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2007.05.02

◆　第十四話　◆　スピントロニクスクローン細胞

(12)

カテゴリ：１億Σ世紀　（銀河編）

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Ｇｉｎｇａ　ｏｐｅｒａ　

◆　第十四話　◆　スピントロニクスクローン細胞

改めて最新の技術立国への先陣を切らんとしていた。最近、先進科学大学では人工増殖細胞組織へのスピントロニクス現象を解明しつつある。
微弱な人体でも持ちうる磁気を利用して、本来の生物的な機能のみならず電気的な信号伝送や記憶現象を導入する試みである。
　高度な演算補助機能は既に埋め込み型の量子演算器を脳に埋め込むことはごく一般的な加工製品化されている。２５世紀の生命デジタルＮＥＴ技術はそれぞれの人体にも大容量の蓄積機能を付加して、生命体本来の素直な機能以上にＮＥＴ社会に生存する人類系として最高度のデジタルＮＥＴ技術が利用できるサービス競争が繰り広げられているのである。
ｎａｎｏ原子レベルでの加工製造技術力を駆使できる分野として、また最新のデジタルＮＥＴ情報企業の世界銀河販売戦略としても復権を掛けた一大テーマ化してきている。
ユピタルク帝国での低賃金生産力も、他国の知的財産の強奪でのみ成り立ってきたこともあり、低賃金のクローン労働者や人類系低階層労働者の水準の生産能力では不可能な技術、の立上が急がれている。

＜惑星映像「冥王星」からワンショット＞

一方、反量子銀河のコバルトフィールド辺縁系ではまだ見えぬＧｉｎｇａの強敵が侵入を開始していた。武装兵器自体の技術は旧式のロボテイクス技術を進化させるレベルであったが、
極めて大量の武装ロボット部隊を「透明シールド」を使って、次空間移動させる技術では５次元Ｇｉｎｇａ宇宙空間では最高度に進化した文明を有していた。この技術と圧倒的な人口の
爆発をロボット大量生産力に結びつけて、全５次元Ｇｉｎｇａ宇宙全体の支配を目論んできていた。

宇宙衛星ＤＮＡ－防衛ＮＥＴを構築していた冥王星トンボーでは、時空の捻じれにある侵入者の存在があった。第一次デジタル惑星系第１１星団メルカトレイ共和国の衛星都市が
建設された最新人工移住都市が軒を連ねた居る。戦闘ロボットの侵入は最初は、人類系の人工皮膚（ＤＮＡ組成細胞で合成されている）を被って潜伏を開始した。
皮膚の下には超合金の頑強な機械骨格をそなえており、通常の戦闘兵器では破壊は不可能であった。そして電子頭脳は最高度に開発されたリコンフィギュラブル強誘電体ＤＮＡ－ＣＰＵチップを搭載しており、演算コアを動的に再構成できる機能を１００万個の素子単位で変貌自在に、戦闘シーンに合わせて再構成して人類系の数千倍の戦闘パターンを繰り出せる。

＜ＳＦ映画「ターミネーター」から芸術的場面紹介＞

さらに、人類系のＤＮＡ－ＮＥＴ（人工テレパシー伝送ＮＥＴ）にも擬似人類系エミュレーションＳＯＦＴ演算を使って、浸入できる。擬似感情を演出できる機能すら身に付けている。
頭脳は人類系のＤＮＡで、体はサイボーグ骨格を利用するミュータント人類系よりも、頑強性能では勝っている。但し、理想や情熱や思想などは当然発生しない。あくまでも、機械
である以外の何者でもなく。「破壊と侵略」を高度にプログラムしているに過ぎない。

この全く新たな侵入者の事態を人類系は予見してはいなかったが、全Ｇｉｎｇａでの生存機能の向上に、スピントロニクス現象も重要な技術であることを悟っていた。

＜ＳＦ映画「ブレードランナー」から芸術的場面紹介＞

＜世界遺産「モン・サン・ミッシェル　と　その湾」from　WISDOM＞