クレアスィヨン~蒼~

クレアスィヨン~蒼~

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本当は好きだった。

今でも忘れてないのかもしれない。

会って抱きしめたいほど。
ずっと離さないように手を繋いでいたいって思った。

その感情さえ今は分からない。

本当に好きだった。

最後の夜、俺は涙が出た。

その人の気持ちは全然分からなかった。

何も言われなかったし、一方的だったから。

ただその人が他の男の人とかと話してたりするのを見ると

胸が苦しかった。子供じみた嫉妬。

沢山の悲しみ、俺よりも深い傷。

その人にはつら過ぎたのかな。

俺はあの人の事は何も分かってなかったのかもしれない。

分かりたかったのに。

俺はあの人の負担になりたくなかった。

でもあの人の事での迷惑ならどんな事でも受け止めたいと思った。

今思えば矛盾してると思う。

一方的だから仕方がないかもしれないけれど。

それでももしあの人が俺を頼ってくれたらどれだけ良かっただろう。

何の力にもなれない自分が嫌いだった。

あの人が泣いて辛いって俺に言ったのなら俺はあの人の所に飛んでいき
涙を拭きたかった。

あの人が寂しいって思うのなら抱きしめて「大丈夫だよ。」って言いたかった。

結局俺は何もできなかった。

「俺は貴女が好きです。」

その人が眠るまで、一度も言えなかった。

困らせると思ったから。

でも最後の日俺は言った。心の中で。

「貴女が好きでした。本当に。他の人に心囚われていても。」
「貴女が好きでした。本当に。どんな貴女でも。」

貴女はもう目覚めないのだろうか。
眠らせたのは俺。俺にできたのはそれだけ。
本当に良かったのかなんて分からない。
今でも迷ってる。
俺に眠らせてって言ったのは俺の事少しでも特別に思っていたから?
そう思ってもいいですか?
もう貴女には何も言えないんだね。
でもね、俺は貴女の事忘れないよ。絶対に。


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