かるーな

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アーデルハイデ

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September 18, 2005
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テーマ: お勧めの本(8118)
カテゴリ:
 この夏台風のように通り過ぎていった竜巻少年との日々から一転、秋の空の下をぷらぷら散歩しているかのようなスローロマンスがのんびりとやってきた。竜巻の通過した残骸はまだ片付けきっていないのだが、そのうち自然に秋風が彼方へと運んでいってくれるであろう。とにかく失恋の苦痛を一人で耐えることを逃れられただけでバンバンザイである。次のお花畑を早いうちに見つけたモノの勝ちだと寂聴さんも宇野千代さんも言っていたではないか。

 少年からすると父親ほどの年齢にあたる彼は、もう彼女を作るつもりはなかったと言っていて、それは、つきあってしまうと、別れが来る、その後全く行き来がなくなるのは寂しい、という理由かららしい。なんとも、誰そ彼、秋の彼という感の漂うフラジャイルな恋愛感だが、離婚のトラウマを抱える私にはその気持ちが分かりすぎるほどよく分かる。そこで、3歩進んで4歩下がる茶飲み友達関係がとりあえずも穏やかに続いているわけである。この先はなりゆきまかせ。なるようになる、かなあ。

 たまたま、至近にお互いほど映画観て本読んで音楽聴いて芝居観てる人がいなかった私たちは、似たものであったことを喜び合い、お互いを貴重だと思い、傍から見ればどーでもいいことを喫茶店でぺちゃくちゃとしゃべってほんわかとした気分で帰るのだった。

 確かにこれが付き合いだすと、不安が増したり束縛したり、笑ってすませられないことばかり増えてくるかもしれない。しかしお互いの気持ちはすでに確認しあっている以上、このままでいいのかどうかも分からない。逃げているだけ、という気もする。うーん。

 深見じゅんの名作「ぽっかぽか」のような夫婦にかつては憧れていた。夫婦がお互い甘えすぎることなく、離れすぎることなく、いたわりあって、春のひだまりのようなやさしい日々を過ごしていくふたり。その中で、主人公の麻美は自分たち夫婦について「お見合い同然で結婚して、今はけちけち恋愛です」とテレながら言ったところが印象的だった。「けちけち恋愛」とはどういうものなのか、当時の私にはよく分からなかったが、このたび、あ、こういうことだったのかな、と思ったりしている。竜巻少年と過ごした日々があるから余計にそれを感じるのかもしれない。

 踏み出すにはもちろん勇気がいるけど、踏み出さない勇気もあるのかな、と。走り出しそうな思いをあえて抑えて、一歩ずつ。ゆっくり歩くことで美しい景色をじっくりと眺めることができるし、お互いを見つめる余裕も生まれる。スローラブだなー。こんなのも、悪くないな。いつも瞬間を愛していたいですね。





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Last updated  September 18, 2005 06:25:44 PM
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