Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年02月05日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-312
 一般に「不倫」、どちらか又は双方が既婚者がいる場合の浮気では、其の不倫行為の当事者ではなく、相手方を責めるのは屡々耳にすることです。恐らくこれにはスピノザの云う精神の基本的感情である喜び・悲しみ・欲望の全てが関わり合います。「不・倫」の語彙が表す如く人間精神の感情を逆撫でするものでしょう。理知的であると思われていた人間さえ感情を揺乱させます。此れが不倫行為の当事者に喜び・悲しみ・欲望の全てがむかえば世間には理解されない行為を生むことさえあります。
 定理一七 我々を悲しみの感情に刺激するのを常とする物が、等しい大いさの喜びの感情に我々を刺激するのを常とする他の物と多少類似することを我々が表象する場合、我々はその物を憎みかつ同時に愛するであろう。
 証明 なぜなら(仮定により)この物はそれ自体によって悲しみの原因である。そして我々が(この第三部の定理一三の備考 要約:すなわち愛とは外部の原因の観念を伴った喜びにほかならないし、また憎しみとは外部の原因の観念を伴った悲しみにほかならない。なおまた、愛する者は必然的に、その愛する対象を現実に所有しかつ維持しようと努め、これに反して憎む者はその憎む対象を遠ざけかつ滅ぼそうと努めることを我我は知る。により)この物を悲しみの感情をもって表象する限り我々はそれを憎む。さらにまたそれが我々を等しい大いさの喜びの感情に刺激するのを常とする他の物に多少類似することを我々が表象する限り、我々はそれを等しい大いさの喜びの緊張をもって愛するであろう(この第三部前定理 ある物が、精神を喜びあるいは悲しみに刺激するのを常とする対象に多少類似すると我々が表象するというだけのことからして、その物がその対象と類似する点がそうした感情の起成原因〔直接原因〕でなくても、我々はその物を愛しあるいは憎むであろう。)により。したがって我々はそれを憎みかつ同時に愛するであろう。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 備考 二つの相反する感情から生ずるこの精神状態は心情の動揺と呼ばれる。したがってその感情に対する関係は、疑惑の表象に対する関係と同様である(第二部定理四四の備考 要約:我々は物を現在に関してもあるいは過去ないし未来に関しても偶然なものとして表象するであろう。)を見よ。そして心情の動揺と疑惑との相違は、ただその度合の強弱という点にのみ存するのである。しかしここに注意しなければならぬのは云々。私は前定理(ある物が、精神を喜びあるいは悲しみに刺激するのを常とする対象に多少類似すると我々が表象するというだけのことからして、その物がその対象と類似する点がそうした感情の起成原因〔直接原因〕でなくても、我々はその物を愛しあるいは憎むであろう。)においてこの心情の動揺を、それ自身によってある感情の原因であり・偶然によって他の感情の原因であるような原因から導き出したが、それはそうした方がこの動揺をより容易に前の諸定理から導き出しうるからであって、何も心情の動揺が、多くの場合、二つの感情の起成原因〔直接原因〕であるような一対象から生ずることを否定しているわけではないということである。なぜなら、人間身体は本性を異にするきわめて多くの個体から組織されており、したがって人間身体は同一物体からきわめて多くの異なった仕方で刺激されることができる。また逆に、同一事物が多くの仕方で刺激されうるからには、同一事物がまた多くの異なった仕方で人間身体の同一部分を刺激することができるであろう。すなわちこれらのことからして我々は同一対象が多くのかつ相反する感情の原因となりうることを容易に理解することができるのである。



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最終更新日  2022年02月05日 06時10分06秒
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