いつまでも空を見上げていたい

いつまでも空を見上げていたい

自分との戦い


 自分との戦い



幸せなことに 希望の学校に入学を果たした

これは奇跡に近い出来事だった

恩師や周囲のお陰であるし 祖父が背中を押してくれていたからだと思う

しかし 思うようには何事も進まない1年目だった

学校や担任と馬が合わずに退学した仲間が続出した

次は自分の番だと名前すら挙げられていた

素直になれず反抗してしまう度に だんだんと学校から足が遠のいた

かろうじて2年目に進級した私の成績は 見事な成績だった

2番・・・  

もちろん後ろから数えてのことである

特殊クラスであったため 1クラスで3年間持ち上がりだった

2年目同じ担任だったら 私は退学届けを出すつもりでいた



ここで私の転機が再び訪れることになる

クラス担任の発表の日 なんと新担任だった

とりあえず学校にいくとするが この新担任は半端じゃなく恐怖のN師と呼ばれ

恐れられていたコテコテの熱血教師だった

『 あちゃー あかんわー もう逃げられへん 』

そんなつぶやきが クラス中にこぼれ始めた

弛んだクラスを徹底的に改正すべく 任務に没頭する担任

授業をボイコットしようと企む生徒がいようものなら

『 授業の邪魔するヤツは とっとと帰れー!』

追い返してしまうつわもの

何度かほんとに帰ってしまった私も いつしか担任の情熱に絆され

看護師になるという初心を思い出していた




やろう ― 辞めよう という心の葛藤がいくつもあった

そのたびに 自分の選んだ道なんだと言い聞かせた

夢を叶えるため 努力を何もしない人間なんて

寝言いってるようにしか聞こえないだろうなとも思った

やっぱりやろうと決めてから 睡眠時間を4時間に決めて

それ以外はひたすら机に向かった

私の次の目標は看護学校へ進学することだった

現状を考えると とても高い目標だったのだけれど・・・





高2の3者面談ではっきり言われた

「進学なんてとても無理です 諦めてください」


となりに座っていた母は 

「とても無理なことは良くわかっているんですけど 
 本人がそう言うもんですからねぇ
 高校を卒業してもらうことの方が先なんですけどね」




そう恥ずかしそうに笑っていた

こうなったら意地でも進学してやろうと思った

自分で勉強するだけでは物足りず 塾へ通い始めた

県外脱出作戦を密かに試みて 矛先が東京に向かった

一度も行った事のない場所に行こうとする 無謀な私を周囲の誰もが笑った

成績からして惨敗だったから 無理もないんだけど



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