12月2日の日曜日、ジャパン・シンフォニアの定期演奏会に行ってきました。今回のピアニストはイギリス人のニック・ヴァン・ブロス氏です。「グレン・グールドの再来」との呼び声もあるブロス氏は11歳でピアノレッスンを始め、15歳で王立音楽アカデミーに入学、その後数々の賞を受賞します。 しかし、7歳で発症したトゥレット症候群のため、26歳のポーランドでのテレビ・リサイタルに出演した後、15年間公開の場での演奏から完全に身を引いていました。その後“busy body-my life with tourette syndrome”という自伝を出版し、翌年にはBBCがブロス氏を取り上げたドキュメンタリー番組を制作。彼の想像性の源を探求しました。この番組がきっかけとなり、2008年にレコーディング活動を再開。今回の来日公演に至ったのです。15年のブランクを全く感じさせない、素晴らしい演奏でした。 昨日、私は日本トゥレット協会主催の「ニックさんとの茶話会」にも参加しました。ブロス氏は様々な質問に真摯に答えてくださり、協会の活動へのアドバイスも下さいました。ブロス氏は勿論、一緒に来てくださった日本シンフォニアの井上先生やマネジャーさん、そしてトゥレッターの気持ちに配慮した素晴らしい通訳をしてくださった通訳さんにも感謝したいです。