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2001.12.22
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カテゴリ: 普段の事
トゥルルルル---チャッ

 --うわっお母様?!
あの、宮村と申しますが、大洋君いらっしゃいますか?
「あー、大洋ねちょっと友だちのところに出かけてて居ないのよ。」
 --マジっスか?!
あ、そうなんですか。じゃ、いいです。失礼しました。
カチャ。

って言うか、心臓に悪っ!!


せっかく利枝は、卒業式当日に告白をすると決めていたのに、その日にはもう大崎家には電話をかけることができなかった。

明日。そうだ。明日しよう。

気持ちを落ち着かせて、利枝は今日は緊張した分だけ、早く寝ることにした。
明日に備えて。

翌日。時間を気にしながら、利枝は夕方の5時頃にかけてみた。
すると、出たのはなんと大崎君のお兄さんだった。
声が似ていたから、間違えて言ってしまいそうになった。

代わってもらった時、電話を通した大崎君の声が直接利枝の耳に届いて、なんだかくすぐったい感じがした。

っと、ここで癒されてる暇は無かった。
利枝は、単刀直入にあの一言を言ってしまいたかった。

あのね、あたし大崎君のこと、好きなんだ。


あきらかに戸惑ってしまった大崎君の反応に、利枝は言葉を続けた。
でも、気持ち伝えたかっただけだから。
「そっか。ありがと。」
うん。じゃね。

短い会話の中で、利枝は勇気と気力を全て使ってしまっていた。

『ありがと。』
が、うれしかった。

でも、目から零れ落ちた涙は、少しの間、止めることはできなかった。

大崎君の気持ちの結果を聞かなかったわけじゃない。
聞きたくなかった。
言われることは、大体想像がついている。
なんせ、真樹の親友をやってきたんだから、大崎君の事情はそれなりに知っているつもりだった。

中学時代の大切な思い出として、利枝はこの思いを少し引きずっても、大切にしたいと思っていた。

高校に入学して、利枝はまたバスケ部に入った。
あのころ、一生懸命にやってた自分が懐かしくなって。
そして、また部活をはじめると、懐かしい友だちに逢いたくなった。

みんなを誘って、中学に遊びに行こうと利枝が提案した。
もちろん、真樹も浅海も。
懐かしい仲間達に逢って、少し懐かしい思い出を思い出しながら、あの頃のように中学校から帰ってきた。
そして、利枝と真樹は浅海と別れて、あの頃のように2人で真樹の家までの5分間を歩いていた。

そして、真樹が切り出した一言。
「利枝、告ったんだって?」
「えっ?!」
利枝にとって、それは真樹に対するささやかな秘密の1つだった。
それというのも...
「あいつ言ってたよ~。利枝から告白されたって。やっぱり、好きだったんだ~」

どおして真樹と大崎君がまだ一緒に遊んだりする仲なのか、わからなかった。
でも、利枝にとって大切な告白が、こんな風に流れるなんて。

ショックだった。

裏切られた気持ちだった。

でも、真樹は思いもよらないことを言い出した。

「大洋が、利枝と逢いたいって。」
はぁ~っ?!
思わず口をついた言葉がこれ。

どおして?!わけわかんないんだけど。
「大洋が利枝の友だちで仲いいのあたしくらいだったから、この前呼ばれてね。
 大洋、利枝に連絡とる方法知らなかったみたい。」

どおしてこんなことになったのか、よくわからなかった利枝に、真樹が言った。
「なんか大洋、卒業式の後、告白ラッシュだったみたいで、いろんな子に付き合って欲しいって言われてたらしいんだ。
 でも、利枝は『気持ち伝えたかった』んだって??
 か~~っ無欲の勝利っていうの?よかったね~!」

真樹はそう言って、利枝の背中を軽くたたいて、家に入っていった。


そうだ、今日家に帰ったら、大崎君に電話してみようかな・・・。


---ハジマリの物語終り





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Last updated  2001.12.22 01:12:39


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