ボロ邸生活日記

ボロ邸生活日記

2006.10.22
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裏新ジャンル「猫耳」に便乗する その1
裏新ジャンル「猫耳」に便乗する その2

 見覚えのある光景だった。

 空を埋め尽くす、純白の翼。

 その下では、慣れ親しんだ俺の住む街が燃えている。

 異形の化け物達が悲鳴をあげる人々を追い回し、逃げ遅れた人は一瞬の後に悲鳴を止めた。

 これはフィクションの光景だ。

 そう思った時に、それをどこで見たのかを思い出した。

 どこかの宗教の聖典、その黙示録。

 人間を滅ぼすのは悪魔ではなく天使だと、その本には書いてあったと思う。

 やがて天使のような翼の生えた人間が地上に降りてきた。



 制止を振り切って外に出た男が、舞い降りた天使に向かって叫ぶ。

 天使はにっこりと微笑み、右手に持った剣でその男の首を刎ね飛ばした。

 初めて間近で見る人の死に、吐き気がこみ上げてくるのを必死で耐える。

 恵が危険だ。こんな所に閉じ篭っている場合じゃない。

 天使が誰かが放った銃弾に倒れるのを確認し、レストランを飛び出した。

 基地局は既に壊滅しているのか、携帯電話は繋がらない。

 家にいる事を願いながら、炎の中を走った。

 通りには防衛軍やライフルを構えたハンター達が大勢いたが、
押し寄せる天使や化け物の数に比べると些細な物だ。

 できるだけ長く食い止めてほしいものだが、この様子じゃ一時間持つかどうか。

 幸い、恵の家の周りにはまだ奴らは来ていないようだ。



 玄関に飛び込むと、いつも恵がいるリビングに走った。

 「早かったね、修二」

 この緊急事態に、恵はいつもの面倒そうな調子でそこにいた。

 「無事だったか。早く避難しようぜ」

 「……逃げる所、あるの?」



 巨大なシェルターとも言える地下都市なら安全だろう。

 問題は、そこまで行く道のりだが。

 「車は使えないから、歩きで行くしか無いな」

 「それ、結構時間掛かるね」

 ジオフロントまでの距離は15km程。

 歩いて行けない距離では無いが、それは普段の話だ。

 護衛がいればいいんだが、この状況じゃそんなに都合よく見つける事も出来ないだろう。

 「仕方ないな、出発しよう」

 「わかった」

 そのまま大した準備もしないまま、俺と恵はジオフロントに向かった。





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Last updated  2006.10.22 21:18:50
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