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先日、2回目のワクチンを打ってきました。1回目でも強い副反応が出たので、2回目はさらにきついだろうと覚悟はしていたのですが...案の定、当日の夜から39度の高熱とひどい倦怠感。熱がさがっても頭が割れるような頭痛が数日続きました。正直インフルエンザにかかった時と同じくらい、もしかしたらそれ以上に苦しかった。予防のためにこんな苦しい思いをするってどうなんでしょう?正直、3回目はちょっと考えちゃいます。動くと頭がガンガンするので、しばらくゴロゴロ過ごし、久しぶりにたくさん本を読みました。その中で、頭の痛みも忘れるほど没頭したのが、村山由佳さんの「猫がいなけりゃ息もできない」。村山さんの戦友であり、親友であり、最愛の娘でもある愛猫「もみじ」との17年とその看取りの記録です。自他共に認める犬派の私がこの本を手に取ったのは、「猫がいなけりゃ息もできない」のタイトルにはっと胸をつかれたから。先代犬のブブが旅立ったあと、私は何年もその喪失をうまく消化できませんでした。チョコが来て、私の周りにまた犬の足音が響くようになるまで、ずっと息が苦しいような、空気が足りないような感じがしていたのです。タイトルを見て、ああ、あの時の私だ、と思いました。ただ違うのは私の場合、猫でなく犬だったことだけ。物語は「もみじ」が17歳の誕生日をむかえた頃から始まります。17歳になったもみじに村山さんが話しかけます。「うんと長生きするんだよ。尻尾の先が裂けて猫又になったっていいから、一緒にいようね。わかった?」「うぬ〜」ずっと生きてくれるような気がしていた。不思議ともみじだけはずーっと死なないんじゃないかとどこかで本気で信じていた。この時点で、すでに涙腺崩壊。生き物である以上、いつか死ぬのも、それが自分より先なのもわかっている。だけど、もしかしたら自分をこんなに好いてくれるこの子だけはずっとそばにいてくれるんじゃないか、ペットを飼う人はみなひそかにそう思っているのではないでしょうか。チョコは副反応で寝込んでいた私にずっと添い寝してくれました。ですが、その願いもむなしく、1ヶ月後、もみじの口の中に癌が見つかります。平均余命は、3ヶ月。村山さんともみじの最後の日々のはじまりです。この季節、この風景をもみじと並んで眺められるのはもしかしてこれが最後になるかもしれないと思うと、何もかもが宝物のように思えて、胸が苦しくてたまらなくなる。想像するだけで胸がひりひりします。生きて目の前にいる我が子はどうしようもなく愛おしく、でも、その残り時間が切れようとしているのですから。チョコが去年、同じように口の中に腫瘍が見つかり、手術したこともあって、もみじの闘病の部分は正直読んでいて辛くてたまりませんでした。良性だったチョコとは違い、もみじは10数回の腫瘍切除の手術に耐え抜きます。そして、18歳の誕生日を迎える少し前、癌とわかってから9ヶ月、もみじはこんなお別れの言葉を残して旅立っていきました。かーちゃんはこの世でいちばん、うちのことが好き。うちはこの世でいちばんかーちゃんが好き。ソウシ、ソウアイや。ええやろ。...な?ええなあ。もみやんとかーちゃん。ソウシ、ソウアイか。うちもチョコがそう思うてくれてたら本望や...夫が私に近づかないようすごく警戒していました。どうして(笑)?私は最初から最後まで泣きっぱなしだったけど、この本は悲しいばかりではありません。村山さんがもみじと共に乗り越えた波乱の人生(2回の離婚とたくさんの転居)がユーモアたっぷりに語られ、飼い主をおいて先に行ってしまう薄情者のペットが生きている間にどんなにたくさんの幸せをくれるかを思い出させてくれます。それにしても作家さんってすごいなあと思ったのは、こんな悲しみや苦しみもちゃんと言葉にして表現できること。村山さんの悲しみにそうなんだよ、そうなんだよと深く共感しながら、私もブブを失った時の正体のわからない苦しさや、いつか必ず来るチョコとの別れへの漠然とした怖れを言語化できました。おかげで、前よりペットの死が得体のしれない怖いもの、ではなくなったような気がします。それはたぶん、受け入れなければいけないもの。でも、それがあるからこそ、生は、ともに生きる日々は愛おしいものなのだと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2021.08.17
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小野不由美さんの「十二国記」シリーズ、ご存知ですか?本日は大好きなこの長編ファンタジーのご紹介です。このシリーズ、名前は聞いたことがあるけど、読んだことはないという方も多いと思います。なにしろ文庫にして10冊を超える大作。ちょっと腰が引けますよね。しかも小野不由美といえばホラー作家。おどろおどろしい話じゃないの?と...私もそう思ってずっと手を出さずにいましたが、10年くらい前、ふとフライトの読書用にと、手にとったのがきっかけで、そのままどっぷりはまってしまいました。最初に読んだのなぜかシリーズ3作目のこれ。最初に刊行された「魔性の子」はほぼホラーで、これから読んでいたら挫折していたかも。読んでみると、たしかにおどろおどろしい部分もあります。でも、それ以上に中国の雰囲気を持つ異界の世界観が魅力的でするりと物語に引き込まれます。異界は12の国からなり、それぞれの国の騏驎(人の形をしている)が、自分の仕える王を民の中から選びます。