幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

Sep 8, 2016
XML
カテゴリ: シェフの雑記帳



 サンク・オ・ピエの前菜で人気の高い自家製のスモークハムと生ベーコンです。ハムのほうは、薩摩黒豚の肩ロースを使います。肉にイタリアのトスカーナのチェルビアの塩(ローマ法王庁献上品の塩)をまぶしてラップに包み冷蔵庫で3~4日漬け込みます。味付けはこれだけ。普通ハムを作るときはソミュール液というハーブやスパイスなどを使った濃い目の塩水に漬け込むのですが、私の場合は塩をまぶすだけです。塩の量も肉1キロ当たり何グラムなどと決めていません。脂の乗り具合や肉の太さや水分などを見ながら、勘で塩を振ります。肉がなんといっても薩摩黒豚ですから、塩で充分だと思います。これを200℃くらいのオーブンに3分入れては温かいところで10分以上休ませるというのを何回も繰り返しながら、しっとりと火を入れます。温度計で図るわけではありませんが、肉の芯温が60℃くらいになればOKです。これを冷蔵庫で一晩休ませてから、冷燻に6時間くらいかけます。ラップにくるんで、一晩冷蔵庫に寝かせてスモークの香りを肉全体に回したら、真空パックにして冷凍または氷温で保存します。

 マンガリッツァ豚の生ベーコンのほうもやはり塩を振ってラップで包んで冷蔵庫で3~4日漬け込みます。それを冷燻にかけます。通常の冷燻は30℃以下を目指すのですが、生ベーコンの時はあえて45℃くらいに調節します。この温度では火が入るわけではありませんが、脂肪分が溶けるぎりぎりの温度帯にすることで生臭さが取れます。燻製が終わったらまたラップにくるんで、冷蔵庫で一晩寝かしてから真空パックにかけて氷温庫でさらに1月以上熟成させてから使います。

 市販のハムやベーコンは、食品添加物がてんこ盛りですから使う気になりません。しかもスモークハムと書いてありながら、燻製にかけてないものも多いんです。燻液といって煙の臭いの液体につけておしまいというのが意外に多いんですよ。スモークサーモンも安いのはほとんど燻製してません。

 オーガニックのショップなどで手作りの無添加ハムやベーコンなどたまに売っているのを食べてみてもあまり美味しくないことが多いです。無添加にこだわってもまずくては意味がないです。私が自家製でハムやベーコンを作るのは、美味しいのが売ってないからなんです。フランスやイタリアの高級品なら美味しいのがありますが、ちょっと高くて手が出ませんし、国産の物は美味しくても添加物が多く、無添加のはたいてい不味い。したがって、自分で美味しく作るしかないということで、長年作っています。今でも少しずつ進化していると思います。

 そういうわけで、サンク・オ・ピエのスモークハムと生ベーコンは豚肉と塩と桜のチップのスモークだけで出来ています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Sep 8, 2016 05:39:29 PM


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

cinq chef

cinq chef

Calendar

Comments

madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
mermerada @ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
福島@ ソーモン う、うまそうですねーーー! 思わず涎が…

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: