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私は学生に内定通知書を渡す時、必ず学生の自宅まで行き、直接手渡しをします。
最近では福岡県の久留米市まで行ってきました。 片道五時間、往復で十時間掛けて、渡すのはほんの三分。 『もったいない!』
久留米駅前で乗ったタクシーの運転手さんにも言われました。
しかし、本当にそうでしょうか。
学生はこの内定通知書一枚で、その後の人生を大きく左右されます。 それなのに、会社は内定通知書を印刷して送付すれば終了。 三十分も掛かりません。 もちろん、会社もその学生を選ぶ為に、相応の時間やお金を掛けている事も事実です。 しかし、それはあくまで何十、何百という学生の中から選ぶ為に費やしている事。 しかし、私が行っている事は、一人の学生に対してです。
私は常々 『コミュニケーションは質ではなく、回数』 だと職員に伝えています。 バウムでは、このコミュニケーションの量を徹底的に追及しています。
例えば、上司と部下の面談、事業所毎の懇親会や同期会。委員会の懇親会や管理職だけの懇親会。 企画者が推薦した職員だけが参加できる、理事長と飲み会。上司と部下がサシでコミュニケーションをとる通称サシコミ。
部下の理解度をクイズ形式で競う、部下の理解度テスト、春の経営計画発表会に夏のバーベキュー大会。 秋にはスポーツ大会があり、冬には忘年会と新年会。 配属先に関わらず部門横断的に行われる、職場改善活動(サービス向上委員会)や、自分の事業所の目標を決める事業所アセスメント。 誕生月には、他事業所を体験できるインターンシップや、同業他法人を見学出来るベンチマーキング。 職員同士で感謝の気持ちを伝える、サンクスカードや、環境整備もあります。
挙げるとまだまだ沢山ありますが、そもそもなぜ、バウムではここまでコミュニケーションを重視するのでしょうか。 答えは簡単です。
私を含め、バウムで働く全職員には、実力がたいして備わっていないからです。 いや、正確に言えば、中小企業の社員とはそういうものです。 考えても見て下さい。 優秀であれば、今頃間違いなく大企業に勤めてバリバリ成果を上げています。 まかり間違って優秀な社員が中小企業に入社してしまったら、どうなるか。 確実に辞めるでしょう。
理由は単純。温いからです。 優秀な人は、とにかくストイックです。 自分を磨くという事に、常に余念がありません。 遊びの時間ですら、彼らにとっては学びの時間です。
しかし、中小企業の社員はそうはいきません。 まず、自己研さんより遊びです。家で専門書を開くことはほとんどありません。 さらに、我々には決定的に 『経験』
がありません。 経験が無いと、臨機応変な対応が出来ないし、何より予想外の事態にメンタルがついていかない。 つまり、打たれ弱い。
福祉職員の定着率が年間で約三割と言われるのも、この事実を、会社が見ないふりをするからです。 中小企業はいつも人手不足なので、教育にかける時間などないと主張します。
だから、職員には自分の時間を使ってコミュニケーションを取る事や勉強をすることを望みます。 しかし、実際は前述した通りです。 特にコミュニケーションを取らない事は致命的です。とは言っても、同じ職場の仲間とならそこそこ取れているかもしれません。
しかし、上司とはどうですか? また、他の事業所とは?
我々の仕事は一人では出来ません。 全て 『チーム』
で行われます。
さらに、我々の仕事は形のないサービスを提供しています。 サービス業において物を言うのは結局社員の質です。 つまりコミュニケーション能力です。にもかかわらず、社員は一番コミュニケーションを取る機会を軽視します。
『懇親会なんて…』
とか、 『スポーツ大会なんて…』
。 そんな事をする暇があれば、仕事をもっとすればいいのに、なんてもっともらしい事を言います。
しかし、それは大いに間違いです。対して経験もなく、知識もない、そして自分の時間を使って学ぶ気もないのだから、就業時間を使う以外に方法は無いのです。我々が他法人様と差別化を図るためには、まずはコミュニケーションです。その機会はあってあり過ぎるという事はありません。
むしろ、まだまだ足りないくらいです。 我々は今年度、一人三百時間を目標に、あらゆる方法でコミュニケーションを取っています。 おそらく、他法人様に比べ数十倍の量です。
つまり、バウムの職員は他法人様より何十倍もの速さでコミュニケーション能力を育てる事が出来ているという事です。 今後これは本当に素晴らしいアピールポイントになるでしょう。
それが実感できるまで、徹底的にコミュニケーションを取り続けます。
理事長 笹谷 寛道