麒麟も王も一代限り。うまく国を平らげられなければ死が待っているという過酷な設定です。その中で、未熟な麒麟が未熟な王を支え、ともに成長していくプロセスに胸が熱くなります。最初に読んだのは中国の広州滞在中。黒檀の家具のあるホテルで読んでいると、小説の中にいるような気がしました。で、はまったはいいですが、なんとこの作品、去年まで、実に18年も新作が出なかったのです。しかも、とある国の王と麒麟の失踪が伝えられたまま。ファンは18年も王と麒麟の行方を案じ続けるはめに。ですから、とうとう新作が出た時のファンの熱狂たるや大変なものでした。祝「ダ・ヴィンチ」Book OF THE YEAR2020 小説部門1位!!私なんて、もう新作はほとんどあきらめていましたから、最初のページを開き、そこになつかしい十二国記の世界を見た瞬間、こみあげてくるものがありました。全部で4巻に及ぶ新作は10年(長い人はもっと)待った甲斐のある物語でした。で、なぜ今「十二国記」の紹介かといいますと...実は昨日、来年刊行される短編集の1話が配信されてきたのです。これ、去年刊行された本の帯のQRコードから登録すれば次の作品の1話を無料で先読みできるというもの。私ももちろん登録し、楽しみにしていました。が、またもや当初の2月刊行予定が延期され、結局1年越しのプレゼントとなりました。早く読みたくてはやる気持ちをなだめつつ、おいしいケーキを食べながら、ゆっくり味わって読みました。内容はすでにいろいろな方のブログで紹介されているので、ここでは省きます。でも、多くのファンが気になっている、かの国の麒麟のその後を伝える嬉しい内容でしたよ。来年の短編集の刊行がますます楽しみですね。最後まで読んでくださりありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2020.12.13
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先日、出張に行く夫に、移動中に読める面白い本ない?と聞かれました。どれどれ、と本棚をのぞいてみると、なんと、おすすめの本がありません。いやいや、これだけ本があってないということはないでしょう、ともう一度眺めて、気付きました。うちの本棚、死んじゃっている…つまり、うちの本棚には、今、読みたい本や今の気分に合った本が少ないのです。今の本棚。これでも今回の引越で4割くらい本を減らしました。じゃあ、ここにあるこの本たちは一体なんなのでしょう?まず、ざっと本の内訳を調べてみました。仕事関係(おもに自然科学の本) 40%まんが 20%実用書 15%小説・エッセイ 15%趣味(旅行など) 10%仕事の本が半分近くを占めていて、小説・エッセイ、趣味の本が少なめです。実用書の半分は、仕事のパフォーマンスや時間術に関するものなので、これもどちらかといえば仕事の本です。実用書コーナーの一部。仕事の効率本もほかにはオシャレの本なども。仕事の本についていえば、私たち夫婦は同業者なのですが、お互い、本への投資は惜しむべきでないと信じている節があり、面白そうな本があれば、とりあえず購入します。でも、実際には買っても読まない本が多いのですよ。この手の本は読むのにすごくエネルギーがいるし、じゃあ余暇に読みたいかというとそうでもありません。そのくせ、仕事関係の本は聖域として捨てません。読んでいないから捨てられない、ともいえます。================================こうして仕事本に本棚が圧迫されてくると、かわりに捨てるのが、エッセイ・小説、趣味の本などのエンターテイメント系です。エンターテイメント系も、一応、吟味したうえで捨てます。そうすると、私の心になにがしかの余韻を残した本が残るわけですが、これがまた曲者です。過去に私の心を揺さぶった本が、必ずしも今も私の心を揺さぶるわけではなく、十分感動した本は、いわばエキスを吸い切ったわけでもう読み返す必要がなかったりします。たとえば、私は若い頃、沢木耕太郎の「深夜特急」が大好きでした。読めば胸が熱くなり、今すぐ自分も旅に出なければとひりひりするような焦燥感に駆られたものです。だけど、残念ながらもう、今、読んでも、私が感じるのは若かった自分への懐かしさだけです。過去に私の心を揺さぶった本たち。こうして、うちの本棚は新陳代謝が滞り、気付かないうちに活力を失っていったようです。とはいえ、死んだ本棚は捨ててしまえ、というのは違うような気がします。子供の頃から本が大好きで、今も本の力を信じています。「思考の整理学」という本にこんな一節がありました。”整理とはその人のもっている関心、興味、価値観によって、ふるいをかける作業にほかならない。(中略)やがて、不易の知識のみが残るようになれば、その時の知識は、それ自体が力になるはずである。”これは蔵書の整理にもあてはまるとも書いてあります。私もこんなふうに本を整理して、自分の力になる本棚を作りたいと思っています。クローゼットや食器棚の整理よりもはるかに時間がかかりそうですが…↓本の整理についてはこちらが参考になります。[紙,本,書類]整理,収納,お片付け最後まで読んでいただきありがとうございます。↓応援クリック、励みになります。にほんブログ村↓よろしければ読者登録も!!
2020.10.06
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