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監督: 神山征二郎 出演: 三浦貴大 、柄本時生 、橋本一郎 、池上リョヲマ 、近衛はな公式サイトはこちら。専修大学開学130周年記念として製作された映画です。 製作も専修大学ですね。 なので、商業映画というよりは、限りなくPR的側面に近いものはあります。でもなんかこういう真面目な感じの映画って気になるんですよね。身近に専修大学関係者はいないんだけど(笑)、近くでも上映があったんで行って来ました。専修大学 公式サイトストーリーとしては、一言で言ってしまいますと、「専修大学が誕生するまで」です。明治維新時から志学した若者たちが集まり、アメリカに留学をし、帰国後に日本でも法律や経済を学べる場所を作りたい、それが専修大学の原点ということです。驚いたことにこの映画、出演者に俳優2世が異常に多いのよ(笑)まず主役の相馬永胤が三浦貴大(父・三浦友和、母・山口百恵)、目加田種太郎役が橋本一郎(父・役所広司)、駒井重格役が柄本時生(父・柄本明)、相馬の留学生仲間の三浦和夫役が橋爪遼(父・橋爪功)、相馬の妻・陸役が近衛はな(父・目黒祐樹)。まだいましたっけ・・・?偶然なのか敢えてそうしたのかは不明ですが。この中では時生くんがいちばんメジャーかもしれません。 三浦くんはお母さん似ですね。近衛はなは昨年の『獄(ひとや)に咲く花』なんかは結構好きですね。そんな感じである程度演技には慣れた感じの配役なため、ある程度安心して観ていられるというのはあります。これこそ「崩しようがない映画」でなくてはいけないので、きっちりとかっちりと、その役のイメージ通りに仕上げないといけないですから。神山征二郎監督作品は『ラストゲーム 最後の早慶戦』は観ていますが、きちっと描いていくのが持ち味のような感じで、その点では神山監督は本作に適しているように思いました。ただしあくまでも「専修大学」がスポンサーとしてある以上、映画製作にあたってもその希望の枠からはみ出すことはないのが前提で、脚色があまりできなかったのではないかというような印象は残りました。そのくらい淡々と、時系列で話が進んで行っていました。冠がある以上は、そこからは抜け出せないでしょうし、まして本作は(恐らくですが)入学者用・受験希望者用・学校説明会用のPRも兼ねていそうな気もするからです。しかしながらこの映画のいい点としては、とにかく若者たちの勉学に対しての志が今では考えられないくらい高く、それを前面に出すことに成功しているということ。そこには戊辰戦争という史実も絡んでいて、この戦争で恩恵を得られなかった者たちにとっては、学問で名を上げることだけが出世する唯一の方法であったから、勉学が好きということに加えて、立身出世を夢見て留学の道をつかむことが必要だったんでしょう。勉学に励む、帰国してそれをビジネスチャンスにする、それがほぼ新しい分野の職業となりうる時代だったからこその、学問への情熱だと思いました。もっとも彼ら自身が優秀であったということもまた事実ですが。学問を修めればそれが必然的に未来につながる、その想いこそが彼らを動かして行きました。今では大学へ行くのが当たり前になっている、というか、行って当然という姿勢が一般的ですが、いい加減な動機で進学する人も少なくない現代に、この映画が問いかける「学問への情熱」とは? というテーマに対して、感じるところはたくさんありそうです。正直映画としては全体的に小じんまりまとまり過ぎたかなという感はありましたが、そこを補っていたのが、学問に対しての取り組み方、建学の志、そしてキャストたちもその意味を理解していた演技であったことでした。今日の評価 : ★★★ 3/5点
2011.03.02
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2011年2月の鑑賞記録まとめです。2月2日(水)『RED』これはもう、勢いで観る映画ですよね。私は個人的にはヘレン・ミレンが好きなので、こういうカッコいい役は大歓迎。じいさんだのと揶揄して、バカにする若者たちにもひと泡吹かせたいというたくらみがあるようで(笑)、痛烈な感じなのは好きです。絶対にみんな元気っていうのがわかりきっていると観ている方も安心しますから(笑)ただ鑑賞して1カ月近く経つけど、ほとんど残るものがないんですよね。こういう作品ってそれでいいのかもしれないけど。。★★★ 3/5点********************************2月2日(水)『完全なる報復』これ、気持ちとしてはわかんないこともない。実際に被害に遭ったら、そう思ってしまうのも無理はないから。そして司法取引という制度そのものも、何かいい加減な感じするじゃないですか。この映画みたいに、単に自分の成績のために、取引させてる事例もいっぱいあると思います。たぶんそのことに対しての警鐘も込みなんだとは思いますけどね。ですけどね。。。どうも最後が腑に落ちない感じがしまして。それでいいの? みたいな。頭の良さというか、そういうのは絶対にクライドの方が上手なんだから、それにかかったらたまらんというのもあるけど、だったらニックももう少し誠実であってほしかったと思う。最も、誤られたくらいじゃ今さら止められるか! ってクライドは思うんだろうから、これはこれでいいのかもしれませんけどね。何となく、『ショーシャンクの空に』っぽさも感じてしまったわ。★★☆ 2.5/5点********************************2月9日(水)『白夜行』原作、ドラマ共に触れてない状態です。 少年期の体験が引き起こしたことはわかりますし、事の重大さもわかります。 そうしたくなる気持ちもわかる。 しかしながら、最後に語らせているのはダメなんじゃないかな? 行間にほとんど伏線がなかったように感じました。 いきなり、さあこれが全部ですよと言われてもねえ。 困ってしまいます。 雪穂の本当のところの動機って語られてないかも。恨んでいるのはわかるけど、大学時代の友人とかにまで? って考えると、それは単に嫉妬なんじゃないかなと。そして時代考証がどうにも全編通じて古くさく感じました。 昭和55年~平成10年の話ですけど、古すぎませんか? 出発点を昭和25年とか35年とかって言うならわかりますけどね。 最後のあのブティックも、平成10年にしてはクラシカル路線すぎた感じがして。 最近のクラシカルを狙うなら、もっと雪穂をビジネスができる感じに描かないと。 あれではただお金を持っているだけの女性です。 信憑性がどうにも薄かった。 商売成功させたっていう苦労があんまり見えなくて。 ★☆ 1.5/5点********************************2月12日(土)『洋菓子店コアンドル』続けて同じ監督の作品を鑑賞というのも珍しい。公開が同時だからでしょうね。本作、ちょっとあり得ない・・・っていうのがありまして。まず、なつめみたいなキャラのコが、採用初日に一流店の店頭に立つことはないですよね。 きちんと研修なり指導を受けた後じゃないと、普通させないはずです。何も分からない、口の利き方も知らない人を客の前に出しますかね?ノリですから・・・ って言われても、現実としてそれは矛盾してるでしょ。この映画、江口のりこさんが非常によかったと思うんですけど、彼女の場面がもっとあってもよかった。まりこの本音もちゃんと聞きたかったし。ケーキも、ものすごく美味しそうに撮影されている訳じゃないですし(TV番組にももっと美味しそうなのはあります)実際に去年パン関係のお仕事をさせていただいた私にとっては、彼らがやるところの「店を作る」ということが、あまりにも行き当たりばったりなんじゃないかと感じてしまいました。★★ 2/5点
2011.02.28
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原題: UN HOMME, UN VRAI 監督: ジャン=マリ・ラリユー、アルノー・ラリユー出演: マチュー・アマルリック、エレーヌ・フィリエール、ピエール・ペレ、フィリップ・スネル、アイタナ・サンチェス=ギヨン、ミシェル・ピコリ上映会場 : 東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『運命のつくりかた』 ページはこちら。動画はこちら。これ1月9日にマチューの舞台挨拶つきのがあったんですが、予定が合わず&根性もなく行けなかった・・・ ああ行っとけばよかった(笑)貴重なチャンスだったけど、ま、仕方ないです。滑り込みセーフにて鑑賞できました。「恋人どうしを演じた赤の他人二人が、恋に落ち、別れ、今度は赤の他人どうしを演じる」という触れ込みなんですが(フィルセンのサイトより)、ほんとにフランス映画らしいシチュエーションでしたね。あれで恋に落ちる! って、フランスなら本当にありそうですもん。そんなもんかあ・・・ と思って気楽に眺めることができるのは他人の特権ですね(笑)とにかくこの映画で目を引いたのは、マチュー・アマルリックという俳優そのもののスペック。いやはやびっくりしました。スタントも使ってはいるんでしょうけど、実際にロッククライミングも挑戦したんでしょうし、約10年前とは言え、それが可能だった肉体を作ってたっていうのがもう。きっとマチューは貪欲な方なんでしょうね。 最近では監督業でも活躍中ですし。駆け出し映画監督助手のボリスと、企業幹部のマリリンは、PR映画プレゼンの場で逃避行も辞さないくらいの情熱的な恋に落ちた、それが倦怠期になってお互いの主張が強くなってうまくいかなくなった、別れた後の、あり得ない場所での再会・・・ ということなんですが、まあこれも話の範疇と考えて(笑)むしろ、気がついてないふりをして、雷鳥(でしたっけ?)に敢えて感動させられてしまうというのも彼らにとっては想定外なんでしょうね。1か所、最後の最後、ゲレンデのシーンが分からなくて。あれはこれからまた始まるの? と考えると、今までの彼らのお話が全て演技だったってことなのか? そこが疑問になってしまいました。ここでくっつけてしまうから、フランス映画は分かりにくいと言われてしまうような気もする。普通に終わらせてもよかったと感じました。それもありましたが、話の意外さ? には十分持って行かれましたので、よしとします(笑)今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.26
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2011年1月7日(金)~2月27日(日)まで、京橋にある、東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催されていた、ユニフランス寄贈フィルム・コレクションが終了します。「現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクションより」サイトはこちら。この企画、いままでフランス映画祭などで上映されたけど、日本国内で未配給の作品のうち、フィルムセンター所蔵の物を上映したということで、これが本当の「蔵出し」フィルムなんですね。45プログラムのラインナップ、実際は長編に短編を組み合わせているものもありますので、それ以上の数の作品が上映されました。これを逃すと、大きなスクリーンでは二度とお目にかかれないかもなあ・・・とも思いまして、できるだけ行きたかったのですけど、そこはそんなに自由に行けない用事などもあり、結局鑑賞できたのは7プログラム(涙)1月に行けなかったのが大きかった・・・。まあ、仕事帰りに行ってもよかったんだけど、連日ですとやっぱりかなり疲れますしね。家庭もあるし、そうそうは観にいけないけど、時間の都合の合ったもの、あるいはこれだけはどうしてもという作品に絞りまして鑑賞しました。わざわざこれに合わせて休暇も取ったくらいですし(笑)鑑賞したのは長編・短編併せて以下7プログラム・11本です。勇気を出して! ( "HAUT LES COEURS!"、1999)新しい肌 ("PEAU NEUVE"、1999)正装のご用意を ("TENUE CORRECTE EXIG?E"、1996)キッチン ("KITCHEN"、2005) →短編リトル・エルサレム ("LA PETITE J?RUSALEM"、2005) アルフレッド・ルプティへのオマージュ ("HOMMAGE ? ALFRED LEPETIT"、1999) →短編カーニバル ("KARNAVAL"、1998) 赤ちゃんザメ("B?B? REQUIN"、2005) →短編正しい恋愛小説の作り方 ("TOI ET MOI"、2005) インタビュー ("L'INTERVIEW"、1998) →短編運命のつくりかた ("UN HOMME, UN VRAI"、2002) 別記事にするものを除いて、一通り感想を書いてみます。**********************************『勇気を出して!』"HAUT LES COEURS!"(1999)113分監督:ソルヴェイグ・アンスパック出演:カリン・ヴィアール、ローラン・リュカ、ジュリアン・コトローHaut les coeurs ! 動画はこちら(Dailymotion)妊婦でありながらも乳がんと闘う女性、そしてその周辺の人々との関係を描く。対照的な2つの状況、すなわち「生と死」を同時に体内に抱えるという重大な状況にも拘らず日本の病気ものと違って、さらりと描いているところがいい。淡々と、余計なものははぶき、それでいて内面の葛藤をきちんと出している。変に生温かくて優しいだけじゃない、本音の人間関係もよかった。本作で主演のカリン・ヴィアールは、1999年にセザール賞最優秀主演女優賞を受賞。★★★☆ 3.5/5点**********************************『キッチン』"KITCHEN" (2005)15分監督:アリス・ウィノクール出演:エリナ・ロウェンション、ベルナール・ニッシルuniFrance の紹介ページはこちら。オマール海老と格闘する主婦の様子を描いたショートショート。オマール海老って、自分で調理して下さいねってなったら、すごい困るものの1つのような気がする(笑)一種怖いでしょ? 動きも大きいし(笑)その滑稽な様子が面白かった。ショートショートとしては十分にインパクトありました。★★★★ 4/5点**********************************『リトル・エルサレム』"LA PETITE J?RUSALEM"(2005) 98分監督:カリン・アルブー出演:ファニー・ヴァレット、エルザ・ジルベルスタイン、ブリュノ・トデスキーニこれはエルザ・ジルベルスタインが出ていたので観たかった作品。エルザは準主役です。 主役のファニー・ヴァレットは、『モリエール 恋こそ喜劇』にも出ていました。 透き通るような美しさ。エルザは結婚生活の悩みと戒律との狭間で悩みを抱える役。 パリ郊外、サルセル地区にあるリトル・エルサレムに住むユダヤ人、彼らの習慣から逃れたくても逃れられない葛藤や、その中で修復していく人間関係を描く。宗教の壁に阻まれる自由もやるせないに違いないし、宗教がありながらも戒律に反する葛藤も細かく描かれている。フランスのユダヤ人コミュニティーが詳しくわかるのも興味深かった。★★★☆ 3.5/5点**********************************『アルフレッド・ルプティへのオマージュ』"HOMMAGE ? ALFRED LEPETIT"(1999)9分監督:ジャン・ルスロ出演:ロマン・ポランスキー、ジャン=クロード・ブリアリ、シャルロット・ランプリング数々のきら星のようなスターや、名監督・スタッフが口を揃えて絶賛しているアルフレッド・ルプティ氏。彼の仕事ぶりもみてみたくなります。★★★ 3/5点**********************************『赤ちゃんザメ』"B?B? REQUIN"(2005)17分監督:パスカル=アレックス・ヴァンサン出演:アドリアン・ジョリヴェ、ピエール・ムール、クレール・ミショー、アレクサンドル・カリル、ヴィクトール・カリル17分間という時間の中に、フランスの若者の躍動感だとか厭らしさ、はっちゃけぶりなどをぎゅっと凝縮して見せている。ショートフィルムとしての見せ場もあって面白い。主演の双子の男のコがイケメン! ★★★☆ 3.5/5点**********************************『インタビュー』"L'INTERVIEW"(1998)19分監督:グザヴィエ・ジャノリ出演:マチュー・アマルリック、ジャン=マリ・ウィンリング今をときめくマチューの貴重なショートフィルムの映像。「これは本当です」、とありましたけど果たしてどうだったんでしょうね(笑)エヴァ・ガードナーだなんて。マチューの英語が、フランス人らしい英語でこれも貴重。オチもとっても「らしく」って、好きです。 ほろ苦い。★★★☆ 3.5/5点残りはぼちぼち書いていきたいと思います。いい作品がたくさんありました。
2011.02.26
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原題: MORNING GLORY監督: ロジャー・ミッシェル出演: レイチェル・マクアダムス 、ハリソン・フォード 、ダイアン・キートン 、パトリック・ウィルソン 、ジェフ・ゴールドブラム公式サイトはこちら。予告がかわいらしいなーって思ったのと、ドタバタも気になったので早々に観ることにしました。と思ったら、脚本が「プラダを着た悪魔」(→ もう5年前なんですねー。。)のアライン・ブロッシュ・マッケンナだそうで。なんか道理でテンポが良くて、それがドタバタだけじゃ終わってなくて、後味がいいというか、嫌味がない元気さなんですよね。これは主演のレイチェル・マクアダムスの魅力も大いにあると思います。実は彼女の作品は4作くらい観ているのですが、どうも今まであんまりいいなと思ったことがなくて、ちょっと不安でしたけど、本作の役はとてもいい。彼女はシックというよりも、元気な感じの役の方が合っているようにも思います。ベッキーはそれまで勤めていたTV局を解雇されて、新しく他局の朝の情報番組「デイブレイク」のプロデューサーに就任するんですけど・・・というのが主な設定。お国柄もあるんでしょうが、アメリカでは、女性が転職してもそのままキャリアを積んでいきやすい環境ですね。日本はその点、女性が簡単に転職しづらい環境なので、うらやましいなと正直に思います。その代わり全国ネットの朝の情報番組という重責がベッキーにはちゃんとのしかかってくるんですね。 当然と言えば当然なのですが。TVの世界では、視聴率が上がらない番組は例外なく切り捨てられて行きますが、そこで彼女が見せた頑張りの凄さというか、自分を捨ててなりふり構わず番組のため、仕事のために献身する姿はカッコいい。やったらやっただけちゃんと評価されていくのはほんとうらやましいの一言に尽きますね。そして仕事と同時に、彼女の恋模様も進行していて、せっかくできた恋人にも仕事の話しかできずに、次々振られる姿は、当世アメリカワーキング・ウーマンの現状なんでしょうね(笑)そこに絡んでくるのが、頑固じいさん(という形容詞がぴったりな役)な古参ニュースキャスター、マイク・ポメロイ。彼は「本物のニュースとは何か」にこだわり続けて家族とまで疎遠になった「伝説のキャスター」。 最近のニュースはなっちょらん!って感じなんじゃないでしょうか。その彼がベッキーの斬新な、しかしながら前向きな仕事ぶりに心を動かされ、またベッキーがかつての自分のように、何もかもを犠牲にして視聴率のことばかり考えてしまう人生になってしまうんじゃないかと危惧していく。ベッキーが、番組の在り方だけにこだわらず、いいチームワークで番組を愛するようになっていったとき、マイクの頑ななポリシーも氷解していく。それは、共演キャスターのコリーン・ペックとの会話にも現れてきます。お互いを嫌って本気でケンカばかりしていた2人でしたが、心がほぐれていくにつれて、その毒舌トークですら番組のネタとしてきっちりハマってくるような気がするのは観ていて痛快。このベテラン2名、ハリソン・フォードとダイアン・キートンの働き、本作では非常にスパイスとして効いています。それまでの自分たちの確固たるスタイルと、諦めをかなぐり捨てて、新境地(笑)にチャレンジしていく姿は見てて好感持てますね。若いレイチェル・マクアダムスとパトリック・ウィルソンのカップルと対照をなしています。また若者組(!)も、仕事一辺倒になりたくない自分と、仕事を全うしたい自分との狭間で悩みながらも、お互いにとってちょうどいい距離を探していく関係は、これまた前向きでいいもんです。仕事って乗っている時は本当に楽しくて楽しくて、脇目も振らずに一心不乱にしちゃってるもんですが、そこに恋人の存在があると、それが励みになってプラスに働く場合と、いつの間にか疎遠になったりうまくいかなくなってしまったりというマイナスに行く場合とがあるように思う。同じ付き合うなら、「この人のおかげで」「この人が支えてくれたから」って思える関係がいいんでしょうね。仕事をすることで毎度毎度恋をスポイルするのももったいないし、新しい人を探すエネルギーや時間もないでしょうし。でも、仕事に打ち込んだ結果、恋人とはこれ以上一緒にいても自分のためにならないと結論を出したのなら、それはそれで1つの結果なんでしょうが。お互いにこの人と思える人に出会えたら、その存在を大事にしていくためにも、仕事にも張り合いを持ってやって行けるのがいいんじゃないかと。・・・と、映画を観た後でいろいろと考えてしまいました(笑)仕事をしている人も、かつて仕事をしていた人にも、仕事とパートナーとの関係を再考させてくれる、明るくて元気な作品でした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.26
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原題: TOI ET MOI監督: ジュリー・ロペス・キュルヴァル出演: マリオン・コティヤール、ジュリー・ドパルデュー、ジョナサン・ザッカイ、エリック・ベルジェ、シャンタル・ロビー上映会場 : 東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『正しい恋愛小説の作り方』 ページはこちら。動画はこちら。これは『エディット・ピアフ 愛の賛歌』でオスカーを受賞したマリオン・コティヤールと、ジュリー・ドパルデューが主演ということで、どーーーしても観たかった。日本では劇場未公開、DVDは出ているようですね。しかしながら、すでにDVDスルーな作品なんで、これ逃したらほぼスクリーン上映はないと予想。というかほぼマリオンを観に行った私としては、これ大変よかった。やっぱり、美しい人を見るのは楽しいし(笑)姉役のジュリーが作家、そして妹役のマリオンがチェリストという設定。姉は自分の周辺をまんま小説にして、しかもそれをみんなが知ってるんで、今風に言うならリアルワールドがダダ漏れ、ってことなんでしょうね。それを承知で自分のネタまで売りますし、また家族友人知人も書かれますので、黙ってネタにされる方はたまったもんじゃない。そして自分の恋愛が停滞してる時はそれはそれは辛い連載となります(笑)作家ってある意味そういう職業という感じしますが、少なくとも脚色は入れると思うんです。しかし全くのガチンコはお互いような気もする(笑)ジュリーの服装、これ『しあわせの雨傘』のドヌーヴさまをちょっと思い出してしまいました。 カラフルでポップ、可愛らしく、これって女子の永遠のワールドなんでしょうね。どっかで夢見ちゃってる・・・。夢見てる分、痛さに気付かないっていうのもある意味痛い(笑)だってそいつはもうダメ男じゃん! って観ている方は完全に「終了フラグ」立ててるのに、ご本人は気付かないんですよねーこれが。恋愛なんてそんなもんですが。対照的に恋に臆病な妹役のマリオン。このままでいいのだろうか・・・と思いつつも最後の一手が出せない、そこで行かなきゃ! って、これまた他者は思うけど(笑)、それも自分で自分の背中を押すか押さないかってところにかかっている訳だから。この映画でも最後がちょっとほろ苦く、そしてちょっとあったかく、という終わり方で、さらっとしてて観ている方は好感持てますね。DVDスルーされてしまった作品ですが、普通に劇場公開でもよかったかも?フランス映画好きさんなら普通に観に行ったと思いますけどね。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.22
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原題: KARNAVAL 監督: トマ・ヴァンサン出演: アマール・ベン・アブダラ、シルヴィ・テステュ、クロヴィス・コルニヤック、ドミニク・ベイヤン上映会場 : 東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『カーニバル』 ページはこちら。動画はこちら。この日は1日お休みを取ってフィルセン詣出でした。朝から晩までいると正直ちょっと疲れましたが、でももう二度と見れないんじゃないかと思うと、どうしても行きたくて(笑)この日は長編+短編の組み合わせでしたね。本作は、『サガン -悲しみよ こんにちは-』(未見なのー)で日本でもその名が広まった、シルヴィ・テステュー主演ということでかなり興味湧きました。フランス北部の港町・ダンケルクで行われるカーニバルが舞台となる作品。これがまた、にぎやかなのよねえ。すごい盛り上がり。イメージとしては、こんな感じ。参考にさせていただきました。とにかく飲めや歌えや、小さい子がいたって夜通し遊ぶ時は遊ぶ! なんていう姿勢って、やっぱりラテン系の国なんだなあと感じる。こういうお祭り行ってみたいなー。 1月~3月みたいなんで、今がちょうど旬。そういえば劇中でもみんな寒そうにしてたもんね。真冬のお祭りなんでしょう。カーニバルそのものが一種の「興奮状態」なので、その中で起こることも非日常、いつもだったらまずはしないことがほとんどなんじゃないかと。ラルビにとっても、ベアにとっても、あのキスは「魔法のキス」だったんでしょうね。街中も自分もトランス入ってて、そして激情にかられてしまう。 それもカーニバルの魔法。日頃悩みにしていることが重ければ重いほど、それを忘れて目の前のことに走ってしまう、そして永遠にそこに戻らなくてもいいんじゃないかとも思い始めてしまう。ベアの抱える想いも、主婦としては共感できちゃう。一口にだんなさんと言っても、全部が全部ウェルカムというわけでもないでしょうから(笑)そこに現れたラルビはそんなに好きじゃないとわかってても、その言葉に吸い込まれてもいいと思ってしまう。そしてカーニバルが終わった後、夢から覚めた人間のように、現実に向かっていく様子というのもね。 やっぱり現実なくしては生きてはいけないから。夢の中で夢に酔い、そして夢から覚めてもまだ夢の続きを彷徨っているように、人は生きていくものなのか・・・何事もなかったようにしようと思っても、季節がめぐってくるとまた、カーニバルを思い出すのでしょう。シルヴィ・テステュはほんとに可愛い! 生活に疲れた主婦役であっても、何気ないしぐさが小悪魔に見えちゃうんだからさすがです。これも味わい深い作品でした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.22
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原題: CERTIFIED COPY監督: アッバス・キアロスタミ出演 ジュリエット・ビノシュ 、ウィリアム・シメル 鑑賞劇場 : ユーロスペース公式サイトはこちら。「夜にたどりつけない男と女」という、何ともまんまな(失礼)コピーが当てられちゃってったんだなあと、今さらながら思ってしまいました。ネタばれもそうですが、そう言いきってしまってもねえ・・・。 と。「本物を証明する意味で、贋作にも意味はある」がモットーのジェームズ。その講演に参加した「彼女」(→ 役名はない)との絡みを描いていくのですが・・・。役名がない、というところがもう、この映画のテーマと深くかかわっているようで、文字通り「存在しない」ような存在、つまり本物ではない象徴としてそこにある。2人の会話がいつの間にか、どこから真に受けていいのかを分からないように仕組んでいくのも、この監督の技なんでしょうね。観客の方が「あれ? 今見てるのは真実? そんなこと言ってた?」と煙に巻かれてしまいそうな感じですしね。ずーっと夢の中の風船を追いかけるような感覚で映画を観て、最後の最後に、現実はこれなんだよと突き付ける。結局は、現実と願望とのボーダーラインを決めていく訳ですけど、映画全体がトリックのような雰囲気なんです。「彼女」の詳しい現状についてはあまり伏線はなかったけど、人が抱える願望、こうなってほしいという想い、それが叶わないながらも、強く持ち続けるあまりに、世界までもが変わってしまうような錯覚を起こすこともあるのかもしれない。結局そこは偽物の世界でしかないのですが。その「念」が動かしていくものを覗けるとしたら・・・? という、過程として考えても面白いかもしれません。その対象に選ばれてしまうのは、いいのか悪いのかわからないけど。そういう意味で本作、実験的だなと感じました。監督の遊び心なのかしら。 キアロスタミ作品は初鑑賞なんで、ずいぶん観念的だなとも思いましたが・・・。その実験を、トスカーナの美しい風景や、ビノシュの妖艶な様にうまく絡めています。ルージュの赤はカッコよかった。あの赤、ブライトじゃなく少しダークというか、茶色がかってて大人の赤でしたね。観客までもが迷い込むような感覚に陥らせる当たり、なかなかうまく組み立てていると感じます。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.19
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この週は結構オフがあって、モバックの翌日は、映画オフ♪おしゃべりしてきましたー。場所は品川プリンスシネマ前にある、カフェ・ド・シネマ。ここの映画館は来たことないので(!)、なかなかたどりつくのが大変でしたが(笑)、どうにかみなさんと落ち会えて合流。お茶しました。DSC04430 posted by (C)rose_chocolat日向夏のレアチーズケーキセット。これ表面に求肥(ぎゅうひ)みたいなのがついてて面白かった。(ちと食べにくくはあるが・・)カップ&ソーサーがかわゆい。フィルムついてるし。この日持って行ったお土産です。やっぱり、モバックにも持ってたんだから、頑張って作らなくちゃ! って感じで、作りました(笑)いつものエピですが・・・。DSC04429 posted by (C)rose_chocolat短い時間でしたが楽しかったー。また行きましょう~。
2011.02.19
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今回のオフでのおみやげです。いつものチョコブレッドですいませんが・・・。DSC04398 posted by (C)rose_chocolatそしてパルメザンソフトを作りました。 2次発酵前。DSC04399 posted by (C)rose_chocolat焼きあがり。DSC04400 posted by (C)rose_chocolat2人分、ラッピングしました。DSC04402 posted by (C)rose_chocolatLouiseさんからはクッキーをいただきました。地元のお菓子屋さん、しっかりしたお仕事のお菓子です。DSC04403 posted by (C)rose_chocolatそしてさいしょさんからは、手作りのチョコ。さいしょさんプロの方ですから!!DSC04422 posted by (C)rose_chocolatDSC04431 posted by (C)rose_chocolat丁寧ですよねー。お味もよかったです!みんな忙しいですが、また行きましょう!お疲れ様でした。
2011.02.18
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1つ前の日記で、モバックショウにご一緒した、Pastoral Louiseさんと、さいしょさんと、ご飯食べました。風ですぐ止まる京葉線に、帰りはまた乗っちゃいましたが、3人とも座れたんで、そのままちんたらと東京駅まで来ちゃいました。この日は1日中京葉線は混乱してたみたいですね。京葉線の終点の東京駅、実はここは東京国際フォーラムの隣なので、元々の東京駅よりも、有楽町駅が近いのよ。(京葉線だけ、別にして、駅作ればいいのにっていつも思う。。。)なので、ご飯もその近辺でいただきましょうということになり、行きつけのローストチキンハウスに行ったんだけど、満席だって!金曜だからねえ・・・ ということでその近くにあったBangkok Kitchen 丸の内店 に入ることにしました。Bangkok Kitchenの公式ホームページはこちら。DSC04425 posted by (C)rose_chocolatまずはエスニックと言えばお約束の生春巻。DSC04407 posted by (C)rose_chocolatツナサラダ。 辛さはマイルド。DSC04411 posted by (C)rose_chocolat春雨の炒めもの。 お野菜いっぱい!DSC04413 posted by (C)rose_chocolatチキンカレーだったかな? 忘れましたけど何かのカレー。DSC04414 posted by (C)rose_chocolatまあ、女同士なんでよくしゃべるよね(笑)パン関係のこと、お店のこと。お店ならではの話も濃かったー。こういう時じゃないとなかなか時間取れないですよね。 お互いに。そしてこれまたお約束のデザート。昨年から私がハマってる「タイアイスコーヒー」、注文しよう~ってことになりました。DSC04416 posted by (C)rose_chocolat何かすごくおしゃれ~。タイアイスコーヒーって、アイスコーヒーなんだけど、甘さが砂糖の甘さじゃなくて、一体何だろうね? って。日本よりも甘いのよね。現地が暑いから?エバミルクなんじゃないか? というのがさいしょさんのご意見(笑)ですけど調べてみるとコンデンスミルクみたいですね。タイでは「甘くしないでください」って言わないと、とんでもなく甘いのが出てくるんだそうです。そしてデザート!どれも美味しそうだねー って話になり、どうせなら3つ取って分けようって(笑)マンゴープリン。DSC04417 posted by (C)rose_chocolatココナッツアイス。DSC04418 posted by (C)rose_chocolat本日のシャーベット。 ライチです。DSC04419 posted by (C)rose_chocolat3つ並ぶとすごい幸せ感♪DSC04420 posted by (C)rose_chocolat短時間でしたけど中身の濃い時間でした。また行きましょう~
2011.02.18
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2年ごとに行われるモバックショウ。2年置きに、関東と関西でやるんですけど今回は関東の番。なので4年ぶりの参加です。4年前は大人数で行ったんですよねえ・・・ 懐かしい。4年前の参加の様子です。Part1だけ載せておきますんで、あとは適当に探して下さい(笑)4年なんて本当にあっという間でしたね。あの頃は上の子が中学受験終わって、ホッとしていろいろイベントに行った頃。早いなあー。今回は、楽天blog友の Pastoral Louiseさんと、さいしょさんがご一緒しました。どちらも、このblogの初めのころからのお友達です。さいしょさんはご自分でお菓子屋さんをされてますので本職の方、Louiseさんもパン&お菓子作りにはとても信念持っている方ですね。自分もパン作りに関してはいい加減なことしたくないので、そういう意味では3人ともすごく共通項がある? やっぱりテイストが近い方たちの方が楽しめますもんね。ということでモバックショウです。会場は4年前と同じ、幕張メッセ。京葉線ってよっぽど何かのイベントがある時じゃないと乗らないんですけど、この電車、強風で新木場で止まってしまった~!!13時に東京駅から乗ったのに、その後新木場で30分止まって、それから徐行運転でノロノロ・・・ 海浜幕張に着いたのは15時(涙)駅でLouiseさんと合流~そして、幕張独特のどうしようもない海風にたっぷりとさらされながらメッセまで歩き、死にそうになった。疲れました・・・。メッセで休憩してからでないととてもじゃないけど入場する気になれませんでしたので、さいしょさんとも落ちあっておしゃべり。結局入場したのは16時(笑) 回る時間が1時間しかないじゃんw今回驚いたのは「場内撮影禁止」の場所がほぼ展示内全域だったこと。仕方がないので、上からの写真でガマンして下さいね(笑)DSC04405 posted by (C)rose_chocolatDSC04406 posted by (C)rose_chocolat写真撮影はここまで。フロアに降りたら一切禁止でした。これは、模倣対策でしょうね。 機械のメーカーさんは例外なく撮影禁止、撮影していた人はストップかけられてました。でもこのくらいしていいと思います。 技術泥棒はNGですし。4年前と違うこと、他にもいっぱいありました。まず、前回はかなりあったサンプリングはほぼないこと。サンプル希望者には、自宅に発送しますという体制を取っていました。これじゃないと企業は大変ですもんね。試食ばかり出してても経費が大変だし。と、こんなところで不況が分かりますね。そして、出店者の顔ぶれというか、機械メーカーがほとんどで、食品・包材関係のお店がとても減っていたこと。減ってはいないけど、小間になったってことかもしれません。派手にやっていないですね。 どんどん試食させて客を呼び込んでいたのは大手食品メーカーばかりです。それでもサンプリングはしないという。 (まあこれが正しい商談なのかもしれませんが。。。)なので文章だけで紹介しますと、試食で印象に残ったのは昭和製粉。業務用小麦粉で作ったパンの試食がありましたが、私たち3人の目を引いたのは、業務用小麦粉の中の「パン用粉B」。いや~、これはもちもちですよ。しっとりというか。さいしょさん曰く、「手に持った瞬間から違う!」とのこと。これ早く一般流通していただきたい!現在は業務用しかないそうですが、これはヒットするんじゃないですか?あとは、米粉も注目されてましたね。埼玉県の小さなブースがあって、そこでは埼玉県職員の方が、米粉をPR(笑)何でも、埼玉県産のお米を使用した米粉関係の製品を作っている、みたけ食品工業株式会社とタイアップしてるみたい。米粉製品のご紹介はこちらです。もう私たちは終了間際だったんでちょっとしか見れませんでしたが。。最後に見つけた出店者さん。平野紙器さんです。いやー、ここ、すごい。製品を格安で販売してました!!!↓の写真。DSC04410 posted by (C)rose_chocolat角型のカップ。 480枚で1000円!!DSC04421 posted by (C)rose_chocolat丸型、70枚で250円!!あり得ないお値段です(笑)もう、3人とも必死で探して~。さすがに1000枚のは分けっこしましたが、それでも安い。 安すぎー!で、お兄さんのツッコミがこれまた面白いよ。岐阜県に本社ですけど、ノリは関西系と見ました。とにかく買うてって、安いから! と(笑)また行きたいな~。そしてこれは数少ないサンプリングなんで紹介しちゃいます。日本製粉株式会社の、ポタージュです。お姉さんが一生懸命サンプリングしてくれました!DSC04423 posted by (C)rose_chocolatこのポタージュ、一般のスーパーには置いてなくて、例えばパン屋さんの店先に置いて販売するという形のようです。商品名は「実りの野菜スープ」、お味はトマト・コーン・普通のポタージュ。昨日トマトポタージュを食べましたがこれ超美味しい!普通にも買いたいくらいですね。売ってるところ探したい!ニップンというと、オーマイだのうどんだのというイメージがありますが、業務用も面白そうです。そしてこれは購入した製品。いちばん端の、「パンのイベントステージ」で販売してました。ドイツのパンマイスターが作ったパン6種類+エコバッグで、1000円!これよく考えたら安いよね。普通にパン6個買ったって1000円超えるし。マイスター制作パン&エコバッグだもん。DSC04426 posted by (C)rose_chocolatエコバッグ、可愛いでしょ??普段づかいしやすいし。 デザイン、イケてます!DSC04428 posted by (C)rose_chocolatパンもね、菓子パン、黒パン、リースパンもあったり、どれもおいしいのよー。すごく満足です。DSC04427 posted by (C)rose_chocolat1時間しか回れませんでしたけど、4年前に来てコツはわかっているので、ささーっと要所要所は押さえたと思います。面白かった!このあと、Louiseさんとさいしょさんとのオフ飲みでーす。
2011.02.18
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原題:TENUE CORRECTE EXIG?E 監督:フィリップ・リオレ出演:エルザ・ジルベルスタイン、ジャック・ガンブラン、ザブー、ジャン・ヤンヌ上映会場:東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『正装のご用意を』 ページはこちら。Tenue correcte exig?e wiki(仏語)動画はこちら。これもね、フィリップ・リオレ監督&エルザ・ジルベルスタインということで、どーーーしても観たかった!見逃したくなくて、仕事1時間早退しました(笑)このあと『英国王のスピーチ』試写がよみうりホールであったんで、この日は1本しか見れなかったけど。でもそうまでして観てよかったなと思える作品だった。こういうジャンルの作品ってなんて言うのかしら。 ただのコメディでもないような気がするけど。あららら・・・というコメディのテンポそのものを楽しむ作品です。内容の濃さうんぬんは置いておいて(笑)、ジャック・ガンブランとエルザの掛け合いを楽しむのが正解なんでしょうね。とにかくエルザがかわいくて。あのピンクのタイトなドレス。 そして小悪魔的な態度といい、可愛らしい。ガンブランの奥さんの仕打ちっていうのも、絶対にあり得ないんだけど(笑)、そのあり得なさっていうか無理難題っていうかワガママさがね。 かえって笑えます。このラストがすごくよかったと思うのは、やっぱり一筋縄ではいかないように作ってあること。助けてもらって、新しい人生を! ではなくて、そこはプライドがそうさせない!くらいの強さがありました。それでもこの2人にはいい感じになってもらいたいけどね。ラブコメも、フランス映画流になると、こうも辛口、リアリズムになるのかと、結構驚きます。チョコレートドリンクのような甘ったるいんじゃなく、まるで辛口の白ワインのような味わいと言いますか・・・。 このテイストは本当に国民性なんでしょうね。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.16
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原題: THE KING'S SPEECH監督: トム・フーパー 出演: コリン・ファース 、ジェフリー・ラッシュ 、ヘレナ・ボナム=カーター 、ガイ・ピアース 、ティモシー・スポール試写会場: よみうりホール公式サイトはこちら。急に試写にお誘いいただきました。 ありがとうございます。アカデミー賞大本命と言われてますんで、やっぱり外せませんよね。そしてこの映画を語るに当たっては、当時の英国王室の状況を知ることは不可欠と言ってもいいでしょう。知らないで観ても別に構いませんけど、話に置いていかれる可能性は大。(苦笑)というか歴史でやりますよね。 「世紀の恋」とか。ジョージ6世 wikiエリザベス・バウエス=ライオン(王太后:The Queen Mother) wikiエドワード8世(ウィンザー公爵) wiki映画の中では、この血縁関係の間柄はさーっと描かれていますが、実際はね。 いろいろあったんだと思います。何故ジョージ6世が吃音になったのか、幼少期からのことを読むにつけ、彼ら兄弟が置かれた状況の特殊さということを十分考えたとしても、これはかなり気の毒な環境だったし、また当時の方針が彼に合っていなかったんでしょう。 不幸なことです。そして、本作のベースとなったエピソードであるところの、ジョージ6世の妻となったエリザベスが言語障害の専門医(ライオネル・ローグ、ジェフリー・ラッシュの役)を夫につけたことも史実。ただし「エリザベス王太后の存命中はこれを明らかにしてほしくない」という王太后の希望があり、大衆向けの公演(演劇とか映画(→本作も)とか)は彼女の死後に行われています。ということでほとんど史実のため、話を崩しようがない前提がありますから、本作は「ジョージ6世が直面した難題」、すなわち吃音を取り巻く話を丁寧に描くということに専念しています。これはある意味正しいと言えましょう。一国の王の演説が聞き取れないのでは、国民の士気に関わる訳ですし。まして当時はTVは大衆にまで行き渡りませんでしたから、音声だけが全てといってもいいでしょう。予告にもありますが、ジョージがヒトラーの演説の映像を見て、「何を言っているかわからないけど、彼はうまい」と言います。指導者たるもの、民衆の心をとらえないと支持はされないという意味ですが、当時、第2次大戦前の一触即発の状況だったことを考えると、吃音を克服したい彼の心情も理解できます。とは言っても、生来の引っ込み思案な性格、加えて吃音コンプレックスもあるジョージにとっては、克服は並大抵ではない。王族の一員であるというプライドもそれを邪魔する。そこで生きてくるのが、ライオネルの方法論でありまた彼の性格でもあったりする。何かを成し遂げようとする時に、余計な垣根やプライドはいらないし、実はそれを取り除くことが最も難しい。そこを、「信頼」で乗り切って行ければ、ということです。ジョージの奥底に眠るトラウマを引きだしたことは、ライオネルにとって、信頼に足る人物と認められることになります。人間誰しも何がしかの触れられたくない事情を抱えながら生きるのは当然だけど、そこをさらけ出すことはなかなかない。 さらけ出す人も選ばないといけない。そのような人に、ライオネルがなれたのも、ジョージにとっては幸運だったのではないでしょうか。コリン・ファースの演技は素晴らしかったですね。彼がアカデミー取るかな?そしてジェフリー・ラッシュもですが。ガイ・ピアースの、即位1年足らずで王位を去るエドワード8世役。 華やかだけどどこか浮わついている感じも適役です。あと個人的に素晴らしかったのはヘレナ・ボナム=カーター。 彼女自身も上流階級の出身なだけに、最近のコスプレみたいな役ではなくて、ここで真価を発揮していたのでは?毅然として動じない、そして策を練る。 それでいて夫には尽くす女性。ロンドンが戦火にさらされても疎開せず民衆と苦難を共にして、ヒトラーから「危険な女性」と恐れられた肝の据わったエリザベス王太后。 なかなかしっかり者でしたたかだったんでしょう。ジョージに、彼女のような、人の心を捉える女性がついたこともまた幸運だったんだと思います。まさにヘレナならではの役というか。 そこに一番共鳴しました。史実ということで、割と淡々と進んでしまいますし、悪く言えば「崩しようがない作品」です。 そのままです。なのでこれは今年の作品の中では、myランクのすごく上位には来ないと思います。『ソーシャル・ネットワーク』のように、奇を衒うというか、あっと驚く展開というものはそうありませんが、そこは俳優陣の演技で見せていく作品と言えましょう。Queen's Englishの、流れるような言語の持つ美しさも改めて感じることができます。今日の評価 : ★★★ 3/5点
2011.02.16
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原題: MASH/M*A*S*H監督: ロバート・アルトマン出演: エリオット・グールド 、ドナルド・サザーランド 、トム・スケリット 、ロバート・デュヴァル 、サリー・ケラーマン第2回午前十時の映画祭:青の50本 『M★A★S★H マッシュ』ページはこちら。いやあ、こういうの大好きです。アメリカンブラックジョークみたいなやつ。テイストとしては『トロピック・サンダー』に近いんだろうねえ。 もっとも、それより30倍増しくらいのブラックさですが(笑)かなり事実を皮肉っている、えぐりこんでいる。 こうじゃないと映画が面白くならないんです。で、これ、戦争反対!とか言ってる訳じゃなくて、 むしろフザけてます。 フザけてるのが狙いかもしれません。 おバカにところどころ混ざる重症負傷兵のグロ画像や、 頻繁に行われる手術シーンの深刻さに戦争を感じさせてる。 製作年が1970年ということで、ベトナム戦争真っ最中、 しかしながらベトナム戦争を正面から題材にする訳にも行かず、それでやむを得ず 朝鮮戦争が舞台になっているのでしょうか。 朝鮮戦争もかなり攻防が激しかったですが、それは一切見せずに作っています。 それなのにどうしてなんだろう。 このブラックさが突き刺さる。 それにしても昔の軍隊ってセクハラ全開じゃないとどうにもやって行けなかったんでしょうね。表では厳しくしつつも裏ではしたい放題・・・ っていうのも何となくわかるような気がする。ある意味動物的!?人間の本性がぶつかり合う戦場だから、それがあって当たり前なのもわかるような気がするけど、フィクションも大いにありと予想。あのシャワーシーンはさすがにね(笑)そして何と言っても、音楽がいいですよね。この映画の場合。 オープニングも、よくよく曲を聴きながらスクリーンを見つめると、そこにはさりげなく またもやグロ画像。 シチュエーションが飲み込めてない観客を、遠目からのロケ地俯瞰図で 誘導していく、これとてもうまいです。 しかも歌詞がありえない(笑) "Suicude is painless"とかってさあ・・・ マジなんだかふざけてるんだか。 あとはBGMとして流れる日本の曲ですね。 「東京シューシャインボーイ」 歌:暁テル子 なーんて、 持ってくるところがうまい。 最も日本の描写もかなりいい加減ですけど、それがどうでもいいところがまたギャグで。 まあ何ともいい加減で面白い作品でした。 ノリとしては『パイレーツ・ロック』にも近いかな? そこに戦争ブラックギャグ30倍&アイロニーをちりばめたって感じです。 ドナルド・サザーランドはカッコよかったですね。 今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2011.02.14
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原題:PEAU NEUVE 監督:エミリ・ドゥルーズ出演:サミュエル・ル・ビアン、マルシアル・ディ・フォンゾ・ボー、カトリーヌ・ヴィナティエ、クレール・ヌブ上映会場:東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『新しい肌』 ページはこちら。「現代フランス映画の肖像」、ずっと行こう行こうと思っていたのですが、この日が初参戦となってしまいました・・・ほんと忙しかったんですよね。何だかんだと相変わらず用事が入るし。 見逃したのはすごく多くて残念なんですが、こうして観たものは記録したいと思います。サミュエル・ル・ビアン、私結構好きでして、出会いは『DISCO』です。なんか、コメディアン? かと思うくらい面白くて、その次彼をスクリーンで観たのは、『ジャック・メスリーヌ』。これも出番は少しだったけどなかなかシブかった。他のも観てみたいなあ。。本作はDVDは日本でもないみたいで、やっぱり貴重な作品です。タイトルの"PEAU NEUVE"、こちらはフランス語で「新しい肌」ってなるみたいですが、同時に、生き方を新しくするって意味にもなるんでしょうか。まさにそういった感じのストーリー。今までの、親子3人でのつましい生活を続けてもよかったのに、いきなり妻子を置いて遠方に転職するなんて。。「ブルドーザーの運転くらいしか、職はないから」と言われたアランが本当にその仕事に向いていたっていうのも、偶然と言えばそうなのかもしれないけど、そこに、男ならばみんな持っている「ロマン」を見出してしまったアラン。まるで、今まで見たこともないおもちゃでも見つけてしまったような感じなのかもしれません。自分の居場所はそこにしかないと思う一方で、次第に疎遠になって行く妻子のことも、自分が選んだ結果なのにどこかやるせなく、八つ当たりしてみたりする。でもまあ、妻子にしてみればこれほど身勝手な大黒柱もないわけで、気持ちが違う方に向いていってもしょうがないんでしょうね。アランの同僚で、若いけど不器用で、自分をうまく表現できない男がいる。彼なんかは言うなれば「どんくさい」感じだったりして、子どもっぽく憤慨したしもして、どこか周りと違うアプローチしかできないところに本人も歯痒かったりするのだけど、そんな「はみだし者」の彼に親身に接するアラン。ここに出てくるエキストラの中には、本当に就職センターに通っていた人たちも参加しているというエピソードを聞き、約10年前のフランスの世情を思うとともに、世の中についていけない人間に対しての温かい目線を感じる。いつまで経っても大人になりきれない男たちへの賛歌でした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.12
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ひさびさパン作りでございます。また作らないといけないのよね。 いろいろ予定入りました。春の、上の子の文化祭バザーに、パンを出すことになりました!個数は決まってないけど、今回は私1人で焼くから、まあ気楽と言えば気楽、だけどお手伝いがないので、あんまりたくさんは出せないかも。ちなみに前回出した時(3年前)は50個でした!試作たくさんしないといけないね。 何作ろうかなー。その前に家にある材料も消化。いちごシートがあったので、これこそ早めに使い切らないといけないし。発酵前。 折り込み→成形後、パウンド型に入れます。DSC04393 posted by (C)rose_chocolat・・・・・・・なんかこの段階でもう、出来上がりのダメさが見えますね(爆)あららー後ろのコなんか、ぶちゃいく決定?まあ、出来の悪い子ほど可愛いって昔から言って・・・ ないよ!でもいいの、折り込みパンは売らないから(笑)DSC04394 posted by (C)rose_chocolat翌朝の写真。出来のいいコの方です(笑)折り込みも難しいからねえ。。まあ、家用なんで別にかまわないけど。試作&家パンを兼ねてこれからいろいろと作りますかぁ。。
2011.02.12
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原題: HEREAFTER監督: クリント・イーストウッド出演: マット・デイモン 、セシル・ド・フランス 、フランキー・マクラレン 、ジョージ・マクラレン 、 ジェイ・モーア試写会場:ニッショーホール公式サイトはこちら。(以下、ネタばれにはしてないつもりですが、わかってしまうかもしれませんので、鑑賞予定の方は、鑑賞後にお読みになった方がよいかもしれません。あしからず。)イーストウッド作品で鑑賞済みなのは、 『チェンジリング』 『グラン・トリノ』 『インビクタス』です。 空白期間が長いのであんまり本数観てないんですけど。 それらと比較すると、やっぱり本作、薄めかもしれません。 全面的には社会派映画という感じじゃない内容ですのでね。「人は死んだらどうなるのか」 「死んだ人と交流ができるのか」 がテーマ、3人の登場人物のエピソードがクロスする。 まさに原題に "HEREAFTER"、「来世」とあるのですが、私は霊的なものは否定しません。 なので、この映画で描かれている世界も「あり」かなとは思っています。 ただし世の中には、霊的なことを商売にしている人も多いし、その大半がまやかし(でしょうね)だから、 ジョージのように控えめで真実を告げる人がいてもいいと思う。本当に、邪念や私利私欲がなく、相手のためを思って時には叱咤激励するような言葉なら、私も訊いてみたいと思うし。 ジョージの場合は、自分が利用されることを望んではいないし、また積極的に自分を利用したいとも思っていない。彼は自分が人のことが分かり過ぎるのが辛い。 わかってしまうと、その人との関係がその後は変わってしまうだろうし、また、興味本位で訊いてくる相手に真実を告げたところで、反応は様々だから、一概に感謝されるばかりでその後を過ごすこともないかもしれない。ましてや、愛した人のことが分かり過ぎてしまうのも場合によりけりで、知ってしまったがために関係が壊れることもたくさんある訳ですし。なのでジョージの選択は、ある意味必然だったと言えましょう。 「自分が相手を知ることが苦痛にならない関係・環境」を探していたのですから。そしてそこに、津波で九死に一生を得たマリーと、双子の兄を亡くしたマーカスの人生が交差して行きます。マリーは津波での臨死体験をずっと心に抱えていて、それが理解されないということに深く悩んでもいるし、また分かち合える人がいてほしいと望んでいる。マーカスも、大事な兄を失った悲しみに浸っており、また兄に依存してきたことに気が付いていなかった。彼もまた、自分がとらわれている場所から動けなかったのだろう。霊視によって人生が交差するというのもわかるのですが、その仲介が「大切な人を亡くした悲しみ」であるとするならば、それがマーカスでなくてはならない理由付けが少々弱いように感じました。彼以外にもたくさんその人物は出てきましたし。その理由として「私利私欲がない」ということなら、何となくわからなくもないのですけど。ずっとわかりあえる人がいないまま、あるいはその想いを抱え続けたまま生きていくということも、なかなか辛いことでしょう。その意味で、自分がまっすぐに生きていける場所を探したかったのかもしれません。自分の心の置き所が、ジョージもマリーもマーカスも 欲しかったんでしょうね。 そのために1度、精神的に生まれ変わって、あたかも「来世」に生きながらにして行く心地にしていったのでしょう。こんな感じですが、私は個人的には非常にうなずける部分があったので 好きです。 ただし、テーマ的に非常に個人の振れ幅は大きいので、 絶対的にどうのこうのとは言えないでしょうし、 無理な人は全くダメかもしれません。 (スピルバーグが製作総指揮に入ってて、その影響かもしれませんけど・・・)ファンタジーでありながらも、ウェイトとしては少なめですが、社会に対しての批判もありました。安心して観れるとは思いますし、トーンも落ち付いていて私は好きなんですが、 果たして万人がそう思うかは何とも言えないと思いました。 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.10
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原題: APART TOGETHER監督 ワン・チュアンアン 出演 リン・フォン 、リサ・ルー 、シュー・ツァイゲン 、モニカ・モー公式サイトはこちら。コピーに、「中国と台湾を隔てる悲しい歴史に翻弄された二人の夫と妻」とあるのですが、これをきちんと理解するには、第2次大戦後の中国史や、台湾との問題を押さえておかないといけないのでしょうね。国共内戦について wiki最も、この映画においては、そんなに中台のあれこれは描かれてはおらず、むしろその歴史の流れによって運命を変えられてしまった人たちからの目線が中心ですが。あまりにも簡単に善民(シャンミン)が玉娥(ユィアー)の希望を認めてしまい、燕生(イェンション)とも友好的な関係を築いてしまうのにはかなり拍子抜けしましたけど、そこには、台湾建国時の混乱や、動乱によって生じた影響、携わったり残された人たちの様々な心情を加味する必要がある。善民は玉娥を不憫に思ったのだろうし、そしてお腹に建国(ジュングオ)を抱えた玉娥はそうするしか生きる道がなかった。愛だの恋だのと言っている余裕はなかったはずです。そこからお互いに、後ろ指を指されながら、理不尽だと思いながらも必死に生きてきた。だから、「そこには愛はない」と玉娥が言った時も、それに対して真っ向からなじるということは善民にはできなかったのでしょう。それ以上に40年という歳月を、玉娥は尽くしたはずです。また、自分の裏返しとしての燕生の苦労も、善民はわかっていたと思うのです。それにしても、建国はかなり燕生には冷淡だったかなとも思いました。関係ないとは、かなりなお言葉です。父親の苦労を汲み取ろうとする意思がないのはもともとなのか、それとも後天的に建国に植えつけられてしまったものなのか。その理由は映画の中では明らかにはならないのですが、その冷淡さや、他の子供たちの自己主張なども併せての原題の中国を描き、中台間の動乱が起こった頃に中国人が持っていた良さが失われてしまったことを強調したかったのではないだろうか。ナナを除く子孫たちが非常にドライなのはその象徴でしょう。新しい住居に来なくなってしまった子どもたちもまた、歳月と共に変わって行く中国社会の象徴でもありますが、愛のために生きると決めた玉娥の、今後の人生に結果として横たわる深い絶望も考えていかないといけないように思います。愛と言っても、博愛もまた愛であると自分に言い聞かせることでしか癒せないように感じました。しかしながらそれをどこかで運命として、流していくような覚悟も、玉娥のなかには存在していたと思います。食卓を家族で囲むこと。 しかしながらその胸中には裏腹の想いも同時に乗せているはずで、外での食事が台無しになるシーンにも重ねられている。原題にもあるとおり、"together"であるのにも関わらず、実際は"apart"だったのは、今まで築き上げてきた自分の家族だけではなかったということです。いくら歳月を重ねても、越えられないものは越えられない。それに耐えられるかどうか。 この描き方が、どうしようもない現実を浮き彫りにしています。20年前に設定にしているところがまた、リアルでもありました。欲を言えば、もっと中台問題に踏み込んでもよかったかもしれません。監督は『トゥヤーの結婚』(未見です)のワン・チュアンアンですが、中国での制作ということを考えると、この着地点はギリギリの線だったようにも感じました。あくまでも家族の問題が焦点ですし、これでよかったと思います。今日の評価: ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.09
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原題: THE TOWN監督・出演: ベン・アフレック 出演: ジョン・ハム 、レベッカ・ホール 、ブレイク・ライブリー 、ジェレミー・レナー公式サイトはこちら。東京国際映画祭クロージング作品。これは人気で、当然のごとくプレは全て外しちゃいましたので、一般公開まで待って鑑賞して来ました。実際にこの舞台となったチャールズタウンという街は存在していて、ボストンに吸収合併された入植地。 アイルランド系住民が多く住むらしい。ボストンと言えばハーバード大学やMITなどの有名大学がある文教の街である一方で、地区によってはこのように犯罪発生率が高い場所があるの? と調べてみると、あからさまに犯罪発生率が高いと言及している訳ではないみたい(『ザ・タウン』関係の感想やらサイトに、やたらそういう指摘が多いのってどーなんでしょ)。原作の小説は、昔刑務所があったチャールズタウンを舞台に設定し、架空の強盗犯罪の街という風に作り上げたようで、このあらすじだけで一概にチャールズタウンそのものを凶悪な街と断定するのは尚早のように感じますが・・・。観終わって思ったのは、テーマとしては似ている要素がある映画は多く存在していて、私が観た中では、同じ東京国際映画祭で上映があった『そして、地に平和を』ですとか、『ソフィアの夜明け』だとか、そういったジャンルです。街全体が荒廃していて、そしてそこに住む者たちの中に悪の連鎖が存在する、ということです。荒れた街で育ち、そこ以外何も知らない環境だと、染まる以外に生きる術はないのかもしれない。朱に交われば・・ ということですが、その街で散々犯罪をしてきたダグは、仲間のジェムらとは一線を画し、タウンを出ようとする。もともとダグの生い立ちの中で、悪に染まりきるには完全になれない部分があったのかもしれないし、または罪を重ねる中でその意識が芽生えたのかもしれない。その説明は詳しくはなされなかったように思うけど、とにかくダグは人生を変えたいと切望している。彼の仲間たちがみんな根っからの「ワル」なのに、どことなくダグだけがまだ根っこには立ち直れるような要素が垣間見えている。 ここがポイントのように感じます。悪の中にもわずかなる善が存在する、そこに希望がある、しかしそこから抜け出すことは容易ではない。その彼を決断させるのは、今まで彼が知らなかった世界で生きていたクレアだった。正面突破では到底かなわないことを、2人にしかわからない方法で実現させようとするダグの試みは、それだけ彼が真剣だからこそなんだろうと思います。話としては『ショーシャンクの空に』(→ ネタばれ、要反転)を思い出してしまいました。てっきり展開から、よくある悲劇ものとばかり思っていたので、この最後はあら?って感じもしなくもなかったけど、基本的に架空の話だから、ファンタジーであってもいいという考えなのでしょう。俳優が監督をする場合って、割と正面切っての問題作とか社会派作品というのではなくて、どこか物語の中に、ご自身とは離れた世界に仕上げた部分が多いんでしょうかね。ディエゴ・ルナ監督作品の『アベルの小さな世界』でもそう感じました。悪の連鎖が世界中にあるならば、そこから抜け出したい人たちもまた同じ数だけ存在しているはず。 その希望を見出せる終わり方は一理あると思います。昨年『ハート・ロッカー』でも活躍した、ジェレミー・レナーが、根っこに抱える不安を犯罪にぶつけている若者役、そして『旅するジーンズ』シリーズではガールズトークを展開してくれたブレイク・ライブリーが、本作ではダグへの依存から脱却できないクリスタを演じていて、そのあたりの役作りも面白かった。そして俳優としてはポジションを築いたベン・アフレックが、今後どのような作品を作って行くかも大いに期待させる作品となりました。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.05
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原題: KRAMER VS. KRAMER監督 ロバート・ベントン 出演 ダスティン・ホフマン 、 メリル・ストリープ 、 ジャスティン・ヘンリー 、ジェーン・アレキサンダー 、ジョージ・コー第2回午前十時の映画祭:赤の50本 『クレイマー、クレイマー』ページはこちら。昨年度見逃してしまったんですよねーこれ。毎週毎週、規則正しく朝の10時に映画館に行くというのもなかなか難しくて。今年は2年分あるので大忙しになりそうです。青はまた追いかけられるし、最悪みゆき座で観ればいいかっていうのがあるけど、もう赤は逃したらほぼ無理なので、こちらも追いかけないといけないでしょう?(笑)結構ハードかも。本作、私が子どものころの作品なんでもちろん劇場で観ることもなく、何回かTVでは流して観ているんだけど、ちゃんと劇場鑑賞できるんならそうしたいとも思っていたので、早速行って来ました。第52回アカデミー賞の目玉となったこの作品。制作された1979年当時は、アメリカでは「離婚問題が深刻化し、結婚した二組に一組が離婚するまでに」なっていたそうで、その問題を取り上げた本作はタイムリーであったでしょうし、また離婚問題がつきつける現実にも正面から取り組んでいることから、多くの共感を呼んだものと思われます。とりわけ、離婚での裁判のシーン、両親に対してのビリーの言葉やしぐさ、それらはみな、離婚によって一体どのくらいのひずみが生じ、またそれを乗り越えていこうとするのかを表しているようにも感じます。しかしながら本作はやっぱり30余年前の観念なんだろうなと思わせる部分も正直あります。観ていてこの作品にすごく共感した訳じゃなかったな・・・ と思った理由がジョアンナの結論で、 今だったら、「ビリーの家はここだから」などとしおらしく引き下がることは 絶対にしないと思うんだよね。 とことん闘うだろうし、また彼女に親権がいくと思います。 それを引かせたのは一重に当時の社会事情というか、 まだまだこの映画が男性目線で作られていることの証拠かもしれません。 原題をよく読むと"Kramer vs. Kramer"ですので、夫妻の戦いを意味している訳ですけど、 その割にはずいぶんあっさりと幕引きしてしまったなあという印象です。 しかも勝ったのに。 怪我のことを持ちだすとは思わなかった、とジョアンナは言ってますけど、 裁判なんだからそれは当然だよね? 勝たないと報酬も少ないし。 今見るとこの裁判のシーンなどもずいぶん柔らかい印象があります。 そしてやっぱりあのフレンチ・トーストのシーンは面白い。 ビリーくんも可愛いですね。 しかし涙が出なかったのは何でだろう? と自分に問いかけてしまいました。 それにしても、男親が、忙しい仕事の合間に不慣れな子育てをして、 一生懸命子どもに言い聞かせてコミュニケーションを取っても、 セントラルパークで、母親が目の前に現れた瞬間にビリーが取った行動。 あれは世の男親をがっかりさせますよね(笑) 母は強し。 なので、その「強い母」に対抗すべく、あのラストにしたんじゃないかなっていうのも考えられます。 一貫して、テッド目線では描かれてはいますけど、ジョアンナの心情というのは会話や裁判の説明などで、断片的にしかわからない。 30年前はそれでもいいっちゃいいのかもしれないけどね。 1979年制作ですから、今から32年前のお話です。 この映画が当時各賞を受賞しても、絶賛こそあれ、あまり批判の声が聞こえなかったのも不思議。 撮影当時、ダスティン・ホフマンも離婚協議の真っ最中だったというのが何とも皮肉だし。 このことが脚本に影響を与えたのかどうかは知りませんけど。これを見ながら思ったことは、例え30年前の現象であったとしても、 女親が子供を引き取ってきちんと暮らしていけるだけの素地がアメリカにはあるということ。 日本にもあるといえばありますが、それができるのはごく少数の、安定した職を持った女性たちのみでしょう。 基本的に日本は「女性が1人で人生を生きる」ことに対しての選択肢を与えていないように 感じます。 その意味では日本はまだアメリカの30年前の水準にも達していないということなのでしょうね。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.05
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監督: 瀬田なつき 出演: 大政絢 、染谷将太 、鈴木京香 、田畑智子 、三浦誠己 、山田キヌヲ、鈴木卓爾公式サイトはこちら。これも東京国際映画祭では「日本映画・ある視点」部門でしたが、時間が合わずに断念した作品。やっと観に行けました。染谷くんは『パンドラの匣』で初々しい感じだったのが印象に残っています。原作はコミックなんですね。 これも未読。みーくんの、ちょっと人とは違う?系を見守りつつも、だんだんと明らかになるまーちゃんの壊れっぷりにも驚かされますが、それにはそれなりに理由がある。下地になっているのが、小学生の時に揃って監禁された過去と言うことですが、これも、そのまんま出してくるわけではない。 ここがポイントなんだと思います。まーちゃんが何で「みーくん」と言い続けるのか。それはもう、そうなっても無理もないと言うべきでしょう。心が壊れ切っている訳ですから。今までにいくつか、幼児や少年少女を監禁するという事件がありましたが、やっぱり犯人の性質は尋常じゃなく、当然ですけど理解し難いものがあります。その犯人の周辺の人物たちもまた、犯人に絡め取られてしまっているわけで、これも一種の犯罪被害と言える。少しだけ勇気出して欲しい・・・ と思うんだけど、実際は恐怖でとてもできなくなってしまうんじゃないでしょうか。話を戻して、みーくんとまーちゃんのある種の「異様」は、ファンタジーというオブラートでくるまれる形で進んでいきます。屋上のシーンなんかもそうですね。そしてその異様さとか、不自然さなどには理屈としての説明がなく、シーンとしてのみ伝えている。 これは統一感があってよかったと思います。下手にくどくどと言わない方がこの場合はいい。で、みーくんですよねえ。観客に、「そうなのか!」と一旦は思わせておいて、実はそこから仕掛けが始まってくるというのも、うまい。他の方のblogのコメント欄に最近、「グリム童話って本当は怖いんだよね」とコメントしたことを思い出したのですけど、本作もそのような印象がありました。怖いから、実はファンタジーやギャグとして何事もなかったように扱う。その本質を見抜く作品です。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.02
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今年から、敢えて独立して日記にするまでもない作品とか、よもやま話は、月末にまとめることにしました。基準は★2.5以下くらいかな。あと2回目鑑賞とかね。1月3日(月)『オーケストラ!』(2回目鑑賞) ル・シネマ1回目鑑賞はこちら。アンヌ=マリーの表情はいささか演奏への不安に満ちていたり、未知の事柄に対してのオドロキとか期待なども混じっていたり。対するレネの表情は、限りなく演奏に酔いしれていたのが対照的。この演じ分けをしたメラニー・ロランはさすがです。チャイコフスキーの演奏の序盤でもう、うるうると来てしまった私。やっぱりこの映画はいいなあ。アンコール上映をしてくれたル・シネマに感謝。上映前に、「フィルムおよび音声に乱れがありますがこれは各地で上映してきたためです」という注釈が。それだけ旅をして、皆さんに喜ばれてきたんですね。そう思うとそれも勲章かも。昨年myランク洋画第1位、やっぱり何回観ても好きです。DVD買った~*********************************1月12日(水)『人生万歳!』 恵比寿ガーデンシネマこれが結局最後のガーシネになってしまいました。開館17年目にして閉館。ということで、この映画館にあまり思い出がない理由がわかりました。明らかに映画空白期間とダブってるんですよね。結婚出産育児、ほぼ映画観てないですので。ここで通いつめてたら、相当想いはあったように思うんですが、時期的にそうできなかったんだね。なのでここでの初鑑賞は何と2008年、『ぜんぶ、フィデルのせい』です。もっと良質のいい映画をいっぱいここで観たかったです。 残念。で、映画ですが、もともとアレンは好きじゃない。 というか苦手科目。彼の作品で何とかいいかなと思えたのは、『マッチポイント』 『ウディ・アレンの夢と犯罪』 くらいなんですね。どうも彼の描く恋愛映画って、ご自身がしてきたことを弁解する感じな作風でねえ・・・。これも最後そうでしょ。「何でもアリ!」って、ま、そりゃそーだけどさ。それで終わりにしちゃうのもねえ。そう言えば『タロットカード殺人事件』もそーだったような気が・・・。アレンは自分には合わないなーとまたもや感じてしまっただけでした。★★ 2/5点*********************************1月14日(金)『僕が結婚を決めたワケ』シネマズデイに行ってました。これ、男性主人公の見分けがつかなくてね。女性陣が美女系なだけに、ここで男性陣を同じ系統で揃えてくると、逆にバランス悪そうな感じがしてしまう。まあ、人の好き好きはあるから? それでもいいじゃないと言われればそれまでですが。何かうやむやだった感じが・・・。あの披露宴でのスピーチ、あれは不自然すぎますね。何で止めなかったの??私ならそんなことパートナーには絶対させないけどねー。というか、もう忘れてます。 そんなに悪くはなかったと思うけどね。 すいません。★★☆ 2.5/5点*********************************1月18日(火)『ウォール・ストリート』試写会 九段会館もうすぐ公開なんですけど、こちらに入れちゃいます(笑)だって、一言で言うと面白くなかったのよ。前作観てないっていうのもあるんだけど、終わり方がどうにもよくありがちなパターンですしね。キャリー・マリガンは、こういう単純な作品じゃなくて、複雑なキャラクターの方が絶対にいいです。★★ 2/5点*********************************1月31日(月)『グリーン・ホーネット』(2D)ゴンドリー監督、キャメロン、ジェイ・チョウということで楽しみにしてました。ですが、セス・ローゲンの役がどうにもねえ。大したことはできないのにカトーを家来扱いにしてましたし。カトーがいなかったら何もできないのに。技ってあったのかしら?キャメロンも、『ナイト&デイ』の方が女らしくてずっとよかったです。本作はどうにも落ち着かない感じでもったいない。カトーの役は、思った通り、アジアに対しての見識が全然違って描かれてます(笑)日本人ならあの音楽はまず聴きませんね。それとレバーの文字とかも、日本だったら今時は英語が主流じゃないですか。これも想像どおりでしたけど。でもジェイ・チョウを観れただけで満足です(笑)★★ 2/5点とまあこんな感じです(笑)鑑賞記録なんで読み飛ばしてねー。
2011.01.31
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監督: 佐藤信介 出演: 二宮和也 、松山ケンイチ 、吉高由里子 、本郷奏多 、夏菜公式サイトはこちら。原作未読。 これ、どうしよっかなーと思ってたんですけど、「意外とおもしろかったよ」っていう声に押されて行くことにしました。ニノ&マツケンなんでちょっと興味あったんですよ(笑)これ、一番ツボに来たのは「田中星人」でした。何となくうっとうしい感じが最高でしたよねー(笑)服とかもあんなだった。 爆笑です。ここで元ネタが分かる人は齢バレますwあと私、ねぎが大嫌いなので、「ねぎ星人」とか聞いた瞬間に逃げるよ(笑)敵の設定は結構面白かったけど、余計な間が多いのが気になりました。そんなことしてる間に死んじゃうよ! っていう空白シーンはしょうがないのかな?あと、登場した瞬間から完全に死亡フラグが立ってる人たちがあまりにも多いんで(笑)、そこはもう少しわかんなくしてもよかったんじゃないかな。どうすればここから脱出できる!?っていうところと、人物像を全て出してきたのが本作、そして次回作へと続きます。前編での人物像と後半での人物像が果てしなく入れ替わる人もいるようで、楽しみになりました。田口トモロヲさん、後編は活躍してほしいね~そして山田くんがどういう風に出るのかも気になります!今日の評価 : ★★★ 3/5点
2011.01.31
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原作: 西原理恵子監督: 小林聖太郎出演: 小泉今日子 、永瀬正敏 、矢部光祐 、小西舞優 、正司照枝試写会場: スペースFS汐留公式サイトはこちら。トークショーつき女性限定試写会に行って来ました。上映終了後に、小宮山洋子厚生労働副大臣、北斗晶さん(本作出演)、そして原作者の西原理恵子さんの3名がゲストでお見えになりました。西原理恵子さん関係の映画を観るのは4本目です。 『女の子ものがたり』 『パーマネント野ばら』 これらは彼女の高知時代の話がベースです。 そして、直近の 『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』、 これは『毎日かあさん』と同じく 鴨志田さんとのことを描いてます。 西原さんが一言ずつ面白いんですよね。 で、 「東のお母さんってすごい真面目なんですよね。 『こんなことしたら子どもに悪いんじゃないのか』とかって真剣に考えちゃう。そう言う所は 西のお母さんってすごいアバウトというか、てきとーというか。 私もそのノリなんですけどね。 だって『今日、私離婚したんですよー』って言ったら、 『そりゃーアンタ、よかったなあ』って言われちゃって(笑) 関西のオバちゃんの返しは奥が深いです。」 なんて言うもんだから。 とにかく彼女の感覚としては、「金があってよかったなあー」ということで、 鴨志田さんが亡くなった時にも、人としてちゃんと送りだすにも お金が必要だった、だからその時感じたのはお金があってよかったってことで、 そのためにも、女性は仕事をしなさいってことをお話しされてました。 「『毎日かあさん』が、私の感覚に一番近かったような気がする。だけど、映画というのは別のメディアなので、私の手を離れたら、どういう風になろうと関知しないことにしてます。」とも仰せでした。マンガなども時々拝読させていただいてますけど、もともとお子さんの描写が多い。 本作も、お子さんに割く時間が多かったり、また描写自体もじっくりしていました。『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』が、鴨志田さんの闘病に重きを置いていたのに対して、『毎日かあさん』はどちらかと言いますと、西原さんの母親としての視点がポイントになっています。あとの2人のゲストは、出演してた北斗晶さん。 彼女もワーキングマザーとしての「どすこい母ちゃん」的な目線での話、 そしてもう1人の、小宮山洋子厚生労働副大臣も、 「そのためにも女性が働きやすい社会にしたい」と仰せでした。 (ちゃんと実現させて下さいね)児童虐待防止キャンペーンとタイアップということで、今回小宮山大臣がゲストにいらした模様。こういうタイアップならどんどんやっていただきたい。さて映画ですが、永瀬正敏・小泉今日子という、「元夫婦」が主役というのも、本作はなかなかの話題です。 よく承知したなーと。 公開時期が続いてしまったということで、やはりどうしても 『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』との比較になってしまうのですが、この2つの映画の夫婦役、浅野忠信・永作博美&永瀬正敏・小泉今日子の俳優陣が似た雰囲気なんですよね。外観だけじゃなくて演技のスタイルもどことなくなのですが。なので、どちらか片方だけ鑑賞する分にはいいんですが、両方観てしまうと、どっちがどうとも言いにくい部分があります。特に鴨志田さんを演じたお2人に関しては、それぞれ「なりきる」意気込みが伝わってきていますので。もちろん西原さん役に関しても、小泉さん永作さんともに雰囲気作りをきちんとされています。映画のスタンスもすごくかけ離れている訳ではないので、余計にそう感じてしまう。ですので、映画自体のポイントがどこにあるのか、そこが分かれ目のようにも思いました。『酔いが・・・』は鴨志田さんの入院生活、そして本作は西原さんの子育てです。西原さんのワールドは確かに、普通の人生では体験できないことが 一気に凝縮して来てしまった彼女の人生そのもので、 またそのどこを切ってもドラマティックなわけですよ。 幼少期からしてありえないでしょー? て思うんですけど、 そこを少しづつマンガに書いていくうちに、それ面白い、書籍とか映画にしようという話に なって行ったんじゃないかと思います。 そして鴨志田さんとの生活もまさにジェットコースターであり、 渦中にいる時は壮絶であったとしても、それが終わってみると 遠隔で眺めることができるくらい、彼女にとっては「俯瞰している」感覚になるのでしょう。 どちらにも共通することですが、そこにお2人の仕事が絡んでくるということです。マンガと写真。そこに普段の生活を写し出すことによってワンクッションができ、逆に生活そのものを俯瞰できるようになる。この作り方は個人的にはすごく好きです。本作の最後の、鴨ちゃんの写真の場面や、『酔いが・・』の海の場面など、日常をべったりということではなく、それをどこか突き放して見る目線があるからこそお話自体が生きてくるように感じます。西原さんご自身のお話を少し伺ってみて、あくまでも自分に起きたことではなく、1つ離して眺めているスタンスを感じ取りまして、ご職業柄そうでないといけないのだろうなとも思いました。そしてそのポリシーを忠実に表現していた小泉さんにも好感も持てます。壮絶な人生だった鴨志田さんとの生活のもう1つの柱として、子どもたちの成長をユーモラスに折り込んで、和らげる役割もきちんと置いており、バランスが取れた作品となっているように感じました。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.01.26
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監督・出演(声): FROGMAN 出演(声): 松崎しげる 、国広富之 、 神田うの鑑賞劇場 : TOHOシネマズ川崎公式サイトはこちら。ぼーっとしてたら、この映画が限定劇場で1週間限定公開(1月22日~28日)、しかも料金が無料という、一体それは何? 的な作品だってわかったので、川崎ついでに観ることにしました。何でこのように無料鑑賞ができるのかと言いますと、TOYOTAハイブリッドとのタイアップだから。窓口で「トヨタ店のハイブリッド1枚」って言うと鑑賞料金が無料でした(笑)登場する刑事(デカ)が全部兼務(笑)というか、そこがハイブリッド! という、なるほどFROGMAN的なオチに苦笑。ですけど、単純に面白いよ。このくだらないネタに公務員改革だとかをマジで絡めてるって。そして、聞いた瞬間に一発でわかる神田うのの声だとか、今さらトミーとマツだとか、かなりウケました。私も、ブッ飛ばしてえ・・・ って若干思わなくもなかったから!?あ、そうだ、それと個人的に一番印象に残ったのはエンドロールの曲!これ~、知ってる人はトシがバレるけど(爆)タイアップはタイアップでも、TV局と映画が滑った転んだってじゃんじゃかやってるのは嫌いな自分ですが(!)、こういう、純粋にお客さんに喜んでもらおうというためのタイアップは大歓迎です。こういうタイアップですと企業の印象もよくなりますね。ふむふむ、ハイブリッドカーとはそういうものなのか! と、映画のなかでもきちんと丁寧に紹介されてますので、好感持てます。今後、映画も企業もイメージアップする形のサービスを兼ね備えたタイアップの一例として、モデルになるケースだと感じました。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.01.24
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監督: 寒竹ゆり制作総指揮: 岩井俊二出演: AKB48公式サイトはこちら。正直、昨年まではこのコたちは全然顔も名前も一致しない・・・ という状態でした(笑) 人数多すぎますもん。なので楽曲は2010年紅白メドレーで歌った3曲しかちゃんとはわからないです f^^;先日「桜の栞」「十年桜」を初めて聴きました。 いい曲ですね。少女たちは今の自分に何を思うのだろうのか? というサブタイトルなのですが、やはり48人全員は出ておらず(そりゃそうですよね)、一部の主要メンバー(プラス将来の主要メンバー?)のインタビューが中心です。具体的には、入場者記念で貰ったハガキに写っているメンバーですよね。高橋みなみ 小嶋陽菜 前田敦子 板野友美 峯岸みなみ篠田麻里子 宮澤佐江 柏木由紀 大島優子 河西智美渡辺麻友 北原里英 指原莉乃 横山由依 (順不同)このくらいだったでしょうか。うろ覚えなので足りなかったら教えてくださいね。何となくAKB48の2010年総選挙のYouTubeなどで予習はしており、ここに出てくる大体のメンバーの顔と名前は一致してます。最も、メディアの露出が多いメンバーは覚えますけど。ですが1人1人詳しく見ている訳ではないので、ネットですとか雑誌ですとか映画とか、あとは外見のイメージでしかわからないメンバーについても、彼女たちの生の声をスクリーンから発信できたというのは大きいと思います。(ある程度は、「こういう線で話して下さい」という誘導はあったかもしれないけど。)私のようにあまりAKB48を知らない人にとっては、「入門レベル」での教材? になると思います。 しかしながらそれでも本作鑑賞に当たっては、最低限の予習は必要に感じました。例えば主要メンバーの顔と名前が一致すること、AKB48における「センター」とは何か、「推し」とは何か(笑)とか、あとは誰が何期生だとか、誰がチームAとか、所属までわかっているとさらに入りやすい。基本的にAKB48の歴史とかは語られないので、そのあたりは自分で調べるしかない。AKB48 wikipedia例えば劇場に通ったりしてメンバーを追いかけているファンの方にとっては、この作品は正直、物足りない部分も多かったのではないかとも想像しますが、メディアを通じてしかわからなかった彼女たちの素顔を垣間見ることができるので、そこがこの映画の「売り」なんだと思います。ただ、"to be continued "的というよりもやはり「今」を描くことが主体になってしまっているのは仕方ないでしょうね。もっとたくさんのメンバーの声も聞きたかったですが、映画として成立させないといけないし、これが限界なのでしょう。インタビューされてるメンバーたちの「本音」というか、「素顔」、部分的ですが興味を惹かれました。完全に本音という訳にはいかないですし、また映画向けというか、若干プロモーションビデオ的な要素がなくもなかったので、そこには「ドキュメンタリー映画」を意識した構成も当然ある。撮り方の美しさなんかがそうですよね。 特に、こじはる(でよかった?)の出演シーンはすごく綺麗。 そのまま写真集に使えそうな映像です。その他のメンバー、例えば、宮澤さんなどは、ステージの感じと素の感じがかなり違ってて、インタビュー中の彼女はまるで女子大生のように、すーっと溶け込める雰囲気でした。宮澤さん、そして峯岸さん。 彼女たちは初期(に近い)頃から活動し、またそこそこのポジションを得ている立場として、共通のことを言ってました。すなわち、「自分はもっと上に行きたいけど、これが自分の実力だろう」という主旨のことです。あれだけ大勢いたら、自分のポジション取りも本当に大変だろうし、あとから入ってくる新メンバーが追い上げてくる脅威もあるだろうし。この大所帯の、しかも不安定な組織(いきなり「組閣」とかありますから)の中で、少なからず彼女たちが抱えている不安のようなものも読みとれます。そして柏木さん。おっとりしてるコなんだろうなーと思っていましたが本当にその通りで、故郷・鹿児島での旧友とのシーンなども、飾ってないんだなあと思わせる。この彼女がチームBのキャプテンをしている様子も出ていましたが、いきなりぐいぐい引っ張るよりも、まずはみんなを知って・・・ ということを信条としている彼女が、本音を話す部分。ここも、抱えている重責への不安だとかが分かります。そして昨年めでたく総選挙第1位になった大島さんでさえも、将来を見据えていろいろ考えているというのも、何か考えさせられる部分がありました。あとこの映画で印象的だったのが、横山さん。彼女に関しては本当にこの映画以外にはわからないけど、先輩メンバーとの仕事の中で、彼女の努力が認められて引き上げられたというのもすごく理解できる。ただ単に容姿端麗である、歌やダンスがうまい、というだけではダメ、そこに人間的に魅力があり、伸びしろがある人材を求めているのでしょう。新旧のメンバーを抱えながら、ずっと見守ってきつつも、自らのスキルアップもし、さらにメンバーを引っ張っている高橋みなみさん。彼女のポリシーというか、根性というか、嫌われ役になってもいい、AKBに骨を埋める! という姿勢はすごいですね。サラリーマンだって今時こんな人いないでしょう? しかもまだ19歳。あれだけの組織を実質まとめられているのはひとえに彼女の存在でしょう。モー娘。の中澤さんを思い出しますが、さらにさらに彼女は、瞬時に判断して的確な言葉を発していく。AKB全体を考えられる統率力は素晴らしいものがあります。天性のものなのでしょう。あるメンバーが、「たかみなに嫌われたら、それは人間として何かが間違ってるんだ」と発言していることなども、如何に彼女が信頼を得ているかが分かる証拠ですね。誰もが安住していられない、のほほんとしたらいけない、という想いを抱えながらも、それでもAKB48は好き、続いてほしいと願う気持ちがベースにあるからこそ、続けることができるんだと感じます。その中で不安を感じていても、いつの間にか自分の居場所ができ、役割ができていく。 流されそうになる中で、仲間がいて、かつ切磋琢磨できるからこそ、維持できるグループなのでしょう。その中でも、自分を見失わないでほしいな、と、私などは思ってしまいます。ほとんどうちの子たちの世代なので必然的に思うところもありますし、AKB48にいつまでいるかはわからないけど、卒業してからの人生の方がずっとずっと長いはずだしね。何でこのグループがこんなに!? って思ってしまって、興味のない大人もたくさんいると思います。 しかしながら、どうしてここまで、社会現象的になってるのか、その理由を知りたい方には、本作は適しているようにも思います。監督も、彼女たちと比較的世代が近い寒竹ゆりさんということで、メンバーたちも長期間の撮影(ステージの日付などでそう思うんですが)にも関わらず、伸び伸びとした感じが出ているのかもしれません。興味深いドキュメンタリーでした。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.01.24
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原題: DUE DATE監督: トッド・フィリップス 出演: ロバート・ダウニーJr. 、ザック・ガリフィアナキス 、ミシェル・モナハン公式サイトはこちら。ロバートの新作ということで早く見たかったー。でも、私が今一つ苦手だった『ハングオーバー』のスタッフが制作ということで結構不安もあったんですが・・・。・・・・その不安が何となく的中したような。上手く言い表せないのだけど、何と言うか、ギャグとかが笑えないというか、洒落になってなかったりもするわけですね。『ハングオーバー』もそうなんだけど。笑うにはちょっとシリアス過ぎたり、笑うというよりは凍ったり(苦笑)、ツッコみたくなったり!?恐らく日本的な感覚ですと合わないんでしょうねー。旅するにつれていつの間にか「相棒」となる所も、まっ、それでめでたしならいーんじゃない!? くらいに最後は思ってしまったわ。ミシェル・モナハンとロバートは、『キスキス,バンバン』でも共演してますし、こういうコメディタッチには息が合うんでしょうね。ミシェル妊娠中を生かした、うまい出演です。ロバートも本作は泥だらけの衣装ばかりで(笑)、そして全身傷だらけで、お気の毒さまでした。。。今日の評価 : ★★★ 3/5点 ロバートにおまけ。
2011.01.24
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『ハーモニー 心をつなぐ歌』試写の後、maru♪ちゃんとご一緒に軽く打ち合わせがてら食事に行って来ました。この日行ったのは、胡同文華(フートンマンダリン)。試写会場の新橋から近くて落ち着けるお店・・・ ということでチョイスしました。胡同文華 お店のHPはこちら。胡同文華 ぐるなびはこちら。場所は新橋駅から、JRを有楽町方向に少し行った、銀座コリドー街の一角。割と落ち着いたお店が多いんですよね。 夜もさっと入れますし。2人でシェアしました。DSC04377 posted by (C)rose_chocolat塩豚とねぎのチャーハン焼き餃子小籠包DSC04379 posted by (C)rose_chocolatいろいろ打ち合わせetc. もあったので、店内がダークで落ち着いた雰囲気のこのお店、なかなかいいんじゃないですか?今見たら、ぐるナイ《ゴチになります!》 にも登場したみたいですよ。何と今年の1月6日放送だって。ご覧になった方います??ちなみに、ゴチコースはこれだそうです(笑)
2011.01.17
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原題: Mrs Palfrey at the Claremont監督: ダン・アイアランド出演: ジョーン・プロウライト 、ルパート・フレンド 、アンナ・マッシー 、ロバート・ラング 、ゾーイ・タッパー鑑賞劇場 : 岩波ホール公式サイトはこちら。岩波ホールでかかる作品をどうしても見逃しがちな自分ですが、頑張って行って来ました。つい最近鑑賞した、『わたしの可愛い人―シェリ』のルパートくんというのも気になり。これ2005年の作品ですから、かなり前のもの。 よく日本公開されたなあと思います。原作は、エリザベス・テイラー(アノ方じゃなくてちゃんとした作家さんです)の小説。日本公開もあった『エンジェル』(→未見です)の原作者でもあります。そして本作の主役のジョーン・プロウライトは、サー・ローレンス・オリヴィエ夫人でもあるんですね。最初、サラ・パルフリーがクレアモントホテルにやってくるのですが、ここって単なるホテル? 老人ホーム?って思うくらい、滑稽な奇妙な人たちでいっぱいなんですよね。齢取ってこんな環境に入ることになったら、私はすっごーく嫌だなー。プライバシーがない環境なんて耐えられないよ。人のことを根掘り葉掘り聞き出す人、人のことが気になって気になってしょうがない人、どっちも友達になりたくないし(笑)でも齢を取ると、暇だから、他人のことが気になるんだろうね。そんな年寄りにはなりたくないけど。サラ・パルフリーは、初めはそんなクレアモントホテルの「住人」たちに違和感を感じつつも、適当に合わせているけど、絶対そんなの嫌だと思う。 サラだけここの住人と明らかに違います。何故なら彼女には品があるから。そして知り合ったルードもこれまた、貧しいけれども品格がある。ルードにとってサラは、通りすがりの老婦人のはずが、いつの間にか彼女から人生のエッセンスについて教わることが楽しくて仕方がなくなって行ったのではないだろうか。ずっとつつましく、だけど意欲的に生きてきたサラは、人生においては成功者の部類に入るのだろう。 なぜなら老後をホテルで暮らせるほどの資金もある訳ですし。そんなサラが人生で会得したことの数々。 それは、作家志望の若者にとっても十分な材料になると共に、サラと話していると豊かな気持ちになれた。 だから、彼女のお願いも聞いてあげる気になったのだと思う。「遠くの親戚よりも近くの他人」をまさに地で行く2人だけど、サラにとってルードの存在も非常に頼もしかったに違いない。当てにならない冷酷な娘と孫を待ちくたびれたサラには、困った時に頼れるルードは、それはそれは心強かったでしょうね。ルードたち若者の姿を眺めながら、自分があるいてきた人生の道のりを振り返るサラの胸中には、去来するものがあったと思います。本当なら無関心で通り過ぎてしまう人たちを、不躾なまでのおせっかいさで結びつけてしまったクレアモントホテル。実際こんなところはないだろうなーと思いつつも、心のつながりが生まれていく過程は温かいものがありました。これもファンタジーですよね。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.01.17
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原題: HARMONY監督: カン・テギュ出演: キム・ユンジン 、ナ・ムニ 、カン・イェウォン 、チョン・スヨン 、パク・ジュンミョン試写会場: スペースFS汐留公式サイトはこちら。まずこれを観る前に思い浮かべていたのが、『私たちの幸せな時間』です。韓国の刑務所ものそして死刑囚を描く映画ですから。同じく死刑囚でも、日本の死刑ものは、『休暇』とか、『TOKYO!』(レオス・カラックス監督「メルド」)ですね。それらもまたどこまでが真実で、どの辺が脚色なのかが不明ですが、照らし合わせる限りでは、この『ハーモニー』、ずいぶんと韓国映画らしくなってしまっているように思えるんですよね。韓国の刑務所のしくみがわからないので何とも言えませんけど、一般の囚人と死刑囚が一緒に過ごしている、ということで、この映画にもいろいろなドラマが生まれてきます。(日本では確か別ではなかったかな?)そのドラマですが、前半はかなりユーモラスに描かれてたのはいいんですが、刑務所の中でそれはさすがにしないでしょう・・・? というエピソードも多くて。それ本当にしてもいいんだったら、韓国の刑務所はすごい! と思いますね。まず、18か月まで子育てができるということがすごいです。日本だとどうなんだろう? 雑居房に同居する人たちと一緒に、子どもが寝泊まりすることってあるんでしょうか。ここは知識がないのでわからないのですけど。『私たちの幸せな時間』で、韓国の囚人服についての知識が少しあったため、予告で誰がどういう状況なのかが少しわかってしまったし、そして結末もその予想通りになってました。ミヌに対して愛情を持つ、そして18か月が終了した後の展開も大体予想を大きく外れることはなかったです。最後のムノクのシーンなども、あの送り出し方は実際あるのでしょうか。そこは伺ってみたいです。事実だとしてもとても驚きますよね。試写会後のアンケートで、「どのくらい泣きましたか?」という質問があったわけなのですけど、で、確かに場内泣いている方も多かったんですが f^^; 、泣くよ、泣くよ、 なんて言われると結構引くタイプの自分としては、いろーんな場面で疑問点が生じてしまって、????だったせいか、あんまり泣けなかったです。。。 ごめんなさいですがー。かなりこれは、「映画」を意識した作りになっているため、リアルでいろいろと質問が出てしまうともう、話に入り込めなくなっちゃうかもしれません。まあ、それでも、ミヌの可愛らしさとか、合唱団のコミカルな雰囲気とか、ジョンヘの猪突猛進さとか、ムノクのひたむきさなどはよかったんですけどね・・・。あ、それと、一番印象に残ったのは、パン課長!彼女なかなかよかったです(笑)今日の評価 : ★★☆ 2.5/5点
2011.01.17
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原題: MOTHER AND CHILD監督: ロドリゴ・ガルシア出演 ナオミ・ワッツ 、アネット・ベニング 、ケリー・ワシントン 、ジミー・スミッツ 、サミュエル・L・ジャクソン公式サイトはこちら。昨年9~10月の、第7回ラテンビート映画祭出品作品。そこで鑑賞したかったのですが、新宿で1回しか上映がなく、やむなく日本公開待ちとなりました。もう待ち切れず(!)、初日に行って参りました。印象としては、一昨年myランキング第1位の作品、『あの日、欲望の大地で』にテイストが似ていたかなーという気がするのです。女性がいかにして、母となっていくのか。原題 "Mother and Child" でもあるように、これは「母と子」、とりわけ「母と娘」の話である。単に母親になりたいのなら、誰でもなれる。 しかしながら、自分が母親から最も遠い存在なのではないだろうか、いやむしろ、「母親」という存在自体を嫌悪していた自分が、期せずして母親になることになってしまったら。その事実をどのように受け止めればよいのだろう。生後すぐに養子に出されてしまったエリザベス。両親の顔も、存在すらも知らずに1人で生きてきた。絶対に母親にはならない、そう思って生きてきた彼女に訪れた妊娠という出来事は、彼女の心境を変えていく。<以下ネタばれを含みます。 見えない部分は反転させて下さい。>エリザベスの生き方、というか生きる上での「信条」、それは徹底して自立していくこと。 人に依存しないこと。1つところに、自分が帰れる場所を作らない。 帰る場所などいらない。根無し草の自分にとって、今さらそんな場所を作ってみたところで、一体何になるのだろう。というよりも、「人に頼らないこと」、「1か所に根を下ろさないこと」という生き方そのものが、彼女自身の中に、まずありきとして植わってしまっている。例え根を下ろしたところで、それはどうせ脆いものだから・・・ というあきらめのような気持ちがあったのだろう。誰かを当てにしたところで、それが根底から裏切られてしまった時には、一体何を拠り所にすればよいのだろう。裏切られて失望するくらいなら、最初から帰る場所など、なくても構わない。親から愛情をかけてもらえなかった自分を、まるで痛めつけるかのようにエリザベスはこれまで男性と交わってきたのではないだろうか。卵管結紮してまで、しかも(恐らくは)魅力的でもタイプでもなんでもない男性とまで、すぐに何の衒いもなく交渉を持ってしまうその裏側には、「望まれて生を受けなかった自分から、次代ができることはあり得ない」という意識があったのではないだろうか。人と愛を育んでいくことは、愛を知らない自分なんかがしたって意味のないこと。そのように思っていたのならば、エリザベスにとって大変不幸なことだと思う。そのエリザベスを、生後間もなく養子に出した側の母、カレンもまた、実の母との間がしっくり行っていない。普段の生活から垣間見ることができる頑なさ、そこからは、実の母が娘を理解できず、また娘も母からは愛されていないというあきらめにも似た表情が読みとれる。そしてこの映画に出てくるもう1組の母娘、ルーシーたちもまた、互いの想いがかみ合っていない。やっぱり実の母娘って難しい。お互いに十分思いやって愛しているはずなのに、その想いが濃いあまりに空回りしてすれ違ってしまうことが何と多いことか。女性であれば恐らく誰もが、妊娠ということが自分の中に起こったなら、そこで立ち止まって、様々なことに想いを馳せるはずだけど、本当に思いもよらない妊娠という事実を突き付けられ、エリザベスの心境はいかばかりだっただろう。あんなに嫌悪していた「母」に自分がなるなんて。でも、命を胎内に宿したこと、それが彼女を変えていく。本来なら気にもかけなかった人とも、何故か心を通わせる気になったのも、まだ見ぬわが子がきっかけになってくれたから。それにしてもエリザベスの自立心というものには驚かされる。自分自身の危機かもしれないのに、そこで誰かを頼った方がいいのに、それが彼女にはわからないのかもしれない。生まれた時から「人に頼らない」主義だった彼女にとって、「何が何でも子どもを自然分娩で産みたい」ということもまた、彼女なりのこだわりだったのだろうけど・・・。でも、前置胎盤で自然分娩というのはなかなか難しく、そこに彼女が頑固にもうなずかなかったのもね。 気持ちはわかるのですが。エリザベス、カレン、ルーシーが結びついていく過程も、考えようによっては出来過ぎと思わなくもないけど、1つの命が、3組の母娘たちをつなぎとめたと考えると、1人の人間ができることって大きいと思います。少女から大人の女性、妻、母と、それぞれのステージで立ち止まって考える女性たちの姿は、感慨深いものがあります。また、養子の在り方についても本作はさまざまな角度から描いています。一口に養子と言っても、受け入れ側や提供側、仲介者など、それぞれの立場ならではの想いがあり。何がその子にとって最もいい方法なのかを考えた上の選択であっても、後々になって、思わぬ結果が出てしまうことを考えると、目の前の感情や事情に流されて養子に出すことの重みも、思わざるを得なかった。とにかく、多彩な側面からの物語でした。非常によかったです。今日の評価 : ★★★★★ 5/5点
2011.01.15
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監督: 星護出演: 草なぎ剛 、竹内結子 、谷原章介 、吉瀬美智子 、陰山泰 、大杉漣ワーナーマイカル全国一斉試写会にて鑑賞公式サイトはこちら。SF作家である、眉村卓氏の実話をもとにした作品です。 2002年に癌で亡くなった奥様に、1日1篇の小説を書く。 それを続けていたそうです。設定は30代の夫婦ということにして、剛くん&竹内さんが演じてます。 映画館での予告のフィルムもとっても素敵でしたんで、これはもともと観る予定でした。その2人の姿ももちろんよいのですが、 この映画での見せどころ、それは、朔太郎の作品を映画にする部分。 これは眉村作品を読まれた方ならおわかりかとは思いますが、 氏のショート・ショートの世界や文体というものを、的確に表現している映像だと思います。 突然始まって突然終わる(笑)という印象が強く、その中に時折見せる ヒューマンテイスト、かな。 ずいぶん昔に読んだのでそんな思い出しかないのですが・・・。 しかもSFですからね。 その世界を工夫して映像化している。 ここは評価されるべき点だと思います。 特に、竹内さんの電話ですね。あれは竹内さんの魅力とも相まって素晴らしかった。眉村ワールド×竹内結子のコラボですね。昔読んだ作品を読みたくなって書店に行ったんですが、今はもうほとんど絶版。 オークションや古書店を回るしかなさそうです(涙)でも行ってみようかな。病気ものということは言わなくてもわかりますので、 泣きを取りに来るか・・・? と思ってたんですけど、 取りに来るというよりも、自然に泣きに引き寄せられると言った方が正確かもしれません。 大げさではなく、感情を乱す訳でもなく、あくまで淡々と、日々ショート・ショートを書くことに 専念する朔太郎。 しかしながらその動機が 「妻を笑わせて、癌細胞がなくなるくらい免疫力を高めてあげたいから」。 突然癌を宣告されてしまった節子のために、何かしてあげられることはないだろうか。 僕に何ができるだろうか。 実直な朔太郎にできるせめてものこと、それは書くことしかないのではないだろうか。 毎日1つづつオリジナルの作品を生み続けよう、そう決めても、 それをしていくことの何と困難なことだろう。 毎日自分のテンションだって違う、しかも最愛の妻の死を見透かしながら 書かなければならない辛さを、どこにしまえばいいのか。 節子も朔太郎も、もっともっと一緒にいたかったのに。 その想いを敢えて前面に出さずに、お互いが小説を通じて笑い合う日々は、 素敵だなと思います。 しかしその穏やかな表情が崩れるシーンも時折ある。本気で相手のことを想っているんだ、という時ですよね。普段は夢見がちで、SFのこと、空想のこと、小説のことしか考えてない朔太郎であっても、節子がいなくなると考えたらもう、他に何もなくてもいいからとにかく節子が助かって欲しいという気持ちしかなくなる。それ故の彼の行動には胸を打たれます。逆に節子は淡々としてます。それもまた、朔太郎に余計な心労をかけまいとする彼女の心遣いなんだとは思うけどね。自分の本心を抑えて抑えて、朔太郎じゃない人に打ち明けてみたり。気持ちはわかるけど、夫婦でしかわかちあえないこともある訳だから・・・ ってついつい考えてしまうんですが、そこをベタベタにしないところが本作のいいところなのかもしれません。(敢えて言えば、竹内さんがいささかお元気そうにみえてしまうのは 仕方ないんですかね・・・?)1日1篇、といってもエッセイではなく小説。 だから必ずオチがある。 とは言ってもそこはやはり氏も人間であり、最愛の妻が苦しんでいるのを目の当たりにしては、 心の平静も保てないのも当然のこと。 当然、状況だって違ってきます。最初は共に小説を読んで笑い合ってた節子が、だんだん変化していく。ゆっくりと確実に死に向かっていく事実があります。それは、日を追って小説の内容が変化していくことによって読み取ることが 可能である。 朔太郎が小説を書こうと思った1日目の作品と、 そして最後の1778日目の作品と。 そこに流れているドラマを、じっくりと、その余韻まで味わえる、秀作だったと思います。 今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.01.13
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原題: POTICHE監督: フランソワ・オゾン出演: カトリーヌ・ドヌーヴ 、ジェラール・ドパルデュー 、ファブリス・ルキーニ 、カリン・ヴィアール 、ジュディット・ゴドレーシュ公式サイトはこちら。東京国際映画祭では特別招待作品に入っており、チケットの高さ&今年公開決定のためそこではスルー・・・ と思ったら、ドヌーヴさまご来日&舞台挨拶とのこと。 あらー、TIFFで観とけばよかった?でも昨年2月に、生ドヌーヴさまを遠目で拝見させていただきましたので、それでいいかな~。お歳を重ねてもなお美しいドヌーヴ様、素敵でした。考えてみればここのところドヌーヴ様の作品が次々公開というのもほんとうれしいことです。『隠された日記 ~母たち、娘たち~』(「Femmes@Tokyo」にて鑑賞)『クリスマス・ストーリー』 (「フランス映画祭2010」にて鑑賞)そして暮れに鑑賞したばかりの『Ricky』に引き続いての、フランソワ・オゾン監督作品というのもこれまたうれしいー。彼の作品はそんなに見てないんだけど、あとは『ぼくを葬る』ですね。だらだらしてなくて、コンパクトにまとめていて、あっさりと必要なエッセンスを入れているオゾン作品は結構好きです。合うかも。昨年公開の上記2作品も、そして本作もそうなんですが、最近のドヌーヴ様の役のパターンが決まりつつあって、それは明らかに「嫁いだ娘がおり、孫もいる女性」なんですよね。まんまでもあるけど・・・。その中で必ず出てくるのは「ママみたいになりたくない」という娘世代からの反発。実の母と娘の関係って難しいですよね。認めてもいいのに素直に認めない、ほめられない。 かと言って意地を張っている訳でもない。 でもライバルだから、みたいな。自身も娘を持ち、またその娘とも同業なだけに、このあたりはお得意の役なのでしょうね。オゾン作品は、どこか「ふんわり漂っている」印象があるのだけど(『Ricky』なんてまさにそうでした)、これもそんな雰囲気がたくさんある。まず、可愛いのです。 ドヌーヴ様が。社長が倒れたので急遽社長夫人にお願いします、なんて時でも、しっかりと自分流の装いをして現れ・・・ それが本当に可愛らしいのです。お年を召して幾分優しい感じが出てきた彼女が身に纏うパステルカラーの衣装。 それもただ甘いだけじゃなくて、ちゃんと伏線が貼られているのも、何ともオゾン監督らしいと言いますか・・・。傘の会社、なーんてところもちゃんとふんわり、ふわふわしてますし。衣装って言えば、この作品、全編に70年代テイスト(というか70年代のお話なんで)で、娘のジュディット・ゴドレーシュの衣装なんてもう、ピンクのボックスプリーツスカート(!)に同色の細ベルト(!!)なーんてあったあった的なコーデだし。ジェレミーくんの、ピタってしたズボン(パンツとは言わないw)にセーターとかも、よく探すよねえっていうよりももう、ここのあたりの組み合わせのうまさなんてすごくツボを刺激されました(笑)衣装だけじゃなく、お話もそうでした。タイトルの "POTICHE" =「飾り壺」のように、「なにもしなくていいから」という人生を送っていたスザンヌ。一躍経営者として、お飾りな日々は脱出するものの、そのままずっとほんわかと行くのか・・・? ではなく、ちゃんと一波乱ふた波乱用意されてる。この場合、ジェラールとかルキーニとかジェレミーは取り合えずいるっちゃいるけど、全然問題じゃなくって(オトコたちの方が、この映画の場合は「お飾り」です)、女同士のよもやまに持って行かれるんですよね。ここはすごいなー。ずーーーっと、旦那様の言うことを聞き、旦那様のけしからんことを見て見ぬふりをし、大人しく生きてきたスザンヌが、そんなに羽ばたいちゃうなんて! って、思わないこともないのですが(笑)、それってある意味、女たちの願望? かもしれませんね。「男とは、一時、はしかのように好きになる生き物」くらいにしか扱っていない所が、なんか痛快。世界は私のために、さあみなさん、ご一緒に~! ってなことができるのも、やっぱりドヌーヴ様だからなのですね。その貫録、艶っぽさ、まさに彼女のための映画なんだけど、それが全く気にならない。 ふんわりと、でもしっかりと、可愛いのです。フレンチポップスもほんと可愛かったですよね。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.01.12
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原題: DESERT FLOWER監督: シェリー・ホーマン出演: リヤ・ケベデ 、 サリー・ホーキンス鑑賞劇場: 新宿武蔵野館公式サイトはこちら。これ昨年暮れに公開だったんですが、正月が忙しくて鑑賞できず。 よって年明け鑑賞。公開館が本当に少ない状態でしたのでね。ソマリア出身の世界的トップモデル、ワリス・ディリーの実話をもとにした作品です。トップモデルとして見出されるまでの彼女の辛い半生と、そして彼女の人生を変えた体験、女性器切除 (FGM) がこの映画の大きなテーマとなっています。FGMについて(Wiki)FGMのシーンは大変残酷です。こんな小さな子に、こんなことをして、一生苦しみを負わせるのか?最早、罪ですね。私がこういうことが大嫌いなのは、ひとえに、こういった「悪習」は女性に対しての配慮が全くなされていないことが根底にあるからです。これが生まれた土壌自体がそもそも、女性を「モノ」としてしか扱っていないからであり、それを宗教的な背景と主張するとしても、さらにその下敷きとして、男性が女性に対して「支配する」意識しかないからです。どうして支配なのでしょう?女性を男性に「従属させる」こと自体がもう、男性が女性に対してコンプレックスを持っているからに他ならない訳です。 自分についてきてくれない、だから力で支配する、自信のなさの象徴ですね。自分についてきてほしかったら、それなりの人間性を持つことが第一なのに、それを昔からの風習だとか、男のメンツだとか、貞操観念だとかの言葉に上手くかぶせて蓋をし、女性たちに押し付ける。こういう風習がある国には行きたくないですね。 行くこともないだろうけど。そして女性たちの側も、もし断ればコミュニティから受け入れられないだけでなく、ことによっては命さえ危ないわけです。母親たちがこの風習をどう思っているのかがわからないですが、「みんながするから」「することが当たり前だから」「しないとこの子は不幸になるから」という理由で受けさせるのでしょう。そこには女性としての幸せは存在しているのでしょうか。映画の中でも「女性に生まれたことが辛かった」というセリフがあります。一生FGMによる苦痛に苛まれ、男性に虐げられる苦しみも抱えた彼の地の女性たち。 彼女たちはその境遇をどう思っているのでしょうか。救いはあるのでしょうか。ワリスは、60代の男性の第4夫人になれ、と言われて、婚礼の前夜、出奔します。昼は灼熱、夜は冷え込む砂漠を、ひたすら駆けていく。命がけで祖国を脱出した彼女を待っていたのも様々な困難でしたが、それでも自由であるということは、何物にも代えがたいことだったと思います。そして成功するまでの間にも、彼女に対しての風当たりはたくさんあって、一番卑劣だと思ったのは、病院のソマリア人男性のヘルパーですね。ああいう形で彼女に苦痛を与えているのはちょっと許し難い。 卑怯です。彼女の支持者がたくさん現れてくれたのは、本当に幸運だったんだと思います。モデルとして成功したからこそ、FGM廃止運動を推進することができたわけですし。それでも、FGMによって受けた心の傷のため、今のご主人に会うまではずっと恋ができなかったワリス。苦しむ女性たちが、1日でも早くいなくなるように・・・という想いはあれども、なかなか実情はそうもいかないんだと思います。このような映画は一種の啓蒙の役割をしていますので、多くの方に観ていただきたいです。ワリス役のリヤ・ケベデも美しい女性でした。彼女はエチオピア出身のスーパーモデル、どことなくワリスにも風貌が似ていて、この大役には適任でしたね。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.01.12
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『ウッドストックがやってくる!』試写の後、映画友さん4人でご飯を食べに行きました。神保町駅、交差点から近くの「上海朝市」です。上海朝市 お店のHPはこちら。上海朝市 ぐるなびはこちら。もう試写の後で遅いのでノンアル、軽めで。割とこのあたりだと夜でもお手軽で入りやすいお店です。大根餅。 これ好きなんですよねー。上にかけるソース? が、大根おろしっていうのもいいし。DSC04364 posted by (C)rose_chocolat焼きそば。DSC04365 posted by (C)rose_chocolatチャーハン。DSC04366 posted by (C)rose_chocolatどの品も、味がしっかりついてて好きです。そしてリーズナブル!最後に小籠包。写真のこれ、2皿目です(笑)でも本当は1皿だけ頼んだんですけど、食べ終わった頃にお店の方が、「先ほどのがあまり出来がよくなかったので、よろしければこちらを召しあがって下さい」と、出して下さったんですよ!すごいなあー。完成形(本来の、出来がいい方です)の画像を載せますね。DSC04368 posted by (C)rose_chocolatとても美味しかったですよ~。やっぱり中華に行くとどうしても小籠包注文しますもんね。マストアイテムです。
2011.01.11
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原題: TAKING WOODSTOCK監督: アン・リー出演 ディミトリ・マーティン 、ダン・フォグラー 、ヘンリー・グッドマン 、 ジョナサン・グロフ 、ユージン・レビイ試写会場 : 九段会館公式サイトはこちら。「Director’s Driven Project(監督主義プロジェクト)」の第1弾として、明日1月15日(土)から、ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開される本作品。一足お先に試写にお誘いいただきました。 ありがとうございます。もともと気になってはいましたのでうれしいー。ウッドストックは、イベントは知ってましたけど当時の曲はほぼノーチェック。ということでハッキリ言ってそんなに馴染みはないです。原題が "TAKING WOODSTOCK" なだけに、音楽でガンガン楽しんじゃえ! とかっていうノリではないんですね。むしろ「語り」なのかなあ。この主人公のエリオットの成長物語的な側面も持ち合わせつつも、ウッドストック誘致までと、その模様を伝えている。どっちがメインなの? って思ってしまう人も多いかもしれません。肝心のコンサート場面はほとんどわからない状態なので。。。版権料の関係なのか? って考えると少々哀しいものがあるのですが、ここはやはり、エリオットの自立がメインと考えた方がよさそうです。いつまでも親の束縛下にはいられない、いたくない。そんな彼の羽ばたきたい気持ちを感じることができます。いい子のお面をかぶり続けることに疲れた、いやむしろそんなもの、ない方がいい。ウッドストックを通じて彼が学んだのは、音楽ではなくて、そこに集う人たちの考えでしょうね。とは言っても、"Lucy in the Sky with Diamonds" 的なシーンも出てきますので(ここは綺麗だったよ)、やっぱりR-15でしたっけ? 制限はかかってしまいますが・・・。こんなに自由に振る舞うことが許されるのか・・・ と、エリオットも目からウロコだったように思う。そのテイストを楽しむ作品ですね。ただ、考えているよりもストーリーは割と平坦です。リーヴ・シュライバーが出てきた時は「おっ!」って思ったんだけど、意外とおとなしかったねえ・・・。そして音楽はBGM程度で考えておいた方がいいかも・・・。 最も、当時のことにお詳しい方なら十分に楽しめると思います。今日の評価 : ★★★ 3/5点
2011.01.11
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原題: UNSTOPPABLE監督: トニー・スコット出演: デンゼル・ワシントン 、クリス・パイン 、ロザリオ・ドーソン 、ケヴィン・ダン 、ジェシー・シュラム公式サイトはこちら。もともと子どもたちが電車が好きな「テツ」で、その影響で私も若干鉄分多め(笑)私も子どものころから、クルマの移動というよりは電車に親しんできたのでそういう意味でも電車の映画は好きです(笑)ただしこれは電車とはちょっと違って貨車ですから。トーマスの世界とは違うよねえ。この作品、『サブウェイ123』とかと同シリーズみたいなんだけど、そっちは未見。「通算5回目となるトニー・スコットとデンゼル・ワシントンのコラボレーション」ってことなんですけど、私はお初です。どうやら『サブウェイ123』が低迷したので『アンストッパブル』の資金調達ができず、危うく製作されなくなるところだったみたい。で。結構、いーんじゃない? っていうのが率直な感想。何がいいって、コンパクト。99分という尺がちょうどいい。 こういう作品はダラダラしてはいけません。スパっと進んでスパっと終わることが重要だと思う。ひょんな、どうでもいいことがきっかけで起こってしまう貨車の暴走は、「事故と呼ばれるものが人災である」ことの恐怖を知らしめます。ちょっとした気の緩みや、怠慢、そして偶然が重なって、大事故につながるんだなということがよくわかる。もっとも全てがそんないい加減な人ばかりではなく(あの事故原因の男はホントに「いらない」感じだったね)、現場で献身的に働いているにも関わらず、ベテランを評価せず首を切り、若手をどんどん採用して行ってしまうのは、日本でもそうですね。そこのところのジレンマを、デンゼル・ワシントンがうまく表現してました。ベテランが職場で先輩風を吹かせるのがいやだから・・・ とベテランたちと距離を置いてしまいがちな若手でも、それぞれに悩みがあり、それはベテランとシェアできるものだったりもする。それがフランクとウィルにもあった。家族としっくりいってない、そんなことはありふれているけど、もしかしたらもう2度と家族に会えないかもしれないという想いが、この2人に決断をさせ、勇気を与えたのではないだろうか。一歩間違うと大変古くさくなりがちなこのテーマを、さらりと仕上げてスピード感をつけ、社会風刺もしているという、1本でかなりお得感があった作品なのでした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.01.10
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原題:WITNESSTOHOシネマズ午前十時の映画祭『刑事ジョン・ブック/目撃者』ページはこちら。いやあ、ハリソン・フォードが若い!! って、彼が登場した瞬間にまず感じてしまった。そしてケリー・マクギリスですよ。 『トップ・ガン』ですよ。(今じゃもう見る影もないけど・・・・)これは『トップ・ガン』に出る前ですね。冒頭、馬車の葬列などが出てくるので、「この映画は1800年代?」かと一瞬思わせるのですが、次にその葬列とトレーラーとがすれ違っていくシーンで、これは20世紀の、現代の(製作当時は1985年ですね)話なんだって分からせる。ここはうまいと思いました。いささか時代錯誤の雰囲気を出しているのは、この話にはアーミッシュが関連してくるからです。電気がない、電話がない、音楽・写真は禁止、喧嘩をしない、などこういった彼らの特色をうまく話に折り込んでいました。大体の彼らの生活が分かるだけのエピソードを入れたのは大変ですけど、今考えるとうまく治めたなと思います。特に印象に残ったのは、「家を建てるときはコミュニティ全員で協力して1日で仕上げる」、この場面。本当に1つの建築物が1日で仕上がってしまうのはすごい。その裏には、全員で協力する体制があり、またさらにその裏には、その掟こそがアーミッシュの世界では絶対ということですね。アーミッシュの子供・サミュエルが目撃した殺人事件。彼が唯一の証人となるため、彼を守ろうとするのが刑事ジョン・ブック。サミュエルを追手から守るために奮闘する中で、次第にサミュエルの母親であるレイチェルに惹かれていきます。アーミッシュの戒律がとても厳しく、抜けたものは例え親兄弟であっても交流を許されない、といった社会。そこでの生活でしか得られていなかった習慣や情報が、外部からやってきた"English Man"、ジョンによってもたらされます。それを快く思わないコミュニティの人々とは裏腹に、レイチェルは彼に惹かれていってしまう。「自我」というものがほぼないに等しいコミュニティなだけに、いったんその均衡が破られると、とめどもなく流されていくのかもしれない。そこをこらえるのか、それとも心のままに進むのか。ジョンとレイチェルの駆け引きも、この映画の見どころ。アーミッシュのいろいろな絡みが多かったのに比べて、ジョンの側の事情というのが今一つ丁寧ではなかった感じもしました。それが惜しかったかなあ。ともあれ、刑事ものとしては中身が濃いことは確かだと思います。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.01.10
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日本インターネット映画大賞、続いて外国映画部門です。[作品賞投票ルール(抄)] ・選出作品は5本以上10本まで ・持ち点合計は30点 ・1作品に投票できる最大は10点まで-----------------------------------------------------------------『 外国映画用投票フォーマット 』【作品賞】(5本以上10本まで) 「オーケストラ!」 6点 「パリ20区、僕たちのクラス」 5点 「17歳の肖像」 4点 「シャネル&ストラヴィンスキー」 3点 「インセプション」 3点 「ニューヨーク、アイラブユー」 3点 「ナイト&デイ」 2点 「瞳の奥の秘密」 2点 「ラブリーボーン」 1点 「(500)日のサマー」 1点【コメント】 ミニシアター系が好きなので、やっぱりそっち寄りになってますね。-----------------------------------------------------------------【監督賞】 作品名 [クリストファー・ノーラン] (「インセプション」)【コメント】 奇想天外な発想が面白かったですね。【主演男優賞】 [ジョゼフ・ゴードン=レヴィット] (「(500)日のサマー」)【コメント】 今年は『インセプション』でも活躍。器用に演じ分けられる役者さんだと思います。 この役も痛いはずなんだけど何故か気になる。【主演女優賞】 [ナタリー・ポートマン] (「マイ・ブラザー」)【コメント】 盤石の演技という感じがします。【助演男優賞】 [渡辺謙] (「インセプション」)【コメント】 そうそうたる役者に囲まれて、よく頑張ったなあと思いますね。【助演女優賞】 [クリスティーナ・アギレラ] (「バーレスク」)【コメント】 シェールの対局で、華やかに演じていました。【ニューフェイスブレイク賞】 [クロエ・グレース・モレッツ] (「キック・アス」)【コメント】 彗星のように現れた将来有望な女優さんですね。【音楽賞】 「オーケストラ!」【コメント】 チャイコフスキーの使い方がパーフェクト。【ブラックラズベリー賞】 「きみがくれた未来」【コメント】 何でそこでそうなるの・・・? 的なつっこみにあふれました。-----------------------------------------------------------------【勝手に○×賞・・・男を惑わせたで賞】 [ヴェラ・ファーミガ] (「マイレージ、マイライフ」) [ズーイー・デシャネル](「(500)日のサマー」)【コメント】 リアルでいたらもちろん嫌だけど、どっちも憎み切れなくて面白い。----------------------------------------------------------------- この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。-----------------------------------------------------------------Blog用の2010年my映画ランキング <総合編>もよろしく~。
2011.01.09
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今年は初めて、日本インターネット映画大賞に参加してみようと思います。<作品賞投票ルール>・選出作品は5本以上10本まで・持ち点合計は30点・1作品に投票できる最大は10点まで-----------------------------------------------------------------『 日本映画用投票フォーマット 』【作品賞】(5本以上10本まで) 「海炭市叙景」 6点 「森崎書店の日々」 5点 「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」 4点 「ゲキ×シネ『蛮幽鬼』」 3点 「ボーイズ・オン・ザ・ラン」 3点 「ふたたび swing me again」 3点 「ノルウェイの森」 3点 「さんかく」 2点 「ゴールデン・スランバー」 1点 【コメント】 単館系のものに秀作があった1年。-----------------------------------------------------------------【監督賞】 作品名 [熊切和嘉] (「海炭市叙景」)【コメント】 統一感があるにも関わらず、重たくなり過ぎない感覚できちんとオムニバスを作り上げた。【主演男優賞】 [堺雅人] (「ゴールデン・スランバー」)【コメント】 今年も複数の作品でその実力を見せてくれました。【主演女優賞】 [松たか子] (「告白」)【コメント】 演じ切った、ということに関しては、彼女が今年いちばんだったと思います。【助演男優賞】 [高良健吾] (「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」)【コメント】 今年はこの他にも多くの映画で活躍してくれましたが、役柄に入りこんでしっかりとポジションを獲得していたこの映画に。【助演女優賞】 [夏川結衣] (「孤高のメス」)【コメント】 女性の繊細な心情を表すのがやはりうまいです。【ニューフェイスブレイク賞】 [鈴木亮平] (「ふたたび swing me again」)【コメント】 爽やかな雰囲気だけど真面目一辺倒じゃなく、今後も幅広い役ができそう。【音楽賞】 「告白」【コメント】 ピアノの入れ方、クラッシックの使い方、アイドルの曲などを効果的に入れている。【ブラックラズベリー賞】 「東京島」【コメント】 何でこんなにおちゃらけたんでしょうか。-----------------------------------------------------------------【勝手に○×賞・・・ロケ地が最高!で賞】 [森崎書店の日々] 【コメント】 神保町をほぼ丸ごと使用した静謐感あふれる映画。 街おこし的な役割もしました。----------------------------------------------------------------- この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。-----------------------------------------------------------------
2011.01.09
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少し前に行ったお店UPします。総勢9名の新年会で使いました。実は幹事が私だったので。。。本当は別のお店にしようかなと思ってたんだけど、やっぱり静岡おでんが食べたくてこちらに変更ー。小さい声で言いますが、従弟がオーナーです^^過去日記にも書いてまーす。まずは生牡蠣。 これ1粒100円!美味しいー。 もう他じゃ食べられないって。 この安さ!!DSC04350 posted by (C)rose_chocolatそして静岡おでん。 いろいろ盛り合わせ。DSC04353 posted by (C)rose_chocolatお茶漬け。DSC04352 posted by (C)rose_chocolat他にもいろいろ食べましたが、みなさん盛り上がり過ぎちゃって、画像ないでーす(笑)その後、某氏情報で「銀座一美味しいモンブランがあるんだけど、みんな行く?」って発言があり、もう1も2もなくみんなOK(笑)ぶらぶら歩いて、お上品なお店になだれ込んでしまいました(笑)(その途中に銀座シネパトス経由したのも超笑えるけど。。。)銀座みゆき館 HPはこちら。パトスの横だから、行ったのは銀座5丁目店かな?ここの、和栗のモンブランが美味しいんだって。 って聞いたらもういただくしかない!ここ、1人1人カップ&ソーサーが違うのよ。これは私の。DSC04354 posted by (C)rose_chocolatモンブラン近影。DSC04355 posted by (C)rose_chocolatまろやかなお味。。。他のみんなのソーサーね。DSC04358 posted by (C)rose_chocolatDSC04359 posted by (C)rose_chocolatDSC04360 posted by (C)rose_chocolatDSC04357 posted by (C)rose_chocolat夜中近くだっていうのに、結構な数の方がお茶されてて、さすが銀座。またお茶しに行きたい~みなさんお疲れ様でした。
2011.01.08
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原題:THE WAY WE WERETOHOシネマズ午前十時の映画祭『追憶』ページはこちら。↑のYouTubeは、ラストシーン。 (Trailerがないので)ここ最高でしたね。 何度でも泣けるかも。タイトルと、バーブラ・ストライザンドが主題歌&主演ってことだけしか知識がなかった本作。当然気になるので行きます。そしてこれもロバート・レッドフォードなんですね。最近午前十時の映画祭で、『スティング』『明日に向かって撃て!』と、続けて彼を鑑賞して、かなり昔の作品が好きになってしまいました(笑)ほんとブラピに似てますよねえ・・・。自分とはまったく境遇の違う人間を好きになることが人生の中でもあるのかもしれません。一体どこに接点があるの? と、自分自身に問いかけたくもなるほどに違いすぎる人を。でもそこに答えはないのですね。好きだから。 それだけ。このハベルとケイティーも、もしかしたらそうなのかなあ。ケイティーは、スノッブでいながらも、自分たちの世界以外の人にも優しさとウィットを分けてあげられる力があるハベルに魅力を感じ、そしてハベルはハベルで、「如何にしていい男を見つけて玉の輿に乗るか」だけしか頭になかった当時の普通の女子学生たちとは全く違い、常に自分の世界を持って闘い続けているケイティーを、支えてあげたくなったんでしょうね。ハベルのコミュニティに出てくる女子学生たちが、見事なまでにステレオタイプであり、そしてバーブラ・ストライザンドが「絶世の美女とは言えない」(→ 申し訳ないんだけど・・・汗)からこそ、この話は成立してます。ケイティーが自分の世界をきちんと持つ一方で、世間の女子学生と自分とは違う・・・と、心の底では自分に対してコンプレックスを持っていることが、この話の伏線となっています。ハベルに近づきたい、そのためには、自分も少しは世間並みの女子学生のようにしないといけないんじゃないかしら。その女心が彼女を綺麗にさせていきます。バーブラ・ストライザンドって本当は綺麗なんだなあ(→すいません~)、って、最初のシーンではみんな思うんじゃないでしょうか。お見事な変身です。しかしながら、違う価値観を持った人間同士が、その根底の部分を認め合うこと。 それは実際にやってみるとかなりしんどいです。どこかで相手を、「何をしても許してあげられる」というレベルから受け入れてないとやっていけない。ハベルとケイティーは、認めていたようで、それができていなかった。お互いに魅力は感じていたから何となくそこには触れずにいたけど、そこを見つめざるを得なくなった時、自分たちの本当の心に気がついてしまう。その人に強く惹かれあうということ、それは、良くも悪くも「運命の人」だから・・・ ということもあります。なので、その恋がダメになった時、ただ単に「別れた」のではなくて、まさに「失った」という底知れぬ喪失感と闘わないといけなくなる。この2人の場合はまさにそうだったんでしょうね。失ったものは大きくても、傷ついても、自分の信念を貫き通した2人。自分自身をごまかすことはできなかったんだと思います。袂を分かった後も、恐らく互いをどこかで想い続け、そして邂逅を迎えた時に、一気にその想いが溢れてくる。かつて本当に愛した人だからこそ、永遠に愛おしいのでしょうね。人を好きになるって、痛みも喜びも、記憶と共に抱えながら前に進んでいくこと。それは今も昔も永遠に変わらないのでしょう。今日の評価 : ★★★★★+α 何て言っていいかわからないくらいよかったな・・・。
2011.01.08
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昨年の夏、Twitterでフォロワーさんがつぶやいていたのを見て、チケットを慌てて確保しました。高良くんが出ると聞いたらもう、観なくちゃって感じなので(笑)結構そういう速い情報はTwitterから入ることが多いですね。パンクオペラ「時計じかけのオレンジ」@赤坂ACTシアター 公式サイトはこちら。赤坂ACTシアターのロビーは、お花でいっぱい!すごく綺麗でした。こういう時にカメラ忘れる私。。。 f^^;仕方なく携帯で少し撮ったんですけど、最近携帯カメラの調子が悪いんですよね。なので写真は無理。 ボケてました。ちなみに原作は未読、スタンリー・キューブリックの映画も未見。キューブリック映画のYouTubeもあったんで観てみましたけど、基本的に、こちらに沿ってるみたいですね。衣装ですとかもそっくり。恐らくですが、映画は結構残酷なんじゃないかなという印象を受けました。↓は、今回の公演の稽古の模様です。「パンクオペラ」って何? と思って調べたんですけど、わかんなかったな。 わかる方教えて下さい。舞台は基本的にセットは少なくしてあり、鏡張りになっていて、奥行きを感じさせる設定です。 それが効果として使われている。音楽は後ろの可動式の壁(と言っていいのだろうか)の後ろに透けて見えてて、そこで演奏をしています。赤坂ACTシアターの設備なども存分に生かしている舞台で、バンドを隠している壁にLED? でいろいろと写し出しているのはいいなと思います。 背景なんかもわかりますし。ただしこの光線がかなり目に痛い。 じーっと見つめていると、目の弱い方は傷めるかもしれません。時間がなくてあらすじを調べていかなかったんですけど、ある程度予習した方がこの舞台は楽しめます。ざっとパンフ読んだだけだと、ついていくのに結構大変です。私は2階席前方の正面だったんだけど、特殊メイクをしていてしかも1人で複数の役だと、誰が何を演じているのかがわからないこともあります。(小栗くん、山内さん、キムラさんはわかるけどね)似たような体型の方が多いと、追いかけるのが大変なんで、これはオペラグラスを持参した方がいいかもね。アレックスは「超暴力とベートーベン」だけに興味があり、ロンドンを根城にして悪事を働くギャング団の頭、という設定。そこのところの設定部分が、早口で聞こえにくかったっていうのはあるかな。音楽と合わせてのセリフだし。だから最初は成り行きを見守っている、という感じです。上に出したYouTubeの稽古シーンは、冒頭の場面ですね。ここから始まってます。 曲や舞台の設定がスタイリッシュ感があり、そこに不気味な感じも少し混ざってて、近未来っぽさは出てましたね。その設定さえ理解してしまえば、あとは入って行けると思います。「実験」のところなんだけど、後ろに移る映像が痛そう・・・。 目が痛くなってくるよ(笑)あれは実際に映画でもやったようですね。 映画では、主役の方が失明寸前だったとか。今回も観てて、あれはいやだなー、やりたくないと思った(苦笑)ギョロギョロした感じの映像はとても効果的でした。若いというだけでもう、やりたい放題しているというのは昔も今も一緒。 「若気の至り」って言い逃れようとする、その狡猾さを許したくないという気持ちもわかるけど・・・。最後は賛美? (ではないことを望むけどね)とにかく、セリフが音楽に置いていかれてしまう感じがかなりあり、さーっと状況が流れがちなのは非常に残念でした。詰め込んである感の原作と想像しますので、わかった方が面白い。というか、わからないと最後のオチも見えにくいんですよね。私自身が全くこの作品に触れるのが初めてなため、そうでなくて知識があればもう少し違う感想になるのかもしれません。そこは難点としても、総じて舞台としての及第点は差し上げていいと思う。(声量が不足している人も若干いたけど。。。)狂気に生きていても、それが裏返って自分自身に返ってくる恐ろしさ、そして結局は自分の本質からは逃れられないってことかな。こういうことを伝えるには、たぶん映画の方が向いているのかもしれないけど、限られた条件の中で、それを伝えようという努力はわかりました。不気味さとか恐ろしさというものを舞台で伝えることは本当に難しいからね。演出の中に、度肝を抜くような感じのものもあり、これは小さい子にはちょっと見せるのはどうかな? 的なものもある。それはそれでこの話の「狂気」を伝える役割なので、悪くはないですけど。舞台が終わるころには、演出やダンスに呑まれる、というか、この世界に引き込まれてしまうという意味では、この舞台は成功と言ってもよいのではないでしょうか。最後のカーテンコールの時に1人ずつ出てきますけど、複数の役のせいか、最初のコスチュームと違う方はわかりにくかった。視力がいい自分ですらわからないです。これは役者さんたちの顔がしっかりと見える座席の位置取りをしたほうがいいかもしれません。武田さんとか高良くんだと思ってた人が違ってたりしたし。小栗くんは背が高いのですぐわかってよかったけど(笑)
2011.01.07
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前回のUPが、とてつもなく昔になってしまったパン日記(笑)久々書こうかしら。正月にきんとんをした残りの栗甘露煮が、かなり余っているのを発見。このまま置いておいても結局捨てないといけないからね。かわいそうなので、救出してあげることにしました。 笑2次発酵前の写真。DSC04339 posted by (C)rose_chocolat粉300g、1斤型にしようかと思ったんですが、ちょっとそれだと芸がないので(笑)、今回は2分割をそれぞれミニパウンド型に入れることに。ねじねじしたんでかなりいい感じ~できあがりです。DSC04340 posted by (C)rose_chocolat1つずつアップ。 ブレちゃいました・・・DSC04342 posted by (C)rose_chocolatDSC04346 posted by (C)rose_chocolat断面がこんな感じ。端なので栗が少ない!?でもまん中はかなり栗! って感じでした。DSC04348 posted by (C)rose_chocolat甘露煮の栗なんで、パンの仕上がりが日本酒っぽい香りがするんじゃ? とも思ったんですけど、意外とそれは感じませんでした。余った時の対策にはかなり有効です。
2011.01.04
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最近はまっているもの。L'OCCITANE です。シャンプーを昨年から使い始めて、かなりはまってる~。 やばいと思いつつも。今年の福袋は買えなかったんですけど、その代わりと言っては何ですが、自分自身にお年玉ということで。DSC04337 posted by (C)rose_chocolat旬シアローズの、ボディクリームと、シアバター。この香りにノックアウトされちゃってます^^クリームがなめらかで、ローズなのに嫌な香りがしないんですよ。くどすぎなくていい。携帯もできるようなシアバターもよいわー。附属のバッグも可愛いし。帰り道、電車の中吊り広告で、MORE2月号に、旬シアのポーチが付録でついていたのを発見!早速購入してみました。DSC04338 posted by (C)rose_chocolat旬シアローズシリーズその他を購入するとお店でくれる、エコバッグとおそろい!可愛いです。旬シアローズボディクリームのサンプルも雑誌閉じ込みでありました。お得感あります。 年明けから幸せなのでした~☆
2011.01.04
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鑑賞劇場 : ユーロスペース『海炭市叙景』 公式サイトはこちら。いくつもの文学賞候補(芥川賞5回、三島賞)に推されながらも遂に受賞はならず、1990年に自死した函館市出身の作家・佐藤泰司氏の作品。 「遺作であり、未完の短編小説」ということである。(wikiより)東京国際映画祭でもコンペティションに出てたんですが、チケットが完売ということでやむなく一般公開まで待ちました。待望の鑑賞。予告で谷村美月ちゃんが出てて、今までの彼女のテイストとは全く違う雰囲気に惹かれました。作品は、5つのエピソードからなるオムニバス。最も原作では18ものエピソードですので、ここで取り上げたのはほんの一部です。邦画のオムニバスというのは今まで何本か観ているんですが、洋画と違って、1つ1つのエピソードがやたら大仰なものが多く、印象に残ったものがあまりないのです。果たして本作はどうでしょうか。「海炭市」という架空の都市(モデルは函館市と思われる)を舞台に繰り広げられる人間模様。どんよりとした分厚い雲と、今にも泣き出しそうな灰色の空が迫ってきそうな風景の中に展開される話は、そのビジュアル通り、重たく湿っている。その背景にあるものは、不景気と、それが直撃する地方都市の現状に他ならない。例えばこれが都会であったら、何となく非正規でも仕事があって、それなりに命をつなぐこともできるのかもしれない。 しかしながら、ここにあるのはどうしようもない閉塞感だけ。それまで懸命に自分の居場所を守ってきた人たちでさえも、時勢の波に呑まれてしまえば、そこには何も残るものがない。こんなに非情な現実なのにも関わらず、ここに出てくる人たちはどこか、観念しているように見えてならない。肚をくくっている、というか、くくりきっている、と表現した方が正しい。これらのエピソードの中では、「まだ若い廃墟」の兄妹の暮らしが切なかったです。裸電球という生活は本当に今でもあるんでしょうね。そして「裂けた爪」。加瀬くんはこういう役、うまいです。ただ暴力はよくないかな。 誰に対しても。 自分より弱いものに対しては特に。という綺麗事が通用しないほど、彼らの心が荒んでる訳です。理由はそこから推測するしかないんですけど。実際に今まで基盤としてきたもの、例えば仕事だとか家族だとか住居だとかを失くす時、それがやってきた時はショックを受けてしまうけど、その状態を受け入れざるを得ないとなった時にはもう、人は観念してしまうんだと思いました。そしてそこから、どうやっていったらいいのかを探し始めます。ある者は新天地へ、そしてある者は故郷に帰り、ある者はその場所で動かずに今までどおりの生活を送る。「人はどんな状況に置かれても、生きていかねばならない」などという言葉がそれこそ、空回りしそうな現実。そこから目を背けたくても、もうどこにも行くあてもない。 それが現実なんですね。重苦しくても心が折れそうでも、そこに留まる人々のありのままの表情をあぶり出す良作でした。今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2011.01.02
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遅くなりましたけどあけましておめでとうございます。いかがお過ごしでしょうか。いつもと同じようなお正月を送っております(笑)何となく料理でも。焼豚、昆布巻き、なます→サラダにアレンジしたもの。DSC04334 posted by (C)rose_chocolatなんちゃってお節(笑) 手抜き感にあふれ~♪DSC04318 posted by (C)rose_chocolat何となくお鍋しました。DSC04331 posted by (C)rose_chocolatしゅうまい。DSC04323 posted by (C)rose_chocolatいい加減なお料理で失礼しました~。今年はス○バの福袋を買ったのよ。でも行くのが遅くってねえ・・・DSC04324 posted by (C)rose_chocolatお目当ての、タンブラーが入ったのはもう、売り切れ。 涙そういうのは朝イチじゃないと無理なのね。勉強になりました。たぶん値段以上なので、これでよしとします f^^;今年はたぶん、映画の日記を全部書けそうになくって、(去年の暮れに、溜まりに溜まった映画感想12本分を1日でUPした時はもう、死にそう・・・)なので、印象に残らなかった映画は、月末でまとめて星取表にしようと思いました。 まとめられちゃったらすいません(笑)だって、何だかなあな映画に費やす時間がもったいないし。というか、どっちでもいい感じの映画は極力今年はスルーします。それに時間かけるんだったら、映画祭にエネルギー取っておきたいのです。自分にとって、ツボな感じの映画をなるべく観ていきたいし。ということでまた本年もよろしくお願いいたします。
2011.01.02
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さて部門別が終わりましたので、いよいよ総合ランキングです。部門別Part1 <アジア映画・日本未公開映画>部門別Part2 <邦画編>部門別Part3 <洋画編>※ 全体の「今年の映画ランキング」に関しては、こちらにトラックバックをお願いします。洋画・邦画に分けた方はそれぞれのカテゴリへお願いしますね。総合ランキング、今年は2種類あります。何でかといいますと、一般公開分以外に、映画祭やイベントで鑑賞した作品が42本ある(笑)これをランキングに入れようかどうしようかすごい迷って、Twitterでつぶやいたら、「入れてください」の声を複数いただき・・・。 うーーー。ということで苦肉の策。2種類ランキング作りました。今年の劇場鑑賞 276本・うち「午前十時の映画祭」19本(→来年2月に総括します)・ 映画祭鑑賞かつ日本公開未定作品 42本・ 映画祭&試写鑑賞のうち、2011年公開分 4本(→2011年分でカウント)昨年試写鑑賞のうち、2010年公開分 3本(→2010年分でカウント)ということで、対象本数が2通りになりました。275-19-4-42+3=214本 (日本公開分のみの本数)275-19-4+3=255本 (映画祭鑑賞かつ日本公開未定作品を入れた本数)日本公開未定作品も入れたものもランキングを作ってみました。********************************<日本一般公開映画 2010年総合ランキング>第10位 彼とわたしの漂流日記これは今年の韓国映画の中でもピカイチだったと思うんだけど、評価している方が少なくてね。 なのでここに入れてみました。第9位 ノルウェイの森2回鑑賞しました。原作の雰囲気を損なわずに、トラン・アン・ユン監督がご自身の解釈で制作した作品。その世界観が素晴らしかったです。第8位 瞳の奥の秘密これも抑えた映像が魅力的。少々詰めが甘かったかなあとも感じたんですけど、基本的な話としては好きですのでランクイン。第7位 ナイト&デイ2回鑑賞しました。1回目は諸般の事情により全然楽しめませんでしたけど、2回目でリベンジ成功。大人のためのコメディでした。第6位 ニューヨーク、アイラブユーオムニバスはもともと好き、そして恋愛もの&クールということで、まさにツボ。 よってランクインでした。第5位 インセプションこの世界が、よくわかってないですが、わからないなりに面白い。 わかりやすい映画が好きな自分としてはすごく異例です(笑)第4位 シャネル&ストラヴィンスキー今年初めに鑑賞してますけど、最後まで印象に残りました。まずスタイリッシュですね。 おしゃれ。そして対照的に、ココの気高さとかプライド、仕事に対しての信念もきちんとあり、観ていて筋が通っている。第3位 17歳の肖像キャリー・マリガンがまずいいし、そして映画全体の雰囲気も好きです。第2位 パリ20区、僕たちのクラスこれがフィクションだっていうことがまず信じられないくらいの演出です。 生徒たちもすごい。フランスの複雑な移民事情にも言及しています。第1位 オーケストラ!年明け、1月2日~14日まで、ル・シネマにて1日2回の限定公開。 料金千円です!この感動をもう1度スクリーンで味わいたいですねー。********************************そしてここからは「日本未公開映画」も加えたランキングです。見方によってはこれが本当の? myランクかも。 笑<2010年総合ランキング(日本未公開映画含む)>第10位 ニューヨーク、アイラブユー第9位 インセプション第8位 ブライトン・ロック 東京国際映画祭にて。第7位 ウィンターズ・ボーン 東京国際映画祭にて。第6位 国境の南 ラテンビートにて。第5位 17歳の肖像第4位 フラメンコ×フラメンコ ラテンビートにて。第3位 パリ20区、僕たちのクラス第2位 オーケストラ! フランス映画祭にて。第1位 サラの鍵 東京国際映画祭にて。今も予告編観るだけで涙が出てきます。とにかく今年はこの作品に尽きました。。。絶対絶対、日本でもう1回観たい。 というか観れると信じています。********************************今年も皆さまには大変お世話になりました。コメント、トラックバック、たくさんありがとうございます。なかなか早くお返事ができませずすみません。またオフや試写会でお目にかかった方々にもいろいろお世話になりました。楽しかったですね!また飲みましょう(笑)来年はこんなに鑑賞できない(はず)と思います(笑)なのでこういう企画は今年だけかもー。またたくさん映画観て、いっぱい語りましょう!よいお年を。。。
2010.12.30
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Part1 アジア映画&未公開映画、Part2 日本映画と来ましていよいよ欧米映画編。これは、ヨーロッパ映画およびアメリカ映画(中南米を含む)で10作品選びました。※ この記事へのトラックバックは、「洋画」に関したものでお願いします。第10位 (500)日のサマー★3.5ですが入れてみました。 これ結構異例のこと(笑)サマー減点分なんだけど(爆)、これ面白かった。男女の本音が出てるのがいいですよね。第9位 ラブリーボーン「現世と来世の境界」や、「輪廻」を取り入れているところが斬新でした。第8位 瞳の奥の秘密丁寧な作りと、沁み入るストーリー、ロングランで今年話題にもなりました。第7位 ナイト&デイ1回目は集中できなくてダメだったんだけど、2回目鑑賞でリベンジ。 上質のラブコメかなあ。このくらい割り切って希薄化して、テーマに載せてしまうことで、鑑賞後スッキリとしてきました。第6位 ニューヨーク、アイラブユー第5位 インセプション第4位 シャネル&ストラヴィンスキー第3位 17歳の肖像第2位 パリ20区、僕たちのクラス第1位 オーケストラ!これは揺るぎませんでした。「どうしようもない現実を生きるための、なりすまし」って素敵じゃないですか。 私は大好きです。総合ランキングに続きます。
2010.12.30
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