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今日はちょっと変わった宇宙の楽しみ方について書いてみます。
太陽の表面で起こる巨大な爆発現象で、強力な電磁波や高エネルギー粒子を放出し、時には地球の通信や電力網にまで影響を及ぼすこともある、なかなかパワフルな現象の 太陽フレア。
普段は望遠鏡で撮影された映像や、グラフ・数値データとして「見る」ものなんですが、最近このフレアの様子を 「音」に変換して聴く
きっかけは、あるアマチュア天文家の偶然の観測
2026年3月、海外のアマチュア天文家「DudeLovesSpace」さんが、太陽黒点「AR4392」を観測していたところ、まさにフレアが噴出する瞬間に居合わせるという幸運な出来事がありました。
この黒点は3月12日に姿を現してから約2週間観測され続け、その間に中規模のM級フレアを2回(3月16日と18日)放出。
特に18日に発生したM2.7クラスのフレアは16分ほど続き、これが今回話題になった観測の主役です。
この観測のポイントは、光の映像(Hα線という水素が出す赤い光)と同時に、電波として記録されたデータを音声信号に変換したところにあります。光も電波も同じ電磁波の仲間で、どちらも光の速さで伝わってくるので、映像と音を同期させることで、フレアの様子を目と耳の両方で体感できるようになっているんです。
そうして生まれた音がどんなものだったかというと……規則的なメロディとは程遠く、周波数と強度が目まぐるしく変化する、まるでホラー映画のような不気味なうなり声。
SNSや海外メディアでも 「不安をかき立てる音」
として話題になりました。
ちなみに注意したいのは、これは実際に宇宙空間で鳴っている音そのものではないという点です。
宇宙は真空なので、本来は音は伝わりません。
あくまで電波受信機が拾った電磁波のデータを、私たちの耳に聞こえる周波数帯に変換した「翻訳」のようなもの。
ただし科学者の試算では、もし太陽の音を仮に聞けたとしたら、常時100デシベル前後の轟音になるだろうとも言われていて、想像するとこれはこれでロマンがあります。
なぜこの「音で聴く」取り組みには意味があるのか
単に「不気味で面白い」で終わらせるのはもったいないくらい、このデータのソニフィケーション(音化)という手法には、実はいくつか嬉しい効果があります。
① 目に頼らない、新しい宇宙の楽しみ方が広がる NASAが進めている「A Universe of Sound(宇宙の音)」というプロジェクトでは、チャンドラX線天文台やハッブル宇宙望遠鏡のデータを音に変換する取り組みが2020年から続けられています。
これは元々、視覚障害のある方にも天体データを「体験」してもらうことを目的に始まったものなのですが、研究チームの調査によると、晴眼者(目が見える人)にとっても音があることで体験が豊かになったと感じる人が多いことが分かっています。
つまりこの取り組みは、特定の人だけでなくみんなにとって新しい楽しみ方になっているんです。
② 目では気づきにくい変化に気づける データを音に変換すると、グラフでは見逃しがちな微妙なパターンやタイミングの変化を、耳で直感的に捉えられることがあります。音は「時間の変化」をとらえるのが得意な感覚なので、フレアのように短時間でめまぐるしく状況が変わる現象とは相性がいいと言われています。
③ 単純に、科学への入り口として楽しい 「爆発現象を耳で聴く」というのは、それだけでワクワクする体験ですよね。難しい理論を知らなくても、「うわ、こんな音するんだ」という驚きから宇宙や太陽の活動に興味を持つきっかけになる。
実際、こうしたソニフィケーション作品はSNSで拡散されやすく、科学コミュニケーションの新しい入り口としても注目されています。

どこで聴けるの?
「じゃあ実際に聴いてみたい」という方向けに、いくつか方法をご紹介します。
① 手軽に聴きたいなら:公開されている音源をチェック
NASAの「Data Sonifications」ページ(science.nasa.gov内)では、チャンドラやハッブル、ジェイムズウェッブなどのデータを変換した音源が多数公開されています。太陽フレア専用ではありませんが、宇宙の様々な天体現象の「音」を無料で聴けます。
今回紹介したDudeLovesSpaceさんのような天文家は、YouTubeで観測映像と音を同時公開していることが多く、検索すると実際のフレア音に出会えることがあります。
② 本格的に「自分で受信」したいなら:VLF電波受信にチャレンジ
実はアマチュア無線の世界では、太陽フレアが出す超長波(VLF帯)を自分で受信して音として聴くという楽しみ方が昔からあります。
仕組みとしては、ループアンテナとPCのサウンドカードを組み合わせるだけの比較的シンプルな構成でも挑戦可能で、日本アマチュア無線連盟(JARL)などでも入門向けの取り組みとして紹介されています。
都市部だとノイズが多くて大変な面もありますが、静かな場所でうまく受信できたときの感動は格別だそうです。
③ とりあえず雰囲気を味わいたいなら
「電波の受信は難しそう……」という方は、まずは前述のNASAプロジェクトのサイトや、YouTubeで 「solar flare sound」「太陽フレア 音」
などのキーワードで検索してみるのがおすすめです。
予想以上に不気味で、そして予想以上に引き込まれる音に出会えるはずです。
おわりに
太陽フレアという、普段は「映像」や「ニュース」でしか触れられなかった現象を、音というまったく違う感覚で体験できるのは、宇宙の楽しみ方の幅がぐっと広がる感覚がありますよね。
不安をかき立てる音として話題になりましたが、私には何故かワクワクして心地よく聞こえるんですよね。
壮大な爆発の激しさやエネルギーを、耳から感じ取ってみる。
人によりホラーっぽく聞こえるようですけど、それもまた宇宙の素顔なのかもしれません。
みなさんもぜひ、静かな夜に一度「太陽の音」に耳を澄ませてみてください。
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