記憶の記録

2009.08.26
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カテゴリ: 住宅革命
床断熱

換気装置の床下配管は終わった。しかし、これで換気システムが完成したわけではない。床下に設置される機器の取り付けが終わっただけで、この後いたるところに仕掛けを施さなければならないのだけれど、そのまえに僕たちがやらなければならない次の工程は床の断熱だった。
床の断熱はとても重要な工事だ。居住者の体感だけでなく健康を維持するために、床面の表面温度を20℃以上に保ちたい(冬季)。
高山邸は基礎断熱をしているからそれだけで床下気温は13℃位(冬季)で安定するはずだが、13℃の床面ではまだまだ冷たい。その床板を通常の暖房だけで20℃以上にするためには床板の下に十分な断熱を施す必要がある。基礎断熱と床断熱の両方をする必要があるのだ。
しかし、国や住宅金融支援機構では、基礎を断熱した場合は床の断熱をしない方がよいという考えを持っていて、実際にそのような指導をしている。
これは、基礎断熱をした上で床断熱をすると床下空間は二重断熱をした事になり、結露や腐りの原因になるという考えかららしい。
しかし、この考え方は、地中熱という熱源が存在する事を忘れている。
地中からは常時、熱が供給される。その上にある基礎コンクリートと床を断熱するということは、断熱材で出来た巨大なお椀を伏せたような状態になる(勿論、お椀の下は防湿されなければならない。)。
そしてその内部の気温は、外気がマイナス5℃のときでも地中熱によって13℃以上を安定して維持し、真夏は26℃程度を維持する。

確かに小屋裏や長期間無人で無暖房の居室(たとえば別荘のような)は異常低温を保存してしまい、結露を招く。
結露を防ぐ方法は、冷やすことではなく暖めることなのだ。
暖めることで相対湿度は下がる。
(シケてはこまるコショウや海苔などを冷蔵庫にしまえば必ずシケてしまう。シケて困るものは絶えず室温より少しだけ高い温度に保つ事が必要なのだ。室温より2~3℃上がれば湿度は10%程度下がる。)
地中熱は暖房機の代わりにただで床下気温を上げてくれるのである。
僕は、以前その熱量がどの程度になるのかを測定した事があった。
結果は驚くべきものだった。
(測定データはこの小説が出版されるときに巻末に添付します。)
そのときに、日本の家は、暖房が必要なくなるかもしれないとおぼろげに感じたのだった。

僕たちは迷わず床断熱をする事にした。床を断熱することで真冬の床面温度を20℃以上にしようと考えていたからだ。

最近の新築住宅では、床暖房設備を持った住宅が増えてきている。非常に高価で、燃費もかかる設備で富裕層にしか仕えない贅沢なものだ。いまや床暖房は住宅のステイタスシンボルになっているみたいだ。

床暖房を付けるということは、それがなければ寒い家だという事ではないかと。
高価で高性能な暖房設備を備えたことで家の性能が高くなったと勘違いしているだけではないだろうか。僕には、「この家はそれほど断熱性能がダメな家なのだ!」と宣伝しているように感じられてならない。
正しい断熱が施されていれば、たった一台の暖房機で家中20℃以上を維持することは簡単なことだ。正しい間取りなら家中どこでも2℃以内の温度差でヒートショック(注)のない家になるはずなのだ。通常の暖房で床面も20℃以上になり、床暖房などという大げさな設備は決して必要にはならない。
床暖房を取り付けるということは、断熱工事の不備をごまかそうとしているとしか思えないのだ。

(注・ヒートショック: 部屋から出た瞬間、温度差で循環器系の疾病の発病・発作を起こす事がある。断熱欠損のある住宅を極端な暖房で補おうとする行為は、部屋間の温度差を大きくし、ヒートショックの危険性を作り出してしまう。暖かいと感じるのは過剰暖房、涼しいと感じるのは過剰冷房でしかない。快適な家とは、暖かさを殆ど感じない、涼しさを殆ど感じない、適正な温度を温度差なく維持できる家と言えるだろう。)






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Last updated  2009.08.26 17:54:26
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Re:住宅革命その46(08/26)  
ケムちゃん  さん
こんばんは

このシリーズを読んでいて、自分の家がどれほど不備なのかを知りました。
56年前の家ですから仕方ないかもしれないけれど、改築をしたりして
逆に「高コスト住宅」にしてしまったような気がしてなりません。

もし次のチャンスがきたなら、設計図は絶対にシードさんに描いていただきたい。
(2009.08.28 01:01:03)

Re[1]:住宅革命その46(08/26)  
ケムちゃんさん

申し訳ありません。

将来の設計依頼ありがとうございます。(笑)
住宅建築の世界も日進月歩で、どんどん変わっています。
2~3年後はどうなっていることやら
楽しみのような
怖いような・・ (2009.08.29 12:59:33)

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