楽天競馬
地方競馬の楽天競馬|日替わりライターブログ  楽天競馬ブログ 12928686 ランダム
ホーム | 日記 | プロフィール

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

楽天競馬ライター

楽天競馬ライター

2023年09月27日
XML
カテゴリ: 坂田 博昭
水曜日の担当は、坂田博昭です。

 今週は、 名古屋競馬場 からの話題をお送りします。
(取材日:9月21日・22日)



 ヤングジョッキーズシリーズ
 トライアルラウンド名古屋

 開会式の様子です。
 こういう大会があると、いつもは行き会わない騎手に会えるのがいいですね。

 私としては久しぶりに、この人に会うことが出来ました。



濱尚美騎手
 デビュー5年目ですね

 今年は、園田に短期移籍で滞在して仕事をしました。
 得たものも、様々にあったようです。



「園田の競馬では『駆け引きがある』と感じました。」

 園田でしばらく乗った感想を聞いたところ、こんな風に表現して話してくれました。

「競って位置を取りに行っているようで、1~2コーナーでスローになったりしますし、勝負所からの乗り方も、高知のように内が開いたりはしませんから。道中の駆け引きが大切な競馬場だなと感じました。」

 高知でも、おそらくその駆け引きはどこかでは行われているのだと思います。でも、こんな風に話す彼女の感覚では、園田に身を置いてレースをしてみると、これまでレースの中で感じたものとは違うものが感じられたと、そういうことなのでしょう。



 この日は、トライアル戦2鞍に騎乗
 まず1つめは、9番人気で2着。見事に馬を動かしました。

 もうひとつ、園田で得たもの。
 それは、前の馬との 「間合い」

「3年前に落馬事故で大腿骨を骨折してから、どうしても怖さがあって前の馬との距離を詰め切れない感じがあったんです。」



「アドバイスをもらって、少しずつ色々試していって、大分感覚が掴めたように感じます。」

 いまはもう、その点に関してかなり修正が出来たとのこと。


 2戦目は、2番人気の馬で逃げて3着。
 この表情。内容には少し悔いが残っていたみたい。

 結果的に彼女は、5月から7月までの3ヶ月間を園田で過ごしました。
 園田に行く前の今年4ヶ月で、わずか2勝だった彼女が……

 高知に戻って8月9月の1ヶ月半で、6勝。

 この成績。少し、流れが変わってきたのかも知れません。 
 きっと、技術的な何かを掴んで持ち帰ることは出来たのでしょう。



 この日のレースを終えて、取材に応じる。
 トライアルの全ての予定を終え、ファイナルラウンドへの出場を決めました。


​ いま生まれた「変化のめばえ」のようなものを、明確な形にして、ハッキリとした流れに出来るかどうか。ここから先は、彼女次第、なのでしょう。

 彼女のプレー振りに、何かが起きてる。
 そんな感じが、この日の名古屋での姿からも、見て取れた感じがしました。


 さて、その翌日。9月22日金曜日



 高知から帰ってきた、この人と会うことが出来ました。



村上弘樹騎手  1995年生まれ28歳
 6~8月の3ヶ月間、短期移籍で高知に滞在して仕事をして、22勝を挙げました。
 勝率13.3% 2連対率27.3%
 しかるべくチャンスをものにして、結果を出してきたことがわかります。

「自分としては、十分な成績を挙げられたと思います。」

 高知での成果について、彼はこんな風に話しました。



 短期移籍に出かける前、彼は​ こんな風に話していました。

 要するに、100勝以上勝っていた時の自分は、いったいなんだったのかと。
 それを、いつもと違う環境の中で、確かめてみたい、と。



「あの、流れが良かった頃の自分が幻じゃなかったという(笑)、手応えを感じることが出来ました。今の自分でも、仕事の流れさえ掴めば、もっとやれるんだっていう、そんな手応えですね。」

 細かく言えばあるのだろう。レースの内容、騎乗の方法とか技術、周囲との関係性……そうしたものをひっくるめて、彼は私に話すときには「流れ」と表現します。恐らく、活躍していた当時と同じような感覚とか、感触とか、そんなものに高知でまた触れることが出来たのでしょう。

 高知で、気づいたことがあったようです。

「減量が、楽でした。」



「高知は、明らかに牝馬の在籍頭数が少ないです。3ヶ月の間、自然体で騎乗依頼を受けていましたが、牝馬は数えるほどしか乗っていません。水曜日、その週の週末に乗るべき馬が決まったときに、牝馬の騎乗がないとわかると、減量が、というより気持ち的に本当に楽でした。」

