私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2018年04月17日
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カテゴリ: 千の朝



 それは、ウィッテが周到に仕掛けた罠に
 小村がむざむざと嵌ってしまったからである。

 日露講和条約の条項を定めるためのポーツマス会議で、
 小村は戦勝国が当然獲るべき戦費賠償金を要求したが、
 ウィッテはその支払いを断固として拒否した。

 そのために会議は行き詰まり、決裂の寸前にまでいった。

 会議が決裂すれば、続戦である。



 ウィッテは米国到着前から、
 来たるべき小村との外交的対決に備えて
 よく準備をしていた。

 そして到着早々、米国世論を調査し、
 AP通信社の社長M・ストーンから
 「米国では、世論を味方につけた者が勝つ。
 ルーズベルトでも世論にはかなわない」との
 貴重な忠告を得ていた。

 そして、ウィッテが帰国の船上、
 随行の記者に語っている通りのことが、
 実際に起こったのである。


 自分が米国の新聞操作に
 最後の追い込みをかけた時のことを
 次のように回顧している。

  いよいよチャンス到来と見た私は、
  時を移さず宣伝攻勢をかけた。

  賠償金に固執している日本にあると説き、
  日本は金ほしさのため血を流そうとしている
  と世論に訴えたのだ。
  賠償金要求を引っ込めるか、
  人道の敵になるか、
  二者択一の窮地に日本を陥れるため
  私は全力を尽した。
  米国の各新聞は熱心に私の主張を応援し、
  対日非難の声が轟々とあがつた。

 AP通信は「ロシアはすでに譲歩できる限り譲歩し、
 日本は獲るべきものはすべて獲った。
 そして、現在、残っているのは金の問題だけである。
 日本がこれを撤回しない限り、和平は成立しない」
 と書きたてた。

「辛亥革命とG・E・モリソン」 ウッドハウス・暎子 東洋経済新報





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最終更新日  2018年04月17日 07時04分17秒
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