1
DVDのグラフィック字幕(Subファイル)をテキスト字幕(SRTファイル)にするには、SubRipを使用して、OCRで読取る必要がありました。しかし、このOCR作業は退屈な作業であり、苦労の割には精度も低く、2度とやりたくない作業となっています。ちなみにBlu-rayのグラフィック字幕(Supファイル)の場合は、このブログでも既に取り上げましたが、リッピングすることなく映像と一緒に閲覧可能だし、適切なソフトで動画にMux可能である。 DVDの字幕は開発されてから時間もかなり経過しており、そろそろ歴史の化石として取り残されようとしています。しかしながら、DVDの字幕は手に入るが、Blu-rayあるいはハイビジョンのAVCHDまたは動画ファイルはあるが、字幕が手元に無い場合は、DVDの字幕を加工して使わざるを得ません。 このような状況下におかれた時、読取革命のようなOCRソフトでグラフィック字幕をテキストに変換できないか、という疑問であり、課題でもあります。今回、種々の便利ソフトをネットで探索した結果、何とか実用に耐える方法が見つかったので紹介してみます。1.DVDSubEditを使用して、DVD字幕の色調を変える DVDの字幕はSubRipというソフトで抜き出してみると下のようなグラフィック文字です。 このような字体では、OCRしてもまともにテキストへは変換できません。そこで、このようなグラフィック文字の字体を変えたり、バックグラウンドをOCRに適切な白地にしてくれるソフトがDVDSubEditです。このソフトはネットでフリーウェアとしてダウンロードできます。 早速DVDSubEditを立ち上げ、DVDのVobファイルを読み込んでみよう。下図のような画面になります。 真ん中の右側の赤で囲んだ箇所の「Use IFO CLUT」を「Use automatic CLUT」に変更すると、下の画面になります。 この画面の中で、CLUT(クラットと読む)とは、カラー・パレットのこと。また、記号は次の意味です。 b’:background(背景) p’:pattern (模様) e1’:emphasis 1(強調1) e2’:emphasis 2(強調2) 4個のCLUTを使って、backgroundを白地、文字を黒に調整します。このブログの場合は、b'とe1'を白、p'とe2'を黒に選択すれば、白地に黒のグラフィック文字になりました。この状態のまま、左上の「file」から「Save Subpics of all Selected SUPs as Bitmaps」をクリックすると、保存先を聞かれます。Saveすれば数百個のbmpファイルがフォルダへ保存されます。 保存されたbmpファイルの字体は次のようになっています。2.OCRソフト読取革命15によるグラフィック文字のOCR 次にbmpファイルをOCRします。OCRソフトは、読取革命15の体験版を使ってみました。性能が良ければ購入したいと思います。 ソフトと立ち上げ、「かんたんモード」を選び、「入力」をクリックすると、下の画面になります。 「画像ファイル」をクリックし、bmpファイル群が入ったフォルダを選択、フォルダ内のファイル全部を選択して開きます。すると自動的に全部のbmpファイルが読み込まれ、OCRする部分も自動的にセットアップしてくれます。読み込み完了画面が下の画面です。 次に、上部にある「認識」をクリックすれば自動的に全部のbmpファイルをOCRしてくれます。OCR完了画面が下の画面です。右側にOCRして生成したテキストが示されています。< 読取革命15の認識正解率は、通常のグラフィック文字で98%以上、斜体文字で5%くらいの感じです。斜体文字でなければ実用に十分に耐え得ます。 OCRを終えると、次のステップとして少々面倒な、時間タイミングと字幕文字の結合作業が待っています。字幕が1行であれば結構簡単なのですが、字幕は次の例のように最大3行になります。 最後に、OCRされたテキストをExcel形式で保存します。Excel形式の中でcsvファイルで保存を選択して下さい。各場面の字幕テキストが一行間隔で保存されます。時々、その一行が抜けるケースがあるので注意を要します。字幕が1,500個あるはずなのに、1,485個しかないとか。そんなケースの場合、原因はこの「行抜け」の現象です。おそらくソフトウェアのバグでしょう。 以上、前半のDVDから字幕情報をリッピングし、OCRまでの作業を説明しました。後半は、OCRしたテキスト情報を時間タイミング情報と結合させて、テキスト字幕であるSRTファイルに仕立てる作業を説明したいと思います。
February 7, 2015
閲覧総数 10846
2
機材の調達と組み立てなどを進めていますが、なかなか進みません。選定した機材の内訳は次の通りです。■鏡筒 ・SD81S (屈折式、口径:81㎜、焦点距離:625㎜) ・Edge HD800 (シュミットカセグレン式、口径:203㎜、焦点距離:2,032㎜) スカイメモSに載せたED81S<<写真クリックで拡大します>> EdgeHD800<<写真クリックで拡大します>>■赤道儀 ・スカイメモS(微動雲台、微動台座&アリガタプレートを含む) ・Celestron Advanced VX赤道儀(Sky Portal WiFiアダプターを含む) AVX赤道儀付属の三脚に載せたスカイメモS<<写真クリックで拡大します>> AVX赤道儀<<写真クリックで拡大します>>■カメラ ・キャノン EOS Kiss X5 (天体改造) ・zwo asi 224MC (撮影、オートカイド用cmosカメラ)■自動追尾 ・M-GENオートガイダー(MGEN-100GSSアルカセット)■電源 ・suaoki ポータブル電源 S601 20000mAh/220Wh 2台 その他、アリミゾ金具、アリガタ金具などなど、これだけで軽く7桁を越えてしましました。小さなアリガタプレートが5,000円以上もする、人生うん十年、倹約人生から散財の世界に入り込んでしましました。 組み立て、組み込みの様子を見てみましょう。まずポータブル赤道儀スカイメモSは、Kenko社の三脚(SE-AT用三脚Ⅱ、重量2.6㎏)に微動雲台を介して載せました。 Kenko製のSE-AT用三脚Ⅱ<<写真クリックで拡大します>> この三脚は結構しっかりしたものでしたが、実際に重さ3.5㎏のED81S鏡筒を載せてみると微妙に揺れる結果となりました。 SE-AT用三脚ⅡをCelestron Advanced VX赤道儀に付属している三脚(重量7.3㎏)に乗せ換えてみると、全く揺れません。三脚の重量の違いに依るのではなく、明らかに三脚の支点の堅牢さの違いに依るものとわかりました。AVX赤道儀の三脚は、ネジによって固く締まる構造になっています。 AVX付属の堅牢な三脚<<写真クリックで拡大します>> 口径200㎜のシュミットカセグレン式鏡筒の反対側を見ると下の写真のようになります。右側の金色の突起がピント調整のつまみで、Starlight Instruments社のフェザータッチフォーカサーに換装しています。なめらかなピント調整ができることが特徴だそうです。 フェザータッチフォーカサーに換装したEdgeHD800<<写真クリックで拡大します>> 本日はここまで。まだまだ組み込み作業や調整作業が続きそうです。実際の天体撮影は来年になるような気がします。
September 4, 2018
閲覧総数 1316
3
1.暑かった2023年の8月 今年ほど暑い8月は過去にはなかったと思います。昼間は、35℃、夜でも28℃くらいで、それが31日間も休みなく持続。これほど熱いと、家庭菜園も「も、いいか」とやめてしまおうかと本気で考えました。一方夜は、GPV雲の予測とは異なり、星撮りには絶好の1カ月になりました。これほど天体機材が活躍した月ははじめてかも知れません。メモ帳を開くと、何と14日間も庭撮りしていました。 nabeさんの記事に触発されて、TSA-120でクレセント星雲: NGC6888を撮ってみました。カメラはASi2600MC Pro、フィルターはオプトロンのL-eXtreme。TSA-120専用のレデューサーは持っていないので、VixenのSDフラットナー/レデューサーHDキットと、SVBonyの0.8xレデューサーの二つを試してみました。ライブスタックの様子と最終画像を下の動画にまとめています。 NGC6888のライブスタックの様子と最終画像【クリックで動画へ】 nabeさんの鏡筒は、Askar 130PHQ (f=1,000mm, F=7.7)であり、TSA-120は、(f=900, F=7.5)である。その比較の意味でも興味が湧きます。 2.明るさは一番肝心 Askar FRA400とSD81SIIの撮り比べをした際、明るさF値の大切さをヒシヒシと感じました。そこで今回は、レデューサーを使ってみることにしました。TSA-120の専用レデューサーが無いので、手持ちの2つのフラットナー/レデューサーを試験してみました。 1)Vixen SD フラットナー/レデューサーHD Kit Vixen SD フラットナー/レデューサーHD このキットは、鏡筒側がM52で、カメラ側がM60となっており非常に特殊です。接続には苦労しました。日本の天文メーカーさんが実際の撮影者のことをおもんぱかっていない証拠です。 2)SVBony SV193 2インチ 0.8x フォトレデューサー / フラットナー SV503 80ED屈折望遠鏡専用 SVBony SV193 このレデューサーは、鏡筒側が2インチ挿し込みで、カメラ側がM48と、標準的で接続が容易です。価格も安いです。 3.二つのレデューサーによるNGC6888の画像の違い 1) Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit の場合 TSA-120とVixen SD Flattener/Reducer HD KitによるNGC6888最終画像 撮影日:2023/8/25。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD フラットナー/レデューサーHD Kit、最終焦点距離(f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて22回ライブスタック。画像処理:自動保存された22枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 四隅の星像はほぼ良好だが、明るい星にハローが出ている。星雲周辺の青いベールもかすかに映っていました。 拡大画像2) SVBony 0.8x Reducer の場合 TSA-120とSVBony 0.8x Reducer によるNGC6888最終画像 撮影日:2023/8/21。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:SVBony SV193 2インチ 0.8x フォトレデューサー / フラットナー、最終焦点距離(f=685mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:SVBony F=5ガイドスコープ (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて12回ライブスタック。画像処理:自動保存された12枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 四隅の星像は残念ながら流れています。しかし、映りそのものはVixenのSDレデューサーHDキットよりも鮮明でした。レンズ構成が少ないためでしょうか。 拡大画像 4.あとがき 1.TSA-120でクレセント星雲を撮ってみました。明るさ確保のためにレデューサー2種類を試験。Vixen SD Flattener/Reducer HD Kitは、F値が7.5から6.1へ、SVBonyの0.8xレデューサーはF値が5.6となった。2.両方のレデューサーともに鮮明なクレセント星雲が撮れたが、四隅の星像は、Vixenレデューサーではハロー、SVBonyのレデューサーでは極端な星の流れが見られた。厳密には、専用レデューサーの必要性を感じた。3.Vixenのフラットナー/レデューサーの接続には参りました。カメラ側がM60となっており、未だにM60回転リング→EOS T2リング→EOS T2アダプターと、2つのEOS接続リングを介する面倒な接続である。何故、VixenはM60(オス)→ M48 またはM42(オス)の変換リングを用意しないのだろう。AliExpressで、M60(オス)→M42(オス)リングが見つかりましたが、ネジ長が短すぎて信頼性に欠けます。現在M60(オス)→ M48(メス)リングが新たに見つかり注文中です。4.TSA-120は口径12㎝ながら重量は、6.5㎏と、Askar 130PHQの約半分。取り回しは比較的良好です。ただ鏡筒レンズカバーの工作精度が悪く、カバーの開け閉めに苦労しています。【2023/9/2 8:33 追加】 昨日撮影のクレセント星雲です。 Askar FRA400 + F3.9 レデューサーで撮ったクレセント星雲 撮影日:2023/9/1。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。レデューサー:F3.9 専用レデューサー 、最終焦点距離(f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 温度: 0℃)。ガイドスコープ:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong L-eXtreme。300秒露光で、フラット、ダーク、バイアスなしでASiairにて8回ライブスタック。画像処理:自動保存された8枚のライトFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス補正後 ASiDeepStackにてスタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
September 1, 2023
閲覧総数 285
4
1.2024年になりました 年も明けて2024年になりました。正月から晴天・無風・乾燥注意報で絶好の星見天候となりました。昨年の正月同様、18㎝マクストフ鏡筒でメシエ1の庭撮りを行いました。今回は、ナローバンドフィルターを使わず光害カットフィルターのみの撮影を行いました。 昨年の後半は、ずっと18cmマクストフ鏡筒で深淵銀河を撮っていました。データの整理が追い付かず、ブログや動画でのアップロードの宿題が多く待ち受けています。 昨日(2024/1/12)のカフェ「ぽうざ」での観望会は、絶好のシーイング下で大盛況でした。マスター堀野氏の流暢な語りと、奥様の暖かいおもてなしの中、絶品のカレーに舌鼓を打ちながら、最高に楽しむことが出来ました。改めてタカハシのイプシロン鏡筒の解像度の凄さも噛みしめることが出来ました。5秒露光のライブスタックで、見事なアンドロメダ星雲の縞模様でした。小生もAskar FRA400を持参し、馬頭星雲と燃える木の長時間露光ライブスタックでお客様に楽しんでもらおうと撮影していましたが、残念ながら電線に邪魔されて早々の撤収となりました。終了予定時間を1時間も越えてしまい、マスターとオーナーには大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。 今回の記事は、2023年12月1日に撮影のL-eXtremeフィルターでのクワガタ星雲とオリオン星雲です。 2.クワガタ星雲の撮影 ライブスタック動画と画像処理後の映像と画像は、下の動画にもまとめています。 クワガタ星雲とオリオン大星雲のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 使用した撮影機材は、下の写真のとおり。 使用機材 クワガタ星雲の最終画像は下の写真のようになりました。 Askar FRA400とASi2600MC Proで撮影したクワガタ星雲 撮影日:2023/12/1。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 ( f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。360秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて23回ライブスタック。画像処理:自動保存された23コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 3.オリオン星雲の撮影 強いデュアルナローバンドフィルターを通したオリオン大星雲の最終画像が下の写真。フィルターによってランニングマンは見えづらくなっています。 L-eXtremeフィルターを通したオリオン大星雲 撮影日:2023/12/1。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 ( f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100、冷却:0℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。30秒露光で、フラット、ダーク、バイアスありでASiairにて12回ライブスタック。画像処理:自動保存された12コマのライトFitsファイルをAsiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック、FlatAideProにてレベル調整後、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。 4.あとがき ・巷では、Pixinsightで使うBXTが話題になっています。丹羽氏やSamさん、天リフの山口氏の記事などを読むと欲しくなりますが、きっと撮影と捏造の狭間で葛藤すると思います。RGB合成での作例が当たり前の世界ですから、星像を小さくすることなどはOKかも。・ADSLが廃止になるということで、年末年始は、Airターミナルの契約と試験運転、Airターミナルのクーリングオフ、そして光通信の契約と大忙しでした。そんなに田舎ではないにもかかわらず、S社のAirターミナルでの通信速度がADSLの1/5~1/10とは驚きでした。
January 13, 2024
閲覧総数 340
5
1.焦点距離600mmのズームレンズでM51を撮る なかなか晴れない関東地方、シーイングは良くありませんが一瞬の晴れ間を突いてM51:子持ち銀河を庭撮りしてみました。渦巻き銀河を撮るのは初めての経験で、久々のワクワク感を感じました。今回の記事は、下の写真のとおり、動画にもまとめています。下の写真をクリックすると動画に遷移します。 動画:MAK127で撮ったM51【写真クリックで動画へ進みます】 Tamron 150-600mm G2ズームは、焦点距離を600mmにして、AZ-GTiマウントに載せるお手軽ライブスタックをしてみました。場所は、南関東の庭撮りです。ライブスタックは、ASiair Proを使用しました。結果は、下の写真のとおり、初めての渦巻銀河を捉えることが出来ましたが、この小ささでは話になりません。ズームアップしてもぼやけています。 Tamronズーム600mmでの露光90秒、40回ライブスタック画像 撮影日:2022/5/18。鏡筒:Tamron 150-600mm G2 (f=600mm)。マウント:AZ-GTi(EQモード)。カメラ:ASi294MC Pro (0℃)。カイド鏡:EVOGUIDE 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:Kenko ASTRO LPR Type2。90秒露光、40回スタック。Dark, Bias有り。画像処理:Fitsファイルのヒストグラム調整のみ。 ASiair Proでのライブスタックは逐次Fitsファイルが自動保存されるので、それらの中から状態の良いものを選抜してDSSにてスタッキングを行い、FlatAide Proを主体にした画像処理したM51が下の写真です。 Tamronズーム600mmでの露光90秒、35枚DSSスタック画像 撮影日:2022/5/18。鏡筒:Tamron 150-600mm G2 (f=600mm)。マウント:AZ-GTi(EQモード)。カメラ:ASi294MC Pro (0℃)。カイド鏡:EVOGUIDE 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:Kenko ASTRO LPR Type2。90秒露光、40回スタック。良好な画像35枚をDSSにてスタック(Dark有り、HotSpot除去処理)。画像処理:Fitsファイルのヒストグラム調整とFlatAide Proによるフラット補正。 画像処理が未熟で、ライブスタック画像の方がましのような気もします。 焦点距離600mmでは、余りにも小さな像しか拝めなかったので、焦点距離が1,500mmあるMAK127を使ってM51を撮ることにしました。 2.MAK127でM51を撮る MAK127で星雲を撮るのは初めてのことです。これまで月と惑星専用機として使っていました。カメラとしてASi294MC Proを使えばプレートソルビングは成功することはこれまで確認はしていました。ガイド精度を確実に確保するためにマウントはAlThiba3改造GP2赤道儀を使用。 90秒露光で40回ライブスタックしたM51の画像が下の写真です。焦点距離600mmでのライブスタックとは比べ物にならないくらい鮮明な渦巻き星雲が現れて感激ものでした。 MAK127でのM51ライブスタック画像 撮影日:2022/5/29。鏡筒:MAK127。マウント:AlThiba3改造GP2(ベルトドライブ)。カメラ:ASi294MC Pro (0℃)。カイド鏡:EVOGUIDE 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:Kenko ASTRO LPR Type2。90秒露光、40回スタック。画像処理:Fitsファイルのヒストグラム調整のみ。 ライブスタック時に自動保存されたFitsファイルの内から状態の良いものをセレクトした35フレームをDSSでスタックし、FlatAide Proでフラット補正などをして画像処理後のM51が下の写真です。露光時間が不足なので拡大には耐えられない画像になっています。 MAK127での画像処理後のM51画像 撮影日:2022/5/29。鏡筒:MAK127。マウント:AlThiba3改造GP2(ベルトドライブ)。カメラ:ASi294MC Pro (0℃)。カイド鏡:EVOGUIDE 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:Kenko ASTRO LPR Type2。90秒露光、40回スタック。良好な画像35枚をDSSにてスタック(Dark有り、HotSpot除去処理)。画像処理:Fitsファイルのヒストグラム調整とFlatAide Proによるフラット補正。 3.MAK127の焦点距離、バックフォーカスについて MAK127の焦点距離は、1,500mmとされています。しかし、実際にプレートソルビングを実行する際、ASiair Proに1,500mmと入力するとプレートソルビングに失敗します。そこでマニュアル通り0mmと入力するとプレートソルビングに成功し、焦点距離は約1,900mmと表示されます。 カセグレン式の反射望遠鏡は、バックフォーカスが問題になるとは聞いたことはありましたが、これまでの撮影では意識してカメラの装着位置を決めたことはありませんでした。今回も、これまで惑星や月を撮影していた位置にCMOSカメラを設置していました。カメラの位置は下の写真の通り、約100mmの延長筒を使用しています。 MAK127のカメラの位置 結果として焦点距離1,900mmのM51画像が得られていたわけです。
June 18, 2022
閲覧総数 1022
6
今年は、サツマイモが変調である。元々、サツマイモつるの調製が遅れにおくれてしまい、植え付けが暑い時期になってしまったことが原因のようである。特に安納芋が変調で、葉や茎が写真のように赤くなり、枯れはしないが生長もしない、いわゆる休眠状態に1ヵ月以上留まっています。 休眠状態の安納芋 この休眠状態の株は、2017年6月7日に植え付けたものです。もう1ヵ月半もこの状態です。2017年5月28日に植え付けた株は、下の写真のように順調に生長しています。 順調に生長している安納芋 2週間前、かなりの株をフレッシュで頑強なツルと入れ替えを行いました。その際に、数株の休眠状態の株を普通のマルチをほどこしていない畑に植え付けておきました。下の写真のように休眠状態から目覚めているではありませんか。 休眠状態から目覚めた安納芋 マルチを張った畝では休眠状態が継続しており、マルチを張っていない畝では休眠から覚めた。この差異の原因は何なんでしょうか。おそらくマルチを張った状態では、この雨のない炎天下で地温が異常に上昇していることが考えられます。この地温の熱さによって、生長が阻まれているのではないかと考えています。 対策として、新しいツルを通常の畑へ挿し穂し、少し根を生長させてマルチ畝へ移動することにしました。
July 20, 2017
閲覧総数 4571
7
カボチャの苗は順調に育ち、2019年4月11日にマルチを施した畝に4株定植しました。8株育苗しましたが、残り4株は菜園仲間に提供しました。 カボチャは毎年「雪化粧」という品種を育てていますが、カボチャは自然に放置しておけばいくらでも実がゴロゴロと思っていました。しかし、この5年間まともなカボチャを収穫して、「これは美味なり」と言って食べた覚えがありません。いつも形が良くなく、数も多くない状況でした。つるの生長を放置していますので、葉っぱに邪魔されて受粉がうまくいっていないような気もしていました。 そこで、今年は脇芽を管理してやろうと、YouTubeで勉強しました。動画での勉強は、分かりやすくて助かります。大切な点は以下の2点。1.3本仕立て。3節と4節の脇つると伸ばし、主枝と合わせて3本のつるを伸ばす。2.脇芽や脇つるは、雄花を残して欠く。 下の写真は、「ウリバエ」対策のために寒冷紗に覆われたカボチャの様子です。 定植後1ヵ月のカボチャの様子【写真クリックで拡大します】 寒冷紗を除いたのが、下の写真です。根元付近はゴチャゴチャに脇芽や脇つるが出ています。 ゴチャゴチャのカボチャ 拡大したのが下の写真。主枝は11~12節伸びていました。1節目と2節目に結構大きな脇つるが出来ていました。毎年このつるを放置しているので、複雑に入り混じったつるが伸びるのだと理解出来ました。脇芽欠きは、最初は戸惑いましたが、2株目からは簡単に出来はじめました。 剪定前のカボチャ 剪定を終えたカボチャ 主枝を前方に誘導しました。脇つるの2本は、まだ短く誘導は困難でした。 剪定を終えたカボチャ全体 寒冷紗を降ろして、三本仕立ての剪定完了です。 剪定完了のカボチャ
May 12, 2019
閲覧総数 1036
8
ASiairを衝動買いして早1年4カ月になります。最近ずっと自動導入の訓練をしていて、いかにファインダー内にターゲットを入れ込むことの難しさと煩わしさ体験し続けていました。その折、ASiairでPlate Solveが可能であるということを知り、早速習得を開始しました。そんな中、最も困難を極めたのはWiFi接続が安定しないことでした。安定というよりは、接続出来たり、出来なかったりの繰り返しの時期が続きました。 その原因は、最初に読んだマニュアルが良くありませんでした。本来は、ASiairアプリ内のStation Mode WiFiで接続すべきであるのに、そのマニュアルではSynScan Pro内のStation Mode WiFiを使うように記述されていたのです。それが混乱の始まりとなりました。 ずっと、赤道儀はASiairアプリでコントロールするのに、なぜSynScan ProアプリのStation Mode WiFiを使うのか、それが謎でした。そのマニュアル通りやってうまく接続出来て、赤道儀をコントール出来ることもあるので、益々状況を複雑にしてくれました。何十回と接続試験をするうちに、そのマニュアルは間違いであると確信できるようになったので、このブログの題材にしました。きっと困っている同胞がいるのでないかと。 しかし、Plate Solvingがうまく行き、ターゲットがスクリーンのど真ん中に導入された時はびっくりしました。こんなきゃしゃなラズベリーパイにこんな機能があるのかと驚かされました。これでファインダーでの導入から解放されそうです。 ASiairの訓練に使っているシステム【写真クリックで拡大します】 以下、ASiairとSynscan赤道儀(実際に使用したマウント:AZ-GTi、EQM35 Pro)との接続方法をまとめてみました。1.基本的な接続方法 1) ASiairとマウントとの接続はWiFi もちろんSerial USBケーブルを使って接続も可能ですが、単純化のために。 2) SynScan Proアプリは通常必要ではありません。 スマホ2台使いでマウントを操作したり、SkySafariを使用する際のみ必要です。 3) ASiairの中の Station Mode WiFi セッティングで SynScan WiFiとつなぐ。 ちまたの情報で、多くがSynScan Proアプリの中でStation Modeのセッティングを行うようなことが記載されていますが、それは間違いです。あくまで、ASiairアプリでStation Mode設定を行うことが正しいセッティング方法です。2.セッティング手順 1)SkySafariを使わない場合 ・スマホをASiair WiFiと接続 ・ASiairアプリを起動し、ASiairとスマホとを接続 ・ASiairのWiFi設定画面に入る ・Station Mode WiFiを開く ・SynScan WiFiをクリックする ・Station Modeに入ればSynScan WiFiが上位に来て、チェックが入る Station Mode を ON にします。 (この作業中ASiair WiFiが切断されることがありますが、再接続すればOKです) ・次にTelescopeセッティングに入ります ・Telescope TypeとIPアドレス、ポート番号を下のように選択あるい入れ込みます。 ・すると下のように赤道儀とつながります。 ・Sync to Mount をクリックしてSuccessが表示されればOKです。 (このSuccessが表示されない不完全な接続も経験しました) 2)SkySafariを使う場合 SkySafariを使う場合のWiFi接続は混乱させられ続けましたが、この方法だと確実につながります。 ・最初はSynscan WiFiとスマホをつなぎます。 ・Synscan Proアプリを立ち上げ、赤道儀モードでマウントと接続を完了します。 ・ASiair WiFiとつなぎ、上述の手順でStation ModeでSynscan WiFiとつなぎます。 ・Telescopeセッティングに入り、下のようにTelescope Typeを選びます。 ・赤道儀との接続がうまく行くと下の画面になり、Sync to Mount がSuccessとなります。 ・次に、SkySafari6 Plus あるいはProを立ち上げます(Freeのものではダメです) ・Setup画面を下のように整えます。 ・connectボタンをクリックするとチーンという音と共に赤道儀とつながります。 (SkySafari は、ASiairの Station Mode WiFiを通して赤道儀とやり取りします。よって最初にSynscan Proアプリを立ち上げておかないといけない訳です) 以上、ASiairとSynscan WiFiを使う赤道儀の接続方法について記しました。説明がわかりにくい場合は、YouTubeへ接続方法をアップしていますので、そちらを参考にされて下さい。 写真をクリックするとYouTubeへ飛びます。 また、ASiairとAZ-GTiマウントとの組み合わせで Plate Solving や オートガイドの練習した様子もYouTubeへアップしています。 写真クリックでYouTubeへ行きます。
April 13, 2020
閲覧総数 12006
9
久々にBSをゆったりと見ていたら、大昔の「大岡越前」第2部を放送していました。1971年当時、母親が加藤剛ファンで、大岡越前を見ていましたので、つられて見ていました。加藤剛も良かったけれど、キジトラは宇津宮雅代が気に入っていました。特に、あのくるりとした可愛らしい目が。大岡越前での番組のシーンから宇津宮雅代をピックアップしたものをスライドショーにしてみました。 宇津宮雅代のスライドショー(画像をクリックすると開始します) テレビ放映から40年強が過ぎ去りましたが、あの当時の俳優の素晴らしさは色褪せることはありません。今から思い返せば、宇津宮雅代も20才そこそこの年齢。その若さで、あの雪絵の仕草は素晴らしいの一言です。 大岡越前第2部のひとコマ (画像をクリックするとスライドショー開始)
September 18, 2013
閲覧総数 29082
10
再々のアメリカデイゴの話題です。昨年、3回目のトライで待望の挿し木が成功したことを報告しましたが、実は4回目のトライを行っていました。冬になり挿し木した木も枯れたと思っていましたが、何と2月に芽が出てきました。 下の写真は、昨年秋に挿し木した直後の写真です。挿す前に、枝の根元に植物ホルモンのルートンの粉末を塗布しました。 2016年10月16日挿し木直後 撮影 もう、枯れたかなと思っていましたが、芽が観察されました。 2017年2月13日撮影 もう一カ所、芽が観察されました。 2017年2月13日 別アングル 2日後、芽は大きくなってきました。 2017年2月15日撮影 さらに、10日経過。枝が大きくなってきました。 2017年2月25日撮影
February 28, 2017
閲覧総数 1085
11
久々の大雨、それに加えて強い。こんな日に限ってバス旅行となり、運悪し。水戸市の近くの常陸太田市、西山公園へ。西山公園の奥の小高い場所には、水戸藩の第二代藩主水戸光圀公が隠居所として使った西山御殿(西山荘)がある。 西山御殿(西山荘:常陸太田市紹介のブログより引用) 西山公園は、その西山御殿のエントランス庭園です。地味な庭園だが趣があり、雨模様の空模様にはピッタリの庭である。西山御殿の裏山は、桜の名所でもある。 庭園をゆったりと歩いてみました。 庭園巡りのあとは、恒例の温泉です。今回は、「ぬく森の湯」でした。アルカリ泉の名湯でした。
April 15, 2018
閲覧総数 224
12
1.マクストフ鏡筒SkyMAX180で回転花火銀河:M101をライブスタック M51と共に定番となっている春の銀河M101をマクストフ18cmでライブスタックしてみました。露光時間は300秒。M101は銀河内に多くの星があるので、オフアキのガイド星は何もしなくても楽に見つかりました。 オフアキシス・ガイダーを取り付けたSkyMAX180 焦点距離2,700mmのライブスタックは、さすがに迫力ある回転花火銀河を堪能することができました。この日も21時から22時にかけて北から頻繁に飛行機が飛来してきて視界に入りはしないかとヒヤヒヤしながらライブスタックをしていました。この焦点距離だと大丈夫だと思った24回目のライブスタックで残念ながら飛行機のライトを見事に捉えてしまいました。つくづく夜間のフライトは緊急時以外はやめて欲しいと感じました。 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 M101のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通り。 使用した機材・条件 23回スタックして自動保存されたライブスタック画像が下の写真です。 自動保存されたライブスタック画像 24回目のライブスタックの際、飛行機のライトを捉えたフレームが下の写真。 飛行機のライトを捉えた画像 夜間のフライト、しかも連続するものは止めて欲しいものです。 2.M101の最終画像 飛行機のライトにより中断したライブスタックの後は、ライトフレーム取得のために撮影を子午線反転まで続け、合計31コマのライトフレームを取得できた。 ライトフレーム31コマでのM101最終画像 撮影日:2024/5/10。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で31コマ撮影。画像処理:自動保存された31コマをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 3.あとがき 今回のM101のライブスタック、迷惑飛行機のために途中で中止のライブスタックとなりました。ライブスタックは再開したものの、まもなく子午線反転のために再び中止。子午線反転後も反転前との位置合わせをトライしましたが、微妙にずれてしまいました。子午線反転後のライトフレームを含めた41コマを使っての画像処理も並行して行いました。それが下の写真です。位置がずれていますので、多少のクロップを行っています。 子午線反転後は、シーイングが良くなり、プラス10フレームでも少々明るい画像が撮れました。見返りとしてクロップを余儀なくされ、全体像が微妙にあふれてしまいました。 子午線反転後の10コマを含めた計41コマでのM101の最終画像 撮影日:2024/5/10。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で31コマ撮影。画像処理:自動保存された41コマをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。
May 16, 2024
閲覧総数 92
13
久々にPCの話題です。第2世代のインテルCPUにQSV機能が搭載されて以来、頻繁にQSVを使ってH.264エンコードを行ってきた。その後、インテルCPUは世代が交代してゆき、今は第8世代となっている。我が家のPCも世代交代してゆき、最新のものは第6世代となっている。 今回の話題は、インテルCPUのQSV速度が世代を重ねるごとに進化しているか否かについてであります。第2、第3、第4、第6世代のCPUのQSV速度を測定してみました。第6世代になり、H.265エンコードのQSVも追加されたので、その速度も測定してみました。 試験に用いた動画は、フルハイビジョンで約50分の長さのMPEG2/TS動画である。動画のサイズは、6.67 GB。その他のプロパティを含めて表1にまとめました。 表1 試験に用いた動画のプロパティ動画フォーマットMPEG2/TS解像度1,920x1,080 (16:9)フレームレート29.97 fps動画の長さ49分39秒サイズ6.67 GBビットレート・モードVBRモード平均ビットレート19.2 Mbps最大ビットレート26.2 Mbps エンコード試験の条件は、下の表2に示したとおりである。ソフトはTMPGEnc Video Mastering Works 6 を使用しました。このソフトは、H.264、H.265のハードウェアエンコード(QSV)を容易に使うことが可能です。エンコード条件は、H.264エンコードの場合は、解像度はフルハイビジョンのままで、平均ビットレートを19.2Mbpsから5.0Mbpsに下げる条件である。H.265エンコードの場合は、ビットレートを2.5Mbpsにする条件である。 表2 エンコード試験の条件エンコードアプリTMPGEnc Video Mastering Work 6エンコード・フォーマットH.264 or H.265/MP4解像度1,920x1,080 (16:9)フレームレート29.97 fps動画の長さ49分39秒ビットレート・モードVBRモード平均ビットレート5.0 or 2.5 Mbps最大ビットレート25.0 Mbps 試験に用いた各世代のPCのスペックは、表3のとおりです。 表3 試験に用いたPCの仕様CPUCore/Thread内蔵GPUMemoryCore i7-2600K3.40GHz 4c/8tIntel HD Graphics 30008 GBCore i7-37703.40GHz 4c/8tIntel HD Graphics 400016 GBCore i5-45703.20GHz 4c/4tIntel HD Graphics 46008 GBCore i5-65003.20GHz 4c/4tIntel HD Graphics 5308 GB 各世代のPCの性能の概略を知るためにベンチをとってみました。その結果を表4に記しました。ベンチマークは各世代によって大差はありませんでした。 表4 試験に用いたPCの性能(ベンチ)機 種 Core i7-2600K Core i7-3770 Core i5-4570 Core i5-6500 Mark250,214277,393275,322279,068ALU69,09984,04781,84179,860FPU69,61363,43873,82069,030MEM50,07058,19148,82679,639HDD12,95236,67832,09512,686GDI16,53315,64217,65616,967D2D26,6117,7806,1264,580OGL5,33611,61714,95816,306 エンコード結果を表5に記した。QSVを使用した場合、各世代のCPUは、使用しない場合(softwareエンコード)に比して約3~5倍の高速を示した。H.265エンコードはH.264エンコードに比べてエンコード時間は、約2倍要した。 表5 エンコード速度の結果CPUエンコード方式Software/QSVエンコード時間エンコード速度(fps)Core i7-2600KH.264Software65分26秒22.7QSV19分21秒76.9Core i7-3770H.264Software60分47秒24.5QSV12分37秒118.0Core i5-4570H.264Software107分13秒13.9QSV22分27秒66.3Core i5-6500H.264Software67分45秒22.0QSV16分20秒91.1H.265Software141分09秒10.5QSV28分16秒52.7 「インテルCPUのQSV性能は世代で進化しているか」の疑問に対しての結論は、 1.世代によってQSVによるH.264エンコード速度はたいして進化していない。 2.第2世代よりも第3世代CPUのQSVは進化しているが、それ以降は進化が止まっている。 3.第6世代からのH.265エンコードは、付加価値は高い。QSVによって5倍の高速を示したが、H.264エンコード速度の約1/2の速度である。 以上の結論に達しました。H.264エンコードに限って言えば、第3世代CPU以降、速度的には進化が見られず、PCの更新は必要ないことがわかりました。
October 20, 2017
閲覧総数 18855
14
現在進めている天体撮影機材は、600㎜ズームレンズを使った撮影システムです。お手軽撮影ということで、赤道儀としてスカイメモSを使いたいと思っています。ズームレンズとカメラ、そしてファインダーとガイド鏡を載せてみました。標準のウエイト1㎏ではバランスが取れませんでした。スカイメモSのバランスウエイトとシャフトは下の写真のとおりで、左端はM8ネジ、右端はM6ネジとなっています。シャフトの長さは約250㎜。 スカイメモSのバランスウエイト【写真クリックで拡大します】 最初は単純に、M6のメスネジにM6の棒ネジを結合させて、シャフトを延長させることを考えた。M6の棒ネジの長さは280mm。 M6の棒ネジとM6の袋ナット【写真クリックで拡大します】 M6の棒ネジを結合させ、右端をワッシャーとナットで止めたものをスカイメモSに取り付けた。1㎏のウエイトを一番下に持っていったが、まだ重さが足りなかった。さらに、M6の棒ネジは細過ぎて、たわんでしまう欠点が明らかになった。 ネットで座金を使ったバランスウエイトの作製例が多く見られますが、詳細に記したものは見られなかったので、いちからホームセンターをはしごしてウエイトを探し歩きました。しかし、丸くて重さがあるものは、漬物の重し、あるいは電線の巻物くらいしか見当たらなかった。4軒目のホームセンター(ビバホーム)で座金なるものが見つかりました。建築資材の場所であった。 材料として丸座金(下写真の上右側の3個)、スクリュー座金(同、上左端)、M12棒ネジ:長さ280mm(同、真ん中)、M12六角ナット(同、下左側)、変換ジョイントM12 →M10(同、下真ん中)、変換ジョイントM10→M8(同、下左側)を購入。全部で2,000円弱の買い物でした。丸座金は黄色い真鍮製で重さは一個400g、300円程度です。スクリュー座金は内部がM12ネジとなっていますので、M12の棒ネジの終点として使用できます。 丸座金、その他の材料【写真クリックで拡大します】 まず、終点としてのスクリュー座金を棒ネジに組み込みます。 M12棒ネジにスクリュー座金を組み込む【写真クリックで拡大します】 次に、棒ネジに3枚の丸座金を組み込みます。丸座金の間にシリコンゴムを挟み込んでいます。なくても結構だと思います。 棒ネジに丸座金を3枚組み込む【写真クリックで拡大します】 丸座金の両端をナットで挟み込んで、2種類の変換ジョイントを介してスカイメモSにねじ込みます。 バランスウェイトをスカイメモSに取り付ける【写真クリックで拡大します】 下の写真は、600㎜ズームレンズを付けた一眼レフカメラ、ガイド鏡、ファインダーを載せたプレート(重さ:約4.5㎏)を取り付けたスカイメモSのバランスが取れました様子を示したものです。 無事、バランスがとれました【写真クリックで拡大します】
September 15, 2018
閲覧総数 3604
15
2016年8月15日、叔母のお見舞いのため御宿町の介護施設を訪問した。今年、二回とも失敗したアメリカデイゴの挿し木、三回目をトライするために枝を採取した。 前回と同じ場所での採取となった。二度の挿し木の失敗を繰り返さないために、今回は、条件を次のように変えました。 1)木質化が進んだ枝を採取 2)大きい枝を採取する 3)挿し木の土を鹿沼土から通常の土にする 4)地中に深く挿す 【写真をクリックすると拡大します】 枝を採取したアメリカデイゴの動画です。綺麗な花が少し付いていました。 【写真をクリックするとYouTubeの動画へ飛びます】 挿し木は、家の北側の水はけの良い場所に深植えしました。下の写真は、木質化が少し進んだ枝を挿し木したものです。 【写真をクリックすると拡大します】 枝が多く分岐したものを、分岐点を地中に埋めて挿し木したものです。太陽が少しが当たるので、葉っぱはすぐに落ちてしまいました。 約1カ月経った2016年9月10日頃、枝が多く分岐したものは枯れてしまっていましたが、木質化が進んだ枝は緑を保ったままだったので、根元を土から掘り起こしてみました。しかし、根っこは観察できませんでした。そのまま、鹿沼土の入った鉢に埋め戻していました。 そして、今日2016年9月29日の枝の全体画像が下の写真です。枝はちゃんと緑色を保持しています。 枝の先端を見ると、何と新芽が出ているではありませんか。最高に嬉しかったです♡。 拡大すると、 根元付近にも、新芽が観察されました。 拡大すると まだ、根っこを確認できていませんので安心はできませんが、何とか三回目の正直ということになったかも知れません。ネットでカイコウズの挿し木でいろいろ検索してみましたら、挿し根をすると確実に活着するとの記事を見つけました。【2日後、2016年10月1日】 新芽から枝の様相となりました。葉っぱもうかがえます。【6日後、2016年10月4日】 立派に枝となりました。 根元付近の新芽も枝に生長しました。 次は、冬越しが課題です。 また、春になりましたらレポートします。
September 29, 2016
閲覧総数 2769
16
天体観測、天体撮影は、ターゲットを望遠鏡の視野に入れ込むことと、その捉えたターゲットを動かさず維持させることが最も重要です。ターゲットに入れ込むための前段階の作業として、「アライメント」という作業があります。この作業は本当に嫌になる操作であり、作業です。最近は、この作業がいい加減でも良いと言う、Plate Solvingという技術が普及してきました。 私も、遅まきながらASiairでその Plate Solving の威力を経験しました。ところが、肝心のASiairがアップグレードし、価格が大きく高騰するという事態と、焦点距離が大きくなると Plate Solving が出来なくなるという欠点が見え始めてきました。もちろん、ZWO社のカメラを使わないと使えないという欠点ははじめからありましたが。 これらの ASiair の Plate Solving の問題点を解決するためには、本家本元のPlate SolvingをマスターしようということでASiairと操作方法が類似している Astroberry の中にある Ekos の Plate Solving を勉強することにしました。 ASiair の Plate Solving は、星図を意識することなく実行できますが、Astroberry の場合は、あらかじめ星図カタログ(Index Files)を準備してインストールしておかなくてはなりません。今回の号は、この星図カタログをダウンロードしてAstroberryにインストールする手順を記載してみました。 本ブログの内容は以下のとおりです。 1.星図カタログファイルのダウンロード 2.Astroberryへの星図カタログファイルのインストール 3.動画:Astroberry and Astrometry.net Catalog Index Files 1.星図カタログファイルのダウンロード Astroberry でPlate Solvingを実行する際、Plate Solvingを実行するために必要な アプリAstrometry.net はインストールされていますが、星図カタログのデータ:Indexファイルはインストールされていません。 星図カタログは、ここ Astrometry.net サイトよりダウンロードできます。 Astrometry.netのサイト【写真クリックで拡大します】 星図カタログは、2MASSカタログとTycho-2カタログの2種類あります。2MASSカタログを下に示します。番号が、4200番台のものが2MASS星図です。星図は画像ファイルのFitsの形式になっています。 2MASSカタログ Tycho-2カタログ ダウンロードした2つの星図カタログファイルは、まとめてUSBメモリーに保存します。容量は、以下のとおり。 2MASS:31.4 GB Tycho-2:339 MB 32GBのUSBメモリーでは容量不足となります。64GB以上 の容量が必要です。私は、128GBのものを使っています。 2つの星図カタログファイルの容量 2.Astroberryへの星図カタログファイルのインストール 2つの星図カタログファイルを保存しているUSBメモリー(TOSHIBA)とAstroberryが入っているラズパイ4を準備します。 Plate Solvingを実行する際には、全ての星図カタログファイルを使うわけではないので、全部のファイルをインストールする必要はありません。特に長焦点を使わない場合は、容量の大きい2MASS Catalogの4200番台のファイル群をインストールする必要はありません。しかし、本稿では、全てのカタログファイルをインストールするということで説明しています。 USBメモリーを挿したラズパイ4 AstroberryをVNC Viewer上で起動します。 Astroberryを起動した画面 Ekosを起動する画面 Profileの編集に入ります。 Profile編集起動画面 MountとCCDへSumulatorを入力します。「Save」して、Profileを起動します。 Profile編集画面 赤枠「弓の的」の記号マークのAlignをクリックします。 弓の的マーククリック時画面 下の方にある「〇赤枠」をクリックします。 赤枠「〇マーク」クリック画面 Astrometry.netの画面が出ます。 Astrometry.netの画面 赤マル枠の「Index Files」をクリックします。 「Index Files」をクリック画面 星図カタログファイルの一覧が出てきます。これらは、ファイル名と容量のみで、まだインストールはされていません。インストールされるとファイル名が緑色になります。 Index Files画面 次に、画面左上にあるメニューの「フォルダ」をクリックして、USBメモリーのTOSHIBAフォルダを表示させます。 メニュー「フォルダ」をクリックした画面 TOSHIBAフォルダをクリックして内容を表示させる。 TOSHIBAのフォルダーをクリックした画面 「Tycho-2」フォルダ内を表示させる。 TOSHIBAフォルダの中のTycho-2ファイル 「Tycho-2」フォルダにマウスを置き、右クリックし、「全選択」をクリックして、右側にある「/home/astroberry/.local/share/kstars/astrometry」フォルダへコピーします。 Tycho-2ファイルのコピーが完了した画面 Tycho-2のFitsファイルが全部コピーされたところで、「Astrometry.net」をクリックします。 赤枠の「Astrometry.net」をクリックした画面 「Index Files」をクリックすると、「Tycho-2」のファイルが緑色に変化しており、インストールされていることがわかります。 Tycho-2カタログファイルがインストールされた画面 TOSHIBAフォルダにマウスを置いて、右クリック。全選択を選んで、「/home/astroberry/.local/share/kstars/astrometry」フォルダへコピーします。 2MASSフォルダを表示させた画面 コピー完了後、左メニューの「Astrometry.net」をクリック。 全部の2MASSカタログファイルがコピーされた画面 一度赤枠のAstromony.netをクリックする。しばらく経つとインストールが完了します。 赤枠の「Astronomy.net」をクリックした画面 「Index Files」をクリックすると、下の画面になり、全部のIndex Filesが緑色になり、全ファイルがインストールされていることを確認することができます。 2MASSカタログファイルが緑色に変化した画面 全星図カタログファイルのインストール完了画面 3.動画:Astroberry and Astrometry.net Catalog Index Files 今回のAstroberry内のPlate Solvingを実行する際に必要となるAstrometry.netの星図カタログファイルの準備の行ない方を詳しく説明するために、動画も下のように公開しています。参考になれば幸甚です。 画面をクリックすると動画へ移動します。
July 5, 2020
閲覧総数 1485
17
1.SkyMAX180でひまわり銀河:M63をライブスタック 今回は、ひまわり銀河:M63をマクストフ18cmでライブスタックしてみました。渦巻銀河ながら星雲と暗黒帯が混在する独特の風貌がどこまで見られるかがキーポイントです。露光時間は300秒。この銀河もオフアキシスのガイド星は何もしなくても楽に見つかりました。 使用した鏡筒:SkyMAX180 ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 ひまわり銀河:M63のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通り。 使用した機材・条件 2.オフアキシスガイドの様子 オフアキシスガイドのカメラは1/1.8インチのASi220MM Miniを使っています。ASiair上でのガイドカメラが下の写真。星が矢印のとおり2個見えています。 ガイド星 ASiairのガイド条件は下のとおりに設定しています。 ASiairのガイド設定画面 3.M63:ひまわり銀河の最終画像 ライブスタックは、11回のスタックで終了しましたが、別の日に12コマのライトフレームを撮影し、合計23コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。 ライトフレーム23フレームからのM63:ひまわり銀河最終画像 撮影日:2024/5/11,17。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で23コマ撮影。画像処理:23コマのライトフレームをPixInsightで処理(WBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.M63の銀河の模様は、他の渦巻銀河とは少し異なっており、渦巻の中に暗黒帯が点在しているようです。この奇妙な模様をどれだけ詳細に捉えることができるかが撮影のポイントだと思いますが、物足りない結果となりました。解像度を上げるには18cmマクストフでは無理なのか?シーイングが良い時に再挑戦したいと思います。2.ASiair Plus起動時に「Checking data integrity データの整合性をチェック中」や「Decompressing data データを解凍中」などのメッセージが出てきて、起動にかなり時間がかかるようになったVarsion 2.1.2だが、使用するタブレットによっては時間がかからないものもある不思議な現象でした。メインに使用しているタブレットは起動するたびに約2分くらい待たされていた。最近アップデートで 2.1.4 になり、この冗長な待機現象が解消されホットしてます。
May 28, 2024
閲覧総数 102
18
1.経緯 季節が場違いなM42が題材で失礼します。 ASIカメラのFitsファイルの画像処理の話題、前回の記事から、かなりの時間が経過しました。その間、ステライメージ(SI9)をあれこれさわりましたが、依然として進歩しません。それに反して、海外のフリーソフトは直感的に使用でき、画像処理も少しずつ進歩してきたような気がします。 今回の話題は、3月から4月にかけてライブスタックを実行して得られたM42のホットピクセルを除去する話題です。 ライブスタックを実行すると、アプリが星の位置を計算して自動的にスタックしてくれるが、CMOS受光素子で発生するホットピクセルは同じ位置に発生するので、スタック画面上ではホットピクセルがスジ状になって写るわけです。 74回のスタックでのモニター上の画面が下の写真。結構鮮明に映し出されています。 スタック74回時のモニター画面 2.ライブスタックの機材、条件 鏡筒:Vixen SD81s(f=625mm) 赤道儀:EQM35Pro (ノータッチガイド) カメラ:ASi294MC Pro フィルター:ケンコー Astro LPR Type2 場所、日時:南関東自宅2階屋内、2021年4月2日 19:30 気温:15℃ 露出:10秒 スタック回数:74回(22回スタック失敗) 保存フレーム:96枚 導入:ASiairのPlateSolving機能 ライブスタックアプリ:ASIStudio内のASiLive PC:Lenovo G580 Core i5 (8GB) モニター:Kogoda K1501-G(1080P) PCとHDMIで接続 ライブスタック動画キャプチャー:Corel VideoStudio 2021 3.DSSアプリのホットピクセル除去の効果 ライブスタックで興味が湧く事項は、モニターで映し出された画面、自動で保存されるライブスタック画像、そして逐次保存される個別のフレームファイルをスタックした画像の比較である。 ASIStackアプリで自動保存されるファイル モニター上で映し出されるライブスタック画像は上に示した通りです。結構、きれいな画像が得られています。スタック回数は、74回です。使用しているPCは、フルハイビジョンではありませんが、フルハイビジョンのモニターをHDMI接続すればフルハイビジョンの映像キャプチャーが可能です。 今回のM42のライブスタックで自動保存されたライブスタック画像を拡大すると下の写真のとおりで、ホットピクセルのスジ軌跡は写っていませんでした。おそらく、ASiLive内のホットピクセル除去機能が働いたことと、ライブスタックを実行した時期が4月上旬で気温は、15℃と低かったせいでしょうか。 拡大した自動保存されたライブスタック画像 Singleframe には96個のFitsファイルが保存されていました。これらをDeepSkyStacker(DSS)でスタックした画像を拡大したものが下の写真です。ホットピクセルによる赤や青の軌跡が見られます。 ライブスタック時、ホットピクセルで出来た軌跡 DSSアプリでは、このホットピクセルを消去する機能があります。そのパラメーター設定画面が下の画面です。 1.Filter:1pix~5pix 2.Threshold:99%~1% (数値が小さいほど強い処理) 下の画像をクリックすると各条件でのホットピクセル除去の結果がスライドショーで見れます。スライドショーは【F11】をクリックすると全画面になり見やすいです。もう一度【F11】をクリックすると元に戻ります。 写真をクリックするとDSSの各条件でスタックした結果のスライドショーが開始 種々の条件下でスタックした結果、ホットピクセル除去の効果は、1.Filter=1 pix、Threshold=75% でホットピクセルは除去できた。2.Filter=1 pix、Threshold=90% で赤色、青色のホットピクセルはなくなるが、緑色のホットピクセルが残存した。3.Filter=1 pix、Threshold=1% にすると、画面が極端に暗くなる。4.Filter=2 Pix以上にするに連れて、星に「団子」が描かれる状態になる。3~4 Pix にすると星が団子になる。 4.自動保存画像とDSSによるスタック画像の比較 自動保存されたオートスタック画像は人工衛星などの軌跡も含まれた画像である。当初より、保存された各フレームの良い物だけを選択してスタックした画像は、自動保存オートスタック画像よりも、より良い画像が得られると目論んでいました。実際に比較したものが、下の2枚の写真です。 下の写真は、ASiLiveによるライブスタックで10秒、74回スタックし自動保存されたFitsファイルを、ASiFitsViewのヒストグラムのスライダーで調整した画像です。 ライブスタックで自動保存されたautosave_stacked.fit 画像 DSSでホットピクセル除去条件で73枚をスタックし、ASiFitsViewにて上のautosave_stackedのFitsファイルと同じヒストグラム条件で調整した画像が下の写真です。 DSSでホットピクセル除去(1pix、75%Threshold)条件下でスタックした画像 二つの画像を比較してみます。下の写真をクリックすると詳細に比較できます。 M42の自動スタック画像とスタック処理した画像との比較【写真クリックで比較スライドに移動】 5.まとめ ・モニター上の画像は、自動で保存されるautosave_stack.fit画像と遜色ないくらい鮮明である。 ・SingleframeのFitsファイルをスタックした画像は、さすがにモニター上の画像やautosave_stacked.fit画像よりは鮮明に星雲のモクモク感が再現される。 ・15℃の気温であれば、DSS上で1pix、75%Threshold条件でのスタックでホットピクセルが除去できる。
September 11, 2021
閲覧総数 1410
19
2011年12月8~9日、竜宮城ホテル三日月に行ってきました。菜園は冬に入り休止状態となっている。これまでの農作業の慰安のために温泉にでも行こうということになった。昨年の12月は、常磐ハワイアンへ行きました。今年はどこに行こうかと前日まで迷った挙句、スパのある竜宮城ホテル三日月に決定。前日にもかかわらず部屋は空いている状況。 荒涼とした広大な稲作放棄地を抜けて行くと、忽然と竜宮城の威容が見えてきました。あいにくの雨模様。 ホテル内は広い広い!下の写真はホテルとスパを結ぶ5階の渡り廊下。部屋からスパへたどり着くまでは長い長い道程。運動不足解消にはうってつけです。 スパは屋内と屋外にプールがある。屋外プールに行ってみる。結構湯加減のよい温水プールでした。客が少なく独占状態。ジャグジーなどを楽しみました。子供連れにはお勧めのスパでした。写真は、ホテルの部屋から撮影したものです。雨模様の寒々したプールですが、暖まりました。 最近のホテルは喫煙場所がないので困ります。竜宮城の喫煙所は、5階にありました。宴会場のひと部屋を喫煙所にしたてている。客間なので広い。不思議なことに天井は吹き抜けになっており、宴会場への廊下とつうつうなのである。たばこの煙は、堂々と天井からホテル全体へと広がっているのです。説明がつかない喫煙所でありました。 この喫煙所で奇異な出会いがありました。小学6年の男の子と小学3年の女の子の親で、平日にもかかわらず3人で2泊するとか。タバコを吹かしながら談笑。なんと同じ市内の人でした。同じ市内なので再会できるかも。 ホテル宿泊の楽しみは食事です。今回もバイキングコースでした。バイキング内容の評価は、下位の部類です。直近のホテルの序列を示すと、次のようになります。 那須サンバレー>箱根小湧園>常磐ハワイ>竜宮城ホテル三日月>万座プリンス まあ、贅沢は言っておられません。帰還して夕食に並べられる我が家の食事が貧弱に見えること。連れ合いの顔を斜め見しながら「これだけ!」とかみ締める期間が一週間は続きます。 夕食バイキングの時、とんだハプニングがありました。野菜類を皿に盛り、いざ食べようとしていたところ、皿にフチを異様な物体が動いているではありませんか。何と、その物体は黒いナメグジ君。すぐさまスタッフを呼び注意。しばらくして料理長が平謝り。オプションで頼んだビールのレシートをそっと取ってポッケの中にしまいこんでくれました。多分、レタスかブロッコリーの中に潜んでいたのであろうと想像されますが、調理室から現れたのであれば問題は重大です。 チェックアウトの時、ご丁寧に支配人らしき人が謝ってくれました。このような問題点をスタッフが共有していたことに好感が持てました。広大な敷地と、広いスパはリピートしたいホテルのひとつになりました。
December 10, 2011
閲覧総数 1820
20
過日のブログでブドウの木が3本ありますと記しましたが、実はあと2本あります。果物の中で、ブドウが一番好きかも知れません。洋画の史劇作品などの宴会風景でも必ず登場します。ハンガリーに行った時、パーティー会場で食べたマスカット種のブドウの味は忘れられません。いつも思うのですが、ブドウに種がなく、その大きさがスイカくらいだったら良いのにと・・・・・・。 実は、遅まきながら昨年シャインマスカットなる素晴らしいブドウを知りました。これは育てない手はないと昨秋苗木をネットで購入。 昨年11月堆肥をたっぷり入れた植え付けましたが、春3月になっても新芽が出てきません。堆肥を入れ過ぎて根腐れしてしまったのかと思い掘り返してみました。根は植え付けた時と全く変わらない状況でした。根のところの堆肥を取り除き、普通の土に替えて覆土しました。 それでも心配なので、急遽バックアップ苗木を入手することにしました。ネットで調べたところ、幸いにもまだ販売していました。一週間後苗木が無事届き、早速植え付けました。今度は、堆肥を控えめにして。ポットをはずして根を観察したところ、立派な新根が出ていました。これなら安心と覆土して新芽を待ちました。2012年4月30日シャインマスカットの2本目の苗木を定植。向こう側が昨年11月に定植した苗木。 新芽はなかなか出てきませんでしたが5月下旬に、遅く植えた苗木から待望の新芽が出て来ました。続いて6月に昨年11月に定植した苗木から新芽が。ところが2本とも新芽が黒ずんできて枯れてしまいました。その後、新芽が出ては枯れの繰り返しです。いろいろな殺菌剤を噴霧しましたが効果はありません。 7月下旬になり、急に新芽が伸びはじめました。べと病などの細菌はどこに行ったのでしょうか。 2012年8月19日シャインマスカットの様子。手前が2号。 2012年8月19日シャインマスカット1号。先端は2m近くまで伸びました。 写真の左側に見えるのが支柱です。雨よけはありませんが、高さ1.8m、3列に約15mの太めの針金を張っています。
August 21, 2012
閲覧総数 951
21
黒豆は、過去10数年植え続けていますが、未だにまともな収穫をしたことがありません。花は、ちらほら付けますが、実がまともに出来ませんでした。深植えしたり、浅植えしたり、マルチを施したりしましたが、木のみが生長してしまいます。肥料も、鶏糞主体、牛糞堆肥主体、化成肥料中心にしたりしましたが駄目でした。 今年の夏も、雨不足の暑い夏でした。多分今年も駄目だろうと思っていましたが、写真のように沢山の豆の子供が出来ていました。 2012年9月29日 黒豆の生長の様子 これまでと特に違ったところは、新しい殺虫剤:トレボン乳剤を散布したことです。黒豆と並行して丹波の大納言というアズキも毎年育てています。大納言の方は、そこそこ豆の収穫は出来ますが、サヤの中に小さな虫が入っていて、サヤから豆粒を取り出す時、いつも”ギョギョギョッ”と嫌な思いをしていました。殺虫剤がキーになるだろうと予想はしていましたが、どんな殺虫剤をいつの時期に散布するかは分かりませんでした。 ところが、丹波の大納言の育て方を丁寧にWeb検索したところ、「JA丹波ひかみ」というところから詳細な育成方法が掲載されていました。殺虫剤として9月中旬と下旬にそれぞれトレボンという殺虫剤を散布することが記載されていました。早速、ホームセンターへ行き購入し、9月15日に1000倍希釈液をアズキと黒豆に散布しました。これまでと違ったところは、このトレボン乳剤を散布したところなので、これが黒豆の生長のキーになっていることは間違いないと思います。まともな黒豆を収穫するのが楽しみです。 尚、トレボン乳剤は、エトフェンプロックスという化合物を有効成分とする安全な殺虫剤です。エトフェンプロックスは、硫黄やリンを含まない除虫菊タイプの殺虫剤ですから安心して使えます。 丹波の大納言の様子は、下の写真の通りジャングル状態です。木ばかり繁って豆の付き具合が気がかりです。 2012年9月29日 丹波の大納言の全体の様子 2012年9月29日 丹波大納言の生長の様子 黒豆を育てている畑は、主体としている畑から約1km離れたところにあります。カボチャを育てているところです。今の全体の様子が下の写真です。 手前から、サツマイモ、黒豆、アズキ (2012年9月29日) サツマイモの紅東を試し掘りした様子が次の写真です。 2012年9月29日 紅東の試し掘り サツマイモは、いつも写真のように表面にスジのようなものがはいります。専門家曰く、「肥料分が多い」からだと言われます。今年も肥料ゼロなのに、良好なサツマイモが出来ません。
September 29, 2012
閲覧総数 4502
22
テキスト字幕のsrtファイルが入手できず、グラフィック字幕であるsupファイルしか手元にない場合、このsupファイルをmp4動画ファイルへ多重化することが出来れば、SupRipなどのOCRツールを使って、supファイルをsrtファイルへ変換する面倒な作業を省略できる。今回、supファイルを直接mp4へ多重化できたので紹介します。1. supファイルをbdsup2subを使ってidx+subへ変換する bdsup2subは、ここよりbdsup2sub++1.0.2_Win32.exeをダウロードします。ダウンロードされるファイルは7z形式の圧縮ファイルなので、適当な解凍ツールで解凍します。当方では、7-Zipを使用しています。 bdsup2sub を立ち上げると下のようになります。 【File】→【Load】から変換するsupファイルを選択します。下図は、Loadした直後の画面です。オプション条件を決める画面ですが、フルハイビジョン(1080p)であればこのままOKを押せば良いです。 OKを押すと下図の画面になり、supファイルの日本語が出てきます。変換するモードを「SUB/IDX」にします。 次に【File】→【Save/Export】を選択してクリック。 変換したファイルの「保存先/ファイル名」を書き込み、そして言語を選択します。 「Save」をクリックすると変換が開始されます。2. My MP4Box GUIを使ってmp4ファイルへのidx+subの多重化(mux) 実際に字幕supファイルを多重化するのに使用するソフトは My MP4Box GUI です。ここからダウンロードできます。このソフトも7zの圧縮ファイルとしてダウンロードされますので、解凍ツールで解凍します。My MP4Box GUI は、インストールする必要があります。 下図は、My MP4Box GUI を立ち上げた直後の画面です。「Add」で多重化する動画mp4ファイルを選択します。 下図は、Sample.mp4を加えた画面です。次に字幕ファイル:idx/subファイルを加えるため、「Add」をクリックします。idxファイルを選択します。 idxファイルを加えた画面が下図です。「Save As」をクリックして、多重化したmp4ファイルの保存場所とファイル名を決定します。その後、 「Mux」をクリックすれば、多重化プロセスが開始されます。 指定したフォルダに多重化されたmp4ファイルが生成しているはずです。この方法を使えばsupファイルをSupRipなどの面倒なOCRツールを使ってsrtファイルへ変換作業をしなくて、簡単に字幕ファイルをmuxできます(^-^)。 Windowsで動画を観賞する場合は、VLC Media Player を使えば、idx/sub字幕は直接取り込みが出来るので、多重化の必要はありません。多重化は、iPadなどで観賞するためのものです。【追加】2016/09/15 注意を要する点を付記します。My MP4Box GUIにより、idxを使って多重化(Mux)したmp4動画を、PowerDVDやWindows Media Playerで鑑賞すると字幕が表示されません。PCで字幕を選択でき、表示できるのは、VCL Media Player あるいは、Media Player Classic に限られますので注意が必要です。 さらに、多重化したmp4ファイルを定番のTsMuxerに入れ込み、多重化詳細を見ても、idx由来の字幕情報はなぜか表示されません。また、このidxで多重化されたmp4ファイルの字幕がチラツキが感じられることも難点のひとつです。 ハイレゾのSUPファイルをキチンと多重化する方法は、TsMuxer を使ってBlu-rayのiso、あるいはAVCHDのisoを作成すれば確実ですが、TsMuxerに多重化するファイルの制限がいろいろとあり失敗することも多いです。確実に作成する方法は、追ってアップしたいと思います。
December 11, 2014
閲覧総数 12810
23
