そのことをチケットを回していただいた方から聞きまして、彼女自身もそれを私に伝えていいものかすごく迷ったそうですが、どうせ舞台を見たら分かることだということで、観劇前日に教えていただきました。
「夢のメモランダム」出演からずっと突貫工事的に舞台稽古してたそうで、初めての大役。
風邪からくる咽喉の炎症だろうということで、開幕前から少し調子悪かったそうなんですが、急に声が出なくなってしまったのだそうです。
私は事前にネタバレ的感想は拾わないので、まったく知らなかったのでびっくりしました。
どんなに声が出ないのか・・・・少々不安な行きの電車でしたね(><)
始まった舞台。
正直『歌えない』トウコさんを見るのが不憫で仕方なかったです
『歌』が彼女の一番のセールスポイントになるわけですから、それが発揮できないというのは舞台の面白さも半減ですよ。
ま、もちろんトウコさんはお芝居もお上手なので、それでまだ救われる部分があったし、何よりこの作品は今というクリスマス時期とか冬にぴったりのミュージカルだったのがよかった。
どたばたコメディです。
そしてもうひとつラッキーだったのが、トウコさんの役。
規則大好き、頭カチカチ人間の役だったので、声が出なくてぼそぼそしゃべってても、 「そういう性格の役だから」
というのでごまかせてしまう。
それでもコメディーシーンや、みんなを制止するシーンなんかは大声が出なくてつらそうでしたけど(><)
掠れて咽喉に引っかかったような声しか出ないので、当然歌なんて無理ですよ。
なので今回は大幅に演出も、ソロのシーンもカットされたようです。
歌の削除は代わりに立樹さんがフォローしたり、全編通してこれまたラッキーな演出があったんですよ。
タップです。
これがあったのでそれで歌わなくてもごまかせたかなと。
おそらくここら辺でソロがあったんだろうなぁとか想像が出来るのがつらいところなんですが、こうなってしまった以上仕方ないですし、逆にその分周りの出演者の方が頑張ってフォローしてましたね。
特に目立ってたのが先ほども名前を挙げた立樹さん。
しーちゃんが二番手として随分しっかりしてたなと思いました。
それと涼さん。
彼女もがんばってましたね。
ふたりがトウコさんの脇を固めてくれてたのでよかったなぁと。
トウコさんがこんな調子でしたけど、それが逆に 「みんなで舞台を盛り立てよう!!」
というパワーになっていたと思います。
熱気はちゃんと伝わってきましたから
とりあえず今日、土曜に観劇したその友人からの報告によるとトウコさんの声はマシにはなっているそうなのですが、とりあえず最後までこの演出のままいくみたいですね。
ま、今無理してまた咽喉を痛めるとダメですからね。
大切にしなきゃ。
キャストで他に印象に残ったのは牧師役のにしき愛さん。
最後はとっても重要な役で登場します。これがすっごい面白いんですよね(^^)
『催眠術』がキーワードです(笑)
そして主人公の婚約者の琴まりえちゃん。
なんかね、存在が面白かった(笑)
「レイ様ぁ♪」
ってトウコさんの役をアイドル化してるし(><)
最後は勘違いに気づいて真意に目覚めた!!というのがまた笑いを誘ってて、いい味出してました。
レイモンドの兄の妻役の南海まりちゃんも、だんだん大人の女性の役があってきた感じです。
大げさな演技が面白くて、夫役の祐穂さとるさんとも合ってましたね。
さて、一応あらすじです。
ハリウッドの自主検閲規定「映画製作倫理規定(ヘイズ・コード)」の「厳密なる」遵守から生じる混乱を背景に、ヘイズ・コードの監視を仕事とする主人公と新人女優の、互いに反発しながらも惹かれあっていく恋の顛末を描く、スクリューボール・コメディ。
物語は1930年のハリウッド。
ハリウッドの撮影所。キス・シーンの撮影が行われているが、繰り返されるNG。
熱演すればする程、キスの時間が延びてしまい「3秒」を越えてしまうのだ。
「3秒」を越えるキスは「過剰な肉欲的なキス」として、「映画製作倫理規定2-2-b」に基づき、禁止されている。
秒数を計るのはウッドロウ。PCA(映画製作倫理規定管理局)から派遣されたオブザーバーである。
彼が告げる「3秒を越えました。このカットは使用できません」の声は、撮影スタッフの怨嗟の的となっていた。
そんな中、新人女優のリビィだけは、単身ウッドロウの家へ抗議に向かう。
熱演のあまりNGを連発した姿をプロデューサーに見咎められ、役を降ろされたばかりだったのである。
折しも、ウッドロウの家では、ウッドロウの婚約者ミルドレットと、共和党の政治家であるその父を夕食に招いていたところだった。
男前のウッドロウにあからさまにメロメロな様子のミルドレット。
そこへ怒ったリビィが登場。「ルール」だから仕方がないと譲らないウッドロウだったが、リビィは勿論納得しない。
そればかりかリビィは、「3秒」が長くないことを証明するために、ウッドロウに「3秒」以上のキスを見舞ってみせる始末だった。
翌日、役を降ろされたというリビィの話が気にかかったウッドロウは、かつて学友だった映画監督カールトンのもとを訪れる。
降ろすつもりはないというカールトンの言葉に安心するウッドロウ。
撮影に復帰したリビィは相変わらずウッドロウの仕事に喧嘩を売ってくる様子だったが、彼が公平な判断者であることは認めるようになっていた。
ウッドロウもまた、芝居にすべてをかけるリビィに敬意を抱くようになっていた。
しかし、ウッドロウとリビィが、「より熱愛に見える抱きしめ方」を議論していた時、間の悪いことに、ミルドレットが現われる。
怒って帰ってしまうミルドレット。
数日して、カールトンが暴漢に襲われ入院したという知らせが、ウッドロウのもとに届く。
娘の悲しむ姿を見たミルドレットの父が、撮影を中止に追い込み、リビィをウッドロウから引き離そうと仕組んだことだった。
失われたチャンスに心折れそうに見えるリビィ。その姿を見たウッドロウは、ある決心をする……。
(公式サイトより)
色々ありますが、最後はハッピーエンドです。
この時季に見るにはぴったりの作品だったと思います。
最後は笑いあり、そしてジーンとさせるシーンがあったり。
何より堅物のレイモンド・ウッドロウがリビィと出会って変わっていくのがよく分かり、とても好感が持てました。
彼の口癖は 「俺は記憶力がいいんだ」
これが最後のキーワードにもなるので、なかなか上手くまとめてあったなぁと。
最後はほっと心が温まりました♪
返す返すも、この作品、トウコさんにはぴったりの役だっただけに残念でしかたありません。
歌も結局2幕幕開きに1曲あるのみ。
これも初日に録った音で吹き替えだそうです。
ただあすかちゃんとのデュエットシーンが吹き替えなのかどうかの真相が分からないんですが、音響かなりエコーきかせてて、もともと変わった歌い方してるから分かりにくいんですよね。
私は違う人が歌ってるとみたんですけど、どうなのかな?
それでも色んなラッキーが重なって、最悪昨年の宙組みたいに公演中止にならなくてよかったですよ。
代役もたてなくて済んだし、舞台も普通に見てたら声が出ないのは分かるでしょうけど、演出とかシーンの誤魔化しはそんなに気にならないのではないかな?
ただトウコちゃんの歌が少ないのが気になるくらい(←それがネックか)
ただ、 もったいない。
言ってもしょうがないけど、脚本がよかったので、やっぱりそう思ってしまったのが残念です。
ま、こういうときは何よりご本人が一番辛いでしょうから、次の舞台でまた頑張って欲しいですね。
本人も、そしてファンも待ちに待ったトップ就任ですよ。
どうかこれにめげずに頑張ってください!!