Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2021年09月27日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-182
 スピノザは、人間個々の自己保存衝動を否定しているわけではない。各々が存在に固執する力は、神の性質の永遠なる必然性に由来することからも歴然です。欲求の元は神が在り、且つ働きをなす力に由来する個の自己保存のコナトゥス、事物(心的実体、物理的実体、あるいはその両者の混合物)が生来持っている、存在し、自らを高めつづけようとする衝動・傾向・性向・約束・懸命な努力であることをスピノザは認めています。しかし、その各々が部分ではなく全体と見なされるかぎり諸物は相互に調和せず、万人の万人に対する闘争になりかねないこの不十全なコナトゥスのカオスを十全な方向へ導くため、全体としての自然そのものがの必然性を理性によって認識することに自己の本質を認め、またこの認識を他者と分かち合うことが要請されるとするのです。
  付 録
 第五項第四
 次にその他の諸概念も、同様に、表象力を種々なふうに刺激する表象の様式にほかならない。けれどもそれは無知者たちからは事物の主要属性と見られている。なぜなら、すでに述べたように、彼らはすべてのものが自分たちのために造られていると信じ、そしてある物から刺激されるぐあいに応じてその物の本性を善あるいは悪、健全または頽廃および腐敗と言うからである。例えば目に映る対象から神経が受ける刺激が健康に役立つなら、これを引き起こす対象は美と言われ、反対の刺激を生ずるものは醜と言われる。次に鼻によって感覚を刺激するものを芳香あるいは臭気と呼び、舌によるものを甘あるいは苦、美味あるいは不味などと呼ぶ。また触覚によるものを硬あるいは軟、粗あるいは滑などと言う。また最後に、耳を刺激するものを騒音、音響、または諧音を発すると言う。これらのうちで諧音は、神もまたこれを喜ぶと信じたほど人々の心を奪った。そればかりでなく天体の運行が諧音をたてることを確信した哲学者たちもなくはない。これらすべては、各人が事物を脳髄の状態に従って判断し、あるいはむしろ表象力の受けた刺激を事物自体と見たことを十分に示すものである。このゆえについでながらに注意するが、人々の間に、我々の見聞きするようなあんなにも多くの論争が生じ、これからついに懐疑論が発生したことも怪しむに足りない。なぜなら、人々の身体は多くの点において一致するがもっと多くの点において異なり、そのゆえにある人に善く見えるものが他の人に悪しく見え、ある人に秩序正しく思えるものが他の人には混乱して思え、ある人には快いものが他の人には不快だからである。そしてその他のことについてもこれと同様であるが、それはここに述べない。ここはそうしたことを詳しく論ずる個所でないし、それにまたそれはすべての人が十分に経験しているところだからである。というのは「頭数だけの意見」「誰でも自分の意見で一杯になっている」「脳髄は味覚に劣らず相違している」などいう諺はすべての人の口にするところである。これらの諺は、人間が物を脳髄の状態に従って判断し、また物を知性的に認識するよりはむしろ感覚的に表現することを十分物語っている。なぜなら、もし彼らが物を知性的に認識するとしたら、数学において見るように、それらの物は、彼らすべてを惹きつけないまでも、少なくとも彼らすべてを同じ確信に導いたであろうからである。
 我々現在の社会にて通常生活を送る人間は、同じ炎を見ても其の人物が経験してきた、若しくは体験した事々により、善・悪、秩序・混乱、寒・暖、美・醜のような概念、更には畏怖や恐怖をいだきます。それらは炎の実相を伝えているのでしょうか。全ては人間の知性とは別の精神的な表象力が引き起こしたものです。


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最終更新日  2021年09月27日 06時05分14秒
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