いつまでも空を見上げていたい

いつまでも空を見上げていたい

Mちゃんとの出会い



Mちゃんとの出会い



 保育園から小学生に上がるときまで 隣の家にMちゃん姉妹が住んでいた

私の遊び相手をしてくれるMちゃんは2つ年上で

他の友達とコミュニケーションのとり方が少し違った

主にはジェスチャーだった 

子供はそれなりに言葉を持たなくても

相手の気持ちがわかる非常に優れた才能を持ち合わせているものだ

だから喧嘩もした 

もっぱら人形やおもちゃの取り合いなんだけど 実に仲が良かったと思う

毎日遊んでいたし 偏見も何も持っていなかった

言葉をかけても振り向いてくれない彼女の手やスカートの裾を

握っていた記憶がある


Mちゃんが声にならない喃語を発して泣いている時は

どうして泣いているのか一所懸命理解しようとしていた

逆に笑うと埴輪ちゃんのように目がなくなってしまう愛らしい顔が見たくて

子供ながらにいろんな表情を作って物まねをしていた



彼女が聾唖という障害を持っていたことがわかったのは

互いに引越しをしてから随分後のこと



振り返ると初めて私が障害を持つ人と接したことになる

それが身近な友達だったということもあり

聾唖のことについて自然と興味を持つようになっていた



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