★ 真夜中の独り言 ★

★ 真夜中の独り言 ★

2018.09.28
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    ☆ ご訪問くださり、誠に有り難うございます ☆










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      ★ ​夏の終わり ★​



       太陽が逃げた朝
       霊峰は白い帽子を被り        名残りの朝顔が
       蒼ざめた花を咲かせていた


       冷たい白魚の手は
       秋の訪れを物語り
       冷たい頬に手を遣れば
       別れ行く夏が愛おしく
       花火の木霊が
       耳を擽る


       やがて
       来る冬を前に
       木々の葉は色づき
       何時か地に還り行く


       さらば若き日よ
       青春よ
       君の手の白さばかりが
       胸を打つ


       季節の狭間で
       君の手の白さが
       胸を打つ





         By.星原女瑪.2018.9.28.作


            ​(注意=詩の転載を禁ずる.シェアーは、ご遠慮ください)




















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🙇    お知らせ

       短編小説・ 心ゆくまで ・は、下段に記載しています。
       続きは更に執筆中です。


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         短編小説

ミステリーロマンの世界へ、 ​ようこそ。
            拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。​






心ゆくまで
​​​​​.


   【最終章】


       (3)


​ 『沙織さん、初めまして。柿谷春伽です。
  十年前に交通事故で命を落としましたが、
  貴次さんのお陰で、こうして楽しく暮らしています。
  時々この部屋に遊びに来ては貴女の事を聞いていました。
  沙織さん、宜しくお願いしますね』
 『柿谷さん、どうして......』
 沙織が呆気に取られていると、
 『貴次さん、私からお話してもいいかしら』
 『ああ、春姉さんから話して貰えると助かるよ』
 柿谷貴次の言葉に頷くと、
 柿谷春伽は沙織の隣に座って話し始めた。


 柿谷貴次が大学三年の、秋のある夜の事だった。
 姉の柿谷春伽は、女友達のバースデーパーティーに出席し、
 ホテルで楽しいひと時を過ごした。
 その後22時ごろに、パーティーを退席した。
 とても和やかな想いを胸にタクシーを拾をうと、
 山下公園側に向かって、横断歩道を歩き始めた。
 その時だった、急ブレーキと悲鳴が轟いた。
 柿谷家に事故の一報が入ったのは、深夜0時近くの事だった。
 電話に出た手伝いの明美は、手を震わせながら二階へ駆け上がった。
 ドアのノックに貴次が出てみると、蒼ざめた顔の明美が立っていた。
 『明美ちゃん、どうかしたのかい...』
 『大変なんです。大変な......』
 明美の声は、乾いたように掠れていた。
 『どうしたの、いったい何か有ったのかい。落ち着いて話してくれよ』
 『はい』
 手伝いの明美は唾を飲み込むと、
 『春伽お嬢様が車に撥ねられて、病院へ運ばれたそうです。
  ただ今、警察から電話が有りました。奥様や旦那様にも、
  知らせましょうか......』
 『何てことだ。僕は一足先に病院へ向かうから、
  父達は、そっと起こしてやってくれ。
  それと、貴敬兄さんは出張でアメリカに行っているから、
  僕が後で連絡しておくからと、父達に伝えてくれるね』
 『はい、分かりました。どうか、お気を付けて行ってらっしゃいませ』
 貴次は明美の声を背中で聴きながら、
 上着を手に取り、慌てて部屋を後にした。


 病室に入ると、医師と看護婦が二人、神妙な面持ちで立っていた。
 『柿谷様ですね......』
 『はい。弟の貴次です』
 『誠に残念ですが、先ほど息を引き取られました。
  23時57分の御臨終でした。お悔やみ申し上げます』
 医師と共に、二人が一礼した。
 『死因は何だったのですか』
 『全身打撲と、腹部の出血が酷くて...。手は尽くしたのですが、
  間に合わず失血死でした。もう少し早く運ばれていたら。
  そう思うと...、大変に残念です】
 柿谷家にとって一人娘の春伽の死は、大きな打撃だった。
 遺体が実家に運ばれるまで、貴次は遺体の傍らで泪し続けた。
 結局、春伽を轢き逃げした車も犯人も、
 見つからぬ仕舞いであった。


(4)へ続く


*------*------*------*------*

​​

 【最終章】(2)


​​『沙織さん、ようこそ。お待ちしていました』
柿谷は明るい声で迎え入れた。
『こちらに掛けてください』
マスタード色の革張りの応接セットに、案内された。
柿谷の部屋は黒を基調に煙草色の配色で、
落ち着けそうな雰囲気だった。
『僕はビールを飲みますが、沙織さんも何か如何ですか』
『そうね、トマトジュースでも頂こうかしら』
『好かった。美味しいトマトジュースが冷えていますよ』
柿谷はそう言って、すぐに運んで来てから、
沙織のはす向かいに腰を下ろした。
『あと五分もしたら沙織さんに紹介したい人が来るので、
是非とも逢ってください』
『えっ......。どなたか来るのですか』
『はい、楽しみにお待ちください』


『きょうは午後じゅう、モネの絵を眺めていたのよ』
『そうでしたか、モネの絵は好いですよね』
『ええ、大好きです』
『ああ、仕事の後のビールは旨いです』
柿谷は、ドイツ製らしいジョッキを傾けた。

間もなく部屋をノックする音がして、
背の高い細身の女性が入って来た。
柿谷は急いで立ち上がると、
『やあ、こんばんは』
と声を掛けてから、沙織の横に立った。
『春伽姉さん、こちらが奥村沙織さんです』
『沙織さん、僕の姉の春伽です』
『あの......。まさか亡くなった筈の、お姉さまですか』
奥村沙織は、あまりにも突然な事に驚き、言葉に詰まった。

2018.7.4.





 【最終章】(1)



​​​​​四月半ばの丘には遅ればせのチューリップが咲き残り、
爽やかな風が吹いていた。
夕方まで仕事が有るからと、
柿谷は朝の五時前に出かけて行った。
夕食は済ませて帰るからと言っていたから、
今夜の話は大事なことだろうかと、
奥村沙織は午後の窓辺で​ふと考えた。

バロックを流しモネの画集を眺めていると、
日暮れの迫るのも忘れる程に絵画の世界に引き込まれて行った。
夕暮れた丘で軽い散歩を済ませると、
沙織は七時前にシャワーを浴びた。

部屋のベッドで寛いでいると​​ころへ、
柿谷から電話が入った。​​
『申し訳ない。今夜の約束を九時に延ばしていいでしょうか​​』
『大変そうですね。九時に伺いますね。
 呉れ呉れも、お気を付けてくださいね。それでは』
『はい、有り難うございます。それでは』
ということで電話は切れた。


柿谷貴次が帰宅したのは、九時過ぎだった。
彼はシャワーを済ませると、二階へ上がって行った。
奥村沙織はドレッサーの前に座り、
自分の姿を眺めて見た。
肩先に伸びた髪が軽くカールして、
薄化粧にピンク色の唇をした顔が浮かんでいた。
これが今の私......。
あの朝に化粧と髪を整えたままの容姿で、
鏡に映っている自分が不思議だった。
やや経ってパンパンと頬を叩くと、沙織は立ち上がった。


​​二階の踊り場に立つと、その先にはまだ階段が続いていた。
覗くと、幅広の廊下が延びていた。
そして三枚目のドアが開いていて、明かりが零れていた。
柿谷の配慮を感じながら、
奥村沙織はドアをノックした。

【続く】2018.6.01.

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最終更新日  2018.09.28 16:55:02
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