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2016年08月11日
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カテゴリ: 坂田 博昭
 水曜日の担当は、坂田博昭です。
(本稿の取材日は、4月19日です)
 前回は、北海道の日本海側にある留萌地方を訪れました。
留萌地図.jpg
  今回は留萌の街に競馬がかつてあった痕跡を訪ねます。
160810-0.jpg
 JR留萌駅。
 札幌から旭川に向かう途中、旭川の少し手前の深川から留萌本線が日本海側に枝分かれして、海に突き当たったところが留萌。
 海に突き当たったあと、海沿いにほんの少し南に下った増毛まで鉄道は続いています。
150810-1.jpg
 留萌本線の本数は、こんな感じ。おおよそ2時間に1便。
 丁度私がこの地域を訪れた4月に、留萌-増毛間の事実上の廃止が決まり、深川-留萌間も典型的な赤字ローカル線。常に存廃が取りざたされる路線でもあります。



 駅前の交差点。微かに商業地域が残ります。



 「自由市場」と書かれた建物が、年季を感じさせますね。





 すっとこの地域の生活を支えて、いまなおこのようにある場所。
 この地域の持つささやかな、しかしとてもしっかりとしたエネルギーに出会うことが出来ました。

 ただし、駅前からかつて続いていたであろう商業エリアは、駅の前のほんの僅かで終了。



 ホッカイドウ競馬の場外発売所「Aiba留萌」は、2004年9月にオープン。しかし、経営不振から2008年12月にわずか4年で閉鎖されてしまいました。

 この駅前から少し歩いたところに、かつてホッカイドウ競馬の発売所「Aiba留萌」だった場所があるはずなのですが…



 出来た当時は商業施設「長崎屋」の元あった建物の2階、というふうに報じられていたので、商業地域のなかにあると思ったのですが…住所を辿っても、なかなか見つかりません。



 全然見つからない!
 日が暮れてきた~



 あ、ここ…らしいです。
 Aiba留萌があった場所



 旧商業施設は完全に撤去され、区画整理されて住宅地になっていました。
 この近辺が長崎屋とかがあった商業地域だったなんて…いまとなっては信じられません。

 場外発売所の痕跡にすら出会うことが出来なかったのは、かなりショックでした。
 もう競馬の痕跡がこの場所にはない、ということですから。



 留萌市役所。市中心部にあるかと思いきや…



 全然あさっての方向にあるんです…。
 恐らく、留萌港の存在を意識した立地なんでしょうが…駅から広がっていたはずの市中心部からかなり外れたところにあります。



 周辺は、ほぼ住宅地



 付近には、年季の入った建物も目立つのですが…



 閉鎖されたタクシー営業所。
 やはり寂しさの方が先に立つかな…。

 先ほどAibaの跡地を探った地域が、駅の前に広がるエリア。
 地図の左側が市役所なんかがあるエリア。

 そして、市を東西に貫くよう国道付近の様子を見ると…



 北海道留萌合同庁舎
 この施設の近隣がこの街の第三の中心をかたちづくろうとしています。



 深川方面へ向かう国道沿いに合同庁舎があって、その周辺に商業施設が移ってきているさまが見て取れます。



 地域の事情に詳しい方に話を聞きました。

 Aiba留萌が出来たあたりの時期は、旧来の商業地域を守ろうとする商工会と、道路沿いに発展のみちを探ろうとする商業者その他との綱引きがあり、街の方向性まとまりがなかったという証言が聞かれました。
 それでなくても、市役所はいずれの中心からも離れていて、私のようなよそ者から見たら、市の発展を司る役場が何だか蚊帳の外にいるような印象が否めませんでした。

 Aiba留萌は結局、旧来の商業地域(それも「元」商業施設にあとから入った)に出来たものの、時の流れに逆らうことは出来なかったということなんでしょう。

 例えばですよ、道の合同庁舎の隣イコール国道沿いに場外発売所が出来ていたら、4年という短い時間でなくなるほど苦しい経営を強いられていたかどうか…


 この町からは、競馬がなくなってしまいました。
 場所がなくなれば、競馬という物事そのものの存在感は、なくなっていきます。
 確かに、ネットやテレビで個人的に見ることは出来るのかも知れません。
 しかし、そうした楽しみ方はあくまでも個人のなかでのこと。
 競馬というものの存在が表に現れて、その町の「ありよう」に影響を及ぼすことはないということです。

 いつも申し上げることですが、競馬は娯楽であって、本来「なくてもいいもの」。
 本来「なくてもいいもの」が存在のよりどころを失えば、人々の心からも消え、そして新たな人々の心のなかに根付いていくこともありません。「なくてもいいもの」がないだけの話ですから。

 競馬というものが続いていくために必要なことが、この町では失われました。


 ところで、留萌市の人口は、ホッカイドウ競馬の場外発売所がある街のなかでは中標津町とほぼ同じで2万2~3千。しかし、感じたエネルギー感は二つの町で全く違いましたし、勿論街自体の作りも雰囲気も全然違いました。

 この留萌の町が、これからどこに行くのか…。
 何か「方向性」が必要なんでしょうね、きっと。





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最終更新日  2016年08月11日 10時13分24秒
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