2008年01月22日
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カテゴリ: 教育
 エジプト考古学者にして、テレビ等でも御馴染である吉村作治氏を看板とする、サイバー大学が大問題に直面している。
 サイバー大学は、全ての講義をインターネットを通じたウェブ上で受講する、これまでに無い全く新しい形態の大学です。
 設置されているのはIT総合学部と世界遺産学部の2学部です。

 ウェブ上での受講と言う形態の狙いは「教育における地域間格差の解消」であり、全国(或いは全世界?)どこにいても、インターネット接続環境さえあれば、誰でも受講可能であり、物理的制約から解き放たれることになります。
 類似の発想としては放送大学があります。
 故にこうした試み自体は決して問題があるとは言えず、確かにどんな地域に住んでいても、その故郷の自宅に居ながらにして大学教育が受けられるのですから、その狙い自体は悪くないと感じます。

 ところが今回文部科学省から指摘されたのは「ウェブで受講している人間が本当に受講生(在学生)であるのかについて、確認をしていなかったという点です。
 言うまでもなく学びとは一身専属のものであり、その学びを前提として授与される学位も又しかり。
 本当にその人が受講していたのかについての確認が取れなければ、この前提が崩れてしまいます。

 実際にキャンパスへと通学する普通の大学でも、特に文系学部の大教室で行われる授業などではこのありさまなのです。
 ウェブの場合、アクセス履歴は把握できても、それが本当に本人なのかを確認するのは困難です。
 更に言えば・・・例えばパソコンを立ち上げ、大学にアクセスして受講を開始したのち、そのパソコンの前で居眠りをしていようが、携帯でしゃべっていようが、はたまたテレビを見ていようが、それは全く把握できないのです。

 大学教育における地域間格差をなくしたい!
 これが大学設置者の熱き思いであり、理想なのでありましょう。
 一方本当に学習の実が上がっているのか?少なくとも受講者の同一性を担保できるのか?と懐疑的に詮索するのが文部科学省の現実なのです。

 肝心な受講生たちはどうでしょうか?
 もし設置者達の理想に共鳴し、つまり向学心に燃え、漸くその実現の場を得たと考えている受講生ならば、恐らくどの普通の大学の学生よりも熱心な学び手であるのではないでしょうか。
 でも、もし受講生の目的が「学位」や「大卒」と言う結果的肩書きに集中しているのならば、多分「いかにして怠けるか」を考えるでありましょう。

 自らの理想に燃えて取り組んでいる設置者達は「性善説」で受講生を見守り、管理監督官庁の文部科学省は「性悪説」で猜疑の眼を向けてくる・・・
 つまりは学び手自身の問題に帰結するのですが・・・


 エジプトで輝かしい世界的成果を挙げている吉村氏に、理想をしっかりと果たしうる、現実的な運営手腕の獲得と実行を期待したいと思います。
 因みに・・・世界遺産学部って、私もなんだか興味を惹かれるのですが・・・





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最終更新日  2008年01月22日 20時37分39秒
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