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監督 : 若松孝二 出演 : 寺島しのぶ 、 大西信満 、 吉澤健 、 粕谷佳五 、 増田恵美 、 河原さぶ 、 石川真希 、 飯島大介 、 安部魔凛碧 、 寺田万里子 、 柴やすよ 鑑賞劇場 : シネマ・ジャック&ベティ公式サイトはこちら。<Story>一銭五厘の赤紙1枚で召集される男たち。シゲ子(寺島しのぶ)の夫・久蔵(大西信満)も盛大に見送られ、勇ましく戦場へと出征していった。しかしシゲ子の元に帰ってきた久蔵は、顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿であった。村中から奇異の眼を向けられながらも、多くの勲章を胸に、“生ける軍神”と祀り上げられる久蔵。四肢を失っても衰えることの無い久蔵の旺盛な食欲と性欲に、シゲ子は戸惑いつつも軍神の妻として自らを奮い立たせ、久蔵に尽くしていく。四肢を失い、言葉を失ってもなお、自らを讃えた新聞記事や、勲章を誇りにしている久蔵の姿に、やがてシゲ子は空虚なものを感じ始める。敗戦が色濃くなっていく中、久蔵の脳裏に忘れかけていた戦場での風景が蘇り始め、久蔵の中で何かが崩れ始めていく。そして、久蔵とシゲ子、それぞれに敗戦の日が訪れる……。キャタピラー - goo 映画<感想>2010年ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品、寺島しのぶが最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した作品。先週、新宿で見ようと思ってたんですが都合悪くなり、今週に変更。この日は横浜近辺が都合よかったんで、ジャクベにしました。前から聞いてはいたんですが、どうしてもシネコンに足が向いてしまって、なかなか行く機会がなかったジャック&ベティ。 初めて行って来ました。写真は撮ってこなかったんだけど、行ってみると(思った通りなんですが)あまり周りにはお行儀がよろしくないお店もちらほら。。。イセザキモールの終点近くだからいろいろあるよね。駅で言うと地下鉄の阪東橋か、京急の黄金町。 クルマだと首都高の阪東橋出口からすぐですね。外観はやっぱりレトロな感じで、でもエスカレーターがついていて、これは高齢者への配慮でしょうか。 昔の建物なのでかなり階段の段差があるし。内部もレトロではありますが、きちんと手入れされている雰囲気があります。整理番号順に入場ですが、手際がよくて、慣れているという印象でした。スクリーンは2つあり、名画座のシネマ・ジャックと単館系ロードショー館のシネマ・ベティという住み分け。 この日のキャタピラーはベティでした。戦争映画をレトロな映画館で観る。 何だかピッタリのような気もします。上映前に支配人さん(?)からご挨拶がありました。若松監督は、前作の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を上映した館に、今回の『キャタピラー』を優先的に上映してくれないかと、自らがお願いされたそうです。そんなエピソードも伺えるところが、名画座のいいところなのかもしれません。さて映画です。戦争によって四肢を失った状態で帰還した久蔵。夫は「生ける軍神さま」と崇め奉られるが、その一切の世話は妻であるシゲ子にのしかかってくる。ただひたすら、人間の本能としての欲に生きる夫、そしてそれを受け入れるしかない自分。しかしながらそれが世間では「妻の鏡」であると評される・・・ というものです。戦争中はこういうことが当たり前に思われていたのだろうな、という描写がいくつもいくつもありました。例えば、銃後の婦人たちの思想統制。太平洋戦争に少しでも疑念を抱くことのないようなスローガンは、銃後の人間たちにも徹底されていて監視されることですね。 そこからはみ出すことは許されない。そして戦う方も自分の尊厳などは認められない。戦争によって非情な姿にさせられてもそれを嘆くことも許されない。 それどころか、いつの間にか自分が「神」として祀られることへの理不尽なこと。だが、理不尽なことなのに、自分たちが一段高い地位にあることに対して感じる優越感もあったりする。皆が拝んでいるのは、金鵄勲章だけなのかもしれないのに。本音と建前、の世界なんだろうと思いました。本音ではああいう風になったらもう終わりだ、あんなのとだけは暮らしたくない、そう思ったとしても、それを拒否することを許さない世間があり、またその場所からは逃れられない現実が重く存在する。食欲と性欲だけに終始する夫に嫌気を覚えつつも、外に出て褒められると溜飲が下がったかのような錯覚にとらわれる。 そして家の中では鬱屈した感情を溜めていくという循環です。最後の記録集、メッセージなどから読み取れる、「忘れてはいけない」というテーマがあるのですが、それとは別に、この極限の状況に陥った夫婦の在り方を考えさせられる作品でもありました。シゲ子と久蔵との間には、もともと愛情はあまりなかったように推察されます。昭和初期、戦前では、暴力夫がいてもそれに立ち向かったりすることは今ほどはなかったようにも思いますので。 許容範囲として妻は受け入れざるを得なかったのではないでしょうか。暴力夫でも、夫は夫、反抗することは妻として失格とされた時代のように思います。そんな夫婦の中に真の愛情はあったのか。 とても疑問です。出征前は当たり前のように暴力をふるっていた久蔵は、不自由な身体で帰還した後は枯れることのない性欲をシゲ子にぶつけ、異様な食欲でこれまたシゲ子を困らせる。それはあたかもシゲ子を束縛しているようにも見える。不自由な身体の自分が、「軍神の面倒を見ることが妻の鏡」という世間の概念を利用してシゲ子を縛り、彼女より優位に立とうとしているように見えて仕方がないのである。 シゲ子は、そんな夫に仕えつつも、それがどんな心境でやっているのかが読めてこない。ただ言えることは純粋な、単純な心持だけではないということ。最初は無我夢中で、そして次第にあきらめと嫌悪、苛立ちが混ざってくる。 それなのに時折夫に共感するような仕草をしているのが不思議。彼女にとっては、何一つ自由にならない時間のはずなのに、それでも夫と息が合う場面があるのも不思議。 これは夫婦ならではの複雑さかもしれない。それでも、自分に押しつけられている役割は過酷であり、久蔵を連れ出して周囲に敬われることで鬱憤を晴らしているのも屈折した心である。当時の世相、戦時下とという状況、そして久蔵の容体などの条件があって、この、一筋縄ではいかない話が生まれている。ただし、後半に流れてくる記録映画の部分など、「忘れない」というのはわかるのだけど、それだけを語るには、夫婦の描写があまりにも濃すぎる。夫婦のことなのか、それとも反戦なのか。 どっちもあって相乗効果というのもありですが、どちらかに重点を置いてもよかったように思う。できれば、久蔵のトラウマの部分や、彼の気持などもあるとよかったのではないだろうか。「極限の状況でも、欲に生きるのが人間である」という生々しさも十分に出ていたので、そちらに重きを置いた方が、スッキリとまとまったような気もしますが、どうでしょうか。************************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.09.01
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原題: KISS KISS, BANG BANG監督: シェーン・ブラック 出演: ロバート・ダウニーJr. 、 ヴァル・キルマー 、ミシェル・モナハン 、コービン・バーンセン <Story>ニューヨークに暮らすサエない泥棒ハリー(ロバート・ダウニーJr.)は、ひょんなことから俳優に間違えられハリウッドへ行くことになる。探偵映画のスクリーンテストに参加することになった彼は、演技のために本物の私立探偵ゲイ・ペリー(ヴァル・キルマー)に弟子入りするが、思いもよらぬ殺人事件に巻き込まれてしまう。キスキス,バンバン(2005) - goo 映画<感想>TSUTAYAで旧作100円なので、今結構借りてます。前から借りよう借りようと思ってたこれを思い切って。 ロバートファンなんで観ておかないとね。2005年作品ということで、まだ『アイアンマン』で世界的にブレイクする前のロバートの作品です。ストーリーは、LAが舞台のアクションもの。セリフもスラングが多いですね。 ちょっとわからない言い回しが多い。たぶんこういう映画って「B級」なんだろうなあ。何と言うか・・・ ロバートのジョークが生きてる、って言えばそうなんだけど、良くも悪くもそれが全て!?それがねえ・・・ 今一つ分かりにくかったのよ。話の展開とか、面白さとかが。エンドロールで彼の歌がかかったのは珍しくてよかったけど(笑)ミシェル・モナハンは『近距離恋愛』でおなじみでしたけど、本作ではちょっと蓮っ葉な感じの女の子やってました。そして脱いでる~結構意外。。。 こういうところがB級感だったりします。話自体が、どうにもこんがらがった説明なのが、見ていてわかりにくかった原因かもしれませんね。その言い回しも、LA的なのかもしれませんが。あれがどうして敵になるの? などと考えてしまった(笑)ある意味ネイティブ向けかもしれませんね。*********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.08.31
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監督 : 国本雅広 脚本 : 西田征史 主題歌 : 藤井フミヤ 出演 : 高良健吾 、 谷村美月 、 宮崎美子 、 大杉漣 、 早織 、 尾上寛之 、 岡本玲 、 佐藤隆太 、 佐々木蔵之介 、 塩見三省 試写会場 : よみうりホール公式サイトはこちら。<Story>新潟県小千谷市片貝町。病弱な華(谷村美月)の療養のため、須藤一家は5年前に東京から片貝町に引っ越してきた。9月9日、毎年、世界一の花火が打ち上げられる“片貝まつり”の日、華が急性白血病による半年間の入院生活を終え帰ってくると、兄・太郎(高良健吾)は自室に引きこもっていた。その夜、来年の自分たちの成人の花火を盛り上げようと気勢をあげる成人会に遭遇した華は、太郎を成人会に参加させようと決意するが、地元育ちでないため断られてしまう。だが、太郎はアルバイトを始め、新生活をスタートさせる。その冬、華の白血病が再発。容態は前回よりも確実に悪化していた。華は、片貝に引っ越してきた5年前、家族4人笑顔で見た花火への思いを太郎に告げる。そんな華の思いを知り、太郎は苦労しながらも成人会への参加を認めてもらう。だが、華の容態は悪化し、帰らぬ人となってしまう…。[ 2010年9月25日公開 ]おにいちゃんのハナビ - goo 映画<感想>考えて見ると、高良健吾くん出演映画はここ2年くらいでかなりいっぱい観てる。数えたらこれで9本目!! すごい。過去8本のレビュー引っ張り出して見よう(笑)『禅 ZEN』『フィッシュストーリー』『ハゲタカ』『蟹工船』『南極料理人』『BANDAGE バンデイジ』『ソラニン』『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』如何に彼が映画に引っ張りだこかわかるというもの。 この中で、4点以上付けたのもかなりありますね。彼がもちろんお目当てでしたが行って来ました。片貝まつりについてこういうお祭りがあったんですね。初めて知りました。 このお祭りが、この映画の舞台です。とても温かいお祭りです。奉納の花火というのがあり、個人で打ち上げることも可能なのだそうですね。なので、誰かに贈ったり、何かの記念に花火を打ち上げることができ、それをみんなで分かち合うことができます。一応、「病気ものの映画」ということで、またまた基準点が少し低い状態でスタートでしたが・・・。やっぱり(苦笑)泣かされてしまいました。谷村美月ちゃんがいい!いつも明るくて、辛いところ絶対に見せないで、兄を心配して。そんな妹さんがいたらたぶん宝物ですよね。こんなに思われて、おにいちゃんは幸せなのに、ある時点までそれに気がつかなかった太郎です。ですが、そんな華の一途な献身は、次第に彼の生きる力となっていきます。思うに華も、自分のせいで一家が転身せざるを得なくなってしまったことが、重荷になっていたのでしょうか。精一杯自分にできることをしたいという彼女の気持ちは痛いほどでした。この役、谷村美月ちゃんは合ってましたね。赤い浴衣がまた、泣かせる。。。理由は見てくださいね。あまり細かく書くとネタばれになってしまうので書きませんが、花火のシーンが、ただ単に花火を映すだけではなく、効果的に使われているのですね。華の顔に映る花火、そしてそれを見つめるみんなにとっての花火の意味です。特に地方の祭りになると、多分に地元意識が強い中、そこに携わる人たちの祭りに賭ける想いと、他所者の疎外感という相反する立場も利用して、太郎のキャラクターを作って行ってました。彼が華に抱く想いと、社会への帰属意識とのせめぎ合いですね。そこがまだ若いが故に、うまく渡って行くことができない太郎でしたが、彼の心が周囲を動かすという設定もよかった。多少、ベタかな・・・ と思わせるところはありましたが、思わず涙を誘われてしまいます。 涙もろい方はハンカチ多めで!***********************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.08.30
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原題: HET NIEUWE RIJKSMUSEUM/THE NEW RIJKSMUSEUM監督 : ウケ・ホーヘンダイク 配給・鑑賞劇場 : ユーロスペース公式サイトはこちら。<Story>2004年、アムステルダム国立美術館の大規模な改装工事が始まった。ここはレンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」などを有するオランダ随一の美術館。解体が始まると市民団体が反発。その後も政府や自治体の許可待ちで、工事は何度も中断。各方面からの横槍に対しての妥協が続き、関係者たちは次第に熱意を失っていく。工事再開のメドが立たずに、廃墟のようになっていく美術館。はたして美術館はいつ完成するのだろうか。ようこそ、アムステルダム国立美術館へ - goo 映画<感想>ユーロスペース配給などと聞くとそれだけで得した気分になってしまうのです。そしてこのタイトル。 楽しみにしていました。これは完全なドキュメンタリーなのですが、起こっていることが、ドラマにしか見えない。それほど二転三転していきます。オランダでは、プロジェクトが行われる時は、開発側と土地所有者や自治体だけでプランを考えるのではなく、地元関係者、NGOなど、全ての利害関係者に情報を開示しているそうです。これを、「オランダモデル」と言うそうです。 しかしながら、本作の場合、このシステムが美術館を混迷に導いてしまっていることは否めません。まずこの美術館の構造です。敷地内に公道が通り抜け可能というのがもう普通じゃない。。。 そしてそこを毎日数千人? が、日常の通路として通行している事実。パンフレットによると、「美術館はアムステルダムのど真ん中にあり、市の南部へ行くゲートでもあるので、市民は美術館の通路が自分たちのものだという意識がある」とのこと。なのでサイクリスト協会が関連団体として会議に参加するのですが、美術館の改装に関するあらゆることに反対していく様は、さすがに見ていて違和感を禁じ得ない。日本だとこういうことは考えられないから余計そうなんだろうけど。。「関連があり、そして参加する権利があるから」というのは至極ごもっともですが、ひたすら己の権利だけに終始していたような印象がありました。館長のロナルド・デ・レーヴ。 彼についてもいろいろとこの映画の中で意見が出ているが、では、彼の立場だったら一体どうしたであろうか?映画からはわからない部分で、彼も多分に個性的ではあったのでしょうけど、それを差し引いたとしても、なす術がなかったのではないだろうか。これほどまでに、意見が収束せず、事態も進まないとなると、スタッフの士気に影響してくるわけですよね。そして次第に、無念な空気が漂ってくる。自分は一体何のためにここにいるのか?意味がないのなら自分の道を探した方がいいのではないだろうか。そう考えるスタッフが出るのも当然である。1つのことを進めるのにも実に多くの利害と対峙しないといけないシステム。できれば早く合意に至りたいが、それでも、その方向を間違えて進めている人たちがいるようにも思う。それは果たして本当の民主主義なのだろうか? と、見ているこちら側には映る。美術とは、美術館とは何か。 そんな議論が出ることはない。そんなシビアな状況にもかかわらず、驚いたのは、美術館で働く学芸員の表情。アジア館担当のメンノ・フィツキ氏が、金剛力士像を目の当たりにした時の、まるで子供のような、ワクワクとした目線。美術が好きで、ここにいる。それを体現していてくれるようで嬉しくなる。それでも彼はパンフレットで、「35歳から45歳という、人生でも重要な時期に美術館が閉館なのは複雑」と言っている。公共財としての美術品が公開されないことのストレス。それは、美術品そのものだけではなく、それを管理しないといけないプレッシャー、それに触れることができない無念、それらのいずれもにも該当している。公開されない期間が長引く理由が、いささか自分たちよりの意見を主張したことだったり、対応のまずさであるならば、もはやこれ以上繰り返してはいけないようにも感じる。果たして、美術館は予定通りに開館するのだろうか。 否、そうであってほしいと切に願う。これほどまでに、人の利害がぶつかり、時が無駄に流れていくのを見させられるのは、いささか辛くなってくる。倉庫に眠っている、せっかくの数々の傑作が泣いている。************************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.08.30
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原題: GOYA'S GHOSTS監督 : ミロス・フォアマン 出演 : ハビエル・バルデム 、 ナタリー・ポートマン 、 ステラン・スカルスガルド 、 ランディ・クエイド 、 ホセ・ルイス・ゴメス 、 ミシェル・ロンズデール 、 マベル・リベラ <Story>18世紀末のスペイン。宮廷画家に任命されながら、権力批判と社会風刺に富んだ作品も精力的に制作し続けるゴヤ(ステラン・スカルスガルド)。彼が手がけた2枚の肖像画の人物―裕福な商人の娘で天使のように美しいイネス(ナタリー・ポートマン)と、異端審問を強硬するカトリック教会の神父ロレンソ(ハビエル・バルデム)―が運命的に出会う。異教徒の疑いで捕えられたイネスを救ってほしいとゴヤに頼まれたロレンソは、拷問を受け牢に繋がれたイネスに面会し、思わず抱きしめるのだった。宮廷画家ゴヤは見た - goo 映画<感想>これも公開時スルーになってしまった作品。 上映館少なくてね・・・足を伸ばせませんでした(笑)それにしてもこのタイトル、「家政婦は見た」っぽく。。。 笑昔の異端審問の権威を復活させたいがために、異端者集めを強化させるロレンソ。その異端者集めに、何の罪もない娘が入ってしまい、そしてその後の人生を大きく狂わされる。。。聖職者が教義に反することをし、それを隠したいがためにいろいろと奔走するというのはよくある話です。結局ロレンソは自分のことが中心なんですが、それでも徹底的に悪役になりきれなかったり、運が味方しなかったんでしょうね。生きられれば何でもいい、そちらにつくという生き方をしてきた彼ですが、最後の最後、自分がしてきたことを裏返して問われた時、屈服することはしたくなかった。 それは自分のプライドに反するから。そこまでロレンソはプライドの高い男だったかな? とも思えなくもないのですが。。。(それほどの悪行も業績もなかったかもしれません)ここのところが、屈したくないくらいの大人物であったら、彼の末路ももうちょっとうなずけたかもしれませんけど。。ハビエル・バルデム目当てでしたけど、これはやっぱりナタリー・ポートマンでしょ。若々しい娘が、狂気に憑かれた女になり、そしてその子孫にまで。。。変幻自在の演技が光りました。牢獄から出た後の表情の作り方はうまい。初々しくて華やかな娘時代とのギャップがあり過ぎるだけに余計。この作品、もしかしたら、最後のナタリーの満足した微笑みを出すために、ロレンソをああいう風にしたのかもしれませんね。自分勝手な男は、娘にも気にも止められす、というのも何か気の毒ですが、それ相応のことしかしてこなかったからね。 仕方ないか。。。************************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.08.30
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原題: THE PROPOSAL監督: アン・フレッチャー 出演: サンドラ・ブロック 、ライアン・レイノルズ 、メアリー・スティーンバージェン 、 クレイグ・T・ネルソン 、ベティ・ホワイト<Story>ニューヨークにある出版社で書籍編集の編集長を務める40歳のマーガレット・テイト(サンドラ・ブロック)は着実にキャリアを重ねていた。しかしその合理的な働きぶりによって、部下たちからは恐れられる存在だった。ある朝、気難しくて有名な作家からインタビュー番組への出演をとりつけ、自分の意見に従わない男性社員をクビにしていたマーガレットは、会長から呼び出される。カナダ人である彼女はビザの申請を延ばし延ばしにしてきたが、ついに国外退去を命じられたのだ。しかし、ニューヨークでのキャリアを諦めきれないマーガレットは、あるアイディアを思いつく。それは3年間彼女のもとで働き、どんな命令にも従い続けてきた28歳のアシスタント、アンドリュー・パクストン(ライアン・レイノルズ)と結婚するというものだった。あなたは私の婿になる - goo 映画<感想>なんとなーく去年上映時間が合わなくてスルーになってしまった作品。去年の秋もいろいろ忙しかったからなあ・・・TIFFがあるとパスポート消化が間に合わなくなっちゃうんだよね。サンドラ・ブロックといえば今年は『しあわせの隠れ場所』なんだけど、それに比べると、こちらのサンドラはとってもキツく見えたんですよね。まあ、これはキツい役だからしょうがないけど。。。この設定ってまさにアメリカ的、というか、平気で日常誰かをばしばしクビにするなんてことはあまり見かけないし、移民局がらみの問題というのもそうそうない(自分の周りでは)中南米系、アジア系、アフリカ系だけじゃなく、アメリカの移民は、例えばカナダとかオーストラリアなど、同じ英語圏からもあるから、そこを利用したというのも興味深いです。シトカっていう都市は初めて聞きました。すごくロマンチックな風景!水に囲まれて。。。というのも、その土地ならではのエピソードが絶対にあるし、アメリカの大都会だけが世界だと思ってるマーガレットとのギャップが面白い。そして、シトカの人たちが繰り広げる習慣も、おせっかいに見えたりしますが、心がこもっているものだったりします。その心に打たれてしまうマーガレットの変化。彼女がちゃんと物が分かる人間でよかったと思えるんですね。サンドラの相手役のライアン・レイノルズって、この人がスカちゃんのだんなさんなんですね!初めてです^^割と優しい感じの俳優さん?これからも活躍するといいですね~。アンドリューの母親役の、メアリー・スティーンバージェンが、小林千登勢さんにどことなく似てる。。。 母親もおばあちゃんも優しかったですね。ひたすら孫の幸せを願ってるし、家族のきずなは強い。こんな家族に囲まれてしまったら、マーガレットでなくてもみんな好きになってしまいそうです。監督のアン・フレッチャーって誰だっけ? と思ったら、『幸せになるための27のドレス』の監督なんですね。このDVDの最後に「もう1つのエンディング」っていうのがあったんで観てみましたが。。。こっちじゃなくて本当によかった。もう1つのほうだったら本当につまらなくなったと思いました。劇場公開版のほうがまだいい、んだけど、これも何となく盛り上がりというか、パンチに欠けるようにも思うんですが。。。そこをエンドロールで補完しているんだと思うんですが、もともと、本編でしっかり盛り上げないといけないかもしれないよね。 エンドロールは、あくまで本編があり、そこの余韻だと思うので、ここでオチを見せてもなあ。。。 という感じです。物語の閉じ方があんまりうまくない監督さんかもしれないですね。***********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.08.29
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昨日このblog、5周年を迎えました。一応、周年記事は記録でその日に書いてますが、今年は間に合わず。。。ちょっと遅れてしまいました。昨年11月から始めたTwitterで先につぶやいてしまいまして、そちらでたくさんお祝をいただいてしまいましたが、一応こちらにも書いておこうと思います。ほーんと早いですよねえ・・・ ってこれは毎年言ってますが、5年だもん。 当時小学生だった子どもも高校行ってます(笑)私も仕事始めたし。。。いろいろ変化あるね。映画は、時間が自由になったっていうのもあり、結構行ってしまってます。それが楽しみで生きてるみたいな感じだし。。。このペースで行きたいけど、身体が丈夫じゃないと続きませんよね。 あと、生活が安定してないといけないし。そういう意味では、今は恵まれてると言えますね。このblogも、メリハリつけるというか、書くときは書く、書かないときは書かない、という感じで、私次第でやってますが(笑)、ま、それでいいと思うんですよね。自分の備忘録みたいな部分もあるし、自分のペースでしかできないですしね。今日は1年3カ月ぶりに実家に行ってきました。と言っても、いろいろな試写会場とかからは割合近くだったりして、時間があるんならちょっとは実家に顔でも出せ! と、親と同居している弟に言われたので(苦笑)もちろん不仲ではなく(笑)、私が忙しすぎるのです。 いろいろと。今年は3人目の姪っ子が生まれたこともあって顔を見てきました。まだ首が座ってない赤ちゃんは久しぶりですね。 かわいい~。うちの子もこんなだったのになーと思うんですが、今では親よりデカい口を利いてます(怒)あかちゃんが可愛いのもありますが、やっぱり父も高齢になってきてますので、そっちも気がかりで。最近、父が、「自分史」なるものを書いたこともあって、こんなの書くくらいだから、いくら健康とは言っても、少しは気を配らないといけないなと感じました。まあ、毎日気楽に暮らしているので大丈夫とは思いますが。。。2年前に、舅が急逝したこともあるので、あまり気が抜けないのです。 もしものことがあっては大変ですから。齢を重ねるといろいろありますね。ここのご訪問者の中にも、blogを長く続けている方もおられるから、みなさん、いろいろ思うところもあるのではないでしょうか。お互いぼちぼちやっていきましょう。今後ともよろしくお願いいたします。
2010.08.28
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作 : 中島かずき演出 : いのうえひでのり 出演 : 上川隆也 、 稲森いずみ 、 早乙女太一 、 橋本じゅん 、 高田聖子 、 粟根まこと 、 山内圭哉 、 山本亨 、 千葉哲也 、 堺雅人 試写会場 : 富士ソフト アキバシアター公式サイトはこちら。<Story>遠い昔。ようやくひとつの政権で統治され始めた島国・鳳来の国にまつわる物語。無実の罪で監獄島に幽閉された伊達土門(上川隆也)。10年の歳月が流れてもなお、濡れ衣を着せた者たちへの復讐を生きる糧にしている。監獄島の奥深くに捕らえられていたサジと名乗る男(堺雅人)の力を得て脱獄、復讐への道を着実に歩む土門の前に立ちはだかったのは、かつて将来を誓った女・美古都(稲森いずみ)だった。[ 2010年10月2日公開 ]ゲキ×シネ『蛮幽鬼』 - goo 映画<感想>ハリウッドチャンネルさんで当選して行って来ました。ありがとうございます。ゲキ×シネは実は初めて。いつも行こう、行きたいと思いつつも、上映館が少なくって、しかも時間が長い・・・ ので、スケジュールが合わずいつも断念。今回も、試写終映が22時過ぎ(!)なんで、それから帰宅かあと思ったら、ちょっとどうしようか一瞬迷いましたが、これを逃すとまた見逃すと思い、やっとこさ行きました。アキバシアターは初めてでしたが、というより秋葉原駅に降りたのが2年ぶりくらいで、全然場所わからん・・・ いろんな人に訊きまくってどうにかたどり着いたら開場後でした(苦笑)でもここは観やすいですね。 綺麗だし、いい会場です。で、初めて観るゲキ×シネ。いやー、すごい迫力。役者さんたちの「汗」!!! ものすごい。 時代劇なんで衣装が重たいのもあるんでしょうけど。「復讐」がテーマです。「復讐してやる!」という気持ちは、人のモチベーションを上げることがままあります。それが生きる目的となった、伊達土門。彼の執念は生半可ではありませんでした。平民の出ながら頭脳が明晰であり、また時流を読む能力にも長けており、人の心をつかむのもうまい。だから生まれ変わった人生でも人々が彼を支持する。しかしながら、単に未来を築くために彼を支持しているものばかりではないこともまた確かなこと。辻褄の合わないこと、愛する美古都を裏切ること、また美古都に裏切られたように思えること。それらの仕掛け人は一体誰なのか。そしてその理由は何なのか。そこにもまた、復讐の根深い澱が潜んでいることを、観客は思い知らされる。本当に見事な3時間強の舞台でした。やっぱりゲストの4名の凄まじさですよね。上川隆也さんの表情は、いつもの彼とは全く異なっていて、その衣装の迫力もあってか、まさに神がかった雰囲気。早乙女太一くんは初めてでしたが、まだ10代だし、殺陣も素晴らしく、体格もいいしイケメンだし(!)、これからが本当に楽しみです。落ち着いた雰囲気も出せる、素敵な俳優さんですね。稲森いずみさんは今回久しぶりに拝見しました。 彼女最近は映画じゃなくてドラマが多かったんですね。 昔、トレンディドラマに出てたイメージが強かったんですが、今回の迫力ある演技はお見事です。「皆の者、聞け!!!」と叫ぶ彼女の姿は、本当に凛々しく、神々しかった。 『エリザベス:ゴールデン・エイジ』のケイト・ブランシェットを思い出しました。 誰かを頼る弱い女から、試練を経て、いつの間にかどんな困難にも立ち向かう女になって行きました。そして堺雅人さんの微笑み。 これは、「この世にいいことなんて何もないとわかった時の微笑み」なんですね。何もいいことがない。 だから己の信念を貫く。その決意を押し隠すように生き、敵の目をくらませるための微笑みなのでしょう。何を想いながら微笑むのか。その意味を知った時、彼の抱える闇の深さがわかると同時に、人はかくも鋼のように固く冷酷な気持ちになれるものなのかと考えてしまいます。争うことに何の意味があるのだろう。そう思い、そして争いたくないと重々承知であっても、人は争いを繰り返して歴史を重ねてきました。復讐に生きることが、己の生きる意味。 では、復讐の意味とは何なのでしょうか。そこに生まれるものは、絶え間ない憎しみだけであるとするならば、どこかで誰かが犠牲にならないと断ち切ることはできないのか。虚しさと、業の深さに浸った3時間でした。*********************************今日の評価 : ★★★★★ 5/5点
2010.08.27
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原題: COP OUT監督 : ケビン・スミス 脚本 : ロブ・カレン&マーク・カレン 出演 : ブルース・ウィリス 、 トレイシー・モーガン 、 アダム・ブロディ 、 ケビン・ポラック 、 アナ・デ・ラ・レゲラ 、 ギレルモ・ディアズ 試写会場 : 九段会館公式サイトはこちら。<Story>ニューヨークで長いあいだバディとして活躍してきた二人の刑事、ジム(ブルース・ウィリス)とポール(トレイシー・モーガン)。ルール無用の彼らは捜査のなかでレア物収集オタクでかつ残忍なギャング、ポー・ボーイ(ギレルモ・ディアズ)と対決するハメに。ポー・ボーイの追う謎の美しいメキシコ女性が現れ、事態は複雑化。いつの間にか彼らは、殺人事件のトラブルへとまきこまれていく。[ 2010年9月4日公開 ]コップ・アウト 刑事[デカ]した奴ら - goo 映画<感想>同行させていただきました。まーったく、劇場鑑賞予定は考えてなかった作品(笑)なので、この邦題を聞いた時、「何じゃそれ!?」と。。。 「刑事と書いてデカと読む」なんて、今時昭和ギャグでもやらないですってば。なのでそれだけでもう大幅に(?)ハードル低(笑)ということでものすごく気楽に行って来ました。これって、今年やたら多い、「行け行けドンドン野郎」系?『ハングオーバー』とか、『特攻野郎Aチーム』とかさ。基本的に、野郎系なんでアクションシーン&下ネタ多(笑)自分が男だったら『ハングオーバー』ってすごい笑えるんだろうけど、あれは女性目線をほぼ念頭に置いてなくてそれが何だかなーだった。そして『特攻野郎』ってもう既に何も頭の中に内容が残ってなくて(笑)、誰かがピンチになって他の誰かが救いに行くとか、そーいうのしか覚えてなくて、勢いでぐいぐい引っ張られてしまったので、それはそれでまあいいかなと。そして本作。 これってどういう立ち位置なんだろうと思っていたんですが、完全にコメディですよねー。ネタばらすと面白くないからあんまり書かないけど。。。「1!」ってのもなかなかウケました(笑)バディを組んで動くアメリカの警察だけど、どう考えてもこんな人たちいないじゃん! って思ってしまうのですが、それでも何となくクールに徹しようとするのがジムでしたね。ポールは完全にボケ担当というか。。。 映画のオマージュってことだけど、あんなに似てない? のもあそこまで行くともう笑うしかないって感じで。徹底的にお笑い担当をしたのが、この映画のいいところかな?最も、下ネタはのっけからあるんで、PG-12ってことですけど解説は必要。割と人も、バンバカ死にますので(苦笑)**********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.08.25
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思いがけず、チケットが手に入ることになり、行って参りました。日本語タイトルとしては、「イン・ザ・ハイツ」じゃなくて、「インザハイツ」って一気につなげて書いていいみたい。ミュージカル「インザハイツ」日本公演 公式サイトはこちら。「インザハイツ」とは WapediaImage162 posted by (C)rose_chocolatほぼノーインフォメーションで行ったんですが、これ2008年のトニー賞、2009年グラミー賞と、華々しい受賞歴を持つ作品。マンハッタンにある、中南米系移民が住む「ワシントンハイツ」が舞台。そこで繰り広げられる日常を描く。近年、中南米系の人たちの現状を描く映画の日本公開は多くなってきていて、今年だけでも数本観てる。『ルドandクルシ』とか、『闇の列車、光の旅』 などですね。そして先日、Matt Bianco のライブにも行ったこともあり・・・サルサ、サンバなど、ラテン系音楽も今ヘビロテで聞いているだけあって、そこにこのミュージカル。 自分的には、ラテンな夏になっちゃった感じです。映画と違ってミュージカルなので、常に動きで見せないといけない部分はあり、そして中南米系の英語なので字幕は追いたい。。。席が前方だったこともあり、両脇ギリギリに設置された液晶字幕と、舞台とを見比べていると、眼が疲れてきてしまって、途中睡魔が・・・。歌はどれも主張もテーマもあってよかったのですが、もう内容が追い切れなくて。せめて字幕が、舞台の中に収まるように設置してもらえたらと思うんですけどね。展開としては、決して平坦ではない中南米系の移民の日常を、それぞれのケースで、歌とダンスで表現しながら舞台にしていったという感じです。そこに恋愛だとか、家族というものを横糸に織り込む。いろいろなキャストが出てきましたが、私が印象に残ったのは、Vanessa(ヴァネッサ)役の、 Lexi Lawson(レキシー・ローソン)でした。舞台で、ひと際映えるんですよ。 彼女。「ダンスを見ていると、みんながキミを欲しくなる!」 というセリフそのものの役を、彼女自身が消化して演じてたという印象。 ぴったりでした。全体的には、彼らの出身国、例えばドミニカ、キューバ、プエルトリコなど、ラテン民族の地を誇りに思うこと、そして今彼らがいるNYで、厳しいながらも根を張って生きていこうとする決意ですね。 これからの試練にも立ち向かっていこうとするもの。 それがある。ラテン系キャストが多いので、アメリカやヨーロッパの俳優さんたちと比べてボリューミーな感じ。 なのでダンスも迫力ありました。フォーラムC自体も見やすかったこともあり、この雰囲気を楽しめました。トニー賞の迫力ですよね。ミュージカルですので、常に人物の動きが要求される部分があって、そのため、個人個人の想いというのは歌詞に託されてしまっているせいか、さらーっと流れていってしまった感じはありました。セリフなどでも補完されるのでわかることはわかるのですが、映画とは違って、深いところまでは見れないのは仕方がないのかな。。。。?・・・・ と思ったら! これ、映画版ができるらしいですね。 今年制作に入るそうです。 監督は何と、『THIS IS IT』の、ケニー・オルテガ。『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』も大好きなので、これも大いに期待できそうです。
2010.08.25
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原題: GOOD MORNING PRESIDENT監督・脚本 : チャン・ジン 出演 : チャン・ドンゴン 、 イ・スンジェ 、 コ・ドゥシム 、 イム・ハリョン 、 ハン・チェヨン 鑑賞劇場 :シネマート新宿公式サイトはこちら。 <Story>任期終了まで半年となった大統領キム・ジョンホ(イ・スンジェ)は、前職大統領の恩赦案が紛糾し、苦労している。そんなある日、イベントで応募したロトが当たり、244億ウォンの当選者となる。しかし当選の暁には、全額寄付すると宣言したこと思い出す。豊かな老後をとるか宣言を守るかが彼の最大の悩みになり…。半年後。そのキム大統領の盟友の息子、チャ・ジウク(チャン・ドンゴン)は、最年少で野党の総裁となり、大統領に就任する。妻と死別し5歳の息子を男手ひとつで育てている彼は、キム大統領の娘で初恋の相手だったイヨン(ハン・チェヨン)の帰国に動揺する。彼は、北朝鮮、日本、米国と渡り合い、朝鮮半島を巡る一触即発の危機を脱するが、市内視察のイベント会場で謎の男(パク・ヘイル)に襲われて…。キム・ジョンホ政権では法務部長官、チャ・ジウク政権では、野党の総裁を歴任したハン・ギョジャ(コ・ドゥシム)は、韓国初の女性大統領に就任する。だが多忙な妻ギョジャと共に青瓦台暮らしを強いられることになった夫のチャンミョン(イム・ハリョン)は、ストレスを溜め込む。思わず青瓦台のルールを破りギョジャの支持率低下を招いてしまったチャンミョンは、その責を取ろうと離婚を切り出すが…。グッドモーニング・プレジデント - goo 映画<感想>試写に行けるチャンスがありましたが見送り、気にはなっていたのですが、単館上映でなかなか足が向かなかったのに、もう今週で上映終了とのこと。慌てて行きました。ちょうど韓フェスが始まっており(私も券持ってるんだけど。消化しないと~)、受付はその指定と、本作のレディースデー狙いできたお客さんでごった返し。。。連れ立ったおばさまが多く、何となくいやーな予感(苦笑)がすると思い、人が少なそうな前方の席をお願いするのですが、この日は入りが良くて前方もぎっしり。案の定(!)、始まっても後ろのおばちゃん3人組が話を止めないのには閉口しました。ファンで来ているのはわかるけど、映画の最中にいちいちくっちゃべるな! 迷惑。と、言いたかったのですが、この日忙しかったんでいちいちケンカする気も起きずに(笑)放置しましたけど。こういう人とは友達にはなれないっすね。何の前情報もないまま行きました。で、ポスター観てるとどうしてもチャン・ドンゴンが主演? と思ってしまうのですが、実は3人の歴代大統領のお話なのです。なので正確に言うとオムニバス形式なのかな?要所要所で3名が繋がっています。全体的にコミカルな要素が多く、たぶんですが絶対にこんなことは現実にはありえないでしょうというエピソードがちらほら。。。こんな大統領だったら国民はどう思うでしょうね。ロトくじ買ったり、夫婦喧嘩してみたり。。。もしもチャン・ドンゴンのエピソードを本当に一国の総裁とか首相とか大統領がやったとしたら!?票稼ぎと言われてしまうかもしれないですよね。あくまでもそこに「人を救う」という意識があるとは思うのですが・・・。ただ、大統領だって条件がそろったら、こんな事態になってしまうのでしょうか。それは知りたい気もします。個人的に好きなのは最後のエピソード。韓国に女性大統領誕生だなんて、考えただけでも面白い。そして多忙なパートナーを持ったら、自分が背負う想いも男女の区別はないということ。そこに本当に相手を信じる気持ちがあるのか?原点に還っていく、この夫婦、素敵です。そして女性大統領役のコ・ドゥシムがまたいいんですよね。普段はただのおばちゃんにも見えてしまうかもしれないけど、いざスーツを着て仕事となったらもう大統領。 ただのおばちゃんのように好き勝手に自由行動はできないけど、でも仕事を離れたら、彼女だって1人の女性。 家族があって、愛する人がいる。視点を変えて、そういう人間臭さを見せてもらえるのもまた面白いことです。3名の大統領を陰から見てきた、「官邸の料理人」の存在もよかったですね。決して人には言えない愚痴、表には出さない表情なども、裏方さんは見つめています。 淡々と、しかしながら愉快に描いているのも興味深かったですね。***********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.08.25
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監督 : 米林宏昌 原作 : メアリー・ノートン 企画・脚本 : 宮崎駿 声の出演 : 志田未来 、 神木隆之介 、 大竹しのぶ 、 竹下景子 、 三浦友和 、 樹木希林 公式サイトはこちら。<Story>アリエッティはとある郊外の古い屋敷に住んでる小人の女の子。小人の一族は、自分たちの暮らしに必要なモノを必要なだけ人間の世界から借りて生活する、借りぐらしの種族だ。アリエッティが初めて借りに出たその夜、借りの最中に病気の静養でこの屋敷にやってきた少年・翔に姿を見られてしまう。人間に姿を見られたからには、引っ越さないといけない。掟と好奇心の間でアリエッティの心は大きく揺れるのだった。借りぐらしのアリエッティ - goo 映画<感想>やーっと行って来ました。これは子どもだけが先に観てます。いつでもいいやいつでもいけるからと、こういうのは後回しです(笑)なのでネタばれさせないように、彼らを口止めしてました。 原作は未読。夜は少し涼しくなってきたので、久しぶりにエアコンをつけないで、窓を開けてクルマを走らせると、気分がいいですね。道も空いてて快適ー。ついでにシネコンも空いてる~原作を読んだ方のお話では、「床下に住んでいる小人たちの生活のお話」ということだそうです。 なのでそれをいかに膨らませるかということでしょうか。自然との調和、共存のなかで、小人たちは生きている。私たちにとっては取るに足らないほどの小さな虫や花も、彼らにとっては等身大であったり、相手にしてしまうと真剣に戦わないといけないものであったり。視点を変えて見ることで、普段は気に留めないものも、1つ1つが支え合っているのかと感じる。実は虫が好きじゃないんで、もしもだんごむしやコオロギが等身大で目の前に現れたらと思うとぞぞっとしなくもないけど、アリエッティはむしろ愛おしい存在として共存していきます(たぶんコオロギはあまり好きじゃないかもしれないけど。 笑)そして天敵に襲われた時などはこちらが思わず心配になったりしますが、知恵を絞っているのには感心してしまったり。小人たち、人間に知られないように借りぐらしをしていますが、怪我をしたり病気になってしまったら一体どうするんだろう? とか、あの家は一体どうやって作ったんだろう? とか、余計なことばかり思ってました(笑)それにしてもアリエッティたちは、代々工夫を凝らした生活を受け継いできたのだろうと想像する。人間の世界では取るに足らないものが、彼らの世界では巨大だったり、入手困難だったり。必需品を得るために彼らが考えた、ありとあらゆる仕掛けも素晴らしいし、生活の中で、人間からの「借り物」を工夫して使っていることなどは、彼らの知恵なのでしょうね。アリエッティの部屋も女の子らしく、いい雰囲気でした。もう、この種族は自分たちだけになってしまったのではないだろうかと、アリエッティたちも不安の中で暮らしていたに違いない。いつかは滅びゆく種族と指摘されても、それは信じたくないのが常であるし、生き延びるために方法を考えて行くことになる。見つかる訳にはいかないが、自分たちの知らないところでその存在を認知している人もいる。小人たちを見守ってあげたいという想いが、陰ながら彼らを支えているのもよかったです。そして翔も、アリエッティたちを守りたいと本能的に思っていく。 これはたぶん恋なんだと思うけど、それだけではない。小人たちの持つ敏捷さだったり、人間にはない自由を持っていることへの憧れもあったのではないだろうか。人間には決してできないことをしている小人たちに、その世界を続けてもらいたい。その想いが彼を動かしていく。アリエッティはアリエッティで、翔への想いもさることながら、自分たち種族の継承を真剣に考えている。こんなに少なくなってしまった自分たちが、自分たちだけでやっていかなければいけないとしたら、それはかなり精神的にも厳しい部分だっただろう。「見守ってくれてありがとう」(だったと思いましたが)というセリフのなかには、たぶん翔からもアリエッティからも、感謝の気持ちがあったのだと思う。何も言わなくても、自分を支えてくれる存在がいるだけで、生きる力になることがある。 この2人の場合はまさにそれだったのでしょう。**********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.08.23
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原題: AMADEUS: DIRECTOR'S CUT監督 : ミロス・フォアマン出演 : F・マーリー・エイブラハム 、 トム・ハルス 、 エリザベス・ベリッジ 、 サイモン・カロウ 、 ロイ・ドートリス 、 ジェフリー・ジョーンズ 、 ケネス・マクミランTOHOシネマズ午前十時の映画祭『アマデウス』 ページはこちら。<Story>1823年、冷たい雪が降り積もるウィーンの街。一人の老人が自殺を図り、病院へと運ばれた。老人の名はアントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)。かつて、宮廷作曲家として王の寵愛を受け、音楽家としての尊敬を集めた人物だった。年老いたサリエリを訪ねた若い神父・フォーグラー(リチャード・フランク)は、サリエリに告白を促す。そしてサリエリは、彼が生涯心に持ち続けた、一人の天才作曲家・ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルス)への複雑な感情を語り始めるのだった。アマデウス ディレクターズ・カット - goo 映画<感想>いやー懐かしい映画ですよこれ。。。実は学校の映画観賞会でこれを観たのを覚えてまして、それ以来。3時間のディレクターズ・カットがあったんですね。あらかじめキャストをネットで見てから行ったんですが、何とその中に、今やSATCでときめくシンシア・ニクソンがいるじゃないですか!!『セックス・アンド・ザ・シティ』はこちら。『セックス・アンド・ザ・シティ2』はこちら。何の役で出てるんだろう? と思ったら、サリエリに言われてモーツァルトの家に潜入するメイドのロール役でした。若い!!でもちゃんとシンシアでしたね。 当時16~17歳くらいだったんじゃないでしょうか。子役からご活躍なんですね。 しっかりとした演技でした。改めて鑑賞してみる。モーツァルトに対しての狂おしいくらいの嫉妬に囚われつつも、その才能に憧れ、永遠に手が届かないサリエリを演じるF・マーリー・エイブラハム、そして破天荒で楽天的な天才を演じるトム・ハルスの2人の演技なんですよね。この掛け合いに尽きます。モーツァルトについて。映画は、1781年、モーツァルトがザルツブルク大司教に解雇されるところから始まります。彼自身の素行の悪さと、その才能を妬むサリエリらの策略によって仕事を妨害された結果(という説があります)、とにかくモーツァルトは経済的に困窮していたんだということがわかります。本作のように、サリエリが彼を殺したというのは、あくまでもフィクションの域を出ませんが、そう言いたくなってしまうくらいの出来事が実際にはあったのかもしれません。 事実「サリエリがモーツァルトを毒殺した」という噂に、サリエリは死ぬまで悩まされることになる訳ですから。彼が演奏している場面に、彼の浮き沈みの様子がもっとも顕著に現れています。最初、若いころの喝采をさらった日々。そしてヨーゼフ2世の宮廷音楽家をしながら作ったオペラ、『フィガロの結婚』に見られる、脂の乗った時代。そして父レオポルドの死を超えながらの『ドン・ジョヴァンニ』の鬼気迫る指揮。晩年、大衆向けオペラでの、体調悪化の表情。。。その時その時の彼の精神状態が手に取るようにわかる。とりわけレクイエムをめぐるエピソードのなかで、自身の先が見えない状況や、亡き父の呪縛などと絡め、精神的肉体的に消耗してしまう様子が哀れでもある。 モーツァルトの妻・コンスタンツェは、カール・マリア・フォン・ウェーバーの従姉にあたり、音楽にも詳しいと思われるので、ここが少し強調されるとよかったような。。。。 本作ではあまりその部分がなく、単に可愛らしくて世間に少し疎い妻という印象しかないので。(夫に無断で楽譜を持ち出し、サリエリ邸に行く様子などは恐らくフィクションだと思いますが。。)悪妻ということですが、お金に執着があったところや、モーツァルトの葬儀をちゃんとしないなどのところでしょうか。 彼女についてはいろいろな話があるので、一概にどれが真実とは言い切れないようにも思います。サリエリとの執着がいろいろと描かれますが、とりわけ素晴らしいと思ったのは、レクイエムの作曲シーン。頭の中で既に楽曲が完成した状態で出来上がるモーツァルトの天才ぶりを現すのには最適なシーンです。楽曲の完成が早過ぎて、写譜が追いつかない、音楽がイメージできないほどだなんてちょっとカッコいいですよね。サリエリが逆立ちしたって叶わないものをモーツァルトは持っている。神が与えたもうた才能が、その死後までも輝き続け、それを妬んで邪魔をし、追い払った自分には、その苦しみと、永遠に彼に追いつけないことへの屈辱だけが残される。「凡庸なるものの守り神」という言葉をサリエリは使います。それは、凡庸を背負わないといけない宿命であると痛切に感じた人間であれば、心に深く刻み込まれる言葉かもしれません。*********************************今日の評価 : ★★★★★ 5/5点
2010.08.21
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監督・脚本 : 荻上直子 出演 : アレックス・ハウス 、 タチアナ・マズラニー 、 デイヴィッド・レンドル 、 サチ・パーカー 、 もたいまさこ 試写会場 : 京橋テアトル試写室公式サイトはこちら。<Story>とある企業の実験室に勤務するレイ(アレックス・ハウス)は、家族から離れて一人で暮らし、誰とも深く関わらずに生きて来た。ロボット型プラモデルで1人遊びをするのが唯一の楽しみだ。しかし、母が亡くなり、残された家族に問題があると呼び出され、久しぶりに実家に戻って来た。そこにいたのは、引き篭もりの兄(デイヴィッド・レンドル)、生意気な妹(タチアナ・マズラニー)、センセーという名前の猫、そして、英語が通じない「ばーちゃん」(もたいまさこ)だった。[ 2010年8月28日公開 ]トイレット - goo 映画<感想>Yahooユーザーレビュアー試写に行って来ました。上映後に、荻上直子監督のトークショーあり。フードスタイリング系映画は一応押さえたい自分としては、荻上監督の『かもめ食堂』は好きなんだけど、『めがね』って今一つでした。 (ちなみに同じような系列の、昨年公開『プール』(監督は大森美香さんですが)も、うーん。。でしたが。)何となく目的がクリアじゃなかったり、腑に落ちない結末だったりすると、いくら雰囲気が良くても、女性に喜ばれそうな感じでも、自分としては納得いかないように感じます。今回の『トイレット』、予告を観ると、どちらかといいますと観念的な作品に思えてしまって少し心配ではありましたけど。今回のキャストの中で唯一日本人で出演していたもたいさん。彼女は荻上監督の映画に数多くご出演で、今回もメインで残っているということで、上映後の荻上監督のインタビューを聞いていると、やっぱり、もたいさんは監督のアイコンなんだなと感じてしまいます。この映画のキャッチコピーにもある、「みんな、ホントウの自分で、おやんなさい」という言葉を体現しているのが、監督にとっては、きっともたいさんなんだなと思いました。本作でも、もたいさんの雰囲気を十二分に生かした展開になってはいるのですが、孫たちとのつながりが、あとから考えると、少し無理があったようにも思えてしまいます。テレパシーのような状態で果たして通じるの? とつっこみたくもなりますが。そして、ばーちゃんのため息の理由ですが、それがまさかあの製品が導入されていたら・・・ ということだけだったとするならば、あまりにも思わせぶり過ぎやしないでしょうか・・・。見方によっては、宣伝? とも取られかねないほどの商品の露出なだけに、余計そう感じてしまいます。結局、あの商品の意味は何だったのか?日本の技術の素晴らしさを言いたかった??すみません、私にはよくわからないのです。お兄さんの成長という部分は、観ていていいなと感じました。そのきっかけが、ばーちゃんであるならば、それはそれで彼にとってはいいことだとは思います。彼の成長をきっかけに、バラバラだった兄妹が寄り添うのもわかります。ばーちゃんがつなげている訳ですからね。けど・・・ それに至る過程で、この兄妹がどうしても「この映画のために作られたもの」なのかなという感覚がずっと抜けなかったのはありました。妹の「フェイク」なんかは、3人の関係もフェイクじゃないってことを表すことにはつながるとは思います。 ・・・が、何と言うか、この3人兄妹の設定自体が、年齢よりも幼く感じてしまったというのもあるんですよね。 病を乗り越えるというのは設定としてはありとしても、それぞれの環境で、もう少し大人であってもよいのではないかなと。 今の若者の感覚自体がそうなのかもしれないですが。。次男くんと、同僚とのやり取りもまた、あまり自然には見えなくて。 そして、彼の重大なことって、かなり重大な割には、後の展開にはそれほど影響してきませんし。サチ・パーカーさんの役割も今一つ、わかりませんでした。全体的にエピソードが、ぽつん、ぽつんと、置いてあって、それらのつながりがあまり見えてこないようにも感じました。餃子とかはよかったんですけどね。ただ、食べ物だけで見せようというのは、もう過去の作品でもありますので、それにどんな付加価値をつけるかが問われると思います。荻上監督作品がお好きな方にとっては、その世界観で語られているのでいいと思うのですが、ここまでカチッと語られてしまうと、価値観についていける人しか、これからは観なくなってしまうような気もしなくもないんです。壁紙まできっちりとしたインテリアですとか、人の動作にしても、全てがその価値観の枠内に収まったような感覚でした。『かもめ食堂』を観た時に感じた、溢れだすような勢いとは違うものでしたね。 **********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.08.17
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監督・脚本 : 中村義洋 原作 : 荒木源 出演 : 錦戸亮 、 ともさかりえ 、 今野浩喜 、 佐藤仁美 、 鈴木福 、 忽那汐里 、 堀部圭亮 、 中村有志 、 井上順 公式サイトはこちら。<Story>シングルマザーのひろ子(ともさかりえ)は、息子の友也(鈴木福)と二人暮らし。ある日、二人は侍の恰好をした木島安兵衛(錦戸亮)と名乗る男と出会う。安兵衛はどこに帰ればいいのかわからないと言い、しばらくひろ子の家に居候することになる。安兵衛は、居候のお礼として家事を全部引き受けると言い出し、料理や掃除を完璧にこなしてくれた。ある日、病気になった友也のために、安兵衛はプリンを作ってくれた。それをきっかけに、安兵衛はお菓子作りに目覚め…。ちょんまげぷりん - goo 映画<感想>なかなか行けませんでしたがようやく観てきました。この主役3名、見ていてとてもバランスが取れてるように思いました。錦戸くんって初めて見ましたが、なかなか、いい感じじゃないですか。ともさかさんも、若いワーキングシングルマザーがよく似合ってたし。そして鈴木福くん!(この名前がいいよね。ふくくんって言うのかな?) 彼にはもう脱帽。 参っちゃいますね。絶妙の間の取り方がすごくうまい。 作ったんじゃなくて天然でしているように見えて、この役のために生まれてきたような感じですよね。180年前の江戸からタイムスリップしてきた安兵衛のいきさつを聞いていると、侍の世界もいろいろ大変そう。しきたりは守らないといけないし、それだけ活躍の場も限られるということです。序列だとか面子などの方が個人の存在よりも重要だった時代に、自分を打ち込める仕事を探すということは至難の技ですが、昔も今も、人の社会的な欲求として存在しているのだと感じます。安兵衛が「お役目」として最重要視する姿勢も、今の日本とはちょっと違うような感じ。 昔と今とでは、仕事に対しての重みが絶対的に違うんでしょうね。そんな安兵衛は、今の東京の現状にとても戸惑うのですが、とりわけ女性の生き方に対して、面食らってしまった部分があると思う。今はワーキングマザーは当たり前だし、シングルマザーも珍しくないし、「奥向きの用」ということは、昔ほどの区別はされなくなっています。夫婦共働きなら、男性も家事手伝って当然とか言われますから。。お役目は男、奥向きは女。 そう堂々と言い放つ男性は、今や女性からは嫌われてしまう存在ですが(笑)、その感覚が安兵衛にとっては当然でした。だけど彼が幸いしたのは、その価値観を何が何でもとしなかったこと。時代に順応する姿勢があったことですね。そうでないと東京では生きていけないということを、彼自身、本能的に感じていたのかもしれません。そして、その柔軟な心こそが、彼に傑作を生ませたようにも思います。安兵衛の、くっきりとした信条がいいんです。叱るときはこうやって叱るんだ! みたいな場面が出てきますが、今の若い親御さんは、子どもをどうやって叱ったらよいのか分からない人がたくさんいるらしいから、こういう風に、昔はちゃんとしていた「叱る基準」が出てくるとホッとしたりします。今に語り継ぎたいような感覚でもありますね。友くんに対しても、小さくてもちゃんと1人の人として接したり、ひろ子に対しても、きちんと礼儀をわきまえていたり。「古武士」という言葉がぴったりですし、やたらと尊大ではなくて、自身をわきまえていた部分がとても好きです。「武士に二言はない」って言葉も浮かんでくるように思いました。ともさかさんはスクリーンでは久しぶりに観ましたが、ご自身も実際に小さいお子さんがいらっしゃるシングルマザーということで、等身大な役かな? ですけど自然でとてもよかった。ひろ子は彼女なりに、世の中に対して、精一杯突っ張って生きてる。 そして友ちゃんが心の支えになっている訳です。安兵衛との出会いが彼女に女らしい柔らかさをもたらしていく様子も、いいものです。子どもの成長を喜ぶ場面もいいですね。自分の子供も思い出してしまいました。小さい頃はあっという間ですから。心があったかくなる場面が、いくつもちりばめられて、素敵な映画でした。***********************************今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2010.08.17
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原題: THE A-TEAM監督 : ジョー・カーナハン 出演 : リーアム・ニーソン 、 ブラッドリー・クーパー 、 クイントン“ランペイジ”ジャクソン 、 シャルト・コプリー 、 ジェシカ・ビール 、 パトリック・ウィルソン 試写会場 : ディファ有明公式サイトはこちら。ジャパン・プレミアの様子はこちら。<Story>幾多の特殊ミッションを遂行し、輝かしい戦歴を刻んできた〈Aチーム〉――ハンニバルことスミス大佐(リーアム・ニーソン)率いる元特殊部隊員で編成された4人の精鋭たちが、イラクでの米ドル紙幣の原版強奪事件に巻き込まれて逮捕される。半年後、スミス大佐をはじめ、部下のテンプルトン・ペック(ブラッドリー・クーパー)や、H・M・マードック(シャルト・コプリー)らは刑務所から脱獄。彼らは再集結し、自分たちの無実を証明するため立ち上がる。[ 2010年8月20日公開 ]特攻野郎Aチーム THE MOVIE - goo 映画<感想>ジャパン・プレミアはこちらをお読みくださいね。引き続き行われた映画試写本編です。ちなみにTV版は一切未見。まあ、何と言うか、一言で言えば、何にも考えないで、スカッと暑い夏に鑑賞する作品かな?割とドキュメンタリーとかヒューマン系が好きな自分にとっては、そういう映画の合間に観るにはピッタリの作品だったかも。気軽にべちゃくちゃ喋りながら観るのにもちょうどいいですね。港のシーンとか、結構お金かかってるような感じですよね(CGですが)。いつの間にか脱獄してたりとか、よくわかんない部分もあって、そんなのありえなーい、とか、いろいろと思うことはありますが、スピードとアクションでぐいぐいと押しまくった感じです。こういうのは男子はやっぱり好きなんでしょうかね。私的には、パトリック・ウィルソンが出てて、おー!! って思いました(笑)結構彼好きなんで。。。そして、いつものように、今一ついい人になりきれてないキャラっていうのもよかった(そんな役多いね。笑)そしてこれも続編ありますよ的な終わり方でした。長い長いエンドロール後にも映像ありますので、気になる方は最後までどうぞ。(ですが内容的にはあまり関係なかったかも? テレビ版ご覧の方じゃないとわからないみたいです)***********************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.08.16
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『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』ジャパンプレミアに行って来ました。実はもうこれ、8月14日のみ先行上映されているので、映画をご覧になっている人も多いと思います。来日日程の関係なのでしょうか、何故か先行上映後に行われるプレミアです(しかも2回目のプレミア?)。 今回、レッドカーペットイベントというものにも初めて参加してみました。場所はディファ有明。この会場、プロレスなどの格闘技に使用されることが多いらしい雰囲気でした。当日は16:30から整理券引き換えということでしたけど、私はいろいろ用事があったし、何よりも暑いので、あまり早くからは行かないことに決めてました。 なので16時くらいに到着。周りは、なーんにもないところです。 日陰だってない。で、とにかく暑い!!16:30になると整理番号順に呼ばれ整列させられました。この整列、17:30の入場時まで続きます。考えてみてください。 炎天下に1時間以上立たされている訳ですよ。。。整列後は日陰になりましたけど、それでも気温35℃以上の地面ですからね。1分だっていたくないのに。。。他の人が数人、係の人に、列を離れてもいいかと訊いてました。係は、「席は決まっているので列を離れてもいいですが、入場の時は最後尾になります」と言ってました。だったら整列は入場の直前でいいのにな。思い思いの場所で休んでいた方が身体にも負担じゃないのに、これですと整列してないといけないような印象です。ちょっとどころか、かなり配慮が足りないように感じました。日が当らないからいいでしょ! 俺たちは炎天下でも長袖で仕事してるんだから・・・って感じ。周辺には飲食店等は何もないので、涼むところすらありません。早めに中に入れてくれて座らせてくれたりしてもいいのでは?こんなに観客に対して非情なイベントならば、参加しない方がよかったか!? と、ちょっと来たのを後悔してしまいました。熱中症で誰かがどうにかなったらどうするつもりだったんでしょうか。適当に会話しているうちに、やっとのことで開場です。脚がパンパン。。。座ったはいいのですが、休む間もなくイベントエリアへ移動させられます。そしてここでも30分立ち通しです。真夏日に1時間以上立ち通しなのに、さらに30分以上追加で立ち通し。。。 夕方でも気温は30℃くらいあったし、脚が痛くて痛くて。時間通り、マニュアル通りにイベント進行させますからって感じなんですよね。ま、そんなもんか。 お客の都合ってないからね。レッドカーペットの体験談を読んでて、観覧者にとっても、いろいろストレスフルなイベントだとも思っていたので、あんまり期待はしなかったんですが、始まってみて、みなさんが通過して行くのを見てて、すごく嬉しそうにしてて、やっぱりこちらもうれしくなっちゃってます。最初は、日本版Aチームの4人。(『アイアンマン2』の時もそうだけど、最近こういうの多いのね)まずはB.A.役の武蔵さん。フェイス役のISSAさん。 意外と小柄な方なんですね。赤いスーツ!マードック役の小島よしおさん。 今日は服着てました。黙ってるとカッコいいんだけど。。。ハンニバル役の石田純一さん。 年齢的にこのポジションなんでしょうね(笑)そして何故か? 「女性ファン代表」とかいう紹介があった、山本モナさん。 綺麗ですねー。 このプレミアの時は何も言ってませんでしたが、この日の夜にご結婚を発表されました。そしていよいよ本家Aチーム。マードック役のシャルト・コプリーさん。 『第9地区』主役の彼です。ジョー・カナハン監督。 後ろの女性は奥様?B.A役のクイントン・"ランペイジ"・ジャクソンさん。 面白い人です。最後にフェイス役のブラッドリー・クーパーさん。この日のキャストの中ではメジャーなんで、一番人気でした。サインもらいたかったけどもらえなかった(涙)初来日ということでうれしそうです。 ハンニバル役のリーアム・ニーソンさん、そしてソーサ役のジェシカ・ビールさんは、残念ながらスケジュールの関係で来日なしでした。 まあ、とにかく暑いわ脚は痛いわ。そして『特攻野郎』ってつくだけに、この日男性の観覧者が異常に多かったんですよ。なのでイベントの最中、周りが男性だらけで、息苦しくなってしまうくらいでした。 見えない・・・写真は思いっきり腕伸ばして撮ってます(笑)押されて全部ブレブレですけど、これだけ撮れたからよしとしましょう。そして中に入って上映前の舞台挨拶です。 司会は襟川クロさん。とにかくみんな楽しそうでした。登壇者は日本版+本家Aチームの7人&監督&モナさんです。ゲラゲラ笑ってしまってメモは取ってないですけど、2回目来日のシャルト・コプリー、初来日のブラッドリー・クーパー、その他のキャストも一様に嬉しそうです。印象に残ったインタビュー。クイントン・"ランペイジ"・ジャクソン:「日本版のキャストをHPで見た時、みんなカッコいいと思ったけど、どうして1人だけ、パンツ一丁の奴がいるんだ? って不思議だよ。何で彼はパンツだけ履いてるの??」あーやっぱり・・・ 爆ここで小島よしおがいきなりズボンを下ろして、いつものパンツ出してしまいました(笑)それって日本のテレビならいいけど、こういう舞台挨拶の場ではやばいと思うんだけど。まあ、そんな凍った空気もありましたが(苦笑)、本家Aチームが「ソンナノ、カンケイ、ネー!」と言ってくれて(笑)、楽しく終了。ここで感心したのはクイントン・"ランペイジ"・ジャクソンの機転の利かせ方です。彼こそ空気読みますね。そしてすごく気を使う方です。 見た目ひょうきんですけど、こうして見えないところで努力なさってるんだなと感じました。まあいろいろとありましたが、総じてイベント内容がよかったので、楽しめました。ただし、イベント主催者の、お客さんに対しての安全対策はダメです。熱中症対策をメガホンで呼び掛けている割には、ずーっと立たせっぱなし。レッカの途中でジュース買いたくて列を離れようとしたら、ジュースコーナーに行ってはダメと言われてしまいました。 それはないよね。このあたり猛省してもらわないと。
2010.08.16
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Air Supplyのライブに行って来ました。Billboard LIVE HPはこちら。DSC03989 posted by (C)rose_chocolat最近ライブづいてますが(苦笑)、実はこれが一番最初に行くことが決定してました。1度見たかったんですよね。 彼らの演奏。。。80年代を代表するアーティストだよね。あのクリアヴォイスが好きでね。。。今、こうして手が届くことが可能になったんで、短い人生なんだから(笑)、会いたい人には会って、観たいものは観て、そういうスタンスじゃないともったいないような気がして。この日はちょっと曇りがち。夕日が入らないと、眺めはこんな感じです。この日の席から開演前に。DSC03991 posted by (C)rose_chocolatそして始まりました。彼らの曲って割とバラード調が多いだけに、ライブじゃどうするのか気になってましたけど、エレキギターとか駆使して、思ったよりもずっとロックっぽく仕上げてました。これはすごく意外。でも、お客さんも乗りたいから、じっくり聴く以外にも、そんなアレンジもありなんですね。 工夫してます。セットリストです(「」内は邦題)。ビルボードライブさんでセットリストは出さないので、違ってたら直して下さい。1.Even The Nights Are Better 「さよならロンリー・ラブ」いきなりロックっぽっくってオドロキ。でもオープニングにはいいですよね。2.Just As I Am 「潮風のラブコール」3.Here I Am4.(タイトルが出ません。 知ってる方教えて~)5.The One That You Love 「シーサイド・ラブ」ここでヴォーカルのラッセル・ヒッチコックが客席へ。3階の下手側と、4階まで行って、握手してました。残念ながら今回は3階上手でラッセルには握手できず(涙)そしてもう1人のグラハム・ラッセルは、3階全体をギター弾いて回りました。彼は私たちの席のところにも来てくれて、目の前で弾いてくれちゃってまして!握手はできないんですが、ちょこっとだけ腕を触らせていただいちゃいました(笑)6.Lost In Love 「ロスト・イン・ラブ」7.Dance With Me (違ったら直して~)8.Making Love Out of Nothing at All 「渚の誓い」これ好きなんですよねー。何か、ドラマの主題歌でやってて、ものすごく好きだったので調べたら、1983年TBS系列「さよならを教えて」というドラマだったみたいです。(金妻じゃないよ)往年のハイトーンここにありって感じですよね。ラッセルの見せ場って感じでよかった。アンコール1.Every Woman in The World 「ときめきの愛を」アンコール2.All Out Of Love 「オール・アウト・オブ・ラヴ」最後はこの曲。お客さんと一緒に歌いたかったようですが、お客さんの方が歌詞に自信がなくて(笑)、ちょっと笑いもありましたが、やっぱり聴かせるステージですね。彼らの曲って、邦題がものすごい(!)のが多い記憶あって、「~~ラブ」「渚」「シーサイド」的な感じ。海沿いでドライブに聴くって結構似合ってましたね。(そんなつもりで作った曲じゃないのかもしれないけどね)「わたせせいぞう」のイメージ!? (→ ふるい。。。)あと私、"I’ll Never Get Enough of You" (邦題「あなたのいない朝」)が好きだったんで、これなかったのは残念ですが。。。懐かしく、また憧れだったアーティストとの時間はやっぱり素敵でした。 奇しくも3回、短期間にビルボードライブに行きましたけど、「大人の空間」ということですが、コストパフォーマンスを考えた場合、アーティストのライブの内容にも大きく左右されそうな気がします。そういう意味で、最もよかったのはやっぱり、Matt Biancoですね。短い時間で、如何に最大限魅せるかっていうことですから。このアーティストは来年もお邪魔したい。秋口にまた、興味あるアーティストも別にいて、ライブに行く予定もありますので、その時はまたレポします。
2010.08.14
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原題: EL SECRETO DE SUS OJOS/THE SECRET IN THEIR EYES監督 : ファン・ホセ・カンパネラ 出演 : リカルド・ダリン 、 ソレダ・ビジャミル 、 ギレルモ・フランチェラ 、 パブロ・ラゴ 、 ハビエル・ゴディーノ 鑑賞劇場 : TOHOシネマズシャンテ公式サイトはこちら。<Story>刑事裁判所を退職したベンハミン(リカルド・ダリン)は、残された時間で25年前に起きた忘れ難い事件をテーマに小説を書くことを決心し、かつての上司で今は判事補のイレーネ(ソレダ・ビジャミル)を訪ねる。それは1974年、銀行員の夫と新婚生活を満喫していた女性が自宅で殺害された事件。当時、渋々担当を引き受けたベンハミンが捜査を始めてまもなく、テラスを修理していた二人の職人が逮捕されるが、それは拷問による嘘の自白によってだった…。瞳の奥の秘密 - goo 映画<感想>第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したことで、 とにかく混んでます。 これ。 当日並ぶなど、自殺行為です(苦笑) 夕方の回までネットでは満席でした。 まあ、この日は、公開初日&土曜&TOHOシネマズデイっていう「三重苦」だったからかもしれませんが。。。vitもかなり並びますので、ネット予約でも30分前には行かないとダメです。 なのでできたら前日までに窓口で買って発券しておくと、 ストレスなく観賞できます。 アルゼンチン映画はあまり日本には入って来ないので、 これはかの地の映画を知るにはちょうどいいきっかけともなりそうです。 まずこの主役の2名がいい。 実年齢プラスマイナス20歳くらいの幅を演じます。 特にソレダ・ビジャミル。 彼女の老け方はとても自然で、齢を取っても恐らくこうなるのであろうと思わせる。 リカルド・ダリンは若い頃は少々無理があったかな? ですが、問題は年齢ではないように思います。 彼らの落着きぶりが、実にこの映画にふさわしかったということです。幅広い年齢層を演じられる役者さんのキャスティングの成功ですね。これは、完全なる法規ものでもミステリーでも恋愛ものでもない。 どこかクロスオーバーした、曖昧な着地点を狙っています。 それにはアルゼンチンの当時の時代背景を知らないと完全には分からない部分があります。 サッカーだけではない歴史。 ファン・ペロン、イザベル・ペロンの失脚、失政、そしてクーデター。 政局の混乱がもたらしたものは、貧困だけではなく、社会的な腐敗もだった。 正義というものが通用しない時代において、何を根拠に生きていけばいいのか。 遣る瀬無い想いを抱えながら生きる人たちが見い出すものは一体何なんだろうか。 とてもいい映画でした。 ですが、惜しい。 25年間という歳月の中で、何を感じてそれぞれは生きていたのか。どうにもならない期間がやっぱりある程度描かれるとよかったかなと思います。あと、アルゼンチンの社会情勢に通じていない、通り一遍の観賞者にとっては、背景がわからないだけに疑問が残る部分がある。 ゴメスの処遇などがそうですね。 どうしてそうなったのか? と。もっとも、それを知っていることを前提に、アルゼンチン国内の層を意識して作ったのであれば普通なのですけど。しかしながらこんなに長い期間、耐えること自体がもう、それぞれの人間にとっては刑罰のような気もしてきます。ベンハミンとイレーネのことと、事件のこととが縦糸と横糸になり、それが「瞳」というキーワードでつながっていく。 確かに、瞳はその人を語るものがありますけどね。それだけを理由のない根拠にしてたベンハミンをアシストした、イレーネの誘導はうまかったです。しかしながら、ラストに持っていく感じが少々無理があったか? 個人的には、列車の場面とかとても好きなんですけどね。 「いくじなし」だけで終わってしまったとしたら、少々掘り下げが足りないようにも思いましたけど。。。 あと、パブロのことですね。彼がそうしたのは、単純にあきらめたからなのか?ここも何か一つ欲しかった気がします。落ち着いた雰囲気は好きですし、こういうテーマも好きなのですが、どこか1つ足りないような印象は否めません。 惜しいな。。。それでも、観る価値は十分あるとは思います。*********************************今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.08.14
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原題: RUMBA監督・脚本 : ドミニク・アベル 、 フィオナ・ゴードン 、 ブルーノ・ロミ 出演 : フィオナ・ゴードン 、 ドミニク・アベル 鑑賞劇場 : TOHOシネマズシャンテ公式サイトはこちら。<Story>ブリュッセルの近郊の小学校。ドムは体育の教師、フィオナは英語の教師で、揃ってダンスが好きな、幸せな夫婦だ。週末には近県のダンス大会があり、種目がルンバなら必ず優勝する。その日もそうだった。優勝の喜びに輝いて車で帰路へ。鉄道のトンネルのある道で、自殺願望の男が線路に上がってみたり、列車が来るのを待ちきれずに道路に下りて車を待とうとしている。そうとは知らず、ドムとフィオナの車は彼をよけようとして脱線してしまい…。(ルンバ!)ルンバ!/同時上映:アイスバーグ! - goo 映画<感想>『アイスバーグ!』と同時上映の作品。 タイトルのクレジットはこちらが前に来ていますけど、制作年があとなのか、上映順はこちらが後でした。 もっとも話的にはどちらが前でも後でもよかったかもしれないけど。それでも、『アイスバーグ!』に出てきた俳優さんたちが『ルンバ!』ではこんな役なのか・・・ と確認するのも楽しい作業です。『アイスバーグ!』もそうですが、この作品も「赤」が効果的に使われています。ビビッドで人を惹きつける雰囲気の映像になっています。『アイスバーグ!』だと、バーガーショップの赤とかね。これも、ルンバの衣装素敵だったな。しかしながら内容的にはこっちの方がよりシュール。 というか、これをネタにしてしまってもいいものなのか?ルンバにしても、最初のは、「それってルンバって言えるのか?」的なのがあったけど、最後のルンバは本格的でしたね。それにしても彼らの、何でも挑戦する精神には頭が下がります。一瞬のことで、人生が大きく狂ってしまう。 狂わされてしまったことに気がついていても、それをあまり苦にしないことはいいのかもしれないけど、狂わされてしまったことに気がつかない悲劇っていうのもありますよね。それが果たしていいことなのかどうかは人それぞれなので何とも言えない。だけど大事なことは、それでも幸せであるかどうかってこと。お互いがお互いを必要としているのかどうかってことでしょうね。エンドロールの、2人の映像がとても素敵でした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.08.12
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原題: L'ICEBERG/ICEBERG監督・脚本 : ドミニク・アベル 、 フィオナ・ゴードン 、 ブルーノ・ロミ 出演 : フィオナ・ゴードン 、 ドミニク・アベル 鑑賞劇場 : TOHOシネマズシャンテ公式サイトはこちら。<Story>ブリュッセル近郊。フィオナは近所のバーガーショップで働く主婦。ある夜遅く、一人で勤務している途中うっかり冷凍室に閉じ込められてしまう。次の日店員に発見され九死に一生を得るものの、夫のジュリアンも子供たちも家族の誰一人、自分の危険どころか不在にすら気付かず大ショック!(アイスバーグ!)(作品資料より)ルンバ!/同時上映:アイスバーグ! - goo 映画<感想>これもここでしか上映がなく、たまたま時間が空いてポイントもかなり溜まっていたので、2本立てを6ポイントで鑑賞。 結構お得な感じ。ドミニク・アベルとフィオナ・ゴードンの、私生活でも夫妻である道化師コンビによる長編映画第1弾。同じく道化師のブルーノ・ロミを制作に、フィリップ・マルツを共演に迎えている。なので基本的にスタンスとしては面白い。唐突に出現するイヌイットの女性の話すイヌイット語が、とても美しく感じる。(この女性も後の伏線となっているのですが。。。)冒頭のハンバーガーショップ(ここもかなり笑えますが)から、どうしてそのように繋がる!? ってくらい、話が支離滅裂な展開に。。。全ては、あの夜のハンバーガーショップの記憶がいけないのよ。。。 と思いつつも、そんなのありかよ!? って、あれよあれよな展開はさすがコメディアン。でも、本当にこの人たちは捨て身の演技ですよね。 よくやるな。。。笑いを前面に出しつつも、根底にあるのは、夫婦関係の揺らぎです。フィオナがいなくなったことに誰ひとり気がつかず、そして訳を尋ねようともしない。この空気感に耐えられなくなるのも無理はないでしょう。シュールな問題を示しつつも、ラストで登場するイヌイットの女性の屈託のない野性的な表情を見ただけで、日常の細かいことなど全てどうでもよくなってしまう。 それだけの力があの女性にはありました。つまんないことなんてどうでもいいじゃない? そんなおおらかさやパワーを感じた作品です。 アベル&ゴードンたちにいつの間にか圧倒されているんですよね。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.08.12
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原題: SERAPHINE監督 : マルタン・プロヴォスト 出演 : ヨランド・モロー 、 ウルリッヒ・トゥクール 、 アンヌ・ベネント 、 フランソワーズ・ルブラン 鑑賞劇場 : 岩波ホール公式サイトはこちら。<Story>1912年、フランス・パリ郊外のサンリス。貧しく孤独な女性セラフィーヌ(ヨランド・モロー)の日々を支えていたのは、草木との対話や歌うこと、そしてなによりも絵を描くことだった。ある日、彼女はアンリ・ルソーを発見し、ピカソをいち早く評価したドイツ人画商ヴィルヘルム・ウーデ(ウルリッヒ・トゥクール)に見出され、その後、彼の援助のもと、個展を開くことを夢見るようになる。そんな中、第一次世界大戦が起こり……。セラフィーヌの庭 - goo 映画<感想>公開1週目、平日の昼間なんで余裕でしょ・・・ と思ったら、ほぼ満席(汗)お盆だからでしょうかね。しかしながら年齢層高し。。。 あまりそういうことは関係なく混んでるんでしょうね。実在の画家をモデルにした映画です。セラフィーヌ・ルイの生涯についてセラフィーヌの絵は初めて見ました。印象としては、植物の中に、生々しい生命が息づいているといったところです。鮮やかでくっきりとしたタッチですが、正直、ちょっと自分は怖く感じました。(映画の中でも、役でそう感想を述べている人がいましたね)あれが2mくらいのキャンバスであったら圧倒されそうです。芸術作品にはその人の「念」が入っていて、絵画となりますと、音楽や小説とは違って一目でわかるだけに、印象は様々だと思います。幼いころから信仰心が篤く、また鋭い観察眼を持っていたセラフィーヌ。辛いことがあると、植物と話をすると、すーっと消えていくのよ・・・ と話す彼女は、自然を感じ取ることができ、またそれを自分の感性で表す才能があったのでしょう。そして、天使がお告げを・・・ とときどき感じさせるくだりは、あたかも、天使が彼女に降臨して書かせているような印象すら受けます。憑依(ひょうい)という言葉がある。まさに何かが彼女に憑いたのか、彼女の描く絵は、植物が中心にも関わらず、日ごろの彼女からは想像もつかないほどの生命力を感じさせている。彼女の想像力、表現力の豊かさを支えているものは、元来の才能のほかに、自然や信仰心という、スーパーナチュラル的なものなのだろう。そして、恐らくはその想像力、表現力を増やしたものとして、「生涯に1度だけしたこと」の影響は否定できないだろう。そのことに対しての恨みだとか悲しみだとかを、植物と対話し、絵にぶつけることで、セラフィーヌは生きてきたのかもしれない。常に頭の中には守護天使と絵のことがあるため、世俗に疎いのはどうしようもなく、結果、悲劇を迎えるのも切ない話ではある。だが、それも彼女の生きてきた証なのだろう。 誰が何と言おうとも、彼女は植物と向かい合い、単に精一杯絵を描きたかっただけなのだから。*********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.08.12
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Matt Bianco のライブに行ってきました。Billboard Live tokyo ページはこちら。Image150-1 posted by (C)rose_chocolat先月、Sheena Eastonのライブに行った時、Mattが予告で流れてて、もうその場で惚れ込んで行くことに決定(笑)チケット押さえて帰りました。正直、Matt Biancoには遅い世代? というか、1つ下の世代の方がコアファン多そう。UKというよりはUSAチャートの方が好きだったしね。この日は入門編ということで、そんなに無理しないでもいっかって話になり。では聞いてみましょうかというスタンスなので、カジュアルシートにしてみました。前でコアファンと違う動きするのも何ですしね。今回はカジュアルシートなんで、紙のチケットがあります。Image152-1 posted by (C)rose_chocolatお席はちょっと遠めですが、ワンドリンクつくのでお得感ありますよ。シーナの時はど真ん前で、どうしてもアーティストに釘付けだったんだけど、後方は後方ならではの楽しさがあるから。座っててもいいし、しゃべっててもいいし、飲食でもいい。結構自由です。ライブ開始前の景色。薄暮がいいですよね。終わるころには夜景になります。Image154-1 posted by (C)rose_chocolatそれでも一応、何も知らないのもよくないなって思い(汗)、予習していきましたよ。 これね。 ↓"What A Fool Believes" は知ってたんだけど、それ以外もなかなかいい感じじゃない?ベスト盤を聴いていたので、ほぼそれに近いラインナップのセットリストにも大体ついていけました。オープニングは "Dancing In The Street"、 これでウォームアップという感じ。2曲目に"Sunshine Day"が来て、ここでもう最前列のお客様がダンスです。こうなるとテーブル席が何となく窮屈に感じちゃいそうですね。"Whose Side Are You On?" "Don't Blame It On That Girl" などなどが中盤。日本のお客さんはどうしても遠慮がち? なので、中盤までは手拍子はするけどスタンディングが恥ずかしい的な感じでしたが、ここでバンドのウェストン・フォスター氏が、「あんたたち、寝てる場合じゃないよ! 立って立って!」的にお客さんを誘導。。。これ結構面白かった。そして "Wap Bam Boogie" "Yeh! Yeh!" などもうオールスタンディング状態で終了。80分くらいのステージかな。短い中にもギュッと詰め込んだ内容で、入門者にもついていけるし、何より多彩ですよね。 音楽が。Jazz、Swing、Bossa Nova、Salsaなどの要素があるからノリもいいし聴きやすい。暑い夏にはよく似合うナンバーです。よく見てみると、フォーラムなんかでもライブしてるんで、大きいハコも機会があったら行ってみたいと思います。Image156-1 posted by (C)rose_chocolat
2010.08.10
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原題: LE GRAND ALIBI監督 : パスカル・ボニゼール原作 : アガサ・クリスティー出演 : ミュウ=ミュウ 、 ランベール・ウィルソン 、 ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ鑑賞劇場 : ル・シネマ公式サイトはこちら。<Story>フランスの小さな村にある上院議員の邸宅に、招待客が次々とやってきた。精神分析医のピエール(ランベール・ウィルソン)はクレール(アンヌ・コンシニ)と結婚してからも、何人もの女性と関係を持っていた。その夜には現在の愛人である彫刻家のエステル(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)ばかりか、過去の愛人で女優のレア(カテリーナ・ムリーノ)もやって来た。さらにエステルを愛する作家のフィリップ(マチュー・ドゥミ)、フィリップに想いを寄せるクロエ(アガト・ボニゼール)も同席。翌日、一発の銃声と女の悲鳴が響いた。プールサイドでは血を流したピエールが倒れていた…。華麗なるアリバイ - goo 映画<感想>キャスト目当てで、ついつい行っちゃいました。今年のフランス映画祭でおなじみの女優さん多くて。。。アンヌ・コンシニにはサインまでもらっちゃった!ヴァレリア・ブルーニ・テデスキは、何といっても現フランス大統領夫人&元スーパーモデル&歌手のカーラ・ブルーニ・サルコジの実姉。 作品も実は結構観てます。 見た人の評判は今一つでしたけど、何となーく外せないかなっと。 自分で見て見ないとわかんないし。観終わってみて。。。これはもう、キャストを観る作品?女優たちの共演はさすがに飽きませんでした。 だって好きな女優さん多いし。アンヌ・コンシニは、どっちかっていうと「いい子」なイメージがついてるし、対するヴァレリア・ブルーニ・テデスキは、ひと癖ふた癖ある感じ。(カテリーナ・ムリーノは、同性から見ても見事でしたし。。)原作は未読ですが、これだけのことが1か所であるってことがフランスでは日常なのか? とも思わせてしまうくらいよくできたお話になっちゃってます。そしてピエールには共感はできないよね(苦笑)ミステリーってよくわからないのですが、進行役が本当はいるのではないの?それをミュウ=ミュウがするのかと思ってたんですが、残念ながらただの口うるさい人に終始してました。。進行役は刑事さんでも上院議員でもなかったなあ・・・。マルトやクロエも、今一つキャラクターに踏み込んでなかったですね。 もったいない。上院議員は自分のことしか考えてないし、銃の解説用のキャラなのか? と思ってしまいました。*********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.08.08
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原題: NO ONE KNOWS ABOUT PERSIAN CATS監督・脚本 : バフマン・ゴバディ出演 : ネガル・シャガギ 、 アシュカン・クーシャンネジャード 、 ハメッド・ベーダード鑑賞劇場 : ユーロスペース公式サイトはこちら。<Story>イランの首都テヘラン。インディー・ロックのバンドをしているネガルとそのボーイフレンドのアシュカン。2人は、ロンドンで演奏するのが夢だ。そのためにパスポートやビザが必要な2人は、便利屋のナデルを紹介される。ナデルは2人のCDを聴いて、彼らに協力する事を約束、偽造パスポートの元締めのところへ案内する。その一方、2人は資金集めのコンサートを開くため、バンドメンバーを捜しにテヘランのミュージックシーンを巡っていく。ペルシャ猫を誰も知らない - goo 映画<感想>政治的な背景、音楽もの、どっちも大好きな分野なんでさっさと行って来ました。いきなり知り合いがいっぱいいてびっくり。この映画に対しての期待値って高そうです。実際ゴバディ監督の来日が叶わないなど、映画制作には欠かせない自由な要素が阻害されている現実があるから。イランの若者たちの音楽シーンが本音で描かれています。ロック、ジャズ、ブルース、フュージョン、ヘヴィメタ、果てはラップに至るまで、こんなに彼の地の音楽ジャンルが多岐にわたっているとは。こうして紹介されなければ、それこそ「誰も知らない」訳です。気高くて美しいペルシャ猫のような、人を惹きつける魅力が、国家権力によって封印されている。 その基準は「イスラム的であるか否か」。 西洋文化を禁止しているイランにおいて、西洋の音楽などもっての外で、単に演奏しただけでも警察に通報されてしまう。彼らは何も国家に対して反逆しようという訳ではない。単に、自由に自分たちの想いを表現したいだけなのに、それが叶わない。音楽に接している彼らは本当に生き生きと、輝いていて、そういった日常の些細な表情を見るのも微笑ましい。その中で、体制に対して、どのように自分は対峙していくのかという葛藤とも常に向き合っている。この映画の中にも様々なミュージシャンが登場しているが、彼らの中には、自国が好きという想いを伝えたいから、国に残るという意思を示した者もいる。文化的表現は、しばしば思想統制と相反することもあり、また反体制に文化が利用されやすく人々も傾倒しやすいことから、当局は取り締まらざるを得ない。少し前に観た『小さな村の小さなダンサー』でもそうなんですが、規制の厳しい国で自己表現を自由にしたいとなれば、最後は国外へ行くという結末にならざるを得ない。その時の権力者の判断が、どの程度の方向に振られるかにも左右されてしまう。この映画の最終テイクを撮影してからわずか4時間後に本国を離れて、ロンドンに滞在している主役のネガルとアシュカン。そして、昨年6月のイラン大統領選直前にイランを離れ、海外に在住するゴバディ監督。誰しもが、自分が育った国が好き。 そしてそこで暮らしたい。自由に表現して生きていきたい。しかしその単純な想いが叶わない。彼らの実際の姿こそが、この映画により一層の現実を突きつけているという事実を忘れてはならない。**********************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.08.08
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5月から準備が始まった、こちらの仕事ですが、このたび、とりあえず終了になりました。早いね(笑)ま、いろいろあってさ。一番の要因は、経営者との見解の相違が、どーにも、埋めがたく。といったところでしょうか。やっぱり地方との仕事なんで、リレーションの悪さは致命的でした。あとは、ネットに疎いんですよ。 その方たち。どうにも感覚的に成り立たないものを感じたってとこですかね。ですので、早いですがここでいったんおしまいにして、新しい方向を模索することになりました。この1カ月は貴重な体験だったかもね。本業と家もありましたので(映画もか? 笑)、かなり肉体的にもハードでした。精神的にも、楽しんで焼くというよりも、常に売り上げを気にしながら、自分が焼きたいものというよりは、売れ筋パンしか焼けないというジレンマにみんなが陥っちゃってて、キツかったしね。なので、ストレス抱えながらよりも、ここは早めに、いったん終了にしよう! ということを決めました。最後に出したカンパーニュです。 白神こだま酵母。2個焼いて、1個は個人注文分、もう1つをお店に出しました。DSC00157 posted by (C)rose_chocolatこういう時って、皮肉にもよくできちゃうんですよね(笑)コルプかごの方を個人分に回しました。DSC00159 posted by (C)rose_chocolatこちらがお店分。 何故かクープ良好(笑)DSC00158 posted by (C)rose_chocolatここでタッグを組んだ2名とは引き続きプロジェクトを組んで、やっていきたいね! って。既に近々、新規の打ち合わせに入ります。いつまでも終わったことは引きずらないのが私たちのいいところ。ある意味、男らしい。 うん。 笑これに向けて、スキルアップと営業など、することたくさんあるーーーー何しようか? って、今度こそ楽しんでやっていきたいですね。
2010.08.04
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原題: CASTAWAY ON THE MOON監督・脚本 : イ・ヘジュン 出演 : チョン・ジェヨン 、 チョン・リョウォン 鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>人生に行き詰まり、ソウル市内に流れる漢江に飛び込んだサラリーマンのキム(チョン・ジェヨン)は、目が覚めると孤島に漂着していた。そこは都会にぽっかりと存在する、立ち入り禁止の無人島だった。幼い頃のトラウマで泳げないキムは自力で脱出もできず、目の前に街があるのに誰にも気付いてもらえないという孤立無援の状況。しかし、絶望の中で小さな“希望”を見つけ、アイデアをふりしぼり、サバイバル生活を始める。一方、対岸のマンションに住む女(チョン・リョウォン)は、3年間の引きこもり生活を送っていた。ある晩、カメラ越しにキムの姿を見つけて好奇心を抱いた女は、キムが砂浜に書いた「HELLO」のメッセージに応えるため、外の世界への一歩を踏み出す……。彼とわたしの漂流日記 - goo 映画<感想>『トンマッコルへようこそ』のチョン・ジェヨン主演ですので、ぜひとも観たかった作品。もうすぐ公開終了らしかったので、間に合ってよかった。こんな島って日本にもありそうですね。多摩川とか荒川とかでも見たような感じ。住んでいるお方も、いるような。。。ここでかなりの間気がつかれなかったのか? というのは置いておいて、何もない、救出されない状況で生きていくことができるんでしょうかね。自給自足ができたならもう何も怖いものはないような気がする。(実際はここまではできないと思うんだけど)今に絶望している、ということでは、キムも女も同じだった。だけどどこかで、今の状況をどうにかしたいという想いがあり、そして、どうにかしようと必死なキムを見つけて、女は自分と同じものを感じる。 すなわち「隔絶の、絶望の中で這い上がる」ことへの憧れ、自分がしたくてもできない形をキムに見出す。最初は興味本位、覗き感覚だった女も、キムの姿を応援したくなり、次第に自分には欠かせない存在になって行く。彼を応援したい、支えたい、そう思ってしまうのは、自分の心が未だ落ち着かない状態で、気ままに引きこもっているにも関わらず、これからどうなるのかという不安が彼女自身にあり、どういう結末を迎えるのか分からない彼と同じように感じたからではないだろうか。ジャージャー麺の一件も、敢えて拒否したってところに、彼の根性みたいなのがあって。 最終的に自分の意志を貫徹して、目的を成し遂げるところはよかったです。突然終わってしまうこの奇妙な「漂流」、しかし、なくなったことによって、彼女にとって本当に大事な物の存在が分かる。本能的に行かなくては! という気持ちが彼女を元の世界に戻したんでしょうね。何もかも失って、何もない生活を送ってきたと思っていた彼にとっても、いきなり何の問題もなくバスに乗れてしまうということが、空白だった時間を、拍子抜けするくらいにあっけなく埋めてしまっているようでした。半年ごとの、空襲警戒訓練という設定も、このジレンマを際立たせるのに効果的に使われています。あれだけのことを成し遂げた自分なのに、やはり取るに足らない存在かということが虚しく思った時の、ラストシーン。待っている人がいてくれるというだけで、人は生きていくことができるような気がしました。映像がとても綺麗なんですよね。キム版ジャージャー麺のシーンなんかはすごく美味しそうだったし。無人島なんだからもっと汚くてもいいはずなんですが、何故かそれは感じませんでした。つっこむとすれば、清掃に来た人たちは、彼を病院に連れていくべきなんじゃないかなーとは思うんだけど、そうしたらラストはないからね(笑)*********************************今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2010.08.04
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原題: INSADONG SCANDAL監督・脚本 : パク・ヒゴン出演 : キム・レウォン 、 オム・ジョンファ 、 イム・ハリョン 、 ホン・スヒョン 、 キム・ジョンテ 、 白竜鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>ある日、仁寺洞(インサドン)の骨董街を牛耳るギャラリーのオーナー ペ・テジン(オム・ジョンファ)は、朝鮮王朝期を代表する水墨画家・安堅の幻の名画「碧眼図」を手に入れる。修復に成功すれば時価数千億にもなるというこの水墨画の発見は、韓国内のみならず、世界的な注目を集める。この国家的な規模となる修復プロジェクトのために雇われたのが、神の手を持つと呼ばれながらも、ある事件により表舞台から消え去っていた天才修復士 イ・ガンジュン(キム・レウォン)。プロジェクトはイ・ガンジュンの登場により、更なる注目を浴びていく。しかし、その裏では、様々な人物による思惑が蠢いていた……。仁寺洞(インサドン) スキャンダル~神の手を持つ男~ - goo 映画<感想>本当は、パク・ヨンハ追悼上映『作戦 The Scam』が観たかったんですが、既に立見・・・ ということで、こちらも気になってはいましたので切り替えて鑑賞。キム・レウォンは初めて、オム・ジョンファは、『私のちいさなピアニスト』以来です。こういうテーマって決して嫌いじゃないんですよ。ただねえ・・・いかんせん、雑過ぎやしませんかね?特に感じたのは日本語のシーン。クロド? これはすごい。 笑いを通り越して、がっくし。。。白竜さんはいいんですが、会話する相手の方がね・・・。 オム・ジョンファはまだ少しは聞き取れましたけど(それでもちょっと映画レベルではないと思う)、ひどかったのは手下の男。 何言ってるのかわかんない(笑)字幕つけてもわからないレベルの外国語をスクリーンに出しちゃいけないような気もします。全編、マンガちっくな雰囲気が漂ってるんですよね。ペ会長のコスチュームとか髪型とか、結構お笑いに近いものがありました。もっと普通にしてもいいような感じがしたんですけどね。 あそこまで「いかにも悪役」っぽくしなくてもと思うんだけど。そして「神の手」なイ・ガンジュンなんですけど、どっからどこまでがいいやつで、どっからが悪い奴なのか? 微妙にも感じました。正義の味方っぽい気もするんですが、そこまでクリーンでもないような。。。最後の方などは、ファンサービスっぽいシーンなどが挿入されてしまっていて、やっぱり少し引いてしまうんですよね。ビターにしようと思えばすごく膨らますことができた素材だけに、残念だなーと。絵画のミステリーなんてすごく奥が深そうなのに、知識レベルのことがほとんど感じられず、追いかけに終始してしまってました。***********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.08.04
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原題: MAO'S LAST DANCER監督 : ブルース・ベレスフォード脚本 : ジャン・サーディ出演 : ツァオ・チー 、 ブルース・グリーンウッド 、 アマンダ・シュル 、 カイル・マクラクラン 、 ジョアン・チェン試写会場 : 一ツ橋ホール公式サイトはこちら。<Story>中国の小さな村で、貧しいけれども両親の愛を受けて幸せに暮らしていた11歳のリー少年(ホアン・ウェンビン)。毛沢東文化政策による英才教育で、突然北京舞踏学校の研修生に選ばれるが、お母さんと別れたくないと心細く泣いてしまう毎日。しかし、心からバレエを愛する先生の教えをうけて以来、率先して練習に明け暮れる15歳のリー(ツァオ・チー)。毛沢東の文化大革命、そして江青の失脚、そんな激しい時代に育ったリーにとっては、はじめてのアメリカ留学は、驚きの毎日だった。大統領を批判することもでき、自分の主張を話せる世界があることさえ彼は知らなかったのだ。[ 2010年8月下旬公開 ]小さな村の小さなダンサー - goo 映画<感想>実はオーストラリア制作だったこの映画。というのも、この話のモデルとなったリー・ツンシン(中国語のサイトです)は、現在オーストラリア在住で、オーストラリアでベストセラーとなった自伝を映画化したから。そしてそれを演じるのは、バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパルであるツァオ・チーなので、これはバレエシーンそのものにも十分期待できそうです。実話ということで、検索をかけるとわかってしまうのですが、国の体面と自分の希望との板挟みになるということですね。社会主義国家は、自由な表現を求めて国外へ行く人にとっては、まだまだ制約が厳しいですから、このテーマはこれからも続いていくでしょう。自由ではないから・・・ ということで海外に行かれては、国のメンツが立たない訳です。そして文革に置いては、まず革命的なのかどうかということが評価の中心になりますから、そこから外れたものは不満分子ということになってしまいます。「バレエに銃がない、どうしたんだ?」と言われても、そんなものは似あいっこないだろうに・・・ と、ずいぶんな無理難題を要求しています。しかしながらバレエのしなやかさと、革命の固さというものがマッチする訳もなく。そしてアメリカ留学をきっかけとしたリーは決断をします。貧しい農村から生まれた天才ダンサーですが、その陰には様々な苦難がありました。それは本人だけではなく、望まずして周囲も巻き込んでしまうものです。家族と裂かれる苦しみは、残される方の家族も同じことだし、まして政治的に糾弾されればなおさらだったかと。ですが、やはり最後は家族を想う心が彼を支持していたし、その想いに彼も十分応えて活躍をして今がある。複雑な背景のもと、運にも恵まれて花開く喜びを感じることができた作品です。*********************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点この時、真後に座った女子2名が私語がうるさくてね・・・しかも何故か関西弁。それでクライマックスが削がれたかも。 いい話なのに、超迷惑。。。
2010.08.03
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原題: L'AFFAIRE FAREWELL/FAREWELL監督・脚本 : クリスチャン・カリオン 出演 : エミール・クストリッツァ 、 ギヨーム・カネ 、 アレクサンドラ・マリア・ララ 、 インゲボルガ・ダプコウナイテ 、 ウィレム・デフォー 観賞劇場 : シネマライズ公式サイトはこちら。<Story>1981年のモスクワ。KGBの幹部グリゴリエフ大佐(エミール・クストリッツァ)は、フランスの国家保安局を経由して接触した家電メーカーの技師ピエール(ギヨーム・カネ)に奇妙な親近感を覚え、ある重要な情報を渡す。それは、スペースシャトルの設計図やフランスの原子力潜水艦の航路図など、ソ連が調べ上げた機密情報だった。世界の国家勢力を一変させる力を秘めたその情報の壮大さに、一介の技術者に過ぎないピエールは目を見張り興奮する。フェアウェル さらば,哀しみのスパイ - goo 映画<感想>クストリッツァって監督じゃないの?? 何で映画に出る?っていうところからまずこの作品に惹かれちゃいまして。早速観てきました。自分の中で、クストリッツァ作品って「一筋縄じゃいかない」ってイメージでして。。。これ鑑賞されるなら、ある程度、1980年前後の東西関係については、知っておきたいところでしょうね。でないと話についていけなくなります。歴史というか、近現代史というか、ここをリアルタイムで生きてる世代も多いと思うんで大丈夫だとは思いますが。フェアウェル事件 (eiga.comより)恐らく当時でもあまり話題にはならなかったであろう事件と推察される。こんなことが大々的に報じられたら、ソ連のメンツに関わるだろうし、当時はまだ社会主義体制が続いていたので、情報統制もかかっていたことだろう。歴史に残るペレストロイカの裏側にあった切ない話である。組織の中で自分のポジションを保ちながら、組織に背く。 それがスパイの役割ですが、どうしてそうしようとしたのかという動機が必ずあるはず。それがグリゴリエフの場合は、次代へ引き継ぎたいという想いだったということですが・・・ 息子との関係の中にそれを折り込んでいます。それプラス、このままではいけないというか、現体制への不満も大いにあったのでしょう。30年前の話なので、今ほど情報が瞬時には行かないかもしれないが、それでも常に不満分子を監視する体制があり、それをかいくぐって使命をこなす緊張感は尋常ではなかったと想像する。しかし、クストリッツァの演技には、何物をも凌駕していけるのではないかという信頼感が感じられる。ただ真面目だけではなくて、時には敵を欺くがための芝居も含めて。それは彼の監督としてのキャリアが生きているのかもしれない。裏腹な部分があるから、多方面で活躍できる人間になれるし、同時に欺くことも可能となっていく・・・ ある意味、狡さを感じさせる。もっともずるいことならば、上を行く人間も山ほどいた訳で、それが二重スパイと呼ばれる訳である。騙して騙されて。そして理想のために志を持ちながらも、実際に身近な人間への危険が及ぶとなると揺れてしまう心もあり。でもね、やっぱり、グリゴリエフって潔いんですよ。信頼のおけるものは守りたい訳です。その不器用さってとてつもない勇気なんだけど、やっぱり哀しい。彼は自分を偽っていないだけに余計そう感じる。歴史の狭間で懸命に生きた人間たちの、声なき声に応えてくれた作品、深く胸に沁みました。キャスト、主演2名は言わずもがななんですが、グリゴリエフの妻役のインゲボルガ・ダプコウナイテと、ピエールの妻役のアレクサンドラ・マリア・ララ、どっちもよかった。 それぞれ立場が違うから思うところも別なんだけど、その心情の表現がよい。そして! ウィレム・デフォー様が登場・・・ ずっとファンなんでやっぱり好きです。**********************************今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2010.08.01
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さっきこの記事書いたのに投稿したら何故か消えた! あ”ーーっなんで!?。もう1回書きます。いつもお世話になっている、映画blogerさんのCartoucheさんが、Bunkamuraギャラリーに、フラワーアレンジメントを出品されるということで、行って参りました。DSC03979 posted by (C)rose_chocolatBunkamura summer craft collection -たいようのかけら- 公式ページはこちら。Cartoucheさんとは観る映画が似てて、今年のフランス映画祭でもご一緒させていただいたり、交流のあるblogerさんです。作品をご紹介します。DSC03972 posted by (C)rose_chocolatDSC03973 posted by (C)rose_chocolatDSC03975 posted by (C)rose_chocolatDSC03974 posted by (C)rose_chocolat壁掛け、コサージュ、ネックレス、スタンドなどなど。バリエーションいっぱいの展示です。私は、1番下の写真のピンクのコサージュと、リボンネックレスを購入させていただきました。リボンネックレスはとても軽くて、つけていることを忘れてしまうくらい。やっぱり、展示って見ていると飽きないですね~。 綺麗なお花とアクセ・・・ 他の作家さんたちの作品も見て回って、いろいろな世界があるなと楽しんできました。Cartoucheさんは、今月また展示を別のところでなさるようですので、またお伺いできたらと思っています。 ありがとうございました。
2010.08.01
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原題: NE CHANGE RIEN監督 : ペドロ・コスタ 出演 : ジャンヌ・バリバール 、 ロドルフ・ビュルジェ 、 エルヴェ・ルース 、 アルノー・ディテリアン 、 ジョエル・テゥー 観賞劇場 : ユーロスペース公式サイトはこちら。<Story>『そして僕は恋をする』(アルノー・デプレシャン)や『恋ごころ』『ランジェ公爵夫人』(ジャック・リヴェット)などに主演し、若手から巨匠まで現代フランスにおける映画作家たちのミューズとして知られるフランス人女優ジャンヌ・バリバール。歌手としても知られるバリバールの音楽活動の軌跡を、『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』で世界中の気鋭の映画作家たちやアーティストたちを刺激し続ける、今最も注目を集めるポルトガルの鬼才ペドロ・コスタが独自の視点で映画にした。(作品資料より)何も変えてはならない - goo 映画<感想>私が観た回の終了後に、ペドロ・コスタ監督のトークがあったようで、超満員はそれでなんだ、と思ったのですが、所用で残念ながらトークはパスしてしまいました。なのでこの作品の本質的なことってわかってないと思うのですが。。。(トーク聞いてくればよかったかな)ただ言えることは、徹底的にバリバールの音楽を追求していることで、白黒の画面、そしてステージと練習風景を敢えて繰り返し、バリバールのトークによる説明は一切してないことで、頑なに「何も変えてはならない」姿勢を打ち出しているような気がする。雰囲気的に、この映画に似ていると感じました。モノクローム、そして長回しが多く恣意的な作品ということです。この監督の作品、そして関連諸事項の変遷の知識なしにこの映画を観賞することは、理解するのに非常に難解に感じたことは事実です。バリバールも知らないのに観た私がいけなかったかな?劇中に説明は一切なく、雰囲気で感じ取る作品のため、予備知識がないとついて行くのは難しいです。彼女は非常にテンポを気にしながらレコーディングしていて、またテンポに合わせて歌うのが苦手なように感じました。ただし、ステージでの曲はその場の雰囲気にピタリと合ってくる。思いついたまま、意のままに歌うこと、そのスタイルを貫くことを変えない、という風にこの映画を解釈しました。予備知識を必要として空気を感じ取るアート的な作品ということで、今回は★はつけられないと判断しました。
2010.08.01
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監督 : 川口浩史 出演 : 尾野真千子 、 原田賢人 、 大前喬一 、 ホン・リウ 、 チャン・ハン 、 ワン・ファン 、 ブライアン・チャン 、 メイ・ファン 観賞劇場 : シネスイッチ銀座公式サイトはこちら。<Story>父を亡くした年の夏、敦(あつし・原田賢人)と凱(とき・大前喬一)の兄弟は母(尾野真千子)に連れられて、初めて父の故郷である台湾の小さな村を訪れ、祖父母(ホン・リウ、メイ・ファン)に温かく迎えられる。敦は亡き父が大切にしていた古い写真にトロッコと写る少年が遥か昔の幼い祖父の姿だと知る。山林を走るトロッコに乗れば日本へ行けると信じていたと懐かしそうに語る祖父。ある日、母に置き去りにされるのではないかと不安を募らせた敦は凱を連れてトロッコに乗り込む。トロッコ - goo 映画<感想>『カラフル』試写のあと、渋谷に直行の予定でしたが、シネスイッチの前を通ってちょっと気が変わりました(笑)あと10分でこの映画が始まるところで、どうしようかなーと迷っていたのもあり、思い切って予定変更してこちらを観ることにしました。予告でも気になっていましたので。原作は、小田原~熱海間の軽便鉄道敷設工事を描いた短編で、この、トロッコを押す部分がそのまま映画の中でも使われている。 原作は映画の一部という構成。そして舞台を現代の台湾に移し、日台の関係なども絡めるあらすじになっています。原作読むと、トロッコを押す間の情景が浮かんでくるようで、それはまさに映画の中の風景そのもののようです。思うに、この景色を再現したくて、この設定にしたのではないかなという気もします。昭和初期の熱海の山中が、現在でも台湾の山岳部にそのまま存在している。その中をトロッコが風を切って走る。なかなか涼しげで、しかも乗り物と来れば、男の子の冒険心を満たすには絶好の「遊び道具」ではないかな。この風景を出すがために設定した話ですが、これが偶然なようで、でも映画として観ていると、不思議と無理なく入ってくる。日本と台湾の血を引く子どもたち、だけど心は当然母親にある訳です。母は、不義理にしていた台湾の義父母、親類に対しての負い目と、台湾の大自然の中で伸び伸びとする子どもたちの様子を見て、このまま日本に帰国しない方がいいのではないかと迷ってしまう。義父は義父で、日本占領下の教育を受けた人間として、日本の善き部分を胸に生きていることが反面彼の足かせにもなってしまっている。 しかしながら孫子たちの現状も理解したい。様々な想いを胸に集まる人々を包み込んでいくのは、台湾の昔ながらの風景と、目に沁みるような緑の木々。 これが本当に涼しげで、この中を駆け抜けたら気持ちいいだろうなーと思わせます。クライマックスのトロッコのシーンで、泣きながら走る子どもたちの中に去来した寂しさとか恋しさ、切なさ、そういうものを全て昇華していけるような緑に包まれて、観客も心が安らいでくる。ラストシーンで、歩いていく義父の、一瞬暗澹となった表情の中に、この家族が抱える問題の複雑さを伺うことができる。 それでも、そのどうにも動かしようもない事情ですらも、台湾の自然の前では本当に些細に思えてくるのかもしれない。 清々しさと力強さに溢れた作品でした。***********************************今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.08.01
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監督 : 原恵一 原作 : 森絵都 脚本 : 丸尾みほ 試写会場 : よみうりホール公式サイトはこちら。<Story>「おめでとうございます、抽選にあたりました!」突然現れた天使により“ぼく”の魂は、自殺してしまった少年“真”の体にホームステイすることになる。現世に戻る再挑戦のために真として生活をはじめた“ぼく”は、やがて彼が死を選んだわけを知る。最初は気楽なホームステイだったが、真と同じ立場で彼の生活を体験する中で、“ぼく”はこの再挑戦の本当の意味を考えはじめる。[ 2010年8月21日公開 ]カラフル - goo 映画<感想>原作、また原監督の過去作品共に未見。文芸ものをアニメに映画化というのも珍しい感じなので興味ありました。森絵都さんは数作品読みました。印象としては「中学受験頻出作家」なんですよね。 少年少女の成長がテーマというのが非常に多く、国語の問題によく出題されます。なので映画化しやすいのかもしれません。本作では、プラプラという「天使」(でいいのか?)が出てくる、あとは死語の世界などの描写もあるため、実写よりもアニメの方がすんなりと入って来そうな気もします。子どもたちも今はストレスにさらされ、受難の時代です。たぶん何のストレスがなく学校生活を送っている子は皆無かと感じます。いじめは昔からありましたが、こうも日常化していて、することされることが当たり前になると、もう良心の呵責というものはほとんど感じないのかもしれません。ひたすら被害者だけがその痛みを背負い、自分を透明にしていくことで痛みから逃れようとする。 それしか対処法がない。生まれ変わるチャンスをもらった「ぼく」は、「真」の身体を借りてそれにふさわしいかのテストをする、ということですが、真の事情を知って行くにつれ、だんだん目線が真になって行く訳です(これは当然ですが)。そして真が生きていた世界で、真が得られなかったものを感じ取って行くことになります。学校生活で一番みじめなのは、移動の時や休み時間、放課後に居場所がないこと。。。 というのを子どもたちは必然的に思い知っています。これは辛いものです。真を通じて初めて知ったもの、それは「友達」でした。「ぼく」は、自分の将来よりも、今を生きることを選択していきます。それは、今が楽しくて充実していれば、おのずから将来にもつながるのではないかということを、本能的に悟ったからなのでしょう。それほど、成長期の子にとって、友人と過ごす時間はかけがえのないものなのです。自分の子と重ね合わせてもよくわかります。「真」にとって、自殺を決意させるほど重要な事件ですが、これが間髪入れずに起こってしまうのがどうも・・・ とも感じます。ひろかはまだ心境を出すのでわかりますが、問題はもう1人の方で、どうしてそのようなことをしたのかが明確になってなかったように感じます。実はここが「真」が成長するにあたってのキーとなるようにも思ったんだけどね。なんかあやふやじゃなかったかなーと。話としてはとても納得のいくものなのですが、そのパターンに落ち着くかなということが割とすぐわかってしまい、『サマーウォーズ』のような新鮮な驚きとはまた別のような気もします。こちらが原作ありき、そしてシュールなので致し方ないとは思いますが。東急大井町線近辺が舞台で、かなり細部にわたって細かく描かれていて、二子玉川駅の再開発の、建築中のビルまでそのまま描かれているのにはびっくりしました(笑)駅なんかも、工事中まで写真みたいで面白かったです。等々力渓谷が涼しそうで行きたくなっちゃいますね。他にも懐かしい玉電(乗ったことないですよ。 笑)にまつわるお話など、マニアにとってはかなりそそられそうな要素もありました。************************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.08.01
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原題: SALT監督 : フィリップ・ノイス 出演 : アンジェリーナ・ジョリー 、 リーヴ・シュレイバー 、 キウェテル・イジョフォー 試写会場 : 東京国際フォーラム公式サイトはこちら。<Story>何者かの陰謀によって、ロシアのスパイ容疑をかけられたCIAエージェント、イヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)。彼女は自分の容疑を晴らすため、ひとりでエージェントとしての技術を駆使し、CIAの追跡をかわしながら、陰謀の真相を突き止めようと奮闘する。ソルトの孤独な戦いが始まる。(作品資料より)[ 2010年7月31日公開 ]ソルト - goo 映画<感想>ジャパン・プレミアに行って来ました。 プレミア、久々の自力当選。いやー珍しい! 倍率高いしね。と思いつつもシッカリ楽しんで来ちゃいました。 何たってアンジーだし☆途中ソニービルの壁に大きく出てました!ソルト1 posted by (C)rose_chocolatまずはプレミア。私たちはレッドカーペットには入らず試写のみですので、座席での鑑賞です。カーペットに入れない人のために、様子を客席に生中継して見せてくれるので、涼しいしストレスなく楽ちん~。かと思いきや。。。ソルト2 posted by (C)rose_chocolatこの映像撮ったカメラマンさんが申し訳ないけどホント無理(!)で、やたらズームと引きを繰り返し、アンジーが見にくいことこの上なく。ちゃんと客席に中継と書くならきちんと見えるように映してほしかったなーと。おまけにライトも逆光からで、まともなお顔はこのくらいしか見れませんです。しゃべりながら座ってたんでこの中継にあまり執着もなかったんですけど(笑)、せっかくの美しいアンジーはもっと見たかったですね。そしてカーペットが終わって舞台挨拶です。うつくしい~~。美しいご様子は、こちら(写真すごい!)や、こちらなどでじっくりとどうぞ。この映画に臨むに当たり、アンジーは実際に本物の女性スパイにも面談したという話で、そんな企画が通るのかとそのことにびっくりしたりもしました。この6月に、実際にアメリカで潜伏スパイ10名が逮捕されたニュースもありましたし、こういう話はまだまだ現実存在するんだろうなと思います。次回作が控えてるんでしょうか? 「すぐ来ます」的なことを何回もおっしゃってましたね。「今回は本当に短い滞在なんですが、次回はもっとゆっくり家族で日本に来たいですね」と、強調していました。それもそのはず、彼女この後韓国に向かったとか。。。お子さん4人連れてすごいな。背中がぱっくりと開いた黒のロングドレスはヴェルサーチ、靴はグッチというご紹介がありました(笑) このドレスがすごい。 もんのすごーいスリットで脚長強調! アンジーしかできませんね。 はい。噂のタトゥーもしっかりとスクリーンで確認してしまいました。 ほんとなんだね。そしてようやく映画です。 15分遅れで開始。このすぐ前に『レポゼッション・メン』を鑑賞してきたせいか、リーヴ・シュレイバーがほとんど変わらないフィギュアで登場してて、自分の中では「リーヴ・シュレイバー祭り」になった感じ(笑)役も似た感じだし。。。まあ、そんなことよりもアンジーなんでしょうね。 この映画。あまり深く考えずに彼女のアクションと綺麗めを楽しむというか。 アンジーじゃないとキマらない場面もいっぱいありました。果たして彼女が二重スパイなのか否か?そこはもう映画で確かめていただきたいのですが、とりあえず続編を作る気はたくさんおありのようです(笑)あんな場末にあんな美人がやってきたら目立っちゃってしょうがないでしょうに! とツッコミたくなるシーンもいっぱいありましたが、彼女のスパイぶりですよね。 見どころは。接近戦など見ると、アクションはかなりトレーニング積んでるんでしょうね。。。 と思わせるものはありました。それと、予告でもやっていましたが、変装してもアンジーだからキマるというのもまた楽しみなところ。(最後のはびみょーでしたが。。。)スパイという特殊な任務をアクションを絡め、また自分の出自や私生活との葛藤も交えているのはいいんですが、できればアクションのみに偏らないで掘り下げてほしかったな。。。 と思わなくもないです。せっかくのテーマなのにちょっともったいない感じ。私は映画の仕掛けとか結末を予想したりするのがすごく苦手なんですが、そんな自分ですら最後の20分くらいになると、これはもうあれしかないぞというのがわかってしまいまして。。。その浅さがね。 うーん。「『007 カジノ・ロワイヤル』の時に、ボンドガールのオファーを断ったのは、ボンドがやりたかったから・・・」 という彼女の意気込みはすごくよくわかるし、実際に「女性版ボンド」にふさわしいアクションだったと思いますが、夫との関係が成り行き上あまり深く描写できないためにどうしても掘り下げができにくかったのかもしれません。『チェンジリング』と比べてしまうと、どうしても彼女の映画もハードル高くなってしまうんですよね。 彼女の深い描写がもっと見たかったような気がします。まあ、そんなこと考えずにデートムービーくらいでお気軽に鑑賞するのなら、十分なのですけど。**********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.07.27
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原題: REPO MEN監督 : ミゲル・サポチニク 原作・脚本 : エリック・ガルシア 脚本 : ガレット・ガーナー 出演 : ジュード・ロウ 、 フォレスト・ウィテカー 、 リーヴ・シュレイバー 、 アリシー・ブラガ 、 カリス・ファン・ハウテン 鑑賞劇場 : TOHOシネマズみゆき座公式サイトはこちら。<Story>人工臓器を付けることで健康と延命が図られている未来。ユニオン社は、様々な臓器をローンで売っていたが、支払いが滞った場合、レポ・メンを差し向け、臓器を容赦なく「回収」していた。一流のレポ・メンであるレミー(ジュード・ロウ)は、親友のジェイク(フォレスト・ウィテカー)とともに回収した臓器の数を競っていた。しかしレミーの妻(カリス・ファン・ハウテン)は人の命を奪う夫の仕事に嫌気がさし、家を出てしまう。ある日、レミーは仕事中に「事故」に合い、今度は自分に人工心臓が取り付けられる事態に陥る。レポゼッション・メン - goo 映画<感想>ついこの間公開したかと思ったらもうみゆき座は7月29日までだそうで、急いで行ってきました。 間に合ってよかった。やっぱりジュード・ロウなので外せませーんっっ。この日はフォーラムに行くのでその前の空き時間に観賞です。のっけから血が。。。 うぁぁぁすごいです。 これ。血が苦手なんですがこんなに見ていいんだろうか(笑)そんなこと思いながら観てましたが、これがなかなか面白い。クルマのローンを返せなければクルマを差し押さえ。家のローンを返せなければ家を差し押さえ。そして臓器のローンを返せなければ臓器を差し押さえ。臓器の差し押さえって、内臓なのにどうするの? と思いきや、その臓器を取り出して「回収」することが差し押さえとな。。。アメリカではローンが払えなくて、家をはじめとして生活物資を丸々差し押さえられてしまう例が社会問題になってますから、このようなテーマが出てきてもおかしくはないように思います。映画の中での差し押さえと言えば、『フローズン・リバー』や『キャピタリズム ~マネーは踊る~』 などにも描かれていますが、あくまで事実に近いことを描いているのに対し、本作は架空の問題として臓器回収を描いています。それにしてもこの「回収」、近未来では合法化されているという前提で描くのはすごい。もちろん基本は殺さないように回収するわけですが、その臓器がなかったら生命維持ができないので、どのみち回収された側は死ぬことになる。かなり高額なローンなのに平気で組む人がいて、またそのローンが払えなさそうな人にも貸し付けてしまう。人工臓器を入れる側の心得もかなりいい加減で、病気になったからという理由じゃないのも度胸がいる話。美容整形的感覚?事故とか病気ならわかるけど、目の色を変えたいとかアップグレード(パソコンかよ?)したいからという理由で、必要もないのに簡単に返せない借金を組む人も多いから、そういった意味で自分の欲望の赴くままに生きることに対しての皮肉めいた描写とも取れる。レポメン=回収人がその職業を選ぶというのも、元々の人生の中にそれに惹かれる性質があった訳で、その自分の生き方に対しても疑問を持ってしまったレミーはもうレポメンには戻れない。いとも簡単に臓器回収が仕事だからといって、単純にのめり込んでしまうのも、人間性の観点から考えても問題はある。ローンが返せない人から非情にも全てを剥ぎ取ることはむごい。 しかし契約は契約。。。 差し押さえを仕事としている人も良心の呵責を感じることもあるのかもしれないが、仕事は仕事、と、自分を押さえこんでいってしまうのだろうか。マンボは1人では踊れない、ではどうするのか? という問いかけに堪えるのは正直辛い。しかし鼻歌交じりになら、楽しみながらならそれは可能となる。そこを人としてどう思うか、っていうのがこの映画の主題かな。音楽も新旧交えて効果的に使っていて、視覚的にも、血のシーンがグロテスクではありますが必要不可欠にもなっちゃってました。最後の展開、これよかったです。 やっぱり Everyday will not be like a holiday ってことか。。。***********************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.07.27
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原題: EXTRAORDINARY MEASURES監督 : トム・ヴォーン 脚本 : ロバート・ネルソン・ジェイコブス 出演 : ハリソン・フォード 、 ブレンダン・フレイザー 、 ケリー・ラッセル 、 メレディス・ドローガー 、 ディエゴ・ヴェラスケス 、 サム・M・ホール 観賞劇場 : 横浜ブルク13公式サイトはこちら。<Story>ジョン・クラウリー(ブレンダン・フレイザー)はオレゴン州ポートランドに暮らすエリート・ビジネスマン。しかし、3人の子どものうち2人がポンペ病と言う難病に冒されていた。ポンペ病患者の平均寿命は9年…。長女のメーガンが8歳を迎えた頃、ジョンはネブラスカ大学にロバート・ストーンヒル博士(ハリソン・フォード)を訪ねた。彼はポンペ病研究の第一人者で、治療に有効な薬の開発を研究していたのだ。ジョンは子どもたちのために、博士と共同で製薬会社を立ち上げるのだった。小さな命が呼ぶとき - goo 映画<感想>珍しく初日観賞。 来週の火曜か水曜でも全然問題なかったんですが、出かけちゃったついでに観てきました。 スクリーンはかなりの入り。これは、いわゆる「難病もの」のカテゴリに入ってしまうのかなとも思いつつ、外国の制作なので、日本のもののようにただ単に情に流される作りにはなってはいないだろうと予測していました。さすがにそこはアメリカならではの描き方で、ジョンの中に、ファミリーを守りたい想いと、企業倫理との間に揺れる心を持たせています。彼の根底にあるのは、ひたすら子どもたちへの想いであり、それなくしては彼の行動力はあり得ない。だから、ストーンヒル博士にも頭を下げ、作った会社も買収させてしまいます。でも彼にとってはそれでいい、子供の命が助かるならば。重役が彼に言う言葉っていうのも、逆の立場から考えれば至極もっともなんですよね。FDAの規約もあり、そして企業としての公私混同も許されないとあれば、立場としてジョンにそうするしかなかったのではないかと。ストーンヒルの性格が。。。 という発言だって、企業を保つためには仕方がない論理だったりします。ストーンヒルを演じるのはハリソン・フォード。見かけを裏切らない? 頑固科学者ぶりですが、そんな彼も、ジョンの想いに応えるべく自分自身を変化させていっています。それまではひたすら自分を通してきたように見える彼が変わって行き、結果としてみんなを救うことになる訳です。いいものを持っていても、どこかで歩み寄らないと生かすことは難しい。今回はそれがうまく作用したようにも感じます。全体的にポンペ病のことはさらりと描いていて、それが映画の流れを作って行きましたが、メーガンちゃんがあれだけハッキリとしたキャラだっただけに、彼女の心境などがもっとあるといいかなと思いました。それでも、1つのことに立ち向かう際に味わう様々な要素を出し、結果も納得させるもので、実話の映画化としては成功していると感じました。***********************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.07.24
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原題: TOY STORY 3監督 : リー・アンクリッチ製作総指揮 : ジョン・ラセター脚本 : マイケル・アーント声の出演 : トム・ハンクス 、 ティム・アレン 、 ジョーン・キューザック 、 ネット・ビーティ観賞劇場 : 109シネマズMM横浜公式サイトはこちら。<Story>おもちゃのウッディやバズと楽しく遊んでくれたアンディも、いまや17歳。大学に進学するため、家を出ることになった。だが屋根裏部屋にしまわれるはずだったおもちゃたちが、ちょっとした手違いからゴミ捨て場に出されてしまう。どうにかゴミ袋の中から逃げ出したものの、アンディに捨てられたと誤解したおもちゃたちは大ショック!! 仕方なく、託児施設に寄付される道を選ぶ。だが「また子どもたちに遊んでもらえる!」と喜んだのも束の間、そこにはモンスターのような子どもたちにもみくちゃにされる、地獄の日々が待っていた…!トイ・ストーリー3 3D - goo 映画<感想>なかなか夏休みの大作映画に行けなかったんですが、ようやく観賞。(ちなみに1・2は未見)これは字幕版にこだわりたかった。3Dにはこだわりませんが、吹替だとちょっとな。。。 と思ってしまいましたので。注意して観ていると、ちゃんと口の開き加減が英語そのもので(当たり前なんだけど)それはそれで面白い発見。あちらのアニメの表情ってまさにアメリカ人そのもののリアクションを入れてるんで、そういうのもなるほどと思う。観賞前に昼ごはん食べて、しゃべりまくってたんで(笑)、やっぱり映画の予告編は眠くなり。。。ピクサー恒例の短編「デイ&ナイト」、これがもう、うつらうつら状態。 2人出てきて、お腹が透けて何かが写っていたのは何気に見たけどもうアウト。 寝てしまいました。。。 誰か教えて(笑本編で無事に起きたんでよかったはよかったけどーーーおもちゃ。うちにも死ぬほどあります。どうしても子どもが増えるとおもちゃだって加速度的に増えるもんね。で、大きくなって、「これもう遊ばないから捨ててもいい?」 って訊くと、「ダメ」と言われてしまう(笑)そうは言ったって遊ばない者は遊ばないし、収納場所だって限界があるし、どうにかしないとおもちゃに囲まれて寝ないといけなくなる。。。でもその整理は本人にさせないとダメなんですよね。 自分でこれは必要、これはもういいかな? と判断させないと。今回、どこがツボだった? って訊かれたら、アンディが家を去っていくんだなっていう実感があったこと。子どもなんてホントあっという間に大きくなります。うちの上の子もアンディとそう年齢変わりません。 この夏休みはそろそろ大学受験を意識してもらわないと、ということでオープンキャンパスに出かけます。アメリカの大学は親元を離れて暮らす子も多いから、巣立ちの場面も多いんでしょうね。ママがアンディに、「もっといたかった」と話しかけるシーンはやっぱりツボに来てしまいました。自分は子どもたちに対しては、成長とともに存在を薄めていくことを考えているので、日ごろはあまりベタベタしませんが(年頃なので相手も嫌がりますし、私もそんなことしないので当たり前なのですが)、本音はそりゃあ、子どもは気になりますし、可愛いです。ただし、そういうことは節目にしか言えないというか、言わないことでもあります。だからそうやって、堂々と言える関係というのはいいことですし、無事に子どもを育てた証となるのでしょう。もちろん、メインのおもちゃたちのあれこれもよかった。私はこのシリーズは初めてでしたが、違和感もなくこの世界に入れました。もういらないから捨てる。でもおもちゃにももしも心があったとしたら。自分は捨てられた、というトラウマが残ってしまったら、それはひねくれてしまっても仕方がないかもしれない。 人間だってそうです。しかしウッディは違います。彼はアンディの仕草から、決して捨てたのではないことを仲間に説明するけど、事実だけしか知らない仲間たちはそれを信じない。ウッディだって正直自信はないけど、それでも最後の最後まで彼はあきらめなかった。アンディを信じたわけです。それについていく仲間たちの姿も素敵だったな。みんなで一緒にいようよ! と言いたくなる仲間たち。他者を貶めて支配する生き方を誰かが始めてしまうから、行きにくい世界になる。 そんなことは止めて協力して行けば、世界はこんなにも安らいで楽しめるものになる。そんなほのぼのとした感動がありました。***********************************今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2010.07.23
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監督・脚本 : 香月秀之 脚本 : 松尾朝子 主題歌 : 東方神起 出演 : 溝端淳平 、 木南晴夏 、 五十嵐隼士 、 大森絢音 、 DAIGO 、 藤原竜也 、 本田博太郎 、 宮崎美子 、 隆大介 、 高嶋政宏 、 高島礼子 試写会場 : ヤクルトホール公式サイトはこちら。<Story>高知県出身の寺本新平(溝端淳平)は、プロを目指して東京でカメラマンのアシスタントとして奮闘していた。ある日、5年ぶりに高知に帰った新平のもとに、かつての恋人・香織(木南晴夏)が「一緒によさこい祭りに出て欲しい」と訪ねて来た。難病に侵された7歳の妹・さくら(大森絢音)の夢を叶えるために、かつてのチーム「いちむじん」を再結成してよさこい祭りに出たいと言うのだ。新平たちはかつてのチーム「いちむじん」を再結成し、よさこいの練習を始めるが…。[ 2010年9月11日公開 ]君が踊る、夏 - goo 映画<感想>お友達から、お仕事で行けなくなってしまったので。。。 という試写を譲っていただきました。そうじゃなければ絶対に観なかったかなあと思うジャンルではあります。阿波踊りは関東でもお祭りをしているところが多いせいか、割となじみはあるのですが、この映画の背景となったよさこい祭り。 これ、初めて見ました。社団法人高知市観光協会のよさこい祭りのサイトはこちら。阿波踊りに対抗して作られたお祭りだそうです。フロートがあって(地方車(じかたしゃ)って言うそうです)、そこに音楽チームがいて、その後に踊り子さんが続いて、という形は、横浜の、「ザよこはまパレード」(国際仮装行列)にも似ています。一見伝統ある雰囲気のように見えますが、実はすごく自由に作られているような感じもしますね。 音楽も好きなように作っていいようですし。そして衣装がすごく凝ってる。振り付けも可愛いし、ダンスという雰囲気です。夏らしいお祭りですね。本作は、私が苦手とする「難病もの」か。。。 と思っていました。あと苦手なのは「ペットもの」「子どももの」。どれも、本題とは別に、その設定の特殊さで観客を引こうという目論見が見えがちな作品が、ままあるからです。本作ですが、観賞し終わると、必ずしもその要素を前面に出していた訳ではないのだなということが分かる。 さらっとだけ入れてます。(これでもか、これでもかと出す映画も多いのでね。。。)あくまでも、新平と香織、新平とさくらのエピソードを中心に置いていたのがよかったように思います。 お話としては、その生き方もあるか・・・ というのが何となくわかる部分はありますが、それをうまくカバーしていたのが木南晴夏ちゃんの魅力のような気がします。彼女は『20世紀少年』シリーズで観て、存在感がある女優さんだなと思ってました。 彼女のいろいろな表情がここで観ることができるので、ファンならたぶん満足できる作品なんじゃないかなと。よさこいのメイクをした晴夏ちゃんすごく綺麗! さくらちゃんもかわいい。大事なもののための行動力と、そして自分の想いとの狭間で揺れる女の子を好演していました。溝端くんは今回初めてでしたが、今勢いがあるんでしょうね。 先日乗った電車の中に彼のコンサートの広告がありましたし。彼と五十嵐隼士くんとの絡みのシーンもやっぱり何となく気になりますし。あとはDAIGOさんなんかはお約束って分かってても笑ってたりします。 そして今回この映画で印象的だったのは高島礼子さん。着物着て高知の女を演じてるっていうのはあまりにも彼女にとってハマってました(笑) 若手を引き締める役割もしていたり。隆大介さん、久しぶりにスクリーンで観賞しましたが、いい感じのお父さん役でした。 みんなベテランになって若手が世代交代。。。 っていうのかな? それにしても本作の公開が9月11日というのは何とももったいない。よさこい本番が8月10日前後ということですので、ここに合わせて公開すればいいのに。(9月公開にしては一般試写が早すぎるような感じもするのですけど)よさこい本番、夏本番という雰囲気が全体にわたってありますので、公開が9月ですとどうなんでしょうか。それでも夏の雰囲気は残っているとは思うのですが。。。**********************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.07.22
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3連休の最大のお楽しみ♪ だった、Billboard Live tokyoに行ってきました。この日はSheena Easton。Billboard Liveは、東京ミッドタウンの中にあります。DSCI0008 posted by (C)rose_chocolatガレリアの4Fに着くと、そこには大人のための空間が広がります。DSCI0011 (2) posted by (C)rose_chocolat本当に楽しみにしてました!!Sheena Eastonを知らない方のために基本情報。DSCI0012 posted by (C)rose_chocolatこういう、大人のためのライブハウスがあるってすごくうれしいことで、もう全曲立ってライブを観賞するのは結構キツかったり(爆)するんですよね。ちょっと座って、ゆったりとライブを楽しみたい。そこにドリンク&フードなんかがあってもいい。綺麗な景色とともに。いい空間じゃないですか。。。そして、80年代ポップスの王道なSheena Eastonでしょ。これは行くしかないです。 マジで。今回は自由席で、運よくステージ下手の最前列。真横ではありますけど、実はここ花道になってて、アーチストをかぶりつきで見れます! すごい。。。Sheenaが何回も私たちの前を通り過ぎ。。。 感動です。だって昔聴きまくった憧れの方が目の前に。。。 この日のセットリストはわからなかったんですが、2曲目 "Strut" の時にSheenaが客席まで降りて歌ってくれて、その時に握手していただいちゃいました。かんげき~"How are you?" って言いながら!あとの曲は、"9 to 5" "Suger Wall" "For Your Eyes Only" などなど。。。コーラスの男性がKenny Rogers役をやりながらの、"We've Got Tonight"もよかった。その中でもMC交えながら印象に残ったのが、"Telephone"。「昔は恋人からの電話を待っていたものだけど、今は携帯があるから、うっかり取れなかったってことはないものね」と。そうですよね。 もう彼女の歌手歴も30年以上になる。リスナーの私たちだってそう(笑)この日の客層も見事に? アラフォーアラフィーばかりで。。。そして時も流れてて。Sheenaにはお子さんが2人おられるそうで、ティーンエイジャーの息子さんはYou Tubeばかり見てて、昔のママを見つけ、「何これ? ママ、全然違う、今、よくそんな恰好でみんなの前で歌えるなー」的なこともおっしゃるらしい。。。30年以上のキャリアで、彼女も確実に貫禄がつき、でもその貫禄のつき方がいいような気がしました。齢を重ねたら重ねた分だけ、生き方だって違ってくるはず。「若い頃は、何でもできると思ってた。でも齢を取ってくるといろいろと失敗もあっておじけづいてしまったりするのよ。」と、率直な彼女の言葉も入り。彼女の曲が聴きたくて、この場所に集まってきた人たちって、たぶんそんな想いをどこかで抱えている人ばかりだったんじゃないかな。もちろん私も。もう若くはない、だけど歌が好き。元気な彼女の姿を見ることができてすごく元気が出たしうれしかった。これからも永遠に彼女のファンであり続けるんだろうな。アンコールはお約束の"Modern Girl"、大人の空間も総立ちで盛り上がりました。本当に空間自体が素敵で、そしてSheenaも素敵で、いいライブでした。DSCI0016 posted by (C)rose_chocolat薄暮の時間にライブが始まって、夜の帳が降りて、ライブが最高潮に達するときにカーテンを開けて夜景を見せてくれる演出もすごーくロマンティック。食事もできますので、ライブ終了後にゆっくり楽しむこともできますよ。私たちも飲みながらしばし歓談。。。そんな大人の空間です。来月も2回行く予定。この日も1つ、帰りにチケットを衝動買いしてしまいました。ライブ予告がスクリーンで流れるんですね。で、そこに、すっごくいい感じにAORのアーティストがあって!もうその場で即決ですよね(笑) こんなこともできる空間、これからも通いつめてしまいそうで、ちょっとだけお財布と相談になりそうですが。 笑
2010.07.19
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今回のオフでみなさんに試食でお出ししたパンです。ワッフルってそう言えば久しぶりと思いながら作ってみました。これはイーストです。DSC00144 posted by (C)rose_chocolatこれ超簡単だし時間かからないから好き~。ワッフルシュガーをかなり入れたつもりなんだけど、意外とガリって言わないもんなんですね。ということは、市販のワッフルにいかに砂糖が多く入っているかが分かる。というか、あの方法を使えばガリっと感が出るか?なんていろいろ考えながら作りたいですね。そしてクランベリーノアカンパーニュ。白神こだま酵母です。DSC00148 posted by (C)rose_chocolat夏、最高気温30度以上、常温の持ち歩きに耐えられるパンということで、敢えて酵母を使用。これは正解だったかもしれません。弾力が残っていたように思いました。ランチメニューにハード系を使いたいと思っていましたので、候補にします。そうなるとクランベリーが強すぎるかな?ごまとか、プレーンとかもいいかも。最後ですが、オニオンブレッドのスライスに、ミートソースとチーズをかけた、まかないパン。これは皆さんに出さない、じゃなくて出せない、家パンです(笑)DSC00146 posted by (C)rose_chocolatメニューリサーチ&開発しないとな。。。
2010.07.18
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1つ前の記事で、mig弟さんの作品をPFFに観賞したメンバー中心で、恒例の? オフ会となりました。場所は新宿のマンゴツリーカフェ。マンゴツリーカフェ ぐるなびはこちら。去年、新宿での試写のあとこちらのお店にも来たのですが、その時は満員で入れなくて、別のお店にしたので、今回両方制覇しました(笑)ちなみに参加者は14人。今回書くの大変なんで1人1人お名前出しませーん。 あしからず^^主なお料理はこちら。豚挽き肉のバジル炒めご飯"ガパオ" DSCI0003 posted by (C)rose_chocolat豚挽肉のスパイシーサラダ (でしたっけ?)DSCI0005 posted by (C)rose_chocolat鶏肉のイエローカレー“ゲーンガリー” 辛さを抑えたマイルドでリッチなココナッツカレーです。 DSCI0006 posted by (C)rose_chocolatタイの焼きそば"パッタイ" DSCI0007 posted by (C)rose_chocolatこのくらいしか写真撮れなかったな~。あとはもうみなさん夢中、しゃべるしゃべる。 笑考えてみたら今回って自己紹介してないような・・・ f^^;そして、前回に引き続き、みなさんの本名知らないような・・・ 汗それでもちゃんと会話とか連絡がきっちりうまくいくのが不思議ーーー。今回初めてお話しする方もいらしたりして、やっぱり楽しいもんです。びみょ~~~な映画話が通じるのってうれしいもんですよね。blogじゃ書かないマイナー系とか。。。楽しかった~。またお目にかかりましょう!
2010.07.18
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第32回ぴあフィルムフェスティバル公式サイトはこちら。この日は、migさんの弟さんの片岡翔監督作品『くらげくん』が527の応募作品から選ばれた16作品に入り、PFFアワード2010にて上映されますということで、せっかくですから観に行きましょうか? という話になり、お休みだったこともあってか、親交のあるblogerさん方でご一緒することになりました。こちらにmigさんの告知も出てます^^アワードG『くらげくん』14分/カラー 監督:片岡 翔これが11本目の作品とインタビューの時にも仰せでしたが、先日観賞した、『Mr.バブルガム』よりも、こちらの方が動きがある分、人物が魅力的だったような気がしました。ショート枠の映画ですと、その時間の中でエッセンスを凝縮させていかなくてはいけないため、制約も厳しい中、主役2名の持ち味が引き出されていたように思います。エンディングの曲も、恐らく書き下ろしなのではと思うのですが、この映画の雰囲気にピタリとはまっていました。『白昼のイカロス』83分/カラー 監督:阿部綾織、高橋那月ストーリー重視で映画鑑賞をする自分としては、こちらの作品の展開にも非常に興味がありました。ただ、登壇インタビューでも司会のディレクターさんからご指摘があったように、音声が弱い。 セリフが聞き取れないのはいかがなものか。私小説風のミニマムな範囲の物語で、「もともと広く公開することを前提として作っていなかった」ということなので、制作者に近しい方々にとっては深く感銘を受けるのでしょうが、一般として何も予備知識がない層に対してのアピールとしては弱い気がします。 アワードに応募するということでこの種のリアクションは予測されることとは思うのですが、まだお若い方たちなのでこれからも頑張っていただきたいです。終了後、ロビーで歓談がありました。ちょうど私たちが座った席は、『くらげくん』の虎太郎(こたろう)くん役のお子さんのすぐお隣。くらげくん役のお子さんもすぐ後ろにいました。今、小学4年生ということで、やっぱり照れくさかったりするんでしょうね。 こんなに大勢の大人たちに囲まれて、壇上でお話するのも。撮影中も照れくさそうでした。DSCI0002 posted by (C)rose_chocolatこのくらいの男の子はかわいいですね。
2010.07.18
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原題: LAT DEN RATTE KOMMA IN/LET THE RIGHT ONE IN監督 : トーマス・アルフレッドソン 原作・脚本 : ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 出演 : カーレ・ヘーデプラント 、 リーナ・レアンデション 、 ペール・ラグナル 観賞劇場 : 銀座テアトルシネマ公式サイトはこちら。<Story>ストックホルム近郊の町で母親と二人暮らしの少年オスカー(カーレ・ヘーデプラント)は、いじめられっこで繊細な12歳。友達が欲しいという孤独な少年の願いは、同じ12歳のエリ(リーナ・レアンデション)が父親と共に隣の家に越してきた事で、とうとう叶えられそうだ。しかし、青ざめた顔をした少女の外出は夜だけ。キャンディも食べられない。一方、町では不可解な失踪や殺人が次々と起きはじめ、オスカーはエリがヴァンパイアだと気付いてしまう。12歳の体に永遠の命を閉じ込められたまま生きるエリは、常に町から町へ旅をし続けなければならない。ふたりの幼い恋が終わるかに見えた時、オスカーに最大の悲劇が襲いかかる。そしてエリは彼女が出来る唯一の方法で彼を守るため、戻ってくる…。ぼくのエリ 200歳の少女 - goo 映画<感想>試写の後、京橋まで移動。この日は、mig弟さんの作品を映画祭にて鑑賞するため、3時間くらいあった待ち時間をどうやって過ごす? ってなりましたが、近場でちょうどいい感じであったこちらの作品を、合間に鑑賞することに。何と言っても本作は関東地区ではここでしか上映ありませんので。。。基本ホラーは観ないのですが、本作話題にもなっていますし、ハリウッドリメイクも決定したそうなので、押さえておくことにしました。観終わってみて。。。大絶賛の感想が多い中、これをどういう風に考えたらいいんだろうと思いましたが、オスカーの人生には2パターン -中年男と同じ末路をたどるのか、それとも一生彼の人生を生きられるのか- の結末があると想像して、同じ歴史を繰り返すと思ってしまうとやっぱり自分としては陰鬱にしか思えなかったです。それも愛? って。でも、好きになってしまったらもうどうしようもなく、自分を捧げてしまうものかもしれないです。そうなる前にオスカーの気が変わることは・・・ 恐らくないんだろうな。北欧独特の暗さ、夜が長いという現象をうまく生かしていました。夜だから、暗闇だから描けるお話かもしれません。全編に渡り、背景や光の具合、ストーリーまで暗く、しかしなららそれが北欧らしさを出しています。ハリウッドリメイクの話もあるそうで、オスカー役が『ザ・ロード』のコディ・スミット=マクフィーくんっていうことは知りましたが、ここまで暗くできるのか?しかしながら自分としては苦手なホラー・スプラッタ系に通じるものがやっぱりあって、本作は存分に引きこまれたという感じにはなれなかったかな。**********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.07.18
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監督 : 小林義則 脚本 : 浜田秀哉 、 俵喜都 音楽 : 服部隆之 出演 : 夏帆 、 寺脇康文 、 戸田菜穂 、 山本裕典 、 遠藤憲一 、 浅田美代子 、 平田満 、 広田亮平 、 大野百花 試写会場 : ニッショーホール公式サイトはこちら。<Story>幼い頃杏子(夏帆)は、シェパードに混じって活躍する父とラブラドール・レトリバーのエルフを見て、父()のような警察訓練士になる決心をした。成長した杏子は警察犬訓練所の門をくぐったが、初日から寝坊してしまう始末。さらに自分の理想とかけ離れた日々に心が折れそうになるが、ある日生後間もない弱ったラブラドール・レトリバーに出会う。子犬をきな子と命名した杏子は、周りが反対する中「自分がきな子を警察犬にする!」と宣言した。[ 2010年8月14日公開 ]きな子 ~見習い警察犬の物語~ - goo 映画<感想>久しぶりに休日の試写となりました。三連休とあって場内はお子さんも多いです。動物もの、子どもものって、無条件にそのもので評価が上がってしまう傾向にあるため、敢えて最初からその分ハードル下げて鑑賞することにしています。映画の内容以前に、可愛らしさだけで加点されてしまうというのは自分の鑑賞ポリシーにそぐわないから。まずは内容重視派ですので。。映画鑑賞に臨む際には、自分は予備知識を一切入れないで観たいのですが、本作に関しては、「あらかじめ、関連文献やHPに目を通し、きな子が一体どんな犬なのか」をきちんと調べて、納得したうえで映画を鑑賞した方がいい。。。 と敢えて申し上げたい。確かにきな子と杏子の成長のお話ではありますが、ラストのカットが何とも言えない場面で終わっていて「?」という思いにとらわれ、そしてエンドロールの最後の最後まで観た私は正直茫然。そんなわんこなのですね。。。きな子は香川県ではかなり有名なんでしょうか。 調べたら関連商品もかなり出ていますし、劇中にもキャンペーンに使用されているらしきくだりがありました。 私は全く知らなかったのですが。なので、やっぱり宣伝用の感覚で作られた映画? のような感がどうしても否めません。あらすじに関して一番不思議だったのが、番場が杏子を指導しているシーンがなかったこと。ダメ出しはあるのに、指導シーンがないため、では杏子はどうやって修正すればいいのか? と思ってしまう。 指導者に放っておかれて杏子が1人で悩んでいるようにも受け取れる。もっと杏子の内面的なこと、日常の表情などもドキュメンタリー風に描いてもいいような気がします。 そうすればもっと杏子に感情移入できたのではないでしょうか。遠藤憲一さんのシーンがもっとあってもよかったように思うんですけどね。昨年は、『マーリー』 『HACHI』という2本のわんこ映画が印象に残りましたが、両方ともまず、人間の葛藤ありきで、その後にわんこの魅力がクローズアップされるようになっている作り。人間が客観的にきちんと描かれているので共感が持てたんですね。それらと比べてしまいますと本作は人間の描写が踏み込まれてなかったようにも感じました。盛り上げるシーンはおおよそ読めてしまうのですが、盛り上げることが重要で、掘り下げは少ない。 それですとせっかくのいい題材が素通りしてしまう感じで、大変もったいないと感じました。動物がすごく好き! という方にはいいかもしれませんが。。。**********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.07.18
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原題: INCEPTION監督 : クリストファー・ノーラン 出演 : レオナルド・ディカプリオ 、 渡辺謙 、 エレン・ペイジ 、 マリアン・コティアール 、 ジョゼフ・ゴードン=レヴィット 、 トム・ハーディ 試写会場 : 東京国際フォーラム公式サイトはこちら。<Story>ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、人が一番無防備になる状態-夢に入っている時に潜在意識の奥底まで潜り込み、他人のアイデアを盗み出すという、危険極まりない犯罪分野において最高の技術を持つスペシャリスト。コブが備えもつ類稀な才能はこの業界でトップレベルであり、裏切りに満ちた企業スパイの世界において引っ張りだこの存在となっていた。だがその才能ゆえ、彼は最愛のものを失い、国際指名手配犯となってしまう。そんな彼に絶好のチャンスが訪れる。彼が最後の仕事と決めたミッションを果たすことさえできれば、かつての幸せな人生を取り戻せるかもしれないのだ。だがその任務はほぼ不可能に近い「インセプション」と呼ばれるものだった。それは彼が得意とするアイデアを盗み取るミッションではなく、他人の潜在意識に入り込み、ある考えを“植えつける”という最高難度のミッションだった。だが、最高の技術を持ち、細心の注意を払って準備を行ったが、予測していなかった展開が待ち受けていた…。[ 2010年7月23日公開 ]インセプション - goo 映画<感想>ジャパンプレミアに行ってきました。 前日に突然、神からのメールが! またしても降臨。。。「余ってるから行きませんか?」と何とうれしいお誘い☆前日のお誘いで、しかもこの日仕事でしたので、座席引き換えもお願いしてしまい、 今回も全く労せずして座席を確保。。。 当日は手荷物&ボディーチェックが入るというものものしさ。入場にとても時間がかかり大変でしたので、感謝感激雨あられでございます。 お礼に朝焼いたカンパーニュを差し上げたのですが写真撮るの忘れた。。。f^^;ホール内のRサイドのエスカレーターが開演前には動かしてなくて、全てLサイドからの入場になってました。私たちはRサイドのほぼ端っこだったんで、大回りさせられてしまった。R扉も全て締め切り。でもこの謎が舞台挨拶で解けます。プレミアのゲストは渡辺謙さん、何と私たちの座ってたすぐ後ろのドアから登場! だからRサイドを全て閉めて見せないようにしたんですね。謙さん、これがまた、超♪超♪カッコよすぎ。 ほんの数メートル先! すてき~通路側の皆様に握手しながら舞台に上がっておられました。「これって、どんな話ですか?」と誰かに訊かれたら、 「はぁ・・・」と困ってしまうようなお話です、 とのお言葉。 そして、ほとんどCG(グリーンスクリーン)を使わないでセットでの撮影だったそうです。なので撮影は大変でした、ということでした。観てみて納得。 これをセットでするというのは(特にホテル廊下のシーンなんかは)一体どうやって撮ったんだ? と思うものばかり。 凝ってます。人の脳内の、潜在意識の中に侵入してそれを盗む。 それがコブの仕事。 鎮静剤によってターゲットを眠らせて意識の中に入り込み、さらに深い深層心理の「階層」へと引き込み、今度は盗むのではなくインセプション=植えつける。 それが今回コブたちに課せられた指令。 一言で言って、とても映画自体を難解に感じます。もっともテーマ自体はそんなに難しくはないと思うんだけど。階層がいくつもいくつも登場して、 しかもそれが同時進行で話が進み、場面の転換で辛うじてどこからどこまでが同じ階層かが分かる仕組みです。 必ずその階層には、もとに戻れるように残留させる人間がいるのですが、これはパンフを読まないとハッキリ言って分からない。 説明などはあまりなく、またあったとしても一瞬でさささーっと終わりますので、集中力が少しでも欠けてしまうと物語が何となく流れていってしまう危険性があります。 頭の中に別の意識を植え付けられてしまう感覚。 例えば、何かにインスパイアされて、そう感じることもあるでしょう。 しかしその「影響されしもの」が誰かから意図的に仕組まれたものだったら? と仮定すると、この話は少しお分かりになるでしょうか。 普段ならそれを自分の意思で決定していると思いがちですが、 ここではその「意識」は、知らず知らずのうちに侵入させてしまっていることになる。 意識の中に軽く侵入されてしまうとやっぱり怖い、とは思います。 他人にたやすく自分を差し出してしまう訳ですから。 何のために彼らはそんなことをするのか? という疑問が湧いてきます。 実はこの動機こそ、この映画を読み解くカギなのかもしれません。 どうにも抑えがたい動機。 それは、他人の深層心理を操れるという優越感だったり面白さだったりするのではないだろうか。 設計師として雇われたアリアドネ(エレン・ペイジ)の脳内が再現されていく過程なども興味があります。 面白い。 その誘惑に抵抗しがたいものはあるのかもしれません。 ただし、それと裏腹な代償もそこにはある。夢と現実との境界が分からなくなってしまい、誤って現実の自分を消去してしまったり、更に深い階層へと落ちてしまって現実に戻れなくなってしまうパターンです。何が夢で何が現実なのか。その区別をするために、「トーテム」というアイテムが登場するのですが、できればこれが夢であってほしいと思うことは大抵現実で、現実として認識したいことが幻だったり。トーテムを通じて突きつけられる事実もまた残酷だったりします。とにかくいろんな意味で深い映画でした。 個人的にはこちらの方が『ダークナイト』よりも好きかもしれません。 複雑な方が面白いし。 ただその難解さがネックになっている感はあるかも。 もう2回くらい観るともっと分かるかもしれませんね。 キャストで印象に残ったのは、渡辺謙さんとジョゼフ・ゴードン=レヴィットくん。謙さんは堂々たる演技。 そしてジョゼフくんの身体能力の高さには驚きました。エレン・ペイジも大健闘でした。 ベテラン相手に一歩も引けを取ってない。そして、キックの音がこの音楽だったのは、マリオン・コティヤールが主演した、この映画でも彼女が歌っていたことに関連づけたのかしら?それとも単に歌詞が映画の内容に合っていたからでしょうか。「いいえ、私は後悔しない」 ・・・どんなことが起こってもそれはそれとして受け入れる。ここも面白い考察になりそうです。***********************************今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2010.07.15
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原題: PREDATORS監督 : ニムロッド・アーントル 出演 : エイドリアン・ブロディ 、 トファー・グレイス 、 ローレンス・フィッシュバーン 、 アリシー・ブラガ 、 ダニー・トレホ 、 オレッグ・タクタロフ 、 ウォルトン・ゴギンズ 公式サイトはこちら。<Story>ロイス(エイドリアン・ブロディ)は、ある地球外生命体によって惑星に集められた戦闘のエリート集団をしぶしぶ率いることになるが、実は彼ら自身がその地球外生命体の獲物だったことに気づく。一人の医師を除く、傭兵、囚人、暗殺団の一員など、まさに全員が“最強の人類”と言える戦闘のエリートであり冷血な殺人鬼たち。彼らが新種のプレデターたちと人類史上最凶の壮絶バトルを繰り広げることになる。プレデターズ - goo 映画<感想>エイリアンものは基本的に後回しorスルーになりがちな私。では何でこれを観たのか? と訊かれたら、エイドリアン・ブロディお目当てとしか言えない。。。 なのでこの感想はとてもいい加減&短い&ミーハーです。 お許しを~選ばれし殺人鬼とか、修羅場くぐりまくってきました的な人物が集まって、さあこれから何が始まる? ってのがもうお約束。 そして1人づつたっぷりと見せ場があり、残るのもあの人なんじゃ・・・? っていうのが見事に的中(笑)エイリアンは強いは強いし、確かに残虐なんだけど、倒そうと思えば人間が単純にできるっていうのはなんか矛盾してて面白い。個人的には、ルイ・オザワさんはやっぱり松ちゃんに似てると思った。 で、ちゃんと日本語を話さなくてもいい設定にしてて。 最後の見せ場はいかにも~ でしたけど、設定がヤ○ザなんでこのくらいはするか。 これからもっと観てみたい役者さんです。そしてやっぱりエイドリアンかなあ。 戦場では絶対に心を許さない。 仲間だと思ってても、本気で信じられる人意外には許せない。 そして戦場の掟には従わないといけない。その中で自分が助かるものなら助かりたい訳ですよね。そんな冷酷な彼が最後に見せた信頼・・・ って感じなんでしょうかね。 名前なんて、その人を信頼しないと言いたくないものかもしれないし。彼を観に来た私にとっては、筋肉たっぷり見せていただき、大変満足でした。すいません、ミーハーなもので。続編あるのかな? エイドリアンが出るなら行きたい~************************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.07.14
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監督 : 平山秀幸 原作 : 藤沢周平 出演 : 豊川悦司 、 池脇千鶴 、 吉川晃司 、 戸田菜穂 、 村上淳 、 関めぐみ 、 小日向文世 、 岸部一徳 公式サイトはこちら。<Story>時は江戸。東北は海坂藩の近習頭取・兼見三佐ェ門(豊川悦司)には、消そうにも消せない過去があった。物頭をつとめていた三年前、藩主・右京太夫(村上淳)の愛妾・連子(関めぐみ)を城中で刺し殺したのだった。最愛の妻・睦江(戸田菜穂)を病で喪った三左ェ門にとって、失政の元凶である連子刺殺は死に場所を求めた武士の意地でもあった。が、意外にも寛大な処分が下され、一年の閉門後、再び藩主の傍に仕えることになる。腑に落ちない想いを抱きつつも、身の周りの世話をする亡妻の姪・里尾(池脇千鶴)との日々の中で三左ェ門は再び生きる力を取り戻してゆく。そんなある日、中老・津田民部(岸部一徳)から思わぬ話を持ちかけられる三左ェ門。それは、彼を天心独名流の剣豪だと知っての相談であり、“鳥刺し”という必勝の技をお上のために役立てろという秘命でもあった。その者の名は直心流の達人であり、藩主家と対立しているご別家の帯屋隼人正(吉川晃司)だった。そして待ち受ける隼人正との決着の日。三左ェ門は、想像を絶する過酷な運命に翻弄されていく。必死剣鳥刺し - goo 映画<感想>藤沢作品は好きなので(これは未読なんですが)楽しみにしてました。武士の世界も、今のサラリーマン社会(というか、雇われ者の世界)に通じるものがあるんだなという印象です。上の言うことは絶対。 逆らう=アウトサイダー、それどころか、メンツをつぶしたら時には死をもって償わないといけない。(そういうの好きじゃないんだよね。。。 f^^;)特に男社会は、救ったように見せかけて実は捨て駒だったとか、そういう処遇は女よりも冷酷なように感じます。右京太夫みたいに脳無しボンボン社長を持ったらホント大変だよ。でもそのボンボンにも仕えないと自分の身が危なくなってくる。 結局保身のために生きる男たちが哀れです。その中にあって、捨て身で信念を貫く兼見。彼がしたことは大罪ですが、世のためを思ってやったこと。 しかしながら彼の想いは思わぬ方向へと進んでいってしまいます。それでも自分の意地を通しきった兼見は「男」だったなあ。。。こういう人が好きです。そんな兼見を見守る里尾の姿。池脇さんは今年は『スイートリトルライズ』『パーマネント野ばら』と観てますが、本作のように静かに一途な女が似合う女優さんだと思います。 この役好き。こういう風に想いを寄せる女はいいもんです。あとはご別家の帯屋隼人正。 吉川晃司もこれがピッタリハマってました。 トヨエツと釣り合うんですよね。 背も迫力も。岸部さんは、今まで見てきていい役だったことがあまりないんだけど(笑)、今回もイヤな奴全開でしたね。***********************************今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.07.14
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原題: THE GIRLFRIEND EXPERIENCE監督・撮影・編集 : スティーヴン・ソダーバーグ 出演 : サーシャ・グレイ 、 クリス・サントス 、 マーク・ジェイコブスン 観賞劇場 : シネマライズ公式サイトはこちら。<Story>2008年秋、ニューヨークの街は、リーマン・ブラザーズ証券の倒産による経済破綻に陥り、不景気と、アメリカ大統領選を控えた静かな興奮に覆われていた。高級エスコート嬢のチェルシー(サーシャ・グレイ)は、様々なエリートたちと食事を楽しみ、本当のガールフレンドのような時間を過ごし、1時間2,000ドルを稼ぎ出している。高級アパートで同棲している恋人のクリスは、彼女の職業を理解していた。しかし、だんだんと二人の関係はすれ違っていく…。ガールフレンド・エクスペリエンス - goo 映画<感想>これも単館上映でなかなかチャンスがなかったんですが、思い切って行ってきました。仕事帰りに映画のハシゴだなんて。。。 苦笑高級エスコート嬢(要するにコールガールのこと)という職業は、大抵背後に怪しげな組織がいるものですが、このチェルシーはどうやら自分で自分をプロデュースしているらしい。(プロデュース方法の詳細は映画の中では語られませんでしたが)その一貫としてインタビューを受けたのだろうし、売り込みにも行っている。大体、このテの職業に就く時というのはお金のためだったり自分の快楽のためだったりというのが大きな理由かもしれないけど、チェルシーの場合は、彼女自身の中にある種の「哲学」があるような気がします。体系的に高級エスコート嬢をとらえようとしている雰囲気が伝わってきます。そのせいか、あとで彼女のボーイフレンドのクリスがラスベガスに出かけた時に出会って話している女の子たちの表情がとても空っぽに見えるんですよね。チェルシーは明らかに戦略的に自分の職業に対して向き合っていて、何も考えてなく刹那的に男性を過ごす女の子たちとは一線を画しているようにも感じます。とはいってもそこは商売柄、危険も存在している。売り込みを逆手に取ったセクハラなどは卑劣な行為ですね。自分としてはもっといい方向に自分を持っていきたい。 実際チェルシーにはそういう素質があるようにも思うんです。スタイリッシュな服装だったりライフスタイルだったり。 考え方だって柔軟で、時流に浸かり過ぎずに冷静に見る目があるようにも感じます。ただ彼女を利用しようとたくらんでいる者たちは多く、どこまで彼女がそれを見分けるのかということも、今後の展開にも関わってきます。商売とはいえ、そこに商売以上の魅力を相手に感じてしまうこともある。では、付き合っているクリスに対してそれを感じているのかと訊かれたら、必ずしもそうとは言い切れないのではないか。今はたまたま側にいるし付き合っているけど、それがイコール「運命的な出会い」とは言い切れないから。ジャーナリストは、「客は本当のあなたを知りたいのではないか」と問いかけ、チェルシーはそれをはぐらかしているけれど、本当の自分など、一体人生の中で何人に見せるのだろうか。逆に考えれば、見せたいと思う人に巡り合ったとき、その瞬間というものも自分の中では確実にわかるような気もする。美しい顔立ち、そして鉄のような表情の下に見える、女としての本能のようなものを感じさせます。ソダーバーグ監督の、つかみどころのなさがお好きではない方も多いのかもしれませんが、本作、結構自分のツボに来ました。実際ラストなどは、「?」と思う方も多いかも。でもそれまでの流れで、観客はチェルシーが自分の職業に対して真剣に向き合い、本当の自分を探していきたいという気持ちがあるとわかっているから、狭い店の奥でのユダヤ人とのシーンも、どことなく彼女らしいという目線で見ることができる。相手の何を、自分は満たせるのだろうか。そのことも、仕事に向かう彼女の中には常に頭の中にあるのかもしれない。 その上で自分らしく仕事をしている工夫もしている。 頭のいい女性なのだろう。そのことを吐き出す相手は、自分の中で何かを感じ取れる人しかあり得ない。そんな彼女の信念や生き方には芯が通っていて見ていて潔いし、またNYの流行りのブティックなども登場して、その空気が心地よくも感じる。***********************************今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.07.13
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原題: CAFE DE LOS MAESTOROS監督 : ミゲル・コアン 出演 : オラシオ・サルガン 、 レオポルド・フェデリコ 、 マリアーノ・モーレス 、 カルロス・ガルシーア 、 ホセ・“ペペ”・リベルテーラ 、 ビルヒニア・ルーケ 観賞劇場 : ル・シネマ公式サイトはこちら。<Story>2006年、ブエノスアイレスの最も古いレコーディングスタジオで、1940年代から50年代に活躍し、アルゼンチンタンゴの黄金時代を築いたスターたちが感動的な再会を果たした。彼らはアルバム「CAFE DE LOS MAESTROS」に収録する名曲を歌うためにこの場所にやって来たのだった。60~70年もの演奏歴を持ち、いまなお現役で輝き続ける、まさに国宝級とも言えるマエストロたち。時を重ね人生の深みを増した歌声が響く中、彼らは激動の歴史とともにアルゼンチンに脈々と生き続けてきた、タンゴの魅力と自らの思い出を語り始める。そして、タンゴの偉大なる巨匠たちがミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座と並ぶ世界三大劇場のひとつであるコロン劇場で一堂に会した夜、二度とは観ることのできない奇跡のステージの幕が開く。アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち - goo 映画<感想>実はタンゴはそんなになじみではないのですが、音楽系なので一応押さえておこうと行ってきました。1940~50年代のご活躍の方々が、一同に集まって。。。 というドキュメントも同時進行。 ですので最初は少々退屈でした。 インタビュー中心だったので。中盤からのコンサートシーンは盛り上がりがありました。演奏だけでももちろんよいのですが、ブエノスアイレスの街角で、タンゴを踊る老若男女の姿がいい。やっぱりタンゴはおとなしく聴くものじゃなくて「踊るもの」ですよね。 それも思いっきり情熱的に。あの、男女が会話をしているようなダンスにこそ醍醐味があります。それを彩るのが曲。マエストロたちの円熟味がある演奏には凄みさえ感じられます。実体験を踏まえて歌う、演奏するものの中には、真実がある。喜びと哀しみと。。。 全てを乗り越えてきたもの。 それは確実に観客の胸を打ちます。いつの時代にも男女の愛は永遠の課題。。。そんな言葉さえ浮かんでくるようです。ところどころ入る、当時の録画と、若い人たちに自分たちの技術やスピリットを伝えようとするマエストロたちの情熱、そしてコンサートシーンとのバランスは良かったです。思わず踊ってみたくなる感覚に襲われます。終わった後にタンゴに酔いしれちゃいました。 大人の雰囲気で鑑賞してみるといいと思います。*********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.07.13
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