Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年05月25日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-420
 記:スピノザは人間の本性の奥底を善と認識し、人間が神を思惟する限り神の延長としての本性を持つと解きます。此れにはスピノザが如何に実践倫理の権威とは云え、人間認識に余りにも善性に重きを置くきらい無きにしも非ずです。例えば、人類の生命基盤である地球は何者にも害悪を加えない調和がとれた青い水の惑星ではありません。地球に生命なるものが発生して以来、自己の種族の保存と繁殖のためには、植物の多くの系統(*寄生植物や食虫植物は例外)、有用寄生を除いては、他生命の命を奪う殺伐世界です。我々人類は、其の殺伐者の頂点に立つ生き物でしょう。スピノザの性善説に立ち位置を認証すれば、畢竟、人間は自己の保存のためには、他の生命を奪うことは神から与えられた本性であり、人間の善性とは何ら矛盾は生じない「生命与奪天授説」に陥ります。豚・牛・鶏は人間に食われることを本性としているのでしょうか。象やライオン・虎は人間のハンティング対象になることを本性としているのでしょうか。此れ等を人間の本性からして善とはいえないと憶えます。此処に、スピノザの放牧社会・民俗学的な西洋肉食民族の自惚れと限界があります。我々人間は、大きく区分けすれば狩猟民族と農耕民族に別れます。ここから、生命観そのものの相違が生じています。
定理三一 物は我々の本性と一致する限り必然的に善である。
 証明 何となれば、物は我々の本性と一致する限り悪でありえない(前定理三〇 いかなる物も、それが我々の本性と共通に有するものによって悪であることはできない。それが我々にとって悪である限り、その限りにおいてそれは我々と対立的である。により)。ゆえにそれは必然的に善であるか、それとも善悪いずれにも属さない中間物であるかであろう。後者すなわち善でも悪でもない場合は、その物の本性から(この部第四部の公理三により *不明→第一部公理三 与えられた一定の原因から必然的にある結果が生ずる。これに反してなんら一定の原因が与えられなければ結果の生ずることは不可能であるか?)我々の本性の維持に役立つ何ものも、言いかえれば、仮定によりその物自身の本性の維持に役立つ何ものも生じないことになろう。しかしこれは不条理である(第三部定理六 おのおのの物は自己の及ぶかぎり自己の有に固執するように努める。により)。ゆえに物は我々の本性と一致する限り必然的に善であるであろう。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 系 この帰結として、物は我々の本性とより多く一致するに従ってそれだけ我々にとって有益あるいは善であり、また逆に物は我々にとってより有益であるに従って我々の本性とそれだけ多く一致する、ということになる。なぜなら、物は我々の本性と一致しない限り必然的に我々の本性と異なり、あるいは我々の本性と対立的であるであろう。もし我々の本性と異なるなら、それは(この部第四部の定理二九 その本性が我々の本性とまったく異なる個物は我々の活動能力を促進することも阻害することもできない。また一般に、いかなる物も、もしそれが我々とある共通点を有しなければ我々にとって善でも悪でもありえない。により)善でも悪でもありえないであろう。もし対立的であるなら、それは我々の本性と一致するものにも対立的であり、言いかえれば(前定理三〇 いかなる物も、それが我々の本性と共通に有するものによって悪であることはできない。それが我々にとって悪である限り、その限りにおいてそれは我々と対立的である。により)善と対立的であり、すなわち悪であるであろう。ゆえに何ものも我々の本性と一致する限りにおいてでなくては善であることができない。したがって物は我々の本性とより多く一致するに従ってそれだけ有益である。そしてその逆も真である。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。



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最終更新日  2022年05月25日 06時03分18秒
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