いつまでも空を見上げていたい

いつまでも空を見上げていたい

戴帽式


戴帽式 



高校1年生・2年生の夏までは看護科の単位を履修し

一般の中間・期末試験以外に

病院実習に向けて 筆記と実技試験が数回繰り返し行われた

衛生看護科の最大のイベントは

全ての試験にクリアして ナースキャプを頂くことだ

それを 戴帽式 とよぶ

1年目は進級さえも危ぶまれた私だったが

なんとか この式に参加できるキップを手に入れた

式は厳かに行われた

ロウソクの明かりが 心にも灯火(ともしび)を与えてくれる

初めて被るキャップの重みを かみ締めながら

看護師への道に1歩足を踏み入れる

学生にとってこの儀式は 目標に向けて大きな動機付けとなる

手にしたロウソクが 涙で消えそうになるくらい

感動していた

ナイチンゲール誓詞を暗唱して 恩師や家族に誓う

そして自分自身にも 看護師として人として

あるべき道を誓う

この日の出来事は 今でも昨日の事のように思い出される



<ナイチンゲール 誓詞>

われはここに集いたる人々の前に 厳かに神に誓わん
わが生涯を清く過ごし わが任務を忠実に尽くさんことを
われはすべて毒あるもの 害あるものを絶ち
悪しき薬を用いることなく また知りつつこれをすすめざるべし
われはわが力の限り わが任務の標準を高くせんことを努むべし
わが任務にあたりて 取り扱える人々の私事のすべて
わが知り得たる一家の内事のすべて われは人に洩らさざるべし
われは心より医師を助け わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん





<戴帽式の歴史>

 日本では正9年聖路加高等看護学校開設当時から
戴帽式が実施されていました
戴帽式が一般化したのは昭和25年頃からです
終戦後GHQ看護婦の指導により入学後6ヶ月の予科期がもうけらました
この期間中に学生は本科へ進む適正その他を認められ
予科期を無事修了したものに戴帽が許可され
聖火の継承を受け本科への進級となりました
 ナースキャップは看護師のシンボルであり
キャンドルの灯はクリミア戦争での病院のランプを意味しており
ナイチンゲールの献身的な看護の精神をあらわします
 戴帽の儀はナイチンゲールの精神を受け継ぐ一人となった証です


次へ進む


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: