PR
カレンダー
コメント新着
キーワードサーチ
「この世界って、実は"ホログラム"なんじゃないか」
そんな仮説が、SFではなく真面目な物理学の世界で議論されているって知ってましたか?
その名も ホログラフィック原理、あるいはホログラフィック宇宙論
と呼ばれるものです。
「え、私たちが見てるこの世界、3次元じゃないの?」って思いますよね。実はこの理論、「宇宙の"本質的な情報"は、実は3次元の空間じゃなくて、その境界にあたる2次元の"面"に書き込まれているんじゃないか」という、かなり大胆な発想なんです。
今日は前編として、この理論がどういう発想から生まれたのか、たとえ話を交えながらゆるっと紹介していきますね。
そもそも「ホログラム」って何なのか
理論の名前にもなっている「ホログラム」、身近な例で言うとクレジットカードや紙幣に貼ってある、あの虹色にキラキラ光るシールです。あれ、角度を変えると絵が立体的に浮かんで見えたりしますよね。
あのシールの正体は、実はペラペラの2次元の平面なんです。
なのに、光の当たり方によって、まるで奥行きのある3次元の像がそこにあるかのように見える。
つまり——
2次元の平面の中に、3次元の情報がまるごと"圧縮されて"記録されている
これがホログラムの本質です。
3次元の物体そのものはそこに存在しないのに、必要な情報だけを2次元の面に光の干渉パターンとして焼き付けておけば、見る側にはちゃんと立体として再現される。
すごい仕組みですよね。
ホログラフィック宇宙論は、この「2次元に3次元の情報を畳み込む」という仕組みが、実はミニチュアの技術トリックではなく、宇宙そのものの根本的な構造かもしれないという話なんです。

きっかけはブラックホールの"おかしな"性質だった
この理論、いきなり「宇宙は2次元だ」と思いつきで言われても困りますよね。
実はちゃんとしたきっかけがあります。
それがブラックホールの研究でした。
物理学には 「エントロピー」
という概念があります。
ざっくり言うと「その中にどれだけの情報(乱雑さ)が詰まっているか」を表す量です。
普通、何かの容器に情報を詰め込もうとすると、その情報量は容器の体積に比例して増えていくのが自然ですよね。
本棚を大きくすればするほど、たくさんの本(情報)が入る、というイメージです。
ところが1970年代、物理学者のベッケンシュタインとホーキングが、ブラックホールのエントロピーを計算してみたら、とんでもないことが分かったんです。
ブラックホールが持てる情報量(エントロピー)は、その体積ではなく、"表面積"に比例する
これ、直感的にはかなり変な話なんです。
例えるなら、段ボール箱に荷物をどれだけ詰められるかが、箱の容積ではなく、箱の"表面の面積"だけで決まってしまう、みたいなことが起きているわけです。
この結果から物理学者たちは、こう考え始めました。
「もしかして、ブラックホールの"中身"の情報って、実はブラックホールの内部(体積)には存在していなくて、その境界面(表面)にすべて記録されているんじゃないか?」
まるで、3次元の中身の情報が、2次元の表面にホログラムのように焼き付けられているかのように。
影絵で考えてみる
もう一つ、分かりやすいたとえを紹介しますね。
影絵です。
手のひらで作ったキツネの影が、壁に映っているとします。私たちが普段見ているのは壁に映った2次元の"影"ですが、その影の形を決めているのは、光源と、光を遮っている3次元の"手"の形ですよね。
これを逆から考えてみましょう。
もし壁に映る影の情報だけがすべて分かっていたら、光の当たり方などの条件込みで、元になっている3次元の"手"の形を完全に再現できてしまうかもしれません。
ホログラフィック宇宙論が言っているのは、まさにこれに近いイメージです。
・私たちが暮らしている3次元の空間(というか実際は時間も入れて4次元の時空)
・その"外側の境界"にあたる、一段低い次元の"面"
このふたつは、実は独立した別物ではなく、境界面に書き込まれた情報が、内部の3次元の物理現象すべてを決めているという、驚くべき対応関係にあるかもしれない、というわけです。
それを数式で裏付けた「AdS/CFT対応」
これがただの思いつきで終わらなかったのが面白いところで、1997年にアルゼンチンの物理学者フアン・マルダセナが、これを数学的にかなり具体的な形で示してみせました。
「AdS/CFT対応」と呼ばれるものです。
ざっくり言うと——
・ある種の(ちょっと特殊な形をした)3次元的な"重力の世界"での物理現象と
・その境界にあたる2次元的な"重力のない世界"での物理現象が
数学的に完全に同じもの(双対)として書き換えられる、ということを示したんです。
つまり、重力を含んだ複雑な3次元の世界の出来事は、重力のないシンプルな2次元の"表面"の理論として、そっくりそのまま翻訳できてしまう。
これは、まるで分厚い小説の内容が、実は表紙のバーコード一本に完全に圧縮されて記録できる、と言われるくらいのインパクトがある発見でした。
もちろんこれは特殊な数学的モデルの世界での話で、「私たちの宇宙が100%そうだ」と証明されたわけではありません。
でも、宇宙の根本的な情報の在り方について、こういう可能性が"数式として矛盾なく成立する"ことが示されたのは、とても大きな一歩だったんです。
前編まとめ
☆ホログラムは、2次元の面に3次元の情報を圧縮して記録する技術
☆ブラックホールのエントロピーが体積ではなく表面積に比例するという奇妙な発見から、「宇宙の情報も境界面に記録されているのでは」という発想が生まれた
☆マルダセナのAdS/CFT対応によって、この考え方は数学的にも裏付けられる形になった
さて、ここで一つ気になることがあります。実はこの「世界は本質的な実体ではなく、何かの"投影"かもしれない」という直感、現代物理学よりずっと前に、古代の東洋思想がすでに語っていたんです。
後編では、華厳経の「インドラの網」や、般若心経の「色即是空」といった東洋の智慧と、このホログラフィック宇宙論の不思議な一致について書いていきますね。
お楽しみに。
↓ポチっとしてくださると嬉しいです。
にほんブログ村
にほんブログ村
工作キット スマホの映像が空中に浮かぶ 3D ホログラム スマホ スクリーン ディスプレイ プロジェクター 立体映像 三次元 3D映像 科学工作 知育 理科 科学 立体 子供 親子 勉強 夏休み 自由研究 小学生 男の子 女の子 木製 学習 プレゼント SDGs 立体動画 人気 教材 宇宙
教養としてのエントロピーの法則 私たちの生き方、社会そして宇宙を支配する「別格」の法則 [ 平山 令明 ]