Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年05月13日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-408
 スピノザの次の第四部定理二〇の思考論理は非常に意味深です。「自己の有を維持すること」を至上の徳としているその表現です。例えば、仏教の開祖たるシッダールタ(Siddhartha)やナザレのイエス(Jesus of Nazareth)は自己の有に、例えば自己の身体及び精神感情の平安をを維持することに固執したのでしょうか。両者が人間の肉体をもって生まれてきた以上、スピノザの論理に従えば、シッダールタに関して言えば、自己の世俗の満足を全て放棄し、身を捨てての人類すべての生命の尊厳の尊さに対する姿勢。ナザレのイエスではユダヤ旧約の神が決してアブラハム(Abraham)に始まる部族の守護神なのではなく、旧約・新約・イスラーム及び全ての人間の生命の救済への身体及び人間的精神への罪への贄を暗示させます。スピノザ哲学に唯物論的思考が囁かれるのは此の事ゆえでしょう。
 定理二〇 各人は自己の利益を追求することに、言いかえれば自己の有を維持することに、より多く努め、且つ、より多くそれをなしうるに従ってそれだけ有徳である。また反対に、各人は自己の利益を、言いかえれば自己の有を維持することを放棄する限りにおいて無力である。
 証明 徳とは人間の能力そのものであり、そしてそれは人間の本質にほかならない(この部第四部の定義八 徳と能力とを同一のものと私は解する。言いかえれば)、人間について言われる徳とは、人間が自己の本性の法則のみによって理解されるようなあることをなす能力を有する限りにおいて、人間の本質ないし本性そのもののことである。により)、言いかえればそれは人間が自己の有に固執しようと努める努力にのみ存する(第三部定理七  おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。により)。ゆえに各人は自己の有を維持することにより多く努めかつより多くこれをなしうるに従ってそれだけ有徳であり、したがってまた(第三部定理四 いかなる物も、外部の原因によってでなくては滅ぼされることができない。および、第三部定理六  おのおのの物は自己の及ぶかぎり自己の有に固執するように努める。により)人は自己の有を維持することを放棄する限りにおいて無力である。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 備考 それゆえに何びとも自己の本性に反する外部の原因に強制されるのでなくては自己の利益の追求を、すなわち自己の有の維持を放棄しはしない。あえて言うが、何びとも自己の本性の必然性によって食を拒否したり自殺したりするものでなく、そうするのは外部の原因に強制されてするのである。この自殺は種々の仕方で起こりうる。例えばある人は、偶然剣を握ったその手を、他人からねじ返されて自分自身の心臓にその剣を向けるように強制されて自殺する。あるいはセネカのように暴君の命令によって自らの血管を切開するように強制されて、すなわち、より大なる害悪をより小なる害悪によって避けようと欲して自殺する。最後にあるいはまた、隠れた外部の原因が彼の表象力を狂わせ彼の身体を変化させてその身体が前とは反対な別種の本性を。それについて精神の中に何の観念も存しえないような(第三部定理一〇 我々の身体の存在を排除する観念は我々の精神の中に存することができない。むしろそうした観念は我々の精神と相反するものである。により)、そうした本性を帯びるようにさせられることによって自殺する。これに反して人間が自己の本性の必然性によって自分が存在しないように努めたり、他の形相に変ずるように努めたりすることは、無から有が生ずるのと同様に不可能である。これは誰でも少しく考えれば分かることである。
 記:「人間が自己の本性の必然性によって、他の形相に変ずるように努めたりすることは、無から有が生ずるのと同様に不可能である。」のスピノザの言は、何の様に見積もってもナザレのイエスの生涯を肯定したのか、将又、否定するのか。其の真意は実のところ真相は見究めている訳ではありません。



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最終更新日  2022年05月13日 06時20分24秒
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