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ドコルル

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May 31, 2009
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カテゴリ: TV番組
今回は養老孟司さんの最近の番組から。

私は養老さん、好きですね。TVに出ておられるといつも見入ってしまいます。


プロフィールはご存知のとおり、著作『バカの壁』以降、売れっ子作家として多方面で活躍される方です。東大で解剖学の教授を退官された後、著作活動のかたわら、お好きな虫取りを。必要あればメディアにも出る。そして今は誰も言わなくなったごく普通の事を普通に語ってくれる養老さん。いい老後の一つの姿だと思います。


ご退官前はオウム事件のただ中の頃で、優秀な人材を狙って誘致活動をしていたオウムに、養老さんの教え子も巻き込まれ、説得に当たられた事もあったそうです。優秀な学生が、簡単にテロ組織にひっかかるのは何故か。当時、養老さんの前に立ちはだかる壁だったと氏は言います。

壁を現場で解決する為に自分に出来る事とは何か。起因すると思われる"思考の単純化"=(養老さん著書全般でよく言われてます)

『ああなればこうなる』という現代人の脳の動かし方=理論先行の動きについて養老さんは否定的です。複雑な世の中、個人の脳内の出来事だけで、成り立ってるもんじゃないって事を教えるのは誰の仕事か。オウムに限らず、同じ類のテロ組織はこれからも出てくる…。歯止めをかける立場は自分にあると思われた養老さん、いわば若者のオウム止めの一冊が『バカの壁』という訳です。


東大に行って、養老さんの授業を受けられた人は幸せだと思います。一方、一般人は著作かメディアか。著名人を知る方法です。実像を見聞き出来るメディアは、養老さんの普段の言葉の中にキラリと光るものを切り取って見せてくれる文明の利器です。





先日の番組では、養老さんがフィリピンの農村に滞在し、古来、里山と人間がどのように共生して来たのかを探ります。また、フィリピンの里山と日本の里山ではどう違うのかを地元の子供達と歩きながら会話形式で語ってくれるという番組でした。




ほどほどの共生は良いでしょう。ですが、人の言う事を聞いてくれない自然に、必要以上の手入れをした結果、生じた弊害は環境破壊です。環境破壊の原因は人間の脳にあるのですと養老さんは言われます。


最近の代表例では米テネシー州を襲った巨大台風による大規模冠水。
元々自然条件の悪いところに大規模な住宅街を造成する。低海抜の土地条件で、排水施設が追い付いていないのでしょうか、当時、冠水にあえいでいた多くの人々は、白人系ではなかった事が記憶の映像に残ります。

もう一つの例は、アフリカなどの焼き畑による地表熱や自然火災により、地表の火が消えても地中の燃えやすい地層に火がくすぶり続けている事で、排出される二酸化炭素量は、都市圏が何年間か掛かって出す分を数倍早い周期で排出している現実があります。(数値を忘れたのですみません)


虫や蛇、カエルの出るフィリピンの畑で(行き過ぎた管理型でない農耕)養老さんは言われます。昔ながらの農耕は計画通りの生産性は上げられないかも知れないけれど、それなりにやっている。今のフィリピンの里山と人の係わり方はおそらく日本の江戸時代の農耕と同じですと。

例えば、新潟の棚田を例に取って。日本の良いところは、すでにある自然を使い過ぎないで、山は山。畑は畑。昔から適度なバランスでやって来た。確かに新潟の棚田は景観面も美しいと思います。数年前の地震で多く破壊された棚田でしたが、地元の人の言葉は個人的に忘れられません。

『昔からあるんですよ。こういう事は。大丈夫です』なまじっか自然との係わり方を知らない街のものが歴史を知らないで口をはさんでは失礼だと思った覚えがあります。…余談でした。



(番組に話を戻して)
努力・忍耐・辛抱 (若者が嫌がる言葉ベストスリーでしょうか)
日本人の美徳ともされるこの言葉は、農耕民族である我々が、山もあれば海もある、時には牙を剥く自然環境とうまく折り合って暮らして来た結果、普通に育まれた感性なのですよ。と結んでくれました。


氏をドクトル・ヨーロと呼んで、フィリピン滞在中の養老さんの現地通訳としてずっと一緒だった小柄なおじさん(お爺さんかも)の家は、土の上を裸足でたくさんの子供達が集って遊ぶ、昭和の日本を見ている思いがしました。





会話は必要限の短い英語で交わされ、(私でも話される内容が聴き取れた位です)決してリップサービスが多い訳でもない養老さんですが、おじさんは、別れの時涙ぐんでいました。何度も手を振り、その度に振り返っては先に進めない養老さん(笑)

『身体に気をつけて、ヨーロ』

気持ちが通じるとはそういう事でしょうね。見ていてホロッと来そうになりました。






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Last updated  May 31, 2009 04:26:16 PM
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