かなのうちっち      

かなのうちっち      

2005/01/16
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一番近くにいたリーレウが、犬に乗られてパニックになりながら、
それでも何と言うべきか頭をめぐらし視線を虚空に漂わせる。
しかし、僕はなんて不幸なんだという言葉がよぎったため、
それ以上何も思い浮かばず、魚のようにぱくぱくと口を動かすだけに終わった。

その横で黒いマントを身に巻き付けながら
「あなたがこの屋敷の主人ですか?」
とバルトははっきりとした通る声を出した。

「そちらから先に名乗るべきではないのかね」

犬が割った窓から風が入り、はためくカーテンからこぼれる光に、
彼はその細い目をさらに細めた。太陽の光など何ヶ月も見ていないというように。

バルトは右手を胸に当てて、姿勢を正し口を開く。
「ああ!そうでした。とんだご無礼を。私、バルト・ハイヴと申します。
そこにいるのが不幸君で、こちらが塀の木戸を壊し、窓を破り、
土人形を破壊いたしました、ヘルガ嬢です」
「ちょっと待て!」
頭を下げ気取ったポーズで自分達を紹介したバルトに
ヘルガが思わず突っ込んだ。





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Last updated  2005/01/20 12:21:42 AM コメントを書く
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