かるーな
1
友達の好きな人を好きになってしまった。 「どうせ遊びだろ」と思われがちだが、本人いたって真剣なのが哀しい。 人よりもすごくペースが速いので、遊びに見えるようである。が、こんなに忙しいのに、しかもこの歳になって恋愛ごっこを楽しむ余裕なんてあるわけがない。いつだって交通事故のように向こうからやってくる。準備ができているはずもないので、毎回パニックである。しかも、なぜか常にニュータイプの悩みがついてくる。 友達と好きな人がかぶるなんて、高校生以来である。ひとごとでしかなかった。人のものやメジャーなものはあんまり良く見えないたちだからである。私だけが彼の良さを知ってるのよ~みたいなのの方が好みなのである。 しかも相手は20歳…(大爆笑ポイントではない。)あんたこないだ10代にこっぴどくやられたくせに、学習能力つうもんはないのか!というお叱りの声が今まさに聞こえた気がする。 書いてて情けなくなってきた。つくづく自分が情けなくなってきた。 しかもすでに「愛してるよぉ」とハートの絵文字付きでメールし合っている関係なのであった。 そろそろ友達について書かねばならない。友達は子持ちだ。私のようにノウテンキに「愛してるよぉ」と言えないのは、私と違って夫がいるからである。 そう、周囲の人間は言う。「いいじゃん、結婚してんだから」と。何を遠慮する必要があるのだ、と。「文句言うなら離婚してみろって」とまで妹は言った。彼自身も「見られてもいい」とあっさり言う。 でもでも~~すでに親友の域に達している彼女を失うのが嫌で嫌で、私は彼との関係をいまいち進展させられずに、しかし会うことも止められずに、さらに彼女に激白することもできずに、息のつまりそうな日々を過ごしていた。 「見守っててね」「手出さないでね」とさんざん言われてきたのにこのざま。私がこの状況を打ち明けたらどんなことになるだろう。恐ろしくて想像すらできない。 悩みまくっているのでスピリチュアル関連に手が伸びる。今日めくったのは「スピリチュアル・セルフ・カウンセリング」だった。 「鼻のトラブルは、心がいじけているときに起こりやすくなります。心が後ろ向きになったり、ひがんでいたりするときに、鼻炎という症状になる場合があるのです」 今日から思い切り鼻をつまらせている私は、この箇所を読んで、はっとした。 私は、彼女を言い訳にしていたと思った。あることに気づいた。 私は、夏に17歳の子と一緒にいたことを彼に打ち明けたくなくて逃げていたのだ、ということに。 17歳の子のことを知ったら、彼はかなり揺れるだろう。よく知っている間柄だし、今もよく職場で会う。年齢差からただでさえ不安定な二人の関係が、それをきっかけに壊れるのが怖いのだ。 そのことについて周りは、言うべきだ、言わなくていい、と割れる。私にはどちらも正論に聞こえる。しかし、言わずに付き合うのは、フェアではない、ような気がしてしまう。 17歳の子とはもちろん完全に終わっているし、友達にすら戻れなかった。二人とも器用な方ではないのだ。恥ずべきことはないけれど、やっぱり言いにくい。 周りからバレる可能性もある。ひょっとして彼女が言うかも…と、だんだん気持ちが沈んでいく。 そんなこんなで、「友達を傷つけたくない」という思いとごっちゃになって、どんどん後ろ向きになっていたような気がする。 この年齢差から「自分が愛したいだけだから、愛されなくてもいいや」と悟ったふりまでして、真っ向勝負を避けていたのだと思う。 でも「横歩きばっかしてても、地球を一周してもとに戻ってきちゃうだけよ」と美輪さんは言った。前に踏み出さなくてはならない。どうすれば後悔せずにいられるのか、真剣に考えてみるつもりである。おりしももうすぐバレンタイン。彼にとって初めて使う香水を選ぶことを許してもらった。彼はいつもまっすぐで、落ち着いている。常に私一人が大騒ぎしているのである。そう、人は年齢ではない…分かっているつもりでも、毎回ここがネックだ。
February 2, 2006
閲覧総数 32