晴れません。「天高く馬肥ゆる秋」はどこに行ったのでしょうか。悪天候にかこつけての電動フォーカサー化の第2弾です。今回は、月や惑星観測に多用するSkyWatcherのMAK127へフォーカスモーターを取り付けた話題です。この鏡筒のフォーカサーは軽くて回しやすく不満はないのですが、これまたお気軽撮影で多用する架台のAZ-GTiを使うと視界が揺れまくって焦点を合わせにくくなります。しっかりとした赤道儀の場合は何ら問題はありません。 SkyWatcher社のフォーカスモーターは安価でトルクも結構あり使いやすい。先にニュートン反射鏡BKP150に取り付けた記事を記載しています。 SkyWatcher社のフォーカスモーター【写真クリックで拡大します】 MAK127のフォーカスモーターの取り付けは、YouTubeを検索すると複数例出てきます。一番丁寧に解説されているのが、下の写真のようにモーター固定用のアルミ板を鏡筒に取り付ける方法です。この方法を実行してみることにし、ホームセンターで2mm厚のアルミ板を購入してきました。 MAK127にアルミ板を固定する方法 2mm厚のアルミ板を購入し、手始めに型紙で実寸大の型を作製します。鏡筒の根元にあるアダプターを外し、この型を装着しアダプターをネジ込もうとしても固定できないことが分かりました。多分、鏡筒とアダプターとの接続強化のために設計変更したためだろうと推測しています。アダプターをグラインダーで削れば何とかなりそうでしたが、接続が弱くなりそうなので思い留まりました。 フォーカスモーターを固定化する足掛かりがあれば良いと言うことで、鏡筒にネジ止めしてあるダブテールバーを足掛かりにする方法を思いつきました。あれこれと、プレート類を持ち出してモーターの取り付け方を検討していると、2年前に購入した中華製のフラッシュマウントプレートが最適な橋わたしになることが分かりました。 最終的な完成の形が下の写真です。YouTubeに取り付け方やフォーカサーの使用例を動画にしてアップしています。ブログよりも分かりやすいと思います。 電動フォーカサーを取り付けたMAK127【写真クリックで動画へ飛びます】1.電動フォーカサー化に必要なパーツ フラッシュマウントプレートの部品L字プレートをダブテールバーとモーターの橋渡しに使います。下の写真は、フラッシュマウントプレートです。AmazonやAliExpressで1,000円程度で手に入ります。 フラッシュマウントプレート 実際に橋渡しとして使う部品は、下の写真のL字プレートです。 L字プレート ダブテールバーL字プレートを固定する部品としてVixen規格クランプを使います。 Vixen規格クランプ タイミングプーリーは、次の規格の2種類を使いました。 1)GT2タイミングプーリー:20歯、6.35mm穴、6mm幅 2)GT2タイミングプーリー:40歯、12mm穴、6mm幅 基本的にはAmazonとAliExpressにありますが、日本のAmazonは商品説明が不親切で探しずらいです。私は、Amazon USに発注しました。 タイミングプーリー(左:20歯、右:40歯) タイミングベルトは、GT2あるいは2GT規格の2mmピッチのものを使います。158cmのものが日本のAmazonにありましたが、中国からの発送で1ヵ月以上かかりました。 GT2タイミングベルト2.組み立て 最初に、L字プレートにVixen規格クランプをネジ止めします。M4の六角穴付きボルトを使いました。 L字プレートにVixen規格クランプをネジ止め 次に、L字プレートに上下逆さまにならないようにモーター取り付け金具をネジ止めします。M4のボルトナットを使いました。 モーター取り付け金具のネジ止め モーターに20歯のタイミングプーリーをワームねじで固定し、それをL字プレートの金具にネジ止めします。最終的にはタイミングベルトのテンションに合わせて調整するので、今は仮止めです。 L字プレートにモーターを仮止め 鏡筒フォーカサーのノブのゴムカバー部分をワームネジを緩めて外します。外したノブに40歯のタイミングプーリーを固定します。 40歯のタイミングプーリーを取り付けた鏡筒 鏡筒のダブテールバーに、モーターを仮止めしたL字プレートを取り付けます。モーターの位置が適当でない場合は、ここでVixen規格クランプやモーター取り付け金具の位置を調整します。 ダブテールバーにモーター付きL字プレートを取り付け タイミングベルトを架けます。適当なテンションがかかるようにモーターの取り付けネジの位置を調整して、ネジを固く固定します。これで完成です。 完成した電動フォーカサー3.電動フォーカサーの使用感 MAK127のフォーカサーは軽く、電動フォーカサーは不要だと思っていました。ところが、実際に電動フォーカサーを使ってみると、便利過ぎて、もう離せません。あれほど嫌なピント調整作業がきっと楽しい作業に変わるのではないかと期待しています。
October 17, 2020
閲覧総数 3080
24
1.ASiairが久々のアップデート 2024年3月18日、ASiairを開くと自動アップデートとファームウェアの更新が始まった。これまでのアップデートと少々様子が異なっていた。アップデートと更新が完了して再起動すると、カメラやマウントとの接続がかなりトラブりました。これまでに無かった現象でした。撮影が急がれるので2台目のバックアップASiairを取り出し、アップデートと更新を行うと、無事接続できました。 今回のアップデートでASiairのバージョンは、 2.1.10.74 → 2.1.2.11.01 桁数くらいは統一してほしいものである。わかりにくい表記である。 2.ASiairで12Pが自動導入できた ポンス・ブルックス彗星が旬のこの頃、急に彗星が見たくなり、スマホのStellarium星図を開いて位置を確認しました。木星とM33の間のM33寄りと頭に入れ、ASiairと接続したSharpstar 61EDPH IIをそちらへ向けました。鏡筒の向きを確認するためにASiairの星図Sky-Atlasを開いてみると、何と 12P/Pons-Brooks との表記があるではありませんか。 ASiairの星図での12P 前のバージョンではどうだったのかは定かではないが、今回のアップデートで彗星にも対応するようになったようです。GoToをクリックするとプレートソルビングでの自動導入がちゃんとできました。 12Pへのプレートソルビングの様子 ASiairにて 0.5秒露光でのポンス・ブルックス彗星の一発撮りの写真が下の写真です。0.5秒でも結構見えるものです。 ポンス・ブルックス彗星の0.5秒露光での一発撮り 3.ライブスタックとオートラン撮影にトライ 彗星のライブスタックに初挑戦してみました。薄暮のせいかオートガイドの星像状態が悪く、彗星核のガイドを指定しても他の恒星へのガイドは移動してしまうトラブルがあり、核ガイドはうまくゆきませんでした。 ライブスタックの状況は下のとおりでした。 ポンス・ブルックス彗星のライブスタック(11回スタック)の状況 撮影日:2024/3/27。場所:南関東_自宅ベランダ。鏡筒:Sharpstar 61EDPH II(f=360mm)。フィルター:なし。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200, 温度:0℃)。ガイド鏡:SVBony ミニガイド(f=120mm)。ガイドカメラ:ASi220MM Mini)。コントローラー:ASiair Plus。露光時間:30秒 30秒露光でのオートラン撮影の状況。 オートラン撮影の状況 4.あとがき ・ASiairで彗星のプレートソルビングによる自動導入が可能になったのは大きいアップデートである。これから気楽に彗星観望ができます。・今回のドタバタ彗星撮影では核ガイドが不発でした。彗星核ガイドのためには、ガイド鏡はEDレンズのものを使って解像度を上げる必要があるのでは、と思いました。・一方、今回のバージョンアップでデメリットもありました。ダークやフラット撮影用のアンドロイドVer7のタブレットが使えなくなくなりました。また、ASiair起動時に「Checking data integrity データの整合性をチェック中」や「Decompressing data データを解凍中」などのメッセージが出てきて、起動にかなり時間がかかるようになったのが痛いです。
March 28, 2024
閲覧総数 240
25
1.日本の天文メーカーの未来はあるのか 天文の趣味に入った頃、望遠鏡を何にするか迷った記憶が懐かしい。もう5年前にもなりますが、その間、中国の天文メーカーは次々と新製品を開発して世の中に出して来ましたが、日本のメーカーの進歩は全く見られません。今回、非冷却カメラのASi585MCで夏の星雲をAskar FRA400とVixen SD81SIIとで撮り比べてみたので、日本のメーカーに対する不満と、撮り比べの軍配を報告します。 中国メーカーは、最近口径の大きい屈折鏡筒を上市してきています。ついにZWO社が口径13cmの鏡筒を出しました。とにかく日本のメーカーが過去の栄光に縋りついた経営を継続しており、進歩が全くなく、製品の魅力も大幅低下してきています。具体的には、 1)フォーカサーがデュアルフォーカサーでなく、オプションになっている。中国製は標準。 2)お仕着せの旧式のファインダーを付けている。もう邪魔で不要です。 3)鏡筒バンドがオプションになっている場合がある。中国製は鏡筒バンド一体型である。 4)鏡筒レンズカバーにガタがある。すんなりフタが取れない場合が多々ある。 5)リングネジの精度が悪く、時としてガタを感じる場合がある。中国製は高精度のネジで構成されている。 6)鏡筒ケースがほとんど無くなっている。中国製はケース付属が多い。 日本メーカーの上記の欠点は、中国メーカーではほぼクリアーされている。日本メーカーの鏡筒は、残念ながらワクワク感がしないのである。 2.夏の星雲をAskar FRA400とVixen SD81SIIとで撮り比べ Askar FRA400を購入したときは、その取り回しの良さに感心した覚えがあります。フィルターワークも標準のリングがいろいろ付属していました。VixenのSD81SIIと同じ条件で夏の代表的な星雲を撮り比べてみました。 ・カメラ:ASi585MC ・露出時間:120秒 ・スタック回数:10-15回 撮り比べの結果は、下の動画にもまとめています。 FRA400とSD81SIIの撮り比べ【クリックで動画へ】 3.取り比べ結果 M8の撮り比べ【クリックで比較できます】 M16の撮り比べ【クリックで比較できます】 M17の撮り比べ【クリックで比較できます】 M20の撮り比べ【クリックで比較できます】 M27の撮り比べ【クリックで比較できます】 4.まとめ 1.日本の天文メーカーの進歩の無さにはガッカリさせられる。今回、日本メーカーの体表的屈折鏡筒のSD81SIIと、中国のAskar FRA400鏡筒の夏の星雲撮影比較を行ってみました。2.代表的な星雲のモクモク感は、鏡筒のF値に直結しており、同じ露出時間120秒ではFRA400に軍配が挙がる。3.SD81SIIの焦点距離の長さは、FRA400のイメージをデジタル拡大すれば簡単に達成できる。4.異なるF値の鏡筒を同じ露出時間で比較するのは、不公平であるとの声も聞こえそうであるが、星雲の解像度や明るさなどなど、全てにわたってFRA400の方が優れているように思える。5.今後、日本の天文メーカーもワクワク感のある製品へと改良していってほしい。まずはデュアルフォーカサーを標準で付けること。そうしないと、未来が見えなくなります。
August 27, 2023
閲覧総数 306