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2018年03月15日
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カテゴリ: 横川典視
木曜担当のよこてんです。

 先週の「2017 IWATE KEIBA AWARD」のあと一週間ほどオーストラリアに行ってきました。まだ雪が深く残る岩手から“秋”に入ったくせにめちゃ暑いオーストラリアへ。まあ暑いのはねえ、今年の大雪にいい加減辟易していたので良かったんですけど、日焼けが凄い事になって・・・。


■オーストラリアンカップ&ニューマーケットハンデ

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 オーストラリア競馬は今が秋のカーニバルの真っ盛り。2月から3月上旬にかけてはメルボルンで、3月中旬から4月にかけてはシドニーにおいて、毎週のようにG1レースが行われています。
 今回向かったメルボルン・フレミントン競馬場での 『オーストラリアンカップ』『ニューマーケットハンデ』 はメルボルンのカーニバルのクライマックスとも言えるレースであり、また秋のカーニバルで最初の2000m、中距離のG1になるオーストラリアンCは次の春の中長距離G1を見通す一戦という位置づけになります。
 日本馬関係ではオーストラリアンCに アンビシャス が、ニューマーケットHには ブレイブスマッシュ が出走していました。

 残念ながらレースの写真を掲載できないので文字のみでお話しなくてはならないのですが、まず1200mのG1・ニューマーケットHでは昨年のこのレースの覇者である Redkirk Warrior

 Redkirk Warriorは前走のライトニングSに続き短距離G1を2連勝。そして昨年に続いてこのレースを連覇。スプリンターとして、また直線競馬のスペシャリストとしての評価を大きく上げる事に。昨年勝った時には52.5kgの軽ハンデだったのに対し今回は57.5kgのトップハンデでの優勝。その点も評価が高いようです。

 ブレイブスマッシュは1200mよりは1400mの方がいいのではないかという戦前の評価があり、それが単勝5番人気に留まった理由かと思います。一方で2番枠は好枠になるだろうとも言われており、実際にも内枠をしっかり活かした戦いを演じました(同様の意味で15頭立て15番枠の大外ではあるものの“外ラチ側から見て最内枠”になるRedkirk Warriorも絶好枠と見られていた)。
 ブレイブスマッシュはこれでこの秋、G1を3戦して1着・2着・3着と好結果の連続。現地での評価もより高まっているわけですけれども、ただG1を勝った前走にしろ昨年の現地初勝利にしろ恵まれた部分があったように思えます。脚質にマッチした鞍上を得たのも大きい。真価が問われるのはここから先ではないかなと。

 2000mのG1・オーストラリアンカップは単勝61倍、12頭立て11番人気だった Harlem が優勝。2着は1番人気馬だったものの3着にも人気薄が入り、3連単3990倍という大波乱の結末に。
 レースはその2着Gailo Chopが最も得意な距離で最も得意な展開に持ち込んで差しタイプが多いライバル達の動きを封じ込めたのですが、その流れに上手く乗ったHarlemが、終いちょっと甘くなりがちなGailo Chopの弱点を突いたという形。後でリプレイを見ても良い位置で実に上手く流れに乗っていたんだなと、改めて感心するレースでした。
 このレースの上位馬はこの後恐らくシドニーのカーニバル、2400mのBMW、3200mのシドニーCへと転戦すると思われます。日本からの遠征馬・輸出馬の前に立ちふさがるのはこの馬達・・・という事になるのではないでしょうか。

 アンビシャスはこのレースがオーストラリア初戦となりました。「日本のチャンピオンホースであるキタサンブラックにも勝っている馬」という評判で注目されていましたが、単勝人気がそれほど伸びなかった事で分かる通り、初戦様子見という見られ方でもありました。
 自分が見た感じではまだちょっと馬の仕上がりが・・・という印象でしたね。やっぱり秋のカーニバルもある程度進んで周りもここまで何戦か経てきている馬たちでしたから、休み明け初戦になる分の不利はあっただろうと思います。次戦以降どう変わっていくか?に注目すべきでしょう。

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★昨年はまだ骨組みだった新スタンドもだいぶできあがってきました


■バララト競馬場、日本人調教師の島さんと坂路コースと

 バララト競馬場はメルボルンから西へ車で2時間弱。一昨年に一度来た事がありましたがその時は雨で大変だった記憶しかない。今回は青空が拡がる中での競馬を見る事ができました。

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 ここでは現地で開業した日本人トレーナー・島調教師の厩舎におじゃまする事に。

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★島調教師

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★競馬場のすぐそばにある“島厩舎”。レンガ造りなのがいかにも外国という感じ



 おじゃました時にちょうど装蹄師さんが来て蹄鉄を打っていましたので横で見学。

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★現地の装蹄師・ピエールさん。フランス出身だそうです

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★削蹄や装蹄の流れはだいたい日本と同じ

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★金床とハンマーは共通アイテムですね

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★外した蹄鉄。割と重い

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★いろいろと相談しあう島調教師とピエール装蹄師

 最近は“雑菌などの影響を受けにくい”という触れ込みで銅でコーティングした蹄鉄や釘が出てきているとか。釘は蹄の内部に直接触れるわけだからまだしも、蹄鉄のコーティングにどれくらい効果があるのだろうか?と思わないでもない。

 そしてこちらはバララト競馬場にある坂路調教コース。全長1400mという事なのですが、1000mから急激に登る形なのが目を惹きます。

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★800mくらいから終点方向を見る。脇に立っている黒い柱はタイム計測用のセンサー

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★同じ所からスタート方向。400mくらいから緩く登りになっている

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★コース素材はシンセティック

 自分は坂路というと「屋根付き・覆い付き」のイメージ(北の方に住んでいますので・・・)。なのでこんな斜面にあって開放感がある坂路が非常に新鮮でした。しかし終盤の登り方がけっこう急な感じですな。
 これも島調教師いわく、シンセティックは走りやすく時計が出やすいため、負荷をかけようとすると坂路なのにある程度以上の時計を出さないといけない。そこがちょっと使い方に工夫がいるところというお話。


 坂路があまり普及していないという印象があるオーストラリアですが、プールやトレッドミルはあちこちで見かける。要はレースへの調整の仕方、そこからの調教の組み立て方が違うという事なのかなと思います。

 これは別な方から聞いた話ですが、オーストラリアの競馬界の人は「日本の馬はもの凄くタフだ」と思っているんだそうです。
 オーストラリアではレースを使いながら仕上げていくスタイルが今でも主流で、レース前に強い追い切りをする事も少ない。だから、レースの度に併せ馬や坂路でビシビシ追って実戦でも多頭数の激しい競馬をして、すぐまた次のレースのために強い調教をする日本の馬は「めちゃくちゃタフじゃないか」というわけです。それゆえ日本出身馬にオーストラリアの馬以上の強い調教を課してしまいがち・・・だとも。

 逆に日本の方からすると中一週や二週で5、6戦連続で使う(障害レースの馬なんか中1日!とかも珍しくなかったり)オーストラリアの馬の方がよっぽどタフじゃないか?と思って見ていますよね。めちゃ使ってるじゃないの、と。

 その辺の認識の違いが本当に面白い。日本の現役馬がオーストラリアに輸出される例は今後増えていくと思いますが、そういう認識の違いがあるという事を頭に置いてみていると、結果の善し悪しが馬のレベル云々の話だけでは無いという事も見えてくるのかなと感じました。





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最終更新日  2018年03月16日 18時31分18秒


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