コスモポリタン

コスモポリタン

奇跡のアッパーカット



反抗期真っ只中の中学生のとき。いや別に真面目な好青年でしたが。
夏休みに家族で海に行きました。

が、中学生ともなれば別におとん、おかんと遊ぶ年でもありません。
一人でいてもたいして面白くもない。何して遊ぼうか?
そんなことを考えながら、ぷらぷらと泳いでいたら、
これ以上沖にはいってはいけません!印のブイ(橙色の浮き)がある
ところまでたどり着いた。

ちょっと一休みとブイに捕まり小休憩。そこで面白い遊びを思いついた。
ブイの上に座り、何秒間座り続けることができるのか?
いかにも中学生レベルが考えそうな幼稚な遊びだ。さっそくチャレンジ!
案外これは難しい。ブイの真ん中に座りバランスをうまく取らないと、
すぐにお尻の横から滑り出てくる。3秒も座っていられない。

幼稚な遊びだが、何度やってもうまくいかなかったので、
だんだんムキになってきた。そしてチャレンジすること十数回。
5秒を超えるベストポジションを見つけだした。
そのまま記録を伸ばすべくベストポジションでバランスを取り続けていた。

6秒、7秒、8秒・・・。

刻々と刻まれる時の中で、お尻の横から滑り上がってきそうなブイを
押さえつけようと足を開いた瞬間。ついにバランスの均衡が破れた。
ブイは予想外の動きをしたのである。

そう、今まで押さえつけられていたブイは、
それまでの浮力を溜め込んでいたかのような爆発力を持って、
お股の真ん中から飛び出てきたのである。

そしてその浮力は天空までをも貫くような勢いで、
そのまま僕のアゴを打ち砕いた。見事なまでのアッパーカット。
そして海の真ん中で失神K.O。そのまま気を失った。

ひょっとするとそのまま海に沈んで死んでしまっていたかもしれない。
しかし運良く、ブイの上に倒れこみ溺れ死ぬことは免れていた。
しかし気が付けばアゴはざっくりと切れており、
おびただしい流血が海水を真っ赤に染めていた。

もちろんその傷跡は今も残っている。奇跡のアッパーカット。
そして僕は2度とリングに立てない体になってしまった。
いや1度も立ったことないですけどね。

勇気のある挑戦者。
一度やってみてください。
どうなっても責任は持ちませんが・・・。

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