私の沼

私の沼

スイッチ








         スイッチ










       大事だったはずのいろんなものが
       どうでもよくなる
       スイッチ

       普段は見えない
       あることさえも
       感じない

       でもそれが見える瞬間があって
       それは
       大抵
       一回につき
       何時間か続く

       タイミング
       が合えば

       たぶん押しちゃうだろう

       一度押したことがあれば
       それを
       「押すことができる」
       ことがわかる

       だから、
       ゾクゾクする

       楽しくなんかない
       楽しいけど
       楽しくなるけど

       スイッチが見えることは
       不幸なことだ

       見えないほうがいいんだと思う

       たぶん













      初出 現代詩フォーラム2004・8・10



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: