゴダシティヘ行け、という何かの力が働き、この世界へ来たのだった。そして、アイラを助けろと、そうだ、「アイラを知らないか」 「アイラだと、何を言っているのだ」 マリクはこの男を観察していた。いかん。どうもまだ完全に「神の手」として覚醒していないようだ。しかたがない。ビブラフォーンプレイヤーとしてつかまえておくか。何かのきっかけで、その力が発揮されるかもしれん。 「わかった。ジェイ、君を移動宮殿フォトンヘ連れて行こう。よければ、導師デ ルガに会ってもらおう」 そしてマリクはつけ加えた。「で、ジェイ、君はビブラフォーンをひくことはできないか」「ビブラフォーン?」ジェイの顛の中でひっかかるものがあった。何かはわからないが、考えていた。「まあ、いい、ひいてみればわかるさ。じゃ私と一緒にフォトンヘ行こう」 マリクは、自分の移動機を呼ぴよせ。それにジェイを乗せた。マリクも乗る。 フォトンに着くまで、まだ時間がある。ビブラフォーンについて、マリクは話し姶めた。「マリク、わかった。どうやら私はビブラフォーンを操作したことがあるような気がする」「それでは、ジェイ、こういう事にしよう。君は諸国を濫り歩いているビゾラフォーンのプロプレイヤーというぷにしてもらおう」「そうすれば、デルガに紹介しやすいという事か」「そういう事だ」 フォトンは目の前だった。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月19日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第18回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第18回■地面にころかっている若者達は、まぷしさをこらえ、薄目をあけるブ光球の中でジェイはすっくと立っていた。 ジエイの服はバラバラに吹き飛んでいた。ジェイの表情も変っていて、手を上に高くさしあげていた。 「あ、あれは」 ハーンが声をあげる。光が、ジェイの左手に収斂していた。「神の手だ」ブラスが叫ぶ。三人共、驚きで、全員が体を回着させていて、ジェイの左手をみっめている。ジェイは夢遊病者の様に歩き出し.ハーン達もジェイのあとについて行く。 伝説の『神の手』、ジェイボラードの伝説。それを彼らハーン達は、今まさに目の前にしているのだ。それは新世界の誕生を意味していた。道化師に知らせなけれはならない事など忘れていた。彼らは、ジェイの後を追う道化師の存在に、気づいていなかった。その道化師は、虫に変貌していたのだ。道化は、この世界に存在する何に荷でも化ける事ができる。それがこのゴルゴダシテイのある世界のルールだった。この虫「道化師」は、アリソンに連絡をとった。アリソンはプレイヤー狩りに精を出していたので、話を、マリクに連絡をつないだ。「わかった。アリソン、私が出むこう」マリクは、「オブザーバー」を使い、ジェイの位置を、確かめさした。「オブザーバー」は、透視能力が極単に発注している男である.ジェイの位置に、マリクはジャンプした。マリクは、空間移動能力を持っていた。ジェイと三人の若者の前に、突如、男が出現した。「誰だ」三人が叫ぶ「俺の事を知らんのか。道化師マリクだ」「それじゃ、あんたが、俺たちのスボンサーってわけか」ブラスが言った。「そういう事だ。だが、お前達は仕事を果していない。神の手を持つ男が現われた場合、すぐさま、我々、道化師に連絡するはずだろうが」 三人は顔を見あわせた。とりあえずハーンがしゃべる。「そ、それはわかっていたよ。でも、こいつが本当に神の手かどうか調べていたんだ」「言いのがれはやめろ。まあ、いい、どうせ、もうお前たちには用が ない。どこにでも消えろ。私が用があるのは、その男ジェイだけだ」「何だと」三人は同時に叫んだ。「我々の力を見くびっているな、マリク」 三人の力が、マリクの体に集中する。しかし、急にマリクの体が消える。「くそっ、どこへ消えた」代りに、胴体を「チューブ」でかこんだ人間が十人程、彼らの目の前に出現した。「何だ、こいつらは」ブラスが叫ぶ。「気をつけろ、こいつらはモーターだ」ハーンが、どなっていた。三人の力が、各々の目の前のモーターに集中する。ムスカの前のモーターは、心臓をにぎりつぶされていた。ブラスの前のモータ-は、体がばらぱらに吹き飛んでいた。残りのでモーター達の体はぐるぐる廻っていた。赤ら顔のハーンの力だった。 数分波、モーター達は、すぺて地面に倒れている。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月18日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第17回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第17回■「お前たちは超能力者ーか」「わかったか、俺は地面やその他の物体を振動できる「バイブレーター」ハーンだ」「次は俺の番か」先刻からハーンをけしかけていた小男が言う。そしてジェイをにらむ。゛「うっ」 ジェイはよろける。ジェイの心臓は何かにつかまれたかのように痛む。「ふふ、わかったか。俺はハートブレイカーのムスカだ、俺が全力をふりしぽれば、お的の心臓を止めることなど簡単だぜ」「わかったか、俺達の前で大きな顔はしないでもらいたい。ここは地獄の門だ、俺たちは三途の川の渡し守りだ。通行税をいただこうか」最後の男、ブラスが言った。「それが、お前らの目的か、汚ないゴキブリどもめ」「何!」3人組の若者たちは、色めきたつ。突如、ジェイの体はきりきりと痛む。全身がモリでさされているようなのだ。クラッシューのブラスの超能力なのだ。ジェイは、地面に手をっき、うなだれしゃかみこむ。体のふしぶしに痛みが襲う。振り払うこともできない大きな力。万力で全身をつぶされている。そんな感じがした。地の上の左手が急にピクッと幼く。左手が自分の手でないような気がした、手がわずかに輝き始める。光が手のまわりに集まってくるようだ。まわりの空気が微妙にふるえた。瞬間、ハーン、ブラス、ムスカは何かにはじきとばされる、地面に倒わる。何かが、ジェイのまわりの空間を披っていた。大きな地鳴りがした。集まった光が、光球となり、ジェイを包んでいた。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月17日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第16回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第16回■ジェイが目ざめた時、彼の体は、荒野のただ中に横たわっている。 彼はゆっくり立ち上り、彼がタワーシップに乗っていたかどうかの証左はないかどうかあたりを見渡してみた。しかし、タワーシップが存在したと、証明できるようなものは何も存在していない。ジェイは、ゴルゴダシティの中心配に向かって歩き始めた。『アイラを助けろ』そのフレーズが、急に、ジェイの頭の中に浮んでくる。 アイラだと………闘いた事がない。何なのだ。それに今、どこかに向けて歩き始めてはいるのだが、一体どんな所か見当もっかない。しかし、ジェイ・ポラードの自分自身の心が、わからぬまま、そこへ行けと告げているのだった。 小一時間歩くと、ある種の都市の構造物が見えてくる。黄金に輝くピラミッドが印象的だった。 ゴルゴダシティ。大戦役の前、ここは大都市だったらしい。大戦役の後、数百年、ゴルゴダシティに住む人知は色々な超能力を有する異人種の町へと変貌していた。 ジェイは市域らしきところへ入っていた。このエリアは、かっては多くの人々が行き来していたであろう繁華街のあとらしい。大戦役の後、爛熟した花と樹木が町並みを被っていた。植物もまた、大戦役の影勧下、変化している。植物相が変ったのだ。植物で被われた街を、ジェイはひとり行く。「そこを行く、にいさんよ、待ちなよ」 ジェイを呼ぴとめる声がした。木の影から、まっ赤な顔をした若者三人組が、飛び出して来た。「おまえは、ドラッグを採しているのかい」「それとも、、ビブラフォーンの流れプレイヤーかい」 歩いているジェイの前に、廻り込んで、くさい息をかける。ジェイは無言だ。「おい、返事をしろ。お高くとまるのじゃないぜ」別の若者がいう。「やっちまえよ、ハーン、こんなところを歩いているやつら、どうせたいしたやつじゃないぜ」「ハーンよ、こいつにお前の能力をみせてやれよ」別の若者が、最初の赤ら顔の若者ハーンをけしかける。ジェイは立ちどまり、若者たちの方を向く。若者達も足を止める。「やめてくれないか。今、俺は混乱しているんだ」「おいおい、こいつは、自分自身が誰だかわからないって顔をしてるぜ」若者達はいやらしい笑い声をあげた。「ハーン、やれよ、お前の手で、こやつの目をさまさせてやれ」仲間が、赤ら顔のハーンをけしかける。ハーンは、ジェイの方に近づいてくる。「俺に近づくなというのがわからんのか」ジェイは語気つよく言う。「俺の力を見てから、えらそうに言え」ハーンは、手を左右に動かす。地面が揺いでいた。ジェイの目の前の風景が設えていた。が、ハーンの仲間は何も感じていないようにニヤニヤ笑っている。そいつらの靴は地面から3mくらい浮いていた。こやつらは念動力を持っているのか。そうジェイは思った。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月16日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第15回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第15回■「マリクさま」マリクが、ビブラフォーンプレイヤー狩りを命令していた道化師の一人が来ていた。「どうしたアリソン」 アリソンは、マリクの手下である。「リソーナ地区を見ていた道化師から、連絡があったのです。巨大な船が実体化しようとして、失敗したようです」「あたりには人はいなかったのか」「どうやら、その道化師だけだったようです」「それで」「その実体化しようとした空間に、一人の男が倒れていたそうです」「で。その男はいかがした」「ご心配なさらないで下さい。ちゃんと、追跡者をつけました」「そうか、そいつもビブラフォーン・プレイヤーにさせようか」「しかしながら、一つ、気になることがあります」「何だ」「そやつの手が、輝いていていたそうです」「それは、右手か、、あるいは、左手なのか」「左手だったようです」「左手、、神の左手だ!」 おもわず、マリクは叫んでいた。「えっ、何ですって」 アリソンは問いかえす。「いや、いや、おまえは気にする必要はない。よいか、その男は絶対、私の前に連れてこい。わかったおるな」「はい、わかりました」「伝説のジェイ・ポラードか、、、、神の左手か」道化師、マリクは、独りごちた。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/--------------------------------------------------■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■■第16回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第16回■ジェイが目ざめた時、彼の体は、荒野のただ中に横たわっている。 彼はゆっくり立ち上り、彼がタワーシップに乗っていたかどうかの証左はないかどうかあたりを見渡してみた。しかし、タワーシップが存在したと、証明できるようなものは何も存在していない。ジェイは、ゴルゴダシティの中心配に向かって歩き始めた。『アイラを助けろ』そのフレーズが、急に、ジェイの頭の中に浮んでくる。 アイラだと………闘いた事がない。何なのだ。それに今、どこかに向けて歩き始めてはいるのだが、一体どんな所か見当もっかない。しかし、ジェイ・ポラードの自分自身の心が、わからぬまま、そこへ行けと告げているのだった。 小一時間歩くと、ある種の都市の構造物が見えてくる。黄金に輝くピラミッドが印象的だった。 ゴルゴダシティ。大戦役の前、ここは大都市だったらしい。大戦役の後、数百年、ゴルゴダシティに住む人知は色々な超能力を有する異人種の町へと変貌していた。 ジェイは市域らしきところへ入っていた。このエリアは、かっては多くの人々が行き来していたであろう繁華街のあとらしい。大戦役の後、爛熟した花と樹木が町並みを被っていた。植物もまた、大戦役の影勧下、変化している。植物相が変ったのだ。植物で被われた街を、ジェイはひとり行く。「そこを行く、にいさんよ、待ちなよ」 ジェイを呼ぴとめる声がした。木の影から、まっ赤な顔をした若者三人組が、飛び出して来た。「おまえは、ドラッグを採しているのかい」「それとも、、ビブラフォーンの流れプレイヤーかい」 歩いているジェイの前に、廻り込んで、くさい息をかける。ジェイは無言だ。「おい、返事をしろ。お高くとまるのじゃないぜ」別の若者がいう。「やっちまえよ、ハーン、こんなところを歩いているやつら、どうせたいしたやつじゃないぜ」「ハーンよ、こいつにお前の能力をみせてやれよ」別の若者が、最初の赤ら顔の若者ハーンをけしかける。ジェイは立ちどまり、若者たちの方を向く。若者達も足を止める。「やめてくれないか。今、俺は混乱しているんだ」「おいおい、こいつは、自分自身が誰だかわからないって顔をしてるぜ」若者達はいやらしい笑い声をあげた。「ハーン、やれよ、お前の手で、こやつの目をさまさせてやれ」仲間が、赤ら顔のハーンをけしかける。ハーンは、ジェイの方に近づいてくる。「俺に近づくなというのがわからんのか」ジェイは語気つよく言う。「俺の力を見てから、えらそうに言え」ハーンは、手を左右に動かす。地面が揺いでいた。ジェイの目の前の風景が設えていた。が、ハーンの仲間は何も感じていないようにニヤニヤ笑っている。そいつらの靴は地面から3mくらい浮いていた。こやつらは念動力を持っているのか。そうジェイは思った。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/--------------------------------------------------
2007年08月15日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第14回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第14回■ このビブラフォーン自身が、自ら複製をこしらえたのだ。ビブラフォーンは、いわば、生きている楽器なのだ。 ビブラフォーンの安置場所では、次の朝、そこを開けると、ビブラフォーンが二つになっているという具合だったのだ。そして、世界は、ビブラフォーンに満ちた。 この生きている楽器、ビブラフォーン自体の出現が、伝脱となっていた。ある日、といっても、かなり昔の事らしいが、ある作曲家が、自分の曲がうまく作曲できないので「大赦界」へ出向いて行き、『教えの壁」に悩みをうちあけたのだ。『教えの壁』はその作曲家に、次の朝早く、この「大赦界」へ来いというお告げを授けた。次の朝早く、「大赦界」へ来た作曲家は、大暴風雨にあった。あたりには誰もいなかった。 稲光りが急にした。雷が鳴る。近かった。作曲家は雨やどりをしようと走り出したのだが、雷に打だわた。 気絶からさめると、そこにはこの物体ビブラフォーンがあったのだ。空は、急に晴れあがっていた。 物体ビブラフォーンは、事務机をひっくりかえした上に、まん中に巨大な突起物をつけだような形をしていた。色はビンク色をしていて、宝石が敢りぱめられていた。生物体に鉱物がついているのだ。 作曲家は、恐る恐るはしの突起にさわって見た。しれは、えもいわれぬメロディと、空間に、七色の紅を出現させていた。 さらに、そいつは、温かい。無機物ではなく、有機体だった。つまり、ビブラフォーンは「生さている楽器であると理解した。 作曲家はこのビブラフォーンを使って次々と名曲を生んでいった最後には、彼の死体が、逆にビブラフォーンに操られていた。彼の死は突然訪れたらしい。 ビブラフォーンをあやつり始めたら、つまり一つの曲を演奏し始めたら、最後まで弾き続けなければならない。途中でやめることは不可能なのだ。 もしブレイヤーが、そこまでで体力がなくなれば、そのブレイヤーは死んでしまい、彼の体は逆にビブラフォーンに操られるのだ。 ビブラフォーンの上ですでにこと切おた死体の手や腕や足が勅きまわるさまは、昆る者に、恐怖を通り越えた興奮を与えずにはおかなかった。 それが、危険をかえりみないプレイヤーを続々と生んでいる原因だった。 人間は死と隣り合わせが好きなのだ。。 ビブラフォーンは、いったん演奏され始めると、観客に単なる音だけではなく、幻覚、香り、奇妙な昧、手ざわりなどを与える。つまり人間の五感んを刺激し、ビブラフォーンの回りに、一つの巨大な感覚世界を出現させるのだ。 観客たちは、その感覚のうねり、宴に酔いしれるのだった。 一面、非常に危険でもあるビブラフォーンの演奏会は、つねに1年に一回と決まっていた。 毎年、数人のプレイヤーがビブラフォーンに同化され死亡していた。体と心を、ビブラフォーンに捧げたのだ。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月14日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第13回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/大赦界は、ゴルゴタ=シティ郊外の大渓谷になるのだ。いつから、その壁はあるのだろうか。ゴルゴダシティが存在する前からその壁は存在する。その峡谷の壁、すべてが『教えの壁』と呼ばれていた。ゴルゴタ=シティの民は悩みかあるとそこへ行くのだった。壁に もたれかけ、あるいは口づけをし、あるいは自分の手をあてて自分の悩みを聞いてもらうのだった。「教えの壁」は各々の人々に、答えを与えていた、、壁は、極彩色で色着けされていた。それをもし上空からながめたならぱ、人の姿を描いたものだとわかるだろう。それは、顔であり、「ジェイ」に似ていた。 外の大赦界の『教えの壁』に見とれていた導師デルガは、唐突に、道化師マリクに話しかけた。「マリク、どうだね、今年の「ビフラフォーン」のコンテストの応募ぐあいは?」「よくは、ありません、導師デルガ。何しろ「ビブラフォーン」をひきこすためには精神力の強さがあるだけでもだめで、実際の肉体の力強さを必要としますからな」「そうだな。プレイヤーとしてへ夕な奴は、逆に「ビフラフォーン」自体にあやつられかねないからな」「その通りです、導師デルガ。ですが、今の「ビフラフォーン」プレイヤーの集まりぐあいですと、「ビフラフォーン」コンテストが開けない事もあります」「良き「ビフラフォーン」フレイヤーはいないのか」「そうです。あまり多くは集まりませんでした」 デルガは少し考えていた。「デルガ導師、しかし、「ビフラフォーン」コンテストをしなければ暴動かおこるやもしれませんぞ。過去二回のプレイイベントは成功とはいえませんでしたからね」 「そうだな。他のイベントで「自殺志願の超能力者同士の争い」というのは、あまりに早く勝負がつきすぎたしな」デルガが言う。「それに「動物のサイボーグ」対サイコキッカーの試合というのも人気がでませんでした」 「そうだな」 導師デルガは考え込み、やかて手を打った。「そうだ、マリク、「プレイヤー」狩りをしよう」「えっつ」「いいか。ビブラフォーンのブレイヤー狩りをするんだ」デルガ導師は、自分のアイデアに酔いしれる。冷静なる間合いを読んでマリクは、調子を会わせた。「そうですな。デルガ導師、それは、それで、なかなかエキサイテングですな。ビブラフォーンコンテストの人気かあがるというものてすよ」 「よし、至急、手のあいているモーター達に命令し、「プレイヤー」人狩りを姑めろ」 「わかりました」 道化帥マリクは、命令を伝えに移動宮殿「フオトン」下のフロアヘ降りてゆく、 「そう、プレイヤー狩りか、ふふん」 導帥デルガは部屋で一人、満足し興奮していた。 デルガの前に。宝石をちりはめた「ビブラフォーン」がおかれていた。それをいとおしげになでまわす。 これこそ、唯一、正真正銘の「ビブラフォーン」なのだ。この世に存在する残りのビブラフォーンは、この「ビブラフォーン」のすべて複製なのだ.(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月13日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第12回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/■第2章■ゴルゴダシティ 移動するピラミッドである、ゴルゴダシティの移動宮殿「フォトン」は、メラリーの街区から、「大赦界」をめざし移勤している。 ビッビッと、はてな音が、移動宮殿フォトンの底部から流れてきていろ。勾のいい人が闘けば、生きている「モーターたち」のあえぎ声や、うめき声がそれに続いている事に気づいただろう。移動宮殿「フォトン」内の導師の部屋は、「フォトン」のコントロール・ルームと同義語だった。デルガ導師は、この「夢世界」のひとつコルゴダシティの指導者である。 宗教的な色あいが添加されているのだが、そわでもメカニカルなイメージはそこなわれてはいない。「デルガ導師、もうすぐ大赦界に入ります」 道化師マリクが、低い声で言う。 「そう」 デルガは、道化師に冷たく答える。 こやつら、道化師は、あやかしの民だ。まったく、何を考えているのかわがらん。こいつらは、私の地位すらねらっているやもしれん。こやつかは、何にでも。変化できる。思っただけで気持ちが悪い。 しかし、利用できる限り利用しよう。そう、導師デルガは恵っだ。導師デルガは、ゴルゴダシティの住民に娯楽を与え続けねばにならなかった。導師は、いわばイペントの大プロヂューサーでなければならないのだ。 なぜ、導師デルガが、ゴルゴダシティの住民に娯楽を与え啖けなけれぱならないか。 それは、住民の持つ恐ろしいパワーなのだ。 娯楽を持ってして、導師ゴルゴダシティ内におさめておかなければ、彼らは、ゴルゴダシティを、自ら出ていき、外部・巨界で超能力を発揮するだろう。住民たちの心エネルギーのポテンシャルは、恐るべきらのであった。それが、もし外部へ発揮されたならば破壊のエネルギーとならさるを得ないのだ。導師デルガは、移動宮殿フオトンに居住する権利を有していフォトンは正五面体をしている。外壁はソーラーバッテリ受光器械となっていて、大腸光線をうけてキラキラと光っている。輝く移動できろピラミッド、それがフォトンだ。しかし、移動宮殿フォトンを動かしているのは人の力な・のだ。移動宮殿フォトンの底部には、伺万人と 彼らはらの持ついうドレイがつながれていた。沁経剤を注入さわていて、ほとんど入団とにいえない、肢念動力エネルギーがコントロールされてフォトンが動く。i‘ 4PI肢らの首すじにば電極が埋めこまおていた。その電極に埋まられていて、電流が流れる度にうめき声と共に念動力エネルギーがほとにしろ。そ心意勤カエネルギーをフォトンの中枢部で集める。ドレイは、一人づつチューブに入れられていて、背中には、レザーメスで、シリアルナノバーが、刻みつけられていた。 彼らは『モーター』と呼ぱれた。ゴルゴダシティで犯罪を犯した者は、すべて奴隷「モーター」とされ移動宮殿トンの動力となるのだ。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ーーーーーーーーーーーーー
2007年08月12日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第11回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 戦車が、何トンもあるキャタピラが動き、ジェイの手の皮膚上にのる。その戦車のキャタピラが、ゆっくりとジェイの手の皮・哲、骨、筋肉やかきまわす。細胞が、ジュクジュクと粘りつき、体液がゆっくりと流れだし、機械にまとわりつく。いたさの感覚が、数倍にのべて、緩慢に神経組織を、かたつむりのように這上がっていく。普通の痛さは、もう感覚ガイで、むしろ、甘美な皮膚感覚が、体全体を覆っている スブローギン大佐が繰り返す。そのスブローギン大佐の声も遠くの方から山彦のように聞こえてくる。 「ジェイP359の中和剤の隠し場所をいえ」 ドクター・シュッカ。 「いいかね、楽しい経験だよ」ジェイ しだいに記憶・意識が薄らいでゆく。意識の中に顔が明滅する。突然だ。 美しい少女の顔。少女? それは誰なのだ。 ■急に、ジェイの意識は覚醒する。チューターだった。「お助けします、ジェイ」「君ははマスターに逆っていいのか]『チューター853、何ヲスルノダ』 マスターの声が暫いている。 チューターの体が影のようにちじこまって見える。「申し訳ありません.マスターより上位の方の命令なのです」「上位者、それは一体?]「ジェイ・ポラードです」」「ジェイ=ポラードだって、波は今、実在しているのか」「いえ、それは」 急に、ジェイの足元が振動する。 ジェイのまわりの風景は、静かに崩壊してゆく。クリアな色は、段々色あせてゆき、物体はその輪郭がぽやけてくる。ジェイは一つの「夢世界」の終りを体感しているのだ。 あるいは、一つの夢からの、、まどろみからの、、ゆっくりとした目覚めの様な気がした。世界が、ゆっくりと、薄ぼんやりとした、わけのわからない環境へと変貌してゆくのだ。 目の前のタワーもゆるやかに、天頂の方から、どろりと、何かが溶けたかの揉に崩れてゆく。 船体の方も、今、ジェイが立っている基盤でさえも、熱くなってくる。足が徐除に床ヘ下へと沈んでいく。 もう、今は、チューターの姿も、作りかけた粘土細工の様に変化していた。 「ンェィ、さぼうなう……」 チューターはわずかにしゃべったようだが、それは、もう言葉になってはいなかった。 目の前のすべての物が、風化し、フエイドアウトしていく。ただーの体のみが、この世の中の厳然たるもののようにみえた。 ジェイは、自分の体がはっきり感じるとともに、左手に痛みを感じてきた。 今、彼の手は、ワルシゃワで戦車でひきつぷされた手に反比してきているのだ、 神経緩和則を、ドクター・シュッカに打たれた時の、痛みが、じんわりと、戻ってくるような気がした。気絶しそうになる。 ジェイが、気を失しなう一瞬、「タワーシッブ」は、はぽ形を失ない、新しくジェイのまわりに、実体化してくる「夢世界」があった。それは、ゴルゴダ・シティである。 (続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ーーーーーーーーーーーーー
2007年08月11日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第10回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ ジェイは,チューターに運れられて、長い廊下を歩いていた。「チューター、どうしたのだ。急に私を呼ぴだして」「それがまったくわからないのです。あなたの言った事の対応で、呼だされたのかしれません』「私の言った事、いったい、」「ジェイ、ゴルゴダシテイヘあなたを連れていけといったことですよ」「私を、どこへゆくつもりかね」「マスターの所です」「だが、マスターは、すでに死んでいるのではないのか」「いいえ、彼の残留思念は、まだ存在しているのです」 ジェイとチューターは、光り輝く部屋の中に入った。「ジェイ、ヨク来タネ』威嚇的な声だった。しかしその場所には、ジェイとチューター二人以外にいは誰もいない。「マスター、あなたはどこにおられるのです」ジェイがたづねた。しかし、マスターの姿は、まったく見えない。『私ハ、マスター。そして「タワーシッブ」ソノモノガ、私ナノダ』「どういう意味ですか」「私ノ意識ハコノ「タワーシッブ」ダケデハナク、コノ「タワーシップガ存在シテイル世界ソノモノニモ、属シテイル、ノダ。ワカルカネ』 「よけいにわかりりません。でも、マスター、ゴルテダシディヘ連れていってほしいのです」『イイカネ、「ゴタゴダシテイ」ノ属スル世界ト、コノ私ノ世界トハ、マッタク相イレナイノダ』「それでも、私はそこへ行きたいのです」 急に、ジェイの体は、マジックハンドに、つかまえられていた。「こ、これはどういう事です」『君ヲ再度、分解シテ、シップノ胎室へ戻ス』「なせこんな事を」『君ニ、ジェイ・ポラードノ意識ヲ刷り込ンダノハ、私ノ本意デハナカ。ソレユエ、ジェイ、キミノ記憶スベテヲ、フタタビ分解スル』 ジェイの意識がまた混乱する。