​こんなにも、違うものなのかと。​

 そんな風に彼は感じたそうです。

 逆に騎乗予定の馬の中に牝馬がいて、54kgで乗らねばならないとわかると、そこから週末までやはり緊張感から開放されないのだと。

 それもまた、高知である種の手応えを感じながら仕事が出来た、ひとつの、しかし間違いなくとても大きな要因なのでしょう。

 先週、話を紹介した北海道の石川倭然り、そしてまた名古屋の村上弘樹然り。
 この、騎手というアスリートのプレーというのは、何なのか。
 深く考えさせられました。
​​​​​ 


 現役最高齢競走馬 の、 ヒカルアヤノヒメ (牝19歳)
 予定されていた19日の金沢・敬馬賞を回避しました。



 この写真は昨年8月
 ヒカルアヤノヒメが「1日警察馬」を務めたときのもの

 管理する 井上哲調教師 (写真一番右)に、お話を聞きました。
 レース前週の木曜日。出馬投票の前日に、球節を気にする感じだったので、大事を取って出走を取りやめたとのことでした。

 少し休ませて、また改めて復帰を目指すとのこと。



 この写真は、昨年6月のもの 激闘するヒカルアヤノヒメ

 ヒカルアヤノヒメに、サラブレッドの本分である「競走馬」として馬生を全うさせるべく、オーナー、調教師とそのスタッフ、主戦騎手の尾崎章生騎手だけでなく、いまヒカルアヤノヒメの調教を担当している騎手候補生の望月さんまで加わり、皆で全力で頑張っています。

 レースには出ていませんが、レースに出るまでのそのプロセスがまさに「スポーツ」。まさに「競馬」。実戦復帰までにはまた時間を要しますが、その時がやって来るのを信じて、引き続き声援ください。



 この日のメインレースは、 3歳の重賞・秋の鞍
 11月に園田で行われる楠賞の指定競走となっており、例年同様南関東や兵庫から、なかなかのつわものが遠征してきました。



 名古屋からも、3歳重賞戦線で成果を上げてきた馬たちが揃って出てきました。

 1500m戦  最初のゴール板前までの先行争いは……



 戦前から、展開面がどうなるのかと、話題になっていました。
 先団の3頭、競ってしまいました……
 逃げ先行で結果を出してきている馬たちだから。これは仕方ない。

 いつものように、速度を生かしたい ボヌールバローズ (3頭の一番内)
 これに序盤から食らいついていった スマイルジョナス (真ん中)
 これに、スタートで外にヨレて後れを取った ポリゴンウェイヴ (外)が加わる

 最初の900mが54秒4
 ハロン12秒そこそこという、超のつくハイペース

 さすがに勝負所から後続が追いついてきて、直線では大混戦になりました。



 惜しかったのが、名古屋の リストン
 追いついてきた勢いで、そのまま内目の馬の間を突いて出ようとしたところ、前が塞がりました。
 タイミング良く抜けていたら、勝ち負けだったな……

 写真一番外の ナイトオブバンド が一気に追い上げて、前に並びました。



ナイトオブバンド が、クビだけ前に出て、優勝!
ボヌールバローズ のこの2着は、途轍もない強さと言っていいでしょう。



 レースの後の帰り際
 ボヌールバローズの 吉原寛人騎手 は、とても残念そうでした。

「絡まれたからね……」

 そうだよね……なんか、取材するこちらが、言葉がなかったな。

「ついていなかったですね。それでも、ここまで頑張っているのだから、強い馬です。外枠ならば、勝っていたと思います。」

勝っていたと思う

 何のためらいもなく、彼はそう話しました。
 それだけの力量を、この日のボヌールバローズから感じたのでしょう。


 船橋・ナイトオブバンドに乗っていたのは、名古屋の 岡部誠騎手
 勝利騎手インタビューの模様は、​ 名古屋競馬オフィシャルYoutube映像 ​でご覧下さい。



 管理する 米谷康秀調教師 の話

「展開の助けがないとワンパンチ足りない馬なのですが、今日は展開が向いてくれました。クラシック戦線は一応使って、それで距離が長いという結論に至って、ここからは適距離を使っていこうということだったのですが、何しろ右回りで結果が出ていない馬でしたから(苦笑)。右回りでずっと調教を積んできて、今日は右回りで勝てました。」

 盛岡の芝で、良い切れ味を発揮している印象があったこの馬なのですが、やはり「回り」には課題のある馬だったんですね。

「馬体は、良くなっているんですよ。幅が出て、力強さも出てきました。でも、まだ今日勝っても、右回りが大丈夫かどうかは……楠賞も、園田の1400mっていうのがどうなんだろうと。今日(指定競走を)勝ちましたから、楠賞も『視野に入れて』という感じです。」

 ここを使った後、南関東で古馬混合で格付けされてレース使って、12月の船橋の準重賞を当面の目標にしていたそうなんですが……勝ちましたからね、今回。さて、どんな道を歩んでいくことになるのか、目が離せなくなってきました。



 来週は、門別の話かな。
 行けたら、佐賀の話も。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年09月27日 14時29分03秒
[坂田 博昭] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: