やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2020年10月30日
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カテゴリ: 読書メモ
再読した桐野夏生『OUT』は、​ 読んだ本(2004年) ​なのに、新刊を読んでいるような気分、「忘れる楽しみの極意」と言うが、こんなことをしていたらたくさんの新刊本にたどり着けない。

*****

深夜の弁当工場で働く主婦たちが死体をバラバラに解体して捨てるという、異業(犯罪)をしてしまう描写は目が離せない。やはり桐野夏生さんのこういう筆力はすごい。

雅子、ヨシエ、邦子、弥生(夫殺し)それぞれに屈託を抱えていたのだから、と言っても許されるわけはないが、そんな常識外れの犯罪だけじゃない、その後、4人のたどる道がだんだん際立っていくのが示唆的だ。
特に主役たる「雅子」は心にうごめく自己を突き破りたいために、他の人の運命を変えてしまうのはどうだろう、結果関わる人々を破滅に追いやってそして成功していくのがなんとも。雅子はそんな自由を得た後、寂蒔を感じる、けれども強くなるには孤独と簡素が必要なのだと思い至るカタルシス。

それに比べて登場する男たちの影の薄さが、やはり女性ならではの思いのたけかもしれない。今置かれている現状が少しも変化(進歩)していないから。

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最終更新日  2020年10月30日 14時02分43秒
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Re:忘れる楽しみ(10/30)  
七詩  さん
OUTは再度読み直しても新鮮かもしれませんね。全体のストーリーもさることながら詳細に描きこまれた細部にも面白さがありましたから。
雅子の「死体解体」を行うまでの心理がほとんど描かれていないのですが、「自己をつきやぶりたい衝動」と考えればそれも理解できますし、読者はなんとなくそれがわかるからその先も読み進めるのでしょう。雅子は社会通念では悪女ですが、あの夫にも子供にも縛られない生き方に、かっこよさを感じるのは、「風と共に去りぬ」と共通しているのかもしれません。
状況は変わらないというよりも悪化ですね。
雅子の夫は出世コースをはるかにはずれてもリストラされていませんし、息子は高校を中退しても長期のアルバイトは続けている。 (2020年10月31日 08時37分00秒)

Re[1]:忘れる楽しみ(10/30)  
ばあチャル  さん
七詩さんへ

>雅子の夫は出世コースをはるかにはずれてもリストラされていませんし、息子は高校を中退しても長期のアルバイトは続けている。

そうですね、雅子は嫌がらせの転勤に家族を思って断り、リストラされました。思わなければまた違うストーリになったことでしょう。単身赴任してそこで実力を発揮する(笑)家族が困惑するのは同じだし。ま、話としてはつまらないか。
(2020年10月31日 10時23分10秒)

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