Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年03月16日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-350
 この部第三部の定理四六、乃至定理四七は旧約聖書の夢の話と異母兄弟の妬みを扱った文章が想い起されます。つまりは、ヨセフは父ヤコブと母出産年齢を超えたが神に祝福を受けたラケルとの間の長男、実のところはヤコブが多妻のため、実際にはヤコブの十一男として生まれたのですが、ヤコブはヨセフが年寄りっ子であるため、誰よりも彼を愛し、きらびやかな服をヨセフに送ったりし、その事柄ども故に他の十人の異母兄たちはヨセフを憎むようになります。ある日ヨセフは未現の夢を見、それを語ったので、兄弟たちの妬みを買い、長男の温情から空井戸に落とされ、軈ては、彼らによってミデヤン人の隊商に売られてしまう。その直後には、ヨセフの服に羊の血を付け、父ヤコブにヨセフは獣に襲われて死んだと偽ったとされ、その後の話が展開される、いわゆる「ヨセフ物語」を連想させる記述が展開されます。此の章に記されている背景には、ユダヤ人としてスペインに移住するも迫害を逃れて、ネーデルランドに自由を求めたユダヤ人の輻輳した精神が沸々と顕れています。:記
 定理四六 もしある人が自分と異なった階級ないし民族に属するある者から、その階級ないし民族の一般的名称のもとにあるその者を原因として意識した喜びまたは悲しみに刺激されたなら、彼は単にその者だけでなく、さらにその同じ階級ないし民族に属するすべての者を愛しあるいは憎むであろう。
 証明 この定理の証明はこの部の定理一六(ある物が、精神を喜びあるいは悲しみに刺激するのを常とする対象に多少類似すると我々が表象するというだけのことからして、その物がその対象と類似する点がそうした感情の起成原因≒直接原因でなくても、我々はその物を愛しあるいは憎むであろう。)から明白である。
 定理四七 我々の憎むものが滅ぼされたりあるいは他の何らかの害悪を受けたりすることを我我が表象することによって生ずる喜びは、同時にある悲しみを伴うものである。
 証明 この部の定理二七 我々と同類のものでかつそれにたいして我々が何の感情もいだいていないものがある感情に刺激されるのを我々が表象するなら、我々はそのことだけによって、類似した感情に刺激される。から明白である。なぜなら、我々は自分と同類のものが悲しみに刺激されることを表象する限り自分も悲しみを感ずるからである。
 備考 この定理は第二部定理一七の系 人間身体をかっては刺激した外部の物体がもはや存在しなくても、あるいはそれが現に在しなくても、精神はそれをあたかも現在するかのように観想しうるであろう。からも証明されうる。すなわち我々はある物を想起するごとに、その物がもはや現実に存在しない場合でもやはりそれを現在するもののように観想し、そして身体は、その物が現実に存在していた時と、同じ仕方で刺激される。ゆえにその物への記憶が我々に残っている限り、その限りにおいて人間はそれを悲しみをもって観想するように決定される。この決定は、その物の表象像がなお存する間は、その物の存在を排除する事物への想起によって阻害されはするがまったく除去されることはない。したがって人間はこの決定が阻害される限りにおいてのみ喜びを感ずるのである。これで見てもわかるように、我々の憎む物に加えられた害悪から生ずる喜びは、我々がその物を想起するごとに繰り返されるのである。すなわちすでに述べたように、その物の表象像が喚起される場合、この表象像はその物の存在を含むがゆえに、人間はそのものがなお存在していた時にそれを観想するのを常としたと同じ悲しみをもってそれを観想するように決定される。だが彼はこのものの存在を排除する他の表象像をこの物の表象像と結合したがゆえに、悲しみに対するこの決定はただちにさえぎられそして人間は新たに喜びを感ずるのである。しかもこのことが繰り返されるごとに喜びを感ずるのである。
 そしてこのことは、なぜ人間がある過去の害悪を想起するごとに喜びを感ずるか、またなぜ自分のまぬがれた危難について物語るのを楽しむかの理由でもある。すなわち、彼らはある危難を表象する場合、それをあたかもなおこれから起こるもののように観想し、かつこれを恐れるように決定される。しかしこの決定は、彼らがこの危難を免れた時にこの危難の観念と結合した救助の観念によって新たにさえぎられる。この救助の観念が彼らに新たに安全感を与え、したがって彼らは新たに喜びを感ずるのである。
 追伸:仮に後世、二十一世紀即ち現代、現実在すると仮定するユダヤ民族であるスピノザが、他者から其の思想をナチズムと非難、指摘されたら彼はどう答えるのであろう。ユダヤ民族の苦悩は過去も今現代も拭い去ってはいません。



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最終更新日  2022年03月16日 06時10分04秒
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