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月10日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第9回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/「チューター、私はゴルゴダ=シティに行かなければ、ならないのだ」ジェイはチューターに言う。 なぜ、「ゴルゴダ=シティ」なのか、ジェイにもわからなかった。「ゴルゴダ=シティですか」 チューターは。驚いたようだった。「そうだ。そこで払を待っている運命があるらしい」「というと」「それが、私にもはっきりとわからないのだ。私の心の中にその答があるらしい」 ジェイは答える。 チューターはしばらく黙っている。そして、ゆっくりとジェイに告げた。 「他の夢世界へ、このタワーシッブを侵入させる事はタワーシュップの消滅を意味するのです」〃コード586 解読不可能。基本コードニ反シマス。タワーシップヲ他ノ夢世界へ侵入サセルコトハ、タワーシップノ自己防禦機能ヲ作動サセル″クリ返ス コード586ヲ実行セヨコード586 解読不可能“■この空間の光が、総て、そこに集中している場所、「クリスタルパレス」。その中の一室。全旨の少年がいた。彼が、念動力でキーボードをうっているのだ。後ろでは、誰かが曲をひいている。「マスター、私の命令に。従え」「解答不能」『マスター、私の。いいか、言う事を聞くんだ。いいか、私が創造者なのだ』『解答ヲ拒否シマス』『マスター、私が、、お前を作ったのだぞ』『私ノ、「タワーシップ」ハ、ソレ自体、完結シタ世界デス。何人モ、ソレヲ破壊スル権利ヲ、有シマセン。マタ、アナタノ、命令ハ、論理的デハアリマセン。ジェイ・ボラードノ、意識ヲ、「ゴルゴダシティ」ヘ持テコムコトハ、タワーシッブノ世界ノ、破壊ヲ意味シマス、サラニ、ヨリ激シイ混乱ヲ、引キオコシマス』「かまわない。私が命令しているのだ。私には創造者としての権利がある。マスター、弘の言う通りにしろ、さちないと』『ドウスルトイウノデス」(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月09日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第8回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/虚無空間のモニターに、個人データが、ディスプレイされている。■ジェイ=ポラード「大戦役」における戦争犯罪人。過去の地球歴史における最悪の男と現在評価されている。地球上に、試薬「ジェイP359」をばらまく。この「ジェイP359」によって、世界は「多元夢世界」へと変遷した。つまり、「夢世界」が、多数存在するようになった。 夢世界出現前、つまりジェイP359が効果をあらわす前、ワルシャワ条約軍によって逮捕され、拷問を受けるコード111ジェイニ、「ジェイ=ポラード」ノ、パーソナルデータヲ、インブットセヨコード111 ジェイヲ、ジェイP359実行発生点、ゴルゴダシティヘ、出現サセヨジェイは、チューターから、この地球の歴史をゆっくり学び始めていた。そして、「大戦役」によって、数多くの夢世界が発生している事を恥いた。また、「タワーシップが、「大戦役」直後にマスターによって作られていたこと。タワーシップとは、船上に地上500mにもおよぷ巨大な塔を作り、塔の頂上に胎室を設け、その暗室の中に、人類の種子を保存する目的の船である」と学んでいた。ジェイの入った海は、本当の海ではなかったのだ。「浮遊海」だった。「浮遊海」は」夢世界」同志のはざまの空間に、存在する多重海なのだ。それゆえ、浮遊海はどこの時代にも属していない。ゆっくりと、種々の夢世界の間空間を、たゆとうているのだった。 ジェイの光り始めた左手、を見て、チューターが言った。「あなたは選ばれた人だったのですね、ジェイ」「そうらしい。私もしらなかった」 ジェイの答えは気の抜けた返事だ。「しかし、あなたは、自分自身の存在理由を、発見したわけですね」「そう、記憶は、先代ジェイの記憶が、私の中で蘇った事を告けていろ。地球に対する贖罪が、私に与えられたテーマの様だ」チューターの方を向いて、ジェイははっきりと言った。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月08日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第7回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/「やれ」 再びスブローギンは命令した。 戦車はゆるやかにやってくる。 ジェイの体の一郎がっぶれた。 叫び声を思わずあげていた。「ぐわっっ」 それは、ジェイの頭の中で響いて、反復されていた。。あたりはのだ。 ジェイは、自分の悲鳴で目ざめた。恐怖に包まれるジェイは、すぐさま、自分の左手をみつめた。大丈夫だ。つぶされてはいない.ジェイの左手は大丈夫だ。が、暗闇の中で、ジェイの左手はわずかに、光っていた。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月07日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第6回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ ジェイは思い出した。 東欧、ワルシャワの那市だ。石畳。旧市街。 ワルシャワ条約軍。 彼はあおむけにくくりつけられている。採の体に石畳が冷たい。 東欧のまろやかな太陽か、それでもまぶしい。「白状したまえ、ジェイ」 スプローギン大佐が言った。とても軍服の似合う男だ。沈黙が続く。ジェイには、答えようがないのだ。わからないのだ。「返事がないな。どうやら刑を実行してほしいという事かな。我々はブラフを使っているわけではない。それをわからせてやろう」 スプローギン大佐は冷酷な笑みを上からあびせていた。 「やれ」命令が下った。 そろそろと、赤い星そつけたT82戦車、暗緑色の鉄のかたまりがこちらの方へ動いてきた。 「やめろ、やめてくれ」 ジェイはわめいていた。 汗が滝のように流れ出ていた。体を無理に動かそうとする。全く動かない。動くわけがない。鉄のかたまりがゆっくり、ゆっくりとジェイの体の上に……。 戦車は急に止まった。 ジェイは気絶寸前だ。体がこわぱっている。目をぐっとしめ、口をとざしていた。 「どうだな。気分は。白状する気分かね」 スプローギン大佐が、ジェイの顔を上からのぞきこんでいた。スプローギン大佐の顔の毛穴がはっきりと宛てとれる。ひげのそりあとか肯い。 ジェイの目は何を見ているのかわからない様に見える。「どうやら、我々は君を見くぴっていたようだな」 スプローギンはそう言って兵を呼ぶ。「ドクター・シュッカを呼べ」ドクター・シュッカと呼ばれた男が白衣を着て、ジェイの頭の上に立つ。「ジェイ、楽しい経験をさしてあげろよ」 シュッカは、猫なで声で、これからとても楽しい事が始まる様に言う。「何をするつもりだ」「君に、対する、我々の、ささやかなプレゼントさ」スプローギンが言う。シュッカが持ってきたカ。バンから銀色のパックを取り出す。「いいか、この薬は神経緩和剤だ」 シュッカが手にした、薬の入った注射器が光を受けて、にぶく光る。 「痛みがゆっくりと襲ってくるのだ。 一秒の痛みが、、一年に感じるかもしれん。個体によって反応が異なるのだ。さらにありかたい事には、個々人の痛みのレベルにあわぜてくれる。気絶する一歩手前の痛さ、その最高レベルで持続するのだ」 スプローギンがシュッカの説明を補足する。「つまり、非常に効率的に痛みが続いてくれるのだ」「怒魔め」ジェイは二人に毒づいた。「悪魔だと、どちらが悪魔か、自分のやった事を考えてみろ」 スプローギンが、つばを、ジェイの顔に、はきかける。 私のやった事? いったい何なのだ。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月06日
■キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■第5回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■■降下世界(多元夢世界のひとつ)■ ジェイは眠りについていた。個体の睡眠用に、「まゆだな」のようなべ。ドが準備されていた。船内のフロアがすべて、このベッドにあてられていた。 ジェイにとって、初めての安らかな眠りであった。 夢というものを見るのはジェイにとって初めてだった。 恐怖。 巨大なものが、ジェイの体の上に、徐々に被いかぶさってくる。痛みの感覚。 その巨大な代物はどうやら鉄のかたまり。イメージがはっきりとしてきた。 戦う。エンジン。車。戦う車。戦車 一体こいつは何者なのだ。 急にジェイの頭の中で何かがはじけたような感じだ。言葉が、頭の中に洪水の様にあふれかえった。 ディティルが急にくっきりしてくる。目隠しを急にはずされたような気分だ。 美しい一つの風景。どうやら一つの都市らしい。都市だって?意味不明・…… 限定された一平面における個体の群生場所。 「大戦役」の前のイメージ。一体どんな前なのだ。「大戦役」とは何だ。 何か、とてもひどい事だったような気がする。 体が暖くなるような気分。いや熱すぎる。 死にそうな熱線?「うわー」 ジェイは、思わず叫び声を、あげていた。(続く)キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/
2007年08月05日
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