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「このえびフライはフライというよりも、ジャンプだね」と、いつも昼どきの大衆食堂で顔をあわせる工事現場の男が言った。えびは確かに、皿の上で跳ねているのだが、巧すぎてつまらない冗談に、僕はわりばしをくわえて「うー」とうめきごえをもらした。えびはなおも跳ねている。横に添えてあるキャベツの千切りとレモンの輪切りとタルタルソースをそこらへんに撒き散らしている。紅いプラスチックボデーのテレビからは、二十一世紀の日本にふさわしい政治関係のニュースが流れているのに、僕にはそれがなぜか、あのころの万博の映像に見えて仕方がない。芸術はばくはつだっ!と僕の心がつぶやいたとたん、目の前に座って飯をもしゃもしゃ食っている工事現場の男の頭から、ヘルメットが吹き飛んだ。それを見たほかの客はとりあえず唖然としているが、厨房のアルバイト店員と女店主は知らんぷりしてネギ炒飯を作っている。「ネギ炒飯にワンタンいっちょぉお待ち!」 吹き飛んだヘルメットは「安全+第一」のマークをぴかりとさせながら、空を飛んで月面着陸し、つきのあばたをさらに細かく建設した。飯の上には月のかけらがぱらぱらぱらと降ってきたが、男はそれには無頓着で、黙々とかきこんでいる。ああ、無生物みたいな人間なんだなぁ、なぁんて思ってみたんだけど、僕のカツ丼の上にだって、それは降ってきている。横になったカツは、その仕打ちに少しむくれているのか、何も言わない。
January 27, 2008
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信号待ちで今日もみんなの平和を見守る押しボタンさん。 押しボタンさんはシャイなひとなので、 待っている人たちに、ふだんは話しかけてきませんが、 時々こっそりと、あるサービスをしてくれています。 さて、そのサービスとは一体、どんなものでしょうか? 次の文のかっこに当てはまる言葉を考えて答えなさい。 【解答欄】 待っている人の( )を( )してくれるサービス。 ※字数制限はありません。 ※誤字・脱字は1点減点です。嘘です。 ※解答はこの日記のコメント欄にどうぞ。
January 13, 2008
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タコスはすだこが嫌いだった。タコスはすだこが嫌いだった。タコスはすだこが嫌いだった。ちょっと違ってかなり同じ、ちびっと同じでだいぶ違う。あいつがとっても嫌いだった。ある日タコスはすだこを食べた。すだこはタコスに食べられた。あいつが失せないつもりなら、おれがぺろりと食ってやる。ってわけでそんなわけで、すだこはタコスに食べられた。ゴミバケツにはすだこの食べガラ。故郷のかあさん泣いたろう。けれど・けれど・けれけれけれど、もっと泣いたはタコスだった。どうしておれは知らなかった?どうしておれは知らなかった?あいつがあれほど、味のあるやつだって。・・・・・・いいやつだったねすだこさん!タコスはすだこが好きだった。タコスはすだこが好きだった。タコスはすだこが好きだった。なのに事態は後の祭。頭の中はドンちゃん騒ぎ。寝ても冷めても戻りやしない、ある日にあった、よくある出来事。
January 13, 2008
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みかんの命は短い。 二十日前に大量のみかんを箱入りで購入したT山さんは、どういうわけかその大量購入した時点で持っていた、みかんを食するという情熱を忘れてしまっていた。 彼は、みかんの存在を忘れていた。となると、どうなるか、みなさんはご存知だろう。二十日経って、みかんを買ってきたそのままで放置していたことに気が付いたT山さんも、みかんたちがどういう状態になってしまっているかということを想像した。しかも置いたのは、ストーブで暖かくなる茶の間だった。ああなってそうなってこうなっているんだろうなということが想像できた。しまったなぁ、やっちまったなぁ、どうしようかなぁと思った。 だが、T山さんは、ただの人ではなかった。極端に恐がりな人であった。T山さんは、箱の中のみかんが、ああなってそうなってこうなっているんだろうということは考えたが、二十日経った時点のああなってそうなってこうなった状態に恐怖を感じて、箱を開けることができなかった。まだ今は二十日だが、明日には二十一日経つことになるぞという二つの恐怖をてんびんにかけてみたが、今箱を開ける恐怖の方が勝った。明後日には二十二日経って、十日後には三十日経つぞ、ということも考えたが、今箱を開ける恐怖の方が勝った。 それから一年の月日が流れた。 T山さんは、どうしてもどうしても、みかんの箱を開けることができないまま、ひとつ歳をとってしまっていた。みかんの箱は一年前からずっと、おんなじところで、何ひとつ手を加えられないまま存在していた。その一年、T山さんがどれほどの恐怖を感じながら過ごしてきたか、筆舌に尽くし難い。だが、みかんをそのままにしておいたのは、T山さんの責任だ。だからみかんはT山さんを怒ってよい。 だが、T山さんはその日、ようやくちっぽけな勇気を奮い起こした。自宅の茶の間から、みかんの箱を排除することに決めた。T山さんは、そおっとみかんの箱を抱きかかえて持ち上げた。心配していたのとはうらはらに、箱の外には、何の変化もなかった。T山さんは、なにか怪しいものを隠滅しにいくかのように、その箱を車の後部座席に載せて、暗い夜道を走った。T山さんは、とある丘にやってきた。木のほとんど生えていない、人もあまりやってこない、小さな丘。彼は夜の闇にまぎれて、丘の頂上に箱を置き、そして去った。 夜はどんどん深くなった。星がぎらぎらしてきた。そうして、誰も知らない時間、ひとつの星が丘の頂上にぱりんと堕ちた。 それから数日。T山さんは自宅でぬくぬくとコタツにあたりながら、テレビを観ていた。すると、こんなニュースが流れてきた。「小さな丘に、突如森が出現!地域住民を騒がせている」 T山さんはびくーん!として、丘へ車を走らせた。丘に着くと、すでに沢山の人々が集まっていた。そして丘の上は、沢山の木々で茂り、グリーングリーンになっていた。そんなグリーングリーンな状態に恐々としながら、T山さんは森の中へ足を踏み入れた。森の中には、沢山の人がいる。親子連れも、老夫婦もいる。どんな人も、この森にやってきていた。そしてどんな人も、木に生っている果実に手を伸ばし、口に運んでいた。「これ、おいしいね!」「すばらしいね!」みな口々に言う。見ると、生っているのは、THEみかん。それも、この世のものとは思えないほど美しく輝き、そして甘い芳香を放つみかんだった。T山さんも、そのみかんに心奪われた。わたしも食べてみたい。衝動は、彼の恐怖心をすべて吹き飛ばした。T山さんはみかんをもぐ。皮をむく。そして食べる。なんとも形容しがたい味だった。空の雲が晴れて、さらに晴れて、晴れて晴れて、昼間なのに宇宙空間が透き通って見えてかつオーロラが全天で踊るようだった。ああ、なんと素晴らしい味!T山さんの頬を熱いものが伝った。 だが、みかんは彼を許してはいなかった。 その日からT山さんは、「カビッ!」としか話せなくなった。「おはよう」と言われても、「カビッ!」「今日は天気がいいですね」と言われても、「カビッ!」「今日の昼飯は何にする?」と言われても、「カビッ!」「あなた、夕食にする、おふろにする、それとも?」と言われても、「カビッ!」 だからT山さんは悔いて、その時以来、食後のデザートはすべてみかんにすることに決めた。夏でもみかん。冬でもみかん。T山さんの人生は、みかんのものとなってしまったのだった。ちゃんちゃん。
January 6, 2008
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放置しておりました。これで何度目になるのかもう、こらこらこら!!!!!!もう。友人のるってんさんが、リレー小説「桃太郎(番外編)」の続きを書いてくれたので、ふとんをけっとばして起きてきました。コメントを書いてくれているみなさんには、重ね重ね申し訳ないです。企業が何度も偽装問題で謝罪するみたいで、申し訳ないです。遅すぎですが、返信させていただきました。気づいた方は観てくださいね。掲示板はというと、人妻とか官能とか性欲とかいう言葉がうようよしてたんで、こんなにまでも荒れ果てたかと笑いました。消しました。しかし、ぐだぐだ言っていても仕方がないので、今まで書いた分の整理整頓から始めます。遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。みなさまに、幸ある一年が訪れますように!P.S.手始めに、フリーページの「notebook4 問題集」について。以前、BBSへ回答してくださった方々の文章を、各問題のページへ入れさせていただきました。ただし、BBSを遡って、確認することができた方のみです。ごめんなさい。そして感謝です。自分の回答を載せて欲しくないという方がおられましたら、書き込んでいただければ、すぐにもとに戻します。勝手なことで、申し訳ありません。そして今後、問題を出す場合、日記としてUPすることにしたいと思います。回答は、日記へのコメントとして書き込んでいただいたのでかまいません。そのほうが簡単ですよね。それでは。
January 2, 2008
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