Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2021年12月27日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-272
 定理四四の系一の備考後半部には人間精神の第一種の認識である観察または伝聞による認識、感覚的・精神的な認識なるものの習性に過去と現在・未来の表象の時間的要素を検討しています。即ち今現在の事物を真実に理性を介して知覚するのではなく、今はもう無く、未だに無いものの人間の表象、更には現在時の表象にも焦点を当てています。
 ところでここに一人の小児があって、昨日はじめて朝にペテロを、昼にパウロを、夕にシモンを見、そして今日また朝にべテロを見たと仮定しよう。この部の定理一八から明らかなように、彼は暁の光を見るや、ただちに太陽が前日と同じ天域を運行することを表象するであろう。言いかえれば彼は一日全体の経過を表象するであろう。そして朝の時間とともにペテロを、昼の時間とともにパウロを、夕の時間とともにシモンを表象するであろう。それで今彼はパウロとシモンの存在を未来の時間に関連させて表象するであろう、これに反して彼が夕方シモンを見るとしたら、彼はパウロとペテロを過去の時間とともに表象してこの二人を過去の時間に関連させるであろう。そしてこうした表象結合は彼がこれらの人間をこの同じ順序において見る度合が重なるにつれてますます確乎たるものになるであろう。
 だが彼がある夕シモンの代りにヤコブを見るということが一度起こるとしたら、翌朝彼は夕の時間を思う際にあるいはシモンをあるいはヤコブを表象するが両者を同時に表象することはないであろう。なぜなら、仮定によれば、彼は夕の時間常に両者の一人だけを見て両者を同時に見ることはなかったからである。ここにおいて彼の表象は動揺し、来るべき夕の時間を思う際にあるいはこの人をあるいはかの人を表象するであろう。言いかえれば彼は両者のいずれの出現をも確実とは考えず両者いずれかの出現を偶然なものとして表象するであろう。そしてこうした表象の動揺は、我々が同様の仕方で過去あるいは現在に関して観想する物について表象がなされる場合に常に現われるであろう。こうして我々は物を現在に関してもあるいは過去ないし未来に関しても偶然なものとして表象するであろう。
 系二 物をある永遠の相のもとに知覚することは理性の本性に属する。
 証明 なぜなら物を偶然としてでなく必然として観想することは理性の本性に属する(前定理四三 真の観念を有する者は、同時に、自分が真の観念を有することを知り、かつそのことの真理を疑うことができない。により)。ところで理性は物のこの必然性を(この部第二部の定理四 第一種の認識は虚偽〔誤謬〕の唯一の原因である。これに反して第二種および第三種の認識は必然的に真である一により)真実に、言いかえれば(第一部公理六 真の観念はその対象(観念されたもの)と一致しなければならぬ。により)それ自身においてあるとおりに知覚する。ところが(第一部定理一六神の本性の必然性から無限に多くのものが無限に多くの仕方で(言いかえれば無限の知性によって把握されうるすべてのものが)生じなければならぬ。により)物のこの必然性は神の永遠なる本性の必然性そのものである。ゆえに物をこの永遠の相のもとに観想することは理性の本性に属する。その上、理性の基礎は概念であって(この部第二部の定理三八 すべての物に共通であり、そして等しく部分の中にも全体の中にも在るものは、妥当にしか考えられることができない。により)、そうした概念はすべての物に共通なものを説明しそして(この部の定理三七 すべての物に共通であり、そして等しく部分の中にも全体の中にもあるものは、決して個物の本質を構成しない。により)決して個物の本質を説明しない。このゆえにそれらの概念は何ら時間との関係なしにある永遠の相のもとに考えられなければならぬ。Q・E・D・=これが証明すべきことであった。
 スピノザは人間の世界環境の変化のの流れから受ける身体的刺激から生じる精神の一義的認識の表象には何らの真も置いてはいません。且又、スピノザが定理四四の系一の備考後半部に登場させる朝にペテロを、昼にパウロを、夕にシモンを、更に見シモンの代りにヤコブを見るというのは、イエス‐キリストが、多くの弟子たちの中から選んだ12人の弟子(キリストが特にこれらの弟子を使徒と名づけた「使徒」)。即ち、ペテロ(シモン*)、ヨハネ、アンデレ、セベダイの子ヤコブ、ピリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルパヨの子ヤコブ、ユダ(ヤコブの子、別名タダイ)、熱心党のシモン、イスカリオテのユダの一二人の中から表象例として転用したのは謎深いものがあります。それとは別に特に裏切りを予知していたイスカリオテのユダをイエスが「使徒」としたことは謎めいています。



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最終更新日  2021年12月27日 06時09分16秒
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