かなのうちっち      

かなのうちっち      

2005/01/06
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ふたたび日が落ちる頃、ヘルガは緑の葉をつけ大きく枝を張り出した
落葉樹の上から建物の屋根を確認した。
こぢんまりした小屋を想像していたが、見つけられたのは
石で出来た背の高い囲いのある組み木作りの屋敷だった。
二階建てだろうか、さらに屋根裏があるだろうと思わせる
鋭角な作りの赤茶色の屋根をしている。
母屋に繋がっていない低い屋根が二つつあるため、
離れのある家か大きな物置の有る家だと分かる。
囲いと家の漆喰部分は薄灰色に塗られているが、


近づいてみると、蔦の葉は大きく可愛くディフォルメされた
三本指の動物の足跡のような形をしていた。
複雑に組み合わされ積まれた石上を縦横無尽に這っている。

「さーてと、どこからはいろっかー?」
塀に片手の拳を充てて、コンコンと叩きながら、
ヘルガがバルトを振り返る。
「いいんじゃないですか?入り口からで」
にたりと笑みを浮かべてバルトは塀を右回りで歩き出した。

数メートル先の角を曲がるとすぐに、木の扉が一枚目にとまった。
ダークトーンの茶色い扉で、古めかしい感じがする。
バルトがドアに手をかけ、押してみたが開かなかった。


「遙々訪ねてきて差し上げたのに、酷い話じゃありませんか!
普通の鍵をかけておくのなら手間無く開けて差し上げましたのに、
中からでないと弄れない物でロックしてありますね!」
バルトにはめずらしく、心から落胆したような声を漏らす。

「あたいも、鍵穴のあるタイプなら開けられたんだけどなあ」







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Last updated  2005/01/10 09:34:05 PM
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