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正式には「(15810) 1994 JR1」っていう地味な仮符号で呼ばれてたんですけど、2017年にウェールズ神話に出てくる黄泉の国アンヌンの王様の名前をもらって「アラウン」に改名されたんです。
名前からしてちょっと不穏な雰囲気、漂ってません?
そもそもどんな天体なの?
アラウンは冥王星の"準衛星"と呼ばれる立場の天体です。衛星みたいに冥王星の周りをぐるぐる回っているように見えるんですが、実際には冥王星の重力に完全に捕まっているわけじゃなくて、太陽の周りを回りながらたまたま冥王星と足並みを揃えている、くらいの微妙な関係なんですね。
2015年、あの冥王星探査で有名になった探査機「ニュー・ホライズンズ」が、冥王星に向かう途中でアラウンの近接撮影に成功しました。
距離にして1億km以上離れたところからの撮影ですが、これが人類がアラウンをまともに"見た"ほぼ唯一の機会になっています。
※イメージ画像です。
「正確すぎる自転」と「バラバラにならない不思議」
このとき明らかになったのが、アラウンの自転周期が約5.47時間という、かなりきっちりした数字だったこと。
小さな天体って、そもそも不規則な形をしていることが多くて、自転も安定しないケースが珍しくありません。
それなのにアラウンは、これだけ速いペースでくるくる回っていながら、観察の範囲では特に崩壊の兆候もなく、淡々と回転を続けているように見える。
ここで湧いてくるのが 「こんなに整った回転、しかも高速なのに、なんで遠心力でバラバラにならないんだ?」
という素朴な疑問です。
実際、この"きれいすぎる挙動"が、海外のミステリー系ドキュメンタリー(ディスカバリーチャンネルの「NASA超常ファイル」など)で取り上げられ、 「もしかして表面や内部が金属質で、構造的に頑丈なのでは」「人工的に作られた物体、つまりUFOの可能性もあるのでは」
という考察が展開されたりもしています。
面白い仮説ではあるんですが、公平のために言っておくと、こうした「金属製・人工物」説は番組側の演出的な考察であって、観測データそのものが証明しているわけではありません。
小天体が高速で自転していても壊れない、というのは実は珍しい現象ではなく、サイズが小さく重力が弱い天体ほど、遠心力に対しても意外と"型崩れ"しにくいことが知られています(分子間の結合力や形状次第で耐えられる自転速度は変わってきます)。
表面の反射特性(アルベド)についても、ニュー・ホライズンズの観測では「典型的なカイパーベルト天体らしい、氷や岩石質の暗い表面」という報告がされていて、金属特有の強い反射は確認されていません。
恒星間天体 「オウムアムア」
のときも同様に、加速する軌道や葉巻型の形状から一部の物理学者が"探査機説"を唱えて話題になりましたが、これも仮説止まりで決着はついていません。
アラウンについても構図はよく似ています。
それでも、この"わからなさ"が面白い
とはいえ、これは科学的にきっちり否定できる話でもないんですよね。
太陽系の果てにある天体は観測データそのものが乏しく、「本当のところはまだよくわかっていない」というのが正直なところです。
だからこそ、こういう天体って想像力を刺激されるんだと思います。
「観測された事実」と「UFOかも?」を「そこから広がる考察・仮説」と分けて楽しむくらいの距離感で眺めると、ミステリーとしての面白さがちゃんと味わえるはずですよね。
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