2003年09月21日
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そんなハジメのつぶやきなど聞こえもしない西岡は、
2mを越す身長、男性でも後ろに回れば隠れてしまう体格に不似合いなこの店のトレイを二つ、これ以上は乗せられない程乗せてハジメの席へ戻って来ようとしているが、また周囲の客に迷惑を掛けている。
「まったくここは狭いから動きにくいっすよ…でも食べ放題なのにここは美味いんっすよ」
山と積まれたトレイを見ながら閉口しつつハジメが訊いた
「西岡くん、相変わらず凄い量を食べるねぇ…」
感心しつつ本題に入ろうとした矢先に西岡が叫んだ!!
「あぁ!デザート取り忘れたぁ!」
隣の椅子を倒しながら立ちあがった西岡は、漫画ならドドドっと擬音が付きそうな勢いでデザートコーナーへ向かって行った。
ハジメのテーブルに戻って来た西岡のトレイにはチョコレートや白砂糖がたっぶりと塗ってあるドーナツを20個は置いてある。

「190っす…でも先輩、ウチは体重制限ある仕事じゃないんで大丈夫っすよ」
何を言っても無駄だと悟ったハジメは本題に入ろうとした。西岡は食べる事が至福の時のようにニンマリと笑顔を浮べた後トレイ毎食べるかのようにガブ付き始めている。
「食べながらで良いよ、帝日の件では何も動いてないんだな?」
クチャクチャと口の中には一体何が入っているのか判らないほど積め込んだ西岡は、水と共に流し込んで答えた。
「ウチでは何も聞いてないそうっす。もちろんゴシップも…で、先輩帝日に何かあったんすか?」
「いや…まぁな…とにかく例の物は持ってきてくれたのかい?」
「えぇ、ウチも一応トップ連中の動向はつかんでますから…社員情報なんて何に使うんすか?」
厚さ5cmはあろうかというファイルの入ったバインダーをハジメに渡しながら西岡は、すでに一つ目のトレイを完食していた。
「まぁな、参考程度だよ。」
「探偵してらっしゃるって事は浮気捜査っすか?」
ハジメは目の前の食料が次々と消えて行くさまをみながら

「先輩、ウチのネタになるような事だったら連絡下さいよぉ」
「わかったわかった」西岡の肩をポンと叩いて席を立ちながら
「しかし総会屋の稼ぎになるような情報はしがない探偵には縁がねぇよ、」
「先輩!ここの払いはぁ?」
突如席を立つハジメに懇願するような目で西岡が聞いている。

言いながらハジメは店を出て行った。残された西岡は、あきれたような表情を一瞬浮べたが、目の前のドーナツを一つづつ手に取るとまた至福の表情に変わり口へ積め込み始めた。





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最終更新日  2003年09月24日 23時04分50